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今日のおはなし  作者: 溝口智子
金の糸 15
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オオカミちゃんのパンケーキ

オオカミちゃんのパンケーキ

森のなかでオオカミちゃんが一人ぼっちでくらしていました。

ある日、オオカミちゃんのおうちに大きなクマさんがやってきました。


「森のなかでまよっておなかがぺこぺこなんだ。なにか食べさせてくれないかなあ」


オオカミちゃんはクマさんにパンケーキを食べさせてあげようと思いました。

たいせつにそだてたお花をつんで、町にあるいていきました。




しばらくいくとウシさんがひなたぼっこしていました。


「ウシさん、ウシさん、ミルクをわけてくださいな」


ウシさんはオオカミちゃんを見てびっくり。


「こわいわ、こわいわ、オオカミだわ」


ウシさんはプルプルふるえました。

オオカミちゃんはかなしくなりました。けれどまたおねがいすると、ウシさんはミルクをわけてくれました。

オオカミちゃんはお礼にお花をあげると、とぼとぼ歩いていきました。




しばらくいくと、にわとりさんがはたけをたがやしていました。


「にわとりさん、にわとりさん、たまごをわけてくださいな」


にわとりさんはオオカミちゃんを見てびっくり。


「こわいわ、こわいわ、オオカミだわ」


オオカミちゃんはかなしくなりました。けれどまたおねがいすると、にわとりさんはたまごをわけてくれました。

オオカミちゃんはお花をあげると、とぼとぼ歩いていきました。




しばらくいくと、かかしさんが、こむぎをまもっていました。


「かかしさん、かかしさん、こむぎをわけてくださいな」


かかしさんはオオカミちゃんを見てびっくり。


「こわいよ、こわいよ、オオカミだ」


オオカミちゃんはかなしくなりました。けれどまたおねがいすると、かかしさんはこむぎをわけてくれました。

オオカミちゃんはお花をあげると、とぼとぼ歩いていきました。




しばらくいくと、みつばちさんがお花のみつをあつめていました。


「あらあら、すてきなお花のにおい」


みつばちさんはオオカミちゃんのお花の上にとまりました。


「みつばちさんは、わたしがこわくないの?」


オオカミちゃんが聞くと、みつばちさんがいいました。


「このお花がいってるわ。オオカミちゃんにだいじにだいじにそだててもらったって。きれいなお花をそだてるオオカミちゃんのこと、こわいなんて思わない」


オオカミちゃんはうれしくなりました。

オオカミちゃんはみつばちさんにおねがいして、ハチミツをわけてもらいました。

それからお礼にお花をあげて、元気に森にかえりました。




みつばちさんはオオカミちゃんをみおくると、お花をさがしてふわふわとんでいきます。


「あ、いいにおい」


お花のにおいにちかづくと、かかしさんが、お花をだいてしょんぼりしていました。


「かかしさん、どうしたの?」


かかしさんは答えます。


「オオカミちゃんをかなしいきもちにさせちゃった。あやまりたいけど、おうちがわからないんだ」


みつばちさんがいいます。


「オオカミちゃんのおはなのにおいをたどっていけば、みつけられるわ」


かかしさんはみつばちさんについていきました。




みつばちさんがにおいをたよりにとんでいきます。お花のにおいにちかづくと、にわとりさんがしょんぼりしていました。


「わたしもオオカミちゃんにあやまりたいわ」


にわとりさんもみつばちさんについていきます。



みつばちさんがにおいをたよりにとんでいきます。お花のにおいにちかづくと、うしさんがしょんぼりしていました。


「わたしもオオカミちゃんにあやまりたいわ」


ウシさんも、みつばちさんについていきます。




みつばちさんがにおいをたよりに森のおうちにたどりつきました。


ドアをノックすると、オオカミちゃんがでてきました。

みんなのかおを見て、オオカミちゃんはびっくり。

かかしさん、にわとりさん、ウシさんが、みんないっしょにあやまります。


「ごめんね、オオカミちゃん。お花をどうもありがとう」


オオカミちゃんはにっこり。

みんなをおうちのなかに招待しました。


おうちのなかには大きなクマさん。みんなはびっくり。

けれど、みんなそろってにっこりあいさつします。


「クマさん、こんにちは」


クマさんもわらってあいさつします。


「みなさんこんにちは」


それからオオカミちゃんはたくさんパンケーキを焼いて、みんなでパンケーキパーティをしました。

そうしてみんなはともだちになりました。


森のなかで、オオカミちゃんはもう一人ぼっちじゃなくなりました。

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