いそがしたがりの大男
いそがしたがりの大男
いそがしたがりの大男
今日も今日とて大わらわ
塔より高い肩ゆらし
雲より高い頭ふり
用もないのにうーろうろ
そのたび地面はぐーらぐら
町のみんなはふーらふら
いつもゆすられ困り顔
ある日めでたく王様に
玉のようなるお姫様
お生まれなさって町中が
祭りの準備に大わらわ
うかれ陽気にさそわれて
いそがしたがりの大男
いつにもましてドスンバタン
そのたび地面はグラリドン
町のパン屋もお城の兵も
グラリバタンのドスンドン
姫さま祝いの花かむり
ゆすりゆすられふわりぽーん
姫のお顔にばたり落ち
姫さまびゃんびゃと泣きだした
王様それ見てオカンムリ
お城の兵士に馬、騎士、戦車
一切合財くりだした
いそがしたがりの大男
あっという間にかこまれて
弓矢に鉄砲火の車
責められ突かれ追いやられ
とうとう、うわあ、と泣きだした
うわあん うわあん うわうわあん
なみだボロボロ池になり
男はひゅんと背がちぢみ
兵はそれっと追い立てた
うわあん うわあん うわうわあん
なみだボロボロ湖に
男はひゅんと背がちぢみ
馬がヒヒンと追い立てた
うわあん うわあん うわうわあん
なみだボロボロ海になり
男はとうとう小男に
王様の兵と馬達は
舟を漕ぎだし男をさがす
うわあん うわあん うわうわあん
見れば男は手のひらに
乗るほど小さくなっており
ペコペコ頭を下げていた
それ見て騎士は小男を
あわれと思い手に乗せて
王様のもとへ連れてきた
ペコペコあやまる小男を
見るや姫さま泣きやんで
キャッキャと笑い手をたたき
王様フムフムごまんえつ
かくて男はゆるされて
今は姫さまそば近く
いつもちょろちょろうーろうろ
いそがしたがり走りより
姫を笑顔にしているそうな
皆を笑顔にしているそうな




