『接種済:その腕に刻まれた印』 > ワクチン接種証明、それは「選別された者の証」だった。
2031年春。
高校3年の朝比奈セナは、全国で義務化された「特定型ワクチン」を受けた。
接種者には副作用の兆候として、**左腕に数字の痣(アザ)**が浮かぶことがあると言われている。
セナの腕に現れたのは、**「07」**という数字。
だが彼女の周囲で、同じ数字を持つクラスメイトたちが──
一人ずつ“消えて”いく。
誰もそのことを話題にしない。
担任教師も、親でさえも「そんな人は初めからいなかった」と言い張る。
記録からも、顔写真からも、その人物の存在そのものが消えていく。
> 「あれ……高橋くん、って……いたよね? 数日前まで……」
> 「誰のこと? セナ、最近ちょっと寝不足じゃない?」
やがてセナは気づく。
この“ワクチン”が対象としていたのは、ウイルスではない。
それは、この世界の“異物”を選別するための儀式だったのだ──
第一章:07番の痣
2025/07/24 11:44
第二章:記憶を紙に書け
2025/07/24 11:58
(改)
第三章:ホームの下にいる
2025/07/24 12:20
第四章:番号たちの集会
2025/07/24 12:49
第五章:存在を書き換える者
2025/07/24 13:10
第六章:仮定存在(テンポラル・エコー)
2025/07/24 13:30
第七章:存在以前の名
2025/07/24 14:00
第八章:選ばれなかった人間たち
2025/07/24 14:30
第九章:エコーの目覚め
2025/07/24 15:00
最終章:記録されなかった物語
2025/07/24 15:30