第七章:真なる女王、そして“ざまぁ”の終焉
即位から数日後、王都はまるで別世界のように静まり返っていた。
貴族たちは粛清され、腐敗の記録は燃やされずに公開された。民衆は混乱の中に安堵を見つけ、徐々に私を“恐れつつも敬う”ようになった。
「女王陛下、次の改革案をお通しします」
ゼフィルスが冷静に、政務報告を差し出す。
「王子派の貴族の残党、二家が国外逃亡しましたが……既に“狩人”を送りましたわ」
ルシアンが仮面の奥から、妖しい笑みを見せる。
「民兵組織の再構成も進んでおります。“民の剣”として、セイラン殿がまとめています」
すべては計画通り。いや——それ以上の成果だった。
私は、再び窓辺に立つ。
あの日、追放された娘として見た王城。
今は、支配者として見下ろすその光景。
「ふふ……“ざまぁ”、これにて完了ですわね」
私の“復讐”は果たされた。
だが、これは終わりではない。
“支配”と“自由”を手に入れた私は、ここから新たな“物語”を紡ぐ。
毒と氷と狂愛に守られた女王が、秩序を壊し、そして創る。
次は、どの国を征くかしら?
——そうして、アリシア・グランフォードの名は、後に“薔薇の王朝”の始祖として歴史に刻まれることになる。
これは、その始まりの物語。
『断罪? 結構。では、ざまぁの時間ですわね』
——完——