射手の計算を狂わせた必中の弓の禁じ手
こちらは連載小説「人間の習性を知り尽くした魔王が勇者を倒す方法。」、
その第九章を短編小説にまとめたものです。
内容は同じです。
連載小説:人間の習性を知り尽くした魔王が勇者を倒す方法。
第九章 九人目 射手の計算を狂わせた必中の弓の禁じ手 https://ncode.syosetu.com/n4958iq/10
血の色の空、荒れ地にそびえ立つ魔王の城。
勇者が、戦士が、この魔王の城に挑み、そして今は行方知れず。
誰か魔王を打ち倒してくれる者はいないのか。
そんな人々の期待を背負い、今度は一人の射手の男が、
この魔王の城までたどり着いた。
たった一人での戦いの末でのことだった。
射手とは、弓矢や投石機などを使い、
遠距離からの攻撃に長けた前衛、あるいは後衛である。
射程は立ち位置や武器によって異なるが、
いずれにしても魔物に接近することなく攻撃を加えることができる。
もしも遠距離攻撃をしてこない魔物が相手なら、
近付かれる前に勝負がつくこともある。
そうでなくても、接近するまでに有利な状況を作ることができる。
弱点は、接近されすぎると不利になること、
矢などの弾の残弾に限りがあることが挙げられる。
一度使用した弾もできる限り回収して再度使用するのが望ましい。
戦況から物資まで、戦場全体を見渡すことが求められる。それが射手。
その射手の男が、魔王の城へ近付こうとすると、
岩の魔物が、骸骨の魔物たちが、阻止しようと近付いてきた。
「おっと、早速、魔物たちのお出迎えか。それ!」
射手は背負っていた弓を構え、矢を番え、
立て続けに矢を何本も放った。
放たれた矢は風に乗り、近付こうとする魔物たちを正確に射た。
魔物が動けば矢が放たれ、正確に射抜かれていく。
遠距離攻撃の手段を持たない魔物たちは、されるがまま。
それを何度か繰り返していると、やがて魔物たちは無駄だと悟ったらしい。
その射手の行く手を阻もうとする魔物はいなくなった。
射手は矢を番えるのを止めると、悠々と魔王の城の門を潜っていった。
魔王の城の内部は、捻くれた骨のようだった。
壁も床も柱も捻れて歪んで見える。
それだけでも、射手にとっては不利な条件になりうる。
歪んだ地形では標的の動きを読み辛いからだ。
「こりゃ、射手泣かせの城だねぇ。」
その射手は屈んで床に触れ、壁に触れ、歪み具合を念入りに確認していた。
すると、通路の奥から何やら物音が。
見ると暗がりから、骸骨の魔物や鎧の魔物たちが近付いてきていた。
その数は通路を埋め尽くさんばかり。
近付かれてしまえば射手に成すすべはない。
だからその射手は素早く弓を構え、矢を番えた。
ヒュッ、と音がして、手元の矢が消えると、
次の瞬間には骸骨の魔物が頭を射抜かれて倒れていた。
しかし魔物の数はまだまだ多い。
その射手はすぐに次の矢を番えた。一本ではなく三本同時に。
ヒュッ、ヒュッ、ヒュッ。
同時に放たれた三本の矢は、正確に魔物たちを射抜いていった。
先頭の魔物たちが倒れ、それが障害となり魔物たちの足が止まった。
すると射手は、今度は頭上高くに向かって矢を番えた。
弓が大きくしなって、矢が強く速く放たれた。
矢が飛んでいったのは魔王の城の通路、その遥か上。
そこには、捻れた骨を組み合わせたような、大きな照明が吊るされていた。
飛んでいった矢は、その照明を吊るす根本を正確に射抜いた。
何かがひび割れた音がして、大きな照明が傾く。
支えを失った大きな照明は、音もなくゆっくりと落下した。
落下した先には魔物たちの群れが立ち尽くしている。
ガシャーン!
大きな音と煙が通路を吹き抜けていった。
視界が戻ると、そこには、
砕けた大きな照明と魔物たちの残骸が散らばっていた。
その射手はニヤリと微笑んでみせた。
「上手くいったみたいだな。
流石の俺も、あれだけの数の魔物を相手にはできないからな。
射手にとっては矢以外にも弾はあるというわけよ。」
それからその射手は、魔物の残骸を調べて回った。
使用した矢の回収をしているのだった。
戦闘の後の射手にとって、矢の回収は重要なこと。
本来ならば一度使った矢は歪みなどが生じるので、使い捨てが望ましい。
しかし軍隊ならばいざ知らず、旅暮らしの射手には、
矢を使い捨てするような余裕はない。
一度放った矢でも、状態がいいものは回収して再び使う。
熟練した射手ともなれば、状態が悪い矢ですら、
補修するか、あるいはそのまま使ってしまうこともある。
そうでなくても、射手の荷物のほとんどは矢などの弾なのだから。
その射手も、照明の残骸の下敷きになった魔物たちから矢を回収していった。
「おっと、こいつは使えそうだな。こっちも。
この矢は・・・矢に合わせて射ればいいだろう。」
そうしてその射手は、矢を回収しつつ、魔王の城の内部を進んでいった。
魔王の城の内部を進むことしばらく。
その射手の行く手に、三叉の通路が見えてきた。
正面と左右に通路が枝分かれしている。
どの通路も先が捻くれていて見通すことができない。
射手は立ち止まって耳を澄ませた。
魔王の城の内部はシンと静まり返っている。
何の音も聞こえない、しかしよく聞くと聞こえる音があった。
それは衣擦れの音であったり、鎧の音であったり、骸骨の足音であったり。
どの通路の行く先にも魔物の集団が待ち受けているのがわかった。
「どの通路も行く先は魔物たちか。では、俺は真ん中の通路を選ぼう。
真ん中の通路が一番、聞こえてくる音が多い。
ということは、そこが魔物にとって大事だということだからな。」
そうしてその射手は、真ん中の通路を進んでいった。
歩きながら射手は傷んだ矢の修理も怠らなかった。
三叉の通路の真ん中を進むと、予想された通り、
魔物たちの集団が待ち構えていた。
前衛に骸骨の魔物たちと鎧の魔物たち、
後衛にはボロの法衣を纏った魔法使いの魔物たちが控えている。
いずれにせよ避けては通れぬ戦い。
その射手は肝を据えると、弓に矢を番えて引き絞った。
一度に三本の矢が放たれ通路を駆け抜ける。
宙を駆け抜けた矢は、魔物の頭を正確に射抜いていった。
射手の初撃を受けて、魔物たちの集団も動いた。
後衛のボロの法衣を纏った魔物たちが魔法を唱える。
すると、通路内に強風が吹き荒れ始めた。
どうやらその魔物たちが唱えたのは、風の魔法のようだ。
まるで嵐が城の中に入り込んだような猛風。
これでは飛び道具を使うことは難しい。
当然、その射手が使う弓矢も同様。
射手の武器を封じてから、魔物たちは少しずつ距離を縮めてきた。
目の前には骸骨の魔物や鎧の魔物の集団、そして吹き荒れる強風。
もちろん、射手にも弓矢以外の武器の備えはある。
短剣も用意してあるし、矢を手にとって使ってもいいだろう。
しかしそれもせいぜい一対一での戦いまで。
射手は遠距離の攻撃に特化している分、接近戦では他の前衛に劣る。
弓矢があれば複数同時に相手をできる魔物たちでも、
弓矢がなければ、せいぜい一体ずつを相手にするのが精一杯だろう。
複数の魔物に近付かれたら成すすべはない。
だから、その射手は、弓を引き絞った。
大きく、力強く。
ビュン!と放たれた矢は、風に乗り、風を切り、宙を這う。
そして、正確に魔法使いの魔物を射抜いた。
ビュン!ビュン!ビュン!
射手がさらに矢を射る。
強風にも関わらず、矢は正確に魔物たちを射抜いていった。
その度に通路を吹き抜ける風は弱まっていき、
とうとう最後には風はきれいに収まった。
強風の中の連続射撃はもちろん当てずっぽうではない。
強風は弓矢を使う射手にとっては難しい要素。
だが対応不可能な要素ではない。
人は風を直接、目で見ることはできない。
しかし、風が運ぶものが、音が、風を見せてくれる。
その射手ほどの熟練した腕があれば、
強風の中で矢の軌道を読むことも不可能ではない。
今、その射手は実際にそれを証明して見せたのだった。
魔法使いの魔物たちは全員が倒れ、
後には魔法などを持たない骸骨や鎧の魔物たちが残された。
魔法の強風が逆に妨げとなって、まだ距離も十分には詰められていない。
こうなればもう、後は先程の繰り返し。
ただの的となった魔物たちを、その射手はまとめて射抜いていった。
「よし、今ので最後だな。
風っていうのは気まぐれでな、
吹かせた本人にも言うことは聞かせられないんだよ。
俺のような射手は、風を読むだけさ。」
そうして魔物の集団を倒したその射手は、
また使い終わった矢を拾いながら、先へと進んでいくのだった。
三叉の通路の真ん中の先には、大きくて豪華な扉があった。
中にしまってあるものは余程に大事なものなのだろう。
例えば魔王の玉座だとか。
しかし内部よりも前に、その扉の前にはやはり魔物の集団がいた。
数は先程の集団と同じくらいだろうか。
しかし纏っている装備品はより上質で、
魔物たちもいくらか熟練している様子を感じさせる。
法衣を纏った魔法使いの魔物も確認できる。
通路には他に分かれ道などはなく、やはり戦闘は避けられそうもない。
だからその射手は、いつもと同じように、得意の弓矢で先制した。
弓に矢を番えて引き絞り、一度に三本の矢を放ってみせた。
放たれた矢は宙を走り、骸骨の魔物の頭を正確に射抜いた。
初撃の命中にしかしその射手は舌打ちした。
「当たるには当たったが、後衛の魔物には届かなかったか。
っと、そら来た!」
すると侵入者の存在に気がついた魔物の集団たちが臨戦態勢に入る。
後衛に位置していた魔法使いの魔物たちは、魔法を唱え始めた。
今度も強風の魔法で弓矢を封じるつもりだろうか。
その射手のそんな予想は、完全に外れた。
魔法使いの魔物たちが魔法を唱え終わったが、強風は吹かなかった。
強風が吹かないどころか逆に、風は全く吹かなかった。
それが異常なことだと、その射手にはすぐにわかった。
通常、無風と呼ばれる状態でも、僅かに風は吹くもの。
魔王の城のような建物の内部ですら、風はいくらかでも吹いている。
それがピッタリ収まるなど、通常では考えられないことだった。
その射手はすぐにその意図に気がついた。
「そうか、魔法で風を止めて、風を読ませないつもりか。
そうくるとは思わなかった。」
射手は舌打ちをした。
熟練の射手は風を読み、猛風の中でも射撃を可能にする。
風は矢を運び、標的の音や動きを伝える。
しかし完全なる無風では、熟練の射手も素人も大差はない。
弓矢がただの的当てになってしまう。
現に今、魔物たちは無風の中で距離を詰めてきている。
対応して、その射手は矢を三本同時に番えて放って見せた。
先程までは三本同時に放っても全てが見事に命中していた。
それが今は、一本は骸骨の魔物の盾に防がれ、一本は鎧の魔物の鎧に弾かれ、
残る一本は魔物たちの間をすり抜けてどこかへ飛んでいってしまった。
無風状態で放たれる矢は、その軌道を容易に予想されてしまう。
無風状態で放たれた矢は、引き絞った以上の威力は得られない。
風は射手にとって障害であり、しかし無くてはならない助けだった。
それを魔法で封じられたことで、その射手は一気に窮地に陥った。
近付く魔物たちに弓矢で牽制しつつ、後退して距離を取る。
しかしそれでは魔物たちの前進を止められず、
魔法の効果範囲からも抜け出せない。
このままではいずれ三叉の通路の分かれ道まで押し戻されてしまう。
そうすれば、他の通路にいた魔物たちが合流するかもしれない。
そうなればその射手に勝ち目はない。
ではどうするか。
風がなければ射手に勝ち目はない。
だから、その射手は、力いっぱいに弓を引き絞った。
狙いは魔物ではない。
矢を放つ。弾かれた。一本では足りない。
だから次の矢を番える。放つ。何本も何本も。
するとやがて、ガシャーン!と音が鳴り響いた。
そうして待望の風が吹き始めたのだった。
その射手が射ていたのは、魔王の城の構造物、窓だった。
丈夫な窓だが、窓であるからには壁よりも構造は脆いはず。
その予想のもと、その射手は窓に何本もの矢を射たのだった。
そうして射抜かれた窓は割れ、外から風が入り込んでくるようになった。
魔法による無風状態は、外気が入り込むような状態でまでは効かないらしい。
恵みの風が、魔王の城の内部に流れ込んできた。
こうなれば戦況は一気に覆る。その射手に有利な方へ。
その射手は素早く矢を番え連続で放った。
それらは近付いた魔物たちの間をすり抜け、
後衛にいた魔法使いの魔物たちを正確に射抜いてみせた。
そうして魔法が収まると、風が一気に蘇った。
蘇ったのは、その射手もだった。
息もつかせぬ早業で矢を番えては放ち番えては放ち、
すぐそこまで迫っていた魔物たちの集団に猛攻を加えた。
雨のように降り注ぐ矢に、魔物たちは成すすべもない。
風があっては矢の軌道が読めない。
風があっては矢の勢いが強くなって防げない。
オロオロとする魔物たちは次々に矢に射られて倒れていった。
最後の魔物が倒れた音が風に乗って来たのを耳にして、
その射手はやっと構えていた弓を下ろした。
「ふぅ。今回は危なかったな。
流石は魔王の城の魔物たち、といったところか。
この扉の先にいるのは魔王か、検めさせて貰うぞ。」
そうして、その射手は、大きくて豪華な扉を開けて中に入った。
大きくて豪華な扉の中は、しかし魔王の玉座ではなかった。
そこにあったのは、きらびやかな金銀財宝の数々。
どうやらそこは宝物庫のようだった。
美しい宝石や装飾品の数々が、所狭しと並んでいた。
その射手は手近な宝石を手にとってみた。
「ここは宝物庫か。こいつはすごいお宝だ。
この宝石一つでも持ち帰れば大金になるだろうな。
でも、今の俺には他にやることがある。」
この魔王の城までやってきたのは、魔王討伐のため。
その射手は宝物庫の財宝の間を素通りしようとして、
ふと、飾られている弓を見つけて足を止めた。
「なんと、あれは必中の弓か!?」
豪華な台座に飾られた美しい弓に、その射手は釘付けになった。
必中の弓。
それは魔法の支援効果が込められた特別な弓。
必中の弓から放たれた矢は、魔法の支援効果により、
目標を追尾して確実に命中するという。
風を読む熟練の射手の腕にも匹敵する弓。
射手なら誰もが欲しがるであろう逸品だった。
その射手ももちろん、必中の弓のことは聞き及んでいた。
「必中の弓が、この魔王の城にあったとは。
今まで誰にも見つけられなかったわけだ。
これがあれば、魔王との戦いにも心強い。
早速、使わせて貰うとしようか。」
そうしてその射手は、必中の弓を手に取った。
しかし射手が使う弓矢には事前の調整が欠かせない。
試射をしてみようと、その射手は必中の弓に矢を番えて引き絞った。
宝物庫の中にある、特に価値のなさそうな像に狙いを定めて矢を射た。
すると、思いもかけないことが起こった。
風もないのに、矢は、大きく曲がった軌道を描いていった。
矢の軌道は、標的の像を外れ、大きく曲がり、
勢いをつけて、その射手の額を正確に射ぬいた。
グサッ!
と、その既のところで、その射手が腕で矢を受け止めて防いだ。
矢は腕をも貫き、額に血の筋を流れさせたところで止まっていた。
自分が射た矢で腕を射抜かれ、その射手は腕を抑えてうずくまった。
「ぐうう、何故だ?何故必中の弓が外れた?
それどころか、こちらに戻って来るだなんて。」
それは、その射手が知らない、必中の弓に込められた魔法の支援効果のせい。
必中の弓には、放った矢が標的を追尾するための、
魔法の支援効果が込められている。
その魔法が識別する標的とは、魔物を含めた生き物、つまりは動くもの。
その射手は、像を標的として矢を放った。
しかし、必中の弓の魔法の支援効果は、像を標的とはみなさなかった。
それよりも近くにいる生き物、つまりはその射手自身を標的に定めてしまった。
必中の弓で矢を射る時、近くに生き物がいないところで射てはならない。
そんな必中の弓の性質を、その射手は知らなかった。
だから危うく、自分自身が射抜かれてしまうところだった。
避ける間もなく、その射手は腕を犠牲にして防ぐことしかできなかった。
腕を怪我すれば弓を引くことはできない。
魔王との戦いを前にして、その射手は、
ある意味で致命的な傷を負ってしまったのだった。
「ぬうううう、魔王との戦いの前に、大事な腕を負傷してしまうとは。
これでは戦えん。仕方がないが、引き上げるしかないだろう。」
帰還魔法!我を安全な場所に運び給え!」
その射手は無事な片手を使い、鞄から魔法の巻物を取り出して広げた。
するとびゅうびゅうと風が吹いて寄り固まって、
風がその射手を運んでいった。
そうしてその射手は、腕を負傷し、魔王の城から引き上げたのだった。
目を開けると、その射手は王都の街の中にいた。
帰還魔法が遠く安全な王都まで運んでくれたのだった。
何をするにもまず、その射手は治癒師のところへ駆け込んだ。
腕の怪我を急ぎ治してはくれないか。
しかし、矢で射抜かれて血まみれの腕を見て、治癒師は溜息をついた。
「これは、治るとしても時間が必要でしょう。」
その言葉は、その射手の戦いが終わったことを意味していた。
そんなことがあってから、しばらくの後。
その射手は今日も治癒師のところへ通っていた。
腕の傷は治りつつあるが、その回復は遅く、
今も腕を満足に動かせない程度にしか回復してはいない。
おそらくはもう弓を引くことはできないかもしれない。
しかし、その射手は諦めなかった。
腕が満足に動かなくても、完全に動かないわけではない。
もう一本の腕は、満足に動かせる。
そうしてその射手は今、新しい弓矢の開発をしている。
その弓は可動式で、従来の弓よりも軽い力で矢を番えられる。
新しい弓矢は持ち運ぶこともできるし、台座に固定してもいい。
従来の弓矢よりも軽い力で簡単に扱えることで、
狩猟などにも使いやすいだろうと見込まれている。
射手の命とも言える腕に傷を負ったその射手は諦めない。
片腕が傷ついても、腕はもう一本ある。道具に制限はない。
諦めないその射手はやがて、新しい弓矢を完成させ、
魔王を討伐しなくとも、人々から感謝されることになるのだった。
終わり。
ハイファンタジーではやはり定番の、弓矢を使う射手の話です。
狩猟などならともかく、無数の魔物と戦う場合、
射手は矢をどうやって工面しているのだろう?と考えて、
使用済みの矢も補修するなりして使うという描写を入れました。
標的をかっこよく射抜くイメージから、ずいぶんと地味な存在になりました。
お読み頂きありがとうございました。