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私は、椅子に座りながら

窓の外に、目を移す

何となく、暗い外に目を移すと

夕暮れ時の空気が、漂い始める

一日を、終了したと同時に

別の仕事が、人が、動き出す

私は、一息付くと、最後の仕事へと、出かける

時間により、人の思考は、変化する

それは、常に均一ではない

どれ程までな、頑強な男でも

心まで強いとは限らない

拷問とは、時として、村の中の小さな娘の方が

強いことだって有る

それは、小さな、おとぎ話のような、話しかも知れないが

武勇伝として、人の感情を、揺さぶる一つの要因とは、なるだろう

暗闇に目が馴れ始めたのを、私は、窓と、外の暗闇が、同化し始めたにも関わらず

はっきりと、その境目を、確認した後に、外に出た

窓から聞こえて、来たような、声が、人が、道を、行き交う

それは、空気なのか

それとも、それは、人が作り出すのか

雰囲気は、明らかに、昼間のそれとは、全く違う

私は、外套を、羽織

歩き出す人間に混じり

道を歩く

土っぽい地面は、朝の空気を、僅かに、吐き出しながら

それを、人の足が、かき混ぜ続ける

夜だ、夜へと、変化している

私は、お目当ての

店へと入る

一見すると、何ら変哲のない場所にも思えるが

私は、適当に、金を、カウンターに、置くと

部屋に、案内される

宿のような、作りであるが

中には、一人の女が、肩の出る

簡易な服を着ていた

「旦那、これ」

女は、紙を、差しだし

私は、それを手に取ると

テーブルに、用意された

ぶどう酒に、口を付ける

「町の様子に、何か、変わりは、あるか」

私は、立ちっぱなしの女に聞く

女は、首を振る

「そう言えば、異端審問官が、町の入り口に、居たと

私は、聞いたけど

この町に、異教徒が、居るなんて、聞いたことがないよ

何たって、こんな場所には、元々、誰も住んでいなかっただろうし

わざわざ、塀に囲まれた

この町に、居る理由も、無いだろう

迫害されるのは目に見えている

何でも、赤ん坊の生き血を、啜ったりするんだろう」

それを、私は、否定も肯定もせずに、聞いている

「まあ、酒を飲んでいる飲み会だけかも知れないが

しかし、相変わらず、この町の人間は、ガタイが良いな

お前も、変わったんじゃないか」

私は、何となく、肩幅が、大きくなったのではと、相手を見るが

馬鹿にされたように、私は、首と肩をすくめられ

「いくら、この町に染まったとしても

町の女がみんながみんな、それを、する訳じゃない

そう言う女が、好きな奴はいるけど

やはり、全員が、全員じゃない

男装を、女に、させるのが、好きな男のように」

そうかい、私は、ため息混じりに、ぶどう酒に口を付ける、微かな、酸味が、この町の独特の貯蔵を、示しているように感じられた

私は、しばらく、葡萄酒を飲みながら

考え事をしているようなフリを、していたが

ワインを、飲み終えると

ショウカンを、出た

町は、二分されたように

明かりのある家と

暗い家に、分かれている

それは、店かどうか

と言うのもあるだろうし

こんな、日が沈んでも、やることがある

事を、示している

それを、勤勉というか

その時間までやらなければ行けないと

馬鹿にされるのか

それは、商人と職人の違いであろう

私は、食べ物が、香る

道を、歩きながら

考える

そろそろ帰ろうか

それとも、別の酒場へ行って

最後の情報収集を、行おうか

私は、人混みの中

様々な、フードが、揺れるのを、見ながら

それが、影法師のように、見える様子を、眺めている

その中に、光の採光に寄るものか

背の低い

フードの横から

白い線を、揺らしたような

紙が見える

それは、老婆かと、思ったが

暗闇でも、どうも、その動きは、若者のような、気もする

金髪が、光に透けて、反射して

そう見えただけかも知れない

そう思って、目を反らそうとしたが

どうも、気になり

私は、その外套が、向かう

酒場へと、引き込まれていく

比較的、暗い店は、他の酒場よりも

油代を、ケチっているのか

それとも、顔を見られたくないような

連中が、居るのか

その店内の雰囲気は、明るさとは、真逆の存在に、私には見えた

しかし、危険と言うには、大通りからは、それ程、歯なれてはおらず

この町で、それ程までに、危険な、店の話しは、聞かない

これは、もっと、大きな都市で有れば、

何とも言えないが

そうは言っても、人の出入りを、考えると

そこまで特殊ではないのかも知れない

店内は、使い古された

木のテーブル

石の床

壁に掘られた穴からは、蝋燭のように揺らめきながら

油が、燃えている

私は、適当な、空いている席を、もちろん

あのフードの人の近くに、座ろうとしたが

暗い店内にも関わらず

店は、埋まっており

私は、これ、幸運と

丸いテーブルに、一人、座っている

例のお目当ての人間の前に立つと

「すいません、相席させていただけませんか」

と、出来るだけ、愛想を、よくして、そう言うが

何か、気になる所

もしくは、人と、合いたくない連中と同じなのであろう

私は、無言で、首を振られ

そのフードを、見下ろすことになる

それに対して、あっさりと、私は、

引き下がり

会話もなく、黙々と、出された、料理を、食べている人間を、見つけると、同じように言うと

一瞬顔を上げて

無視するように、頷く

私は、それに、お礼を、言った後

強面の店主に、料理を、注文して、あたりを、興味なさげに、見る

会話する者も

そこまで、声を、大きくする者は少なく

陽気に飲み食いしているとは、とても、思えない

この場所は、飯だけを、求めているのだろうか

それにしては、こぎれいな、格好の人間は、悪いが

誰もいない

皆、仕事の合間に、ここに来ているように、私は、感じた

町の食堂という感じか

私は、そう考えたとき

目の前に、大皿の

飾りっ毛の無い料理が、置かれた

横には、薄い

小さなコップに、液体が、入っている

どうやら、酒らしい

高級酒で有れば、この大きさも納得できるが

私は、それに、軽く、舌を、つけると

この場所に、見合わないような

高そうな、味がする

まさか、この場所は、内装を、極限まで減らした

美食食堂とでも言うのだろうか

しかし、そう言えば、値段を、私は、まだ聞いていない

少々、心配になってきた

流石に、王都の高級な場所程ではないだろうが

しかし、地方とは、それだけ、高級になることも

どちらにも、考えられる

道は、それだけ、金を、産む

逆を言えば、近ければ、どんな高級なものでも、安い可能性が、大いにある

その逆に、それが、高ければ高いほど

消費せずに、売ると言うことも、さもありなんだが

私は、酒から、口を離す

揺れる灯りが、天井を、踊るように、揺れ続ける

交差した影は、一種のステンドグラスよりも

幾何学的な、法則性を、優先した規則が、立ち並び

重なり合う場所と、そうはならない場所で

黒さが、くっきりと

広い天井へと、映し出している

その正統性の取れた

双対を、見ながらも

私の目は、料理と

それを、通り越した

フードの下へと、向かおうとしたが

それは、一種

不躾にもあたり

私は、一人、出された皿へと

そのスプーンを、這わせていた

「なあ、お嬢ちゃん、こんな、夜中に、酒場にいて良いと思って居るんかい」

私は、料理に、舌を、打ってたが

その野太い声に、それは、邪魔をされ、そして

その標的となる、人物について

私は、前のテーブルに、座っていた

あの人影だと

私が、合点を、した

彼女だという物が、本当だとしたら

女性なのだろうが

その前に立つ、男は

壁から生えたような幾何学を、邪魔するように、立ち

少女の目の前に、立っているようであった

しかし、顔を、上げた

その フードの中には、銀色とも取れる

いや、白い髪が

明かりの中で、揺れる

「隣町の連中が、今、こんな所にいると

異端審問官に、魔女だと、告発されかねないぞ」

男は、そう言うと、金を払い店を出ていく

何か、絡んだと言うよりも、忠告めいているが

それは、異端審問官側の

意見と言うよりも

この町の人間の注意に、近い

それが、知り合いなのか、そうでは、無いのかは、知らないが

私は、どうやら、隣町には、同じような、人種

いや、人間が、一種のマークとして、存在しているようなのではと、思わせた

私は、その光景を見たが

少女は、食べ終えたようで、席を、立とうとしている

その男の言葉を、気にしたのか

それとも、ただ、食べ終えただけなのか

どちらにしても、木の皿が、二枚

それなりの大きさだとは思うが

空になっており

その向こうでフォークが、置かれているようである

しかし、食べるのが、早いな

私は、食事に、惜しさを、感じたが

少女や、この店の客が、都会の貴族のように

わざと、牧歌的というか

汚い服を、着たがるのでなければ

その値段は、店相応なのではと、算段を付けながら

食事を、かっこむ

実に、勿体ない

辺りは、熱気を、はらむことなく

時間相応に、地面の熱は奪われて

寒さが、鼻先を、冷やす

少女の影は、店のカウンターで、金を、支払っている

同席した、男に、挨拶して、席を立とうとした時

男が聞く

「あれは、魔女かい」

私は

「さあ、町娘じゃないんですか

時折、髪の白い人間は、産まれます

何処にでも」

そう言うと、その、萎びたような

目は、丸く見開かれて

何か、良く分からない

熱量を、暗闇の中で、帯びたような気がした

「目が赤くてもかい」

男の声に、私は「ウサギも悪魔ですか」と、聞くと

男は、軽く、クスリと、笑った気がしたが

私は、彼女を、追いかけるため

金を、忙しく払い

僅かなお釣りを、受け取らず

外に出ると

石畳を、あのフードが、遠くに揺れている

私は、怪しまれないように

距離を、保ちながら

歩く

隣町と言ったが

少女だと、思う反面

それは、確証が持てない

このまま、町を出るのだろうか

こんな、夜に

それとも、何か用事があり、この町に、滞在しているだけなのか

そう、少女だという確証もない

ただ、顔も隠れ、そして、暗く

更に、小さいと言うだけで

私は、そう、年齢を、確証しただけだ

歳の老けた人間だとしても、おかしくはない

物事は、確定したとしても分からないことが多い

故に、人は、曖昧なルールに従い

正しさを、手放し続ける

しかし、正しさを、機械の歯車のように

風車のそれのように

するのだと、例えるのだとすれば、それは、さして、遠からず

そこに、存在し続けるだろう

存在を、継続しやすい形

それが、ルールであり

法律であり教えと言うものだ

正しさだけではない

私は、足音を、忍ばせるわけもなく

ただ、平然と、町のまちまちな

明かりに、揺れるように

紺色の夜闇を、歩く

前方の足取りは、確かなようで

確か、飲み物を、飲んでいなかったように、記憶している

そう言えば、私が、食べていた料理は、何だっけ

何だっただろうか

先ほどの記憶が、曖昧になる程に

私は、急ぎ、歩いている

前方の影は、不意に、立ち止まる

月明かり無く

それは、白く

嫌に、ペンキを塗ったように

白い

まるで、絵画から、抜け出してきたように

普段見慣れない肌艶だ

銀色に近い髪が、フードから垂れ

こちらを、向く

明かりが、目に反射し

黒くも

赤くも見え

るが、確証は、無い

「お祖父さん、何か、用ですか」

私は、年齢は、そこまで、老けていないと、思いたいが

やはり、怪しまれていたようだ

実に、情けない話である

しかし、こんな、先ほど、注意を、受けたような、時間帯

周りに、人影はなく

足音も、私と、彼女の声しか聞こえない

そうなれば、注意深く、訝しがるのも、当然と、言えるのかも知れない

私は、自分が、さして、怪しくない事を

話そうとしても、それはさして、意味があるようには、思えなかったが

私は、彼女に、自分の素性を、話す

と言っても、本当の仕事と言うよりは、私が、この町の外の人間であり

あなたのその容姿について、少々、気になり、聞いてみたいと、思った事を

先程の、食堂を、ふまえて、彼女に聞く

フードの下の顔は、相変わらず、拝むことは、出来ないが

しかし、髪は、風もないはずなのに

ゆらゆらと、靡いている気がする

気のせいだろうか

その細い生糸のような

白さは、ローブの上から

まるで、猫の毛のように、目立って、見える

僅かに、町の窓の明かりが、それを、反射させて、きらめいた

「あなたは、世界を、どのように、見ているのですか」

私は、彼女に、そんな、訳の分からない話を、聞いてしまう

「さあ、それを聞いて、どうするんですか」

私は、特に、それに対して、意味を、見いだせない

「赤い世界を、見ているんですか」

彼女は、首を振る

「真っ白の白銀ですよ

見えないくらい」

彼女は、そう言うと、何処からだしたのか

丸い眼鏡を、暗闇の中で、かける

すると、それは、目が、洞穴になったように

暗く見えた

いや、違う

それは、俗に言う色眼鏡と言う類だろう

ただ、普段、そんな、妙な物を、かけている

人間を、私は、見たことがない

精々盲目の人間が、その目つきを、隠すために

使用するほどであるが

彼女は、見えると言うが、その類だと言うことだろうか

まぶしさを、軽減するために、様々な人間が、それを、使用するが

それは、ほんのごく一部であり

普通で有れば、わざわざ、高価な眼鏡を、する事は、余りないだろう

目が悪くても、眼鏡をかける人間が、限られているように

私は、彼女へと、視線を移す

そう言う意味において、彼女は、恵まれた

生育環境に、育ったと言うことになるのだろうか

ローブも、背丈に対して、多少 大きい気がするが

それも、関係が、有るのだろうか

「こんな夜中に、危ないんじゃありませんか

何か用事でも」

私は、不躾であると、わかりながらも、言葉を、つないでしまう

こんな事を聞かれて

喜ぶ人間も、余り居ないだろう

しかし、彼女は、それを、さも、どうでも良い事のように、受け流すと

私に、近づく

その目は、暗く、伺い知ることは出来ない

「私、昼間は、表に出れないの」

何故とは、聞けない

「肌が、お湯を、かぶったように

焼けただれて、しまうので

日焼けって奴かしら

それの酷いの

だから、私は、いつも、分厚いローブで

ネズミのように、夜に、こそこそと」

しかし、その話が、わざわざこの町に、来る話と、結びついてはない無い

今の所は

「あなたは、私が、この町に、何故いるかを、気になっているようだけど

私は、私が、ここにいる理由を、大して、気にも、していないし

あなたが、ただの旅人でも、無さそうだと言うことも

どうでも良い

あなたは、毎回、この町に来ると

同じ、商会 そして、酒場を、周り

最終日に、ショウカンにと、向かう

しかし、その全てが、仕事のように、同じであり

何か、旅人のような楽しさが、感じられない

理由が、それらとは、違うような、気がする

「あなたは、何で、何をしに来ているか何て

どうでも良い、ただ、それでも、私に、何かを、聞きたいのは、それは、私に興味があるのか

それとも、仕事が、関係しているの

クロム

いえ、ヴンタ・カンマー氏とでも、言えばいいのかしら

クロムホルンさん」

私は、頭を、抱えたくなってきた

何故、そんな事を、知っているのだろう

重要機密と言って良い程であるし

第一、私が、この町に、一年周期で

来ている事を、何だったら

それを、何時からかは、知らないが

ずっと、観察

していた事になるが

そんな暇な事が、話してあるのだろうか

旅人にしろ何にしろ

この町を、訪れる人間は、決して、少ないなんて物じゃない

その中の一人を、ピックアップして

それを、数年に分けて

やはり、誰か、密通者が

そうなると、やはり、どうも、私の死は、確実なものとなって、消える可能性は、大きいだろう

月のない夜

絶好の暗殺日よりだろうか

思い残すことは、さしてない

私の変わりも、居る

育てられているのだから

それが、何処で消えるかが

ここだと言うだけの話だ

私は、諦めきったように、彼女をみようとするが

その姿は、もう無い

変わりの暗殺者か兵士かは、知らないが

そんな人間が、私を、拷問にでも、かけるのだろう

それなら、ひと思いに、毒でも飲んで、死んでしまおうか

私は、胸元のブローチを、開けようかと

考えていると

場を、離れたと思った登場人物が

また、道路に、立って、こちらを見ている

「あなたは、何者ですか」

私は、またしても、そんな事を、聞いてしまう

しかし、彼女は、さも、当然というように

「ただの異端者です」

そう言って、唇だけを、動かして、笑って見せたが

フードの中の瞳は、見る事が、私には、出来なかった


彼女の仕事は、端的に、言えば、占い師のようなものであった

しかし、それは、聞いてみれば、合点の行く話であり

私の仕事と、名前は違えど、非常に、酷似した点が多かった

しかし、私は、ただ、与えられた、仕事を、

情報を、巣に持ち帰るだけの鳥だとすれば

彼女は、雛鳥も、兼用していた

つまりは、占いが、本文と言うよりも

情報収集

それこそが、彼女の本領であり

占い師

という物は、あくまでも、その外側と、言えるのかも知れない

そんな事を、私に話して、彼女に、彼女の仕事仲間に、何のメリットがあるのかと、思ったがしかし

話を、聞いて見ると、合点の行く話である

彼女は、彼女自身が、言うように

まさしく、異端なのだ

神でもなく、良く当たる

占いをし先を見通し

そして、その肌は、日に当たると、

それだけで、焼けただれたように、水膨れが出来る

白い肌 赤い目 

そして、白い髪

まさしく、それは、奇跡だ

しかし、その奇跡は、神が、自分がもたらしたものでは無い

異端

彼女は、教会に、属していると言うが

しかしながら、その行いは、内部からしても、普通ではない物へと、写る事だろう

私は、彼女を、一時的に、この場所から逃がすように

手助けして欲しいと言う

「しかし、どうして、私の存在が、そこまで、気になったんですか

私に、何か、目立つものでも」

しかし、彼女は、首を振る

「あなたのような、人間は、五万という

しかし、今必要なのは、あなた

故に、私は、あなたを、知っている

その程度の事ですよ

そうでなければ、あなただって、見ず知らずの人間の名前なんて

全てを、全て覚えるなんて事

無いでしょ」

正直、自分でなくても、

これ程までの、情報が、収集できるような、集団で有れば、私のような、ただの、運び屋のような

人間でなくても、いくらでも、この町の中でも、潜伏出来るだろうに

私は、そう言うが

「まあ、色々と」

と、話を、ごまかされた

ここまで、狭いと、いくら、情報を、蜘蛛の網のように、張り巡らさせても、獣のように、破ってしまう

存在が、居るのだろうか

しかし、異端審問官も

その存在を、知らなければ、分かるまい

「それで、何が望みです

私も、自由に見えるような、仕事を、観察して、見てもらっているから、誤解しているかも知れませんが

それでも、やることは、様々

流石に、妙な事は、私は、出来かねます

私に、何を、望みで」

彼女は、彼女の本拠地

なのであろう

石造りの部屋の中で

蝋燭に照らされながら

私を、見て

「簡単な話よ

領主を、倒して、私を、自由に、日の当たる

世界で、暮らさせて欲しいの」

私は、何を、言っているのか、さっぱり、理解できなかった

「先程、あなたは、逃がして欲しいと、私は、てっきり

城門から、外への、手引きが、せいぜいかと、思いましたが

流石に、それは、私の専門外

手に余ります

非力で、ペンしか私は、到底

持ち得ません」

彼女は、良くそんなので、旅が出来ていたわね

三十年も

そんな事を言うが

それは、私一人だけで、旅をしていない

という事も生存確率を、挙げている理由だろう

私は常に、商館と共に旅をしたり

教えられたように、安全な道を、通り

安全だと言われた行動を、常に、行ってた

故に、仕事は、継続している

しかし、領主を、倒すなど

国王を、倒すなど

専門外

問題外

考えることさえおこがましい

それは、本当に、私の存在を、事細かに、

調べ上げるような、女性の話す答えだろうか

私は、声を、もうろくして、聞き間違えていたという可能性だって、十二分に、十三分に、考えられる

私は、一人、思い悩むように、彼女の、フードの中の

白に浮かぶ

黒い丸を、二つ見るが、そんな物を見て、答えが、でるはずもなく

もう一度同じ事を、聞くが、

彼女は、鳥のように、同じ事を、繰り返す

「領主を、倒せ」

私は、頭が割れ

倒れそうに、成りながら

考えを巡らせる

「殺さなくても、逃げられるのでは」

しかし、そう言う意味では、いや、領主が、なにやら、深くかかわり合いがあるのか

彼女は、首を振る

「なぜです」

彼女は、真剣に、声を落とすと

「あの国王は、死ぬ事のない

化け物なの」

私は、耳を疑う

髪白赤目なら、真駄目を疑うことはないだろう

しかし、死なない化け物領主は、耳を疑う

凄い人間に、そんな名称を、付けることもあるが

それだけなら、まだ彼女は、私を、雇ったとしても

おどけそうなものだが

しかし、今の彼女からは、そんな冗談の雰囲気はなく

ただただ、現実を、嘆いているようでさえ有る

「もう一度、聞きますが、あなたと、領主は、どういうかかわり合いが」

彼女は、首を傾げる

重要そうな、内容であるが

誤魔化しているのか

「私のお得意さんなんだけど

私の命が、欲しいなんて言うから

自分の命大事さに

困っちゃうわよね

私だって、まだ乙女なんだから、恋の一つや二つ三つ無くても・・とにかく、私は、とりあえず、この場所を、去ることにしたから

もし、首を、縦に振らないようなら」

彼女は、テーブルの上のリンゴを、落とす

「横に、切っちゃうんだから」

そんな、声を、聞いた気がしたが、耳を疑った

今日は良く耳を疑う

いよいよ、私も、ロウガイへと、片足を、突っ込んでいるらしい

しかし、一向にして、領主を、倒す

案も

そして、何が、起こっているのか

働き蜂のようにメスではないが

私は、ただ運ぶが故に、

その他に、脳が、回らない事

この上ないようである



長い眠りは、今、覚まされた

領主は、真の化け物である

人は、人を、越えられない

しかし、技術は、人の意をくまずに

進化し続ける

しかし、それは、しょせんは、本来の形ではない物への偽造

それそのものには、成れないし

成る必要性もない

しかし、世の中には、その理さえも

越えた、存在が、存在していたとしたら

それは、まさしく、怪物化物なんて行う言葉で、

表現が、出来るかも知れない

有る存在

しかし、その理由からさえも

はずれた存在

それは、本当に、ルールに、乗っ取った駒なのだろうか

私の矮小な脳味噌では、到底、その心理に、行き着くことは出来ない

私は、ただ、枝を集める親鳥であり

いや、巣さえ作らない事を

考えると、私は、自分の無益さを、実感せずには、居られない

しかし、それでも、需要があり

そして、それにより、世界は、許容され

まるで、蜂蜜を、絞るように

それは、様々な情報態から

一つの何かを、抜き出す

手助けには、成るかも知れない

しかし、しょせんは、それであり

その機能は、全く、戦うなんて言う事と

相容れない所か、そんな機能なんて、産まれてこの方

付いたこともない

私は、ただの情報収集者であり

正義の若かりし騎士でも若者でもない

ましては、政治家でも協会関係者でも

全くない

一階の小間使いのような存在である

そんな人間が、領主を

どうにかするなど

検閲に、お目見えするか

いや

城内の門番の前に行くのが、やっとで有ろう

少なくとも、この一、二年で、入れるとは、思えない

頼めば、誰かが、協力してくれるかも知れないが

そんな危険を、私はさておいても

あの少女のために、犯すのはどうだろうか

私は、一人、冷えた脳内を、回転させる

真冬のように、凍てついた大地は

雪に隠れて

前方も

または、息さえ見ることも

いや、する事さえ難しい

城主の噂は、存在しているが

それを、信じているのは、子供か

気の触れた人間くらいであろう

しかし、彼女は、何の因果か

実績がある

ただの、馬鹿ではない

私のひた隠しにしている

情報を、いとも簡単に、供述した

これは、個人が、同行というレベル

問題を、度を超している

私は、隠密

それを持って、一つの仕事としている節さえ有るのだ

しかし、それを

それは、有る意味、死を意味していると言っても

良い

過言ではない

商人は、商品が

農家は、作物を作立てられる環境

学者は、現実が

しかし、私は、誰もが、それと認識出来ず

ただの気にもとめない

誰かでなくては成らない

それが、何者か、分かってしまえば

そこから得られる情報は、変化を、続け

他の仕事仲間にも影響が出る

曲がった机で時計は作れない

私の性格とは、真逆だが

しかし、仕事だけは、まっすぐしたい物である

しかし、これと、城主が、どうこうしようは、話が別である

そして、彼女曰く

あの男は、数千年を、生きているという

それは、悪魔か天使か

または、神か

異端の神か

私には、分かりかねるが

彼女の指し示した情報が、嘘か本当かは、全く分からないが

しかし、書物

何枚も

いや、箱で出された

紙は、どれも、私を、丁寧に、だましているのでなければ

非常に、几帳面であり

契約の書類のようである

そして、その噂 口伝

絵画 諸々は、どうも、同一人物を、さしているようで

その特徴は、彼女の説明にも寄るが

非常に、似ている

それは、時代が、全く異なり

それを、ただ単に、似ていると一括しなければ

非常に、おかしく

不思議に思えた

ただ、系譜と言う話もある

近親相姦を、繰り返した

血を入れない貴族は、どうも、同じ顔に

いや、病魔に、その状態が、変化し

その症状が、酷似しているが故に

似ていると

彼女に、それを言うと

「まさか」と言うが

その目は、色眼鏡であったが

何か、どこかを、見ているようであった

もし、それが、真実で有れば

私は、採光なのかも知れないと、考えたが

どうやら、彼女は違ったようだ

それは、そうだろう

化け物であったとしても

彼女がこの町を出られない理由は、他にあるのでは無かろうか

「私は、この町に、捕らわれているんです

占い師だから

でも、そのほとんどは、あなたと同じように

いえ、そうしなければならない

本当の力は、私の命と、引き替えに、予言を、残す

領主は、怖がっているんです

自分が、異端として、教会に、処刑されるのではないかと

私は、彼は、あの王は、生き続けていると

思います

ええ、知り合いですから」

私は、何とも言えず

頭をひねる

正しさとは、天に浮かぶ流れ星のように

要領を得ない









城に入ることに成功したことについて

私は、本当に、彼女の後を、続けて

内部へと、存在していた

城の中は、静寂が包み

外の喧噪を、遮断しているようでさえ有る

石と芝生が、コントラストを、変え

私は、私達は、その中を

石の道を、歩いている

白い石は、ここら辺では、良く見る石だが

最近では、取れなくなって久しいようで

古い建物が、壊された際などに

別の建物へと、使われている姿を、目にすることがある

「しかし、本当に、大丈夫だろうか」

「ええ」

彼女は、そう言ったかも知れないが

フードに、じゃまされて、それを、聞き返すこともなく

私は、後へと続く

兵士は、同行しておらず

勝手知ったるように

彼女は、道を、歩いていく

今回の予習というか

行う行動は、ただ一つ、彼女の国外への逃亡

もしくは、命を奪わない保証だ

それは、非常に、不確的であるが

何らかの生きなければならない利点が、存在すれば、出来るのだろうが

私には、分からない

命を、かけてまで行う

占い

そんな、効力が、果たしてあるのだろうか

しかし、あの諜報情報を、見れば、それを、肯定する

裏付けが、もしかしたら有るのではないかと

思わせる

到底 信じ難いものではあるが

「王よ

ご面会に、来たぞ」

女は、やけにえらそうに、そう話すが

それが、見栄なのか、そう言う関係なのかは、分からないが

私の立ち位置を危うくし始める

「この男は、あなたが恐れる

某国の異端審問官が居る国の情報員だ

私の力を、借りずとも

この者に、嘘の証言を、させれば、良いだろう

なあ、王よ」

私は、何と言っていいか分からず

頭を、無礼にならないように、この国習い

作法を、考えながら

頭を下げた

王は、白い髪を、長くのばし

灰色の髭を、蓄え

高そうな、ローブを、着ていた

「ミシャエル

お前は、占い師の分際で、実に、威厳が良いな

しかし、私は、占いを、政治に、利用するつもりは、もうとうない

お前の、情報は、買うがな」

それならば、何故、彼女の占いを

「しかし、世の中には、自分よりも、弱い者を、け落とすために

生存の邪魔として、懸想とする

輩が居る

なあ、情報屋のミヒャエル

お前は、情報を、握るのも

また、流すのにも長けている

そうは、思わないかい

なあ、ミヒャエルよ」

何を言っているのか

もし、そうであれば、私は、考える

隣の女は、もしかすると、この王を、嘘の情報で、

異端審問に、かけている

いや、情報を、流したというのか

「クロムホルンと、言ったか

某国の情報員よ

お前は、この女と

私を、どちらを信じる

情報屋の情報と、私の権威と

情報屋は、情報を握るが

情報を、変えることも、意図もたやすい

その女の一族は、確かに、未来を、占うことが出来る

命と引き替えに

故に、奴らは、情報を、収集する

そんな、物を、使用しなくても、生きながらえるために

しかし、奴は、それ以上

いや、この町から

国から、逃げようとした

なあ、情報員よ

どうする

お前の言葉一つで、私が、死なないと死ぬまで

何もなく

殺される事無く

死ねると思うか

市民と、王様、強いのは、どちらだろうな

まあ、そんなことは、どうでも良いことだ

私の一族は、昔は、同じ血が濃く回っていた

故に、顔つきも、変形も似ている

故に、ばかばかしいとは、思いながらも

いや、先祖は、真剣に、その女のような

白い肌の人間の心臓を、血を食べていた

しかし、ある時、女は、言った

私は、未来を、見ることが出来ると

それは、時として、王族の位置よりも

重い重要な、情報だ

それからと言うもの、我々は、身内さえも

見殺しにして、その天秤を、計り続けていると言うわけだ

なあ、情報員

私は、どうすればいいと思う

女を、ここに、留めるべきか

それとも、異端審問官から、逃れるべきか

人は、弱い

私は、果たして、この女より

強いのだろうか」

室内に、静寂が、流れる

私は、口を、開いた


「我々は、争いを、望みません

しかし、彼女の自由も必要かも知れません

他の国の事に口出しを、したくは、ありませんが

しかし、では、彼女の気に入る男を見つけだして

子供で、据えれば、良いのではないでしょうか

情報に関しては、ピカイチと保証します

彼女の有るかどうかも分からないような

物に、それこそ、頼るよりは、ましでしょう

彼女以外に、同じ仕事を、任せても

良いかも知れません」

王は、深くため息を、つく声が、聞こえた

私は、何とも居たたまれなく

王の玉間に、ただ、立っていた










私は、口を開く

「簡単な話でしょう

物事とは、単純に、血として、継続

家族として、継続しているというので有れば、

あなたと、彼女が、結婚すれば、言うことはない

もしかすると、その中に、占いの子が産まれるかも知れない

そしてなおかつ、子供に、新しい血が、入る事で、

全く」

いやしかし

王が言う

「貴族ならまだしも

庶民では、身分が、違いすぎる

それは、この国の、存続に

威厳に、他国との、パイプに関わる」

私は、静かに先を続ける

「私は、情報員です

そして、情報員とは、口を、変えられることも出来ます

幸いにして、私の国は、王族が、貴族が多い

そして、私も、その一人

どうでしょう、彼女を、私の家の血族だと言うことにしてみれば

もちろん、別のもっと上

私以上となれば、王族に、今の段階では、成るとは思いますが」

女が、振り返るのが分かる

王は、むむむと、声を、漏らした

王間は、静寂の中

包まれているようにも、感じられた



世の中は、分からない

一体誰の仕業だろうか

私には、到底

いや、もう少し、情報を、しっかりと

取捨選択しておけば良かっただけの話なのだ

私は、どう言うわけか

髪の白い女が

隣で、同じような、白いフードをかぶっている

私は、それとは、対照的な黒

それはまるで、自分の存在を、立ち位置を、示しているようでさえ合った


あの後、どういう訳なのだろうか

私は、この国へと、婿入りを、させられることになる

国も、それに、反対せず

任務を、継続を、言い渡された

逆に、彼女は、王族と言う身分を、与えられ

私は、この煉瓦の国へと埋もれることになりそうである

白い鳩が、舞い上がる

私は、ステンドグラスの中

イキョウの中に、踏み入れるような気がしていた


数年後

目の紫の髪の黒い子供が、産まれた

私は、彼を、なんと呼ぼう

久しぶりに、頭を、悩ませている気がした






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