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  774

マルウスマクスウェルは、同心の中で、人知れず

考えていた

よく分からない地球儀の半径の中に

其れは、見ず知らずの文字が、うごめき

大陸にしても、今まで、考えていたものとは、全く根底から、違っている

これは、何だろうか

海の場所は、何色かに分かれ

大陸の形は、大きくゆがみ

されど、その地球儀に、酷似した、その形態は、

良く知る、地球儀とは、かけ離れている

それに対する、理由を、アンサーを、答えを

マクスウェルは、出せずにいる

ただ、その球体を、回すと、キラリと、光る部位を

見いだすことが出来る

果たして、これは、何なのだろうか

マクスウェルの考えは、歪み始めていた


がらがらの室内に、酒瓶が、堆く積まれ

バーカウンターに、一人の男が、昨日のコップを、ひたすら、洗っては、横の台に、置いている

酒の種類は、そう多くはないが

しかし、それに比例するように、その量は、けた違いに多い

まるで、料理ではなく、この場所には、人間は、酒を飲みに来ているようだと

示していると言ってもいいだろう

暗い店内に、明かりは、無く

ただ、窓から漏れる、僅かな光が、

木の壁を、砂っぽく写している

白い髭を、はやした、この場に一人だけ居る

老人は、白に、黒いタキシードを羽織り

ズボンも、靴も、黒く

深いカウンターの下に、隠している

時刻は、十二時

気温の上昇とともに

空っ風が、吹き上がり

さび付いた、屋根に取り付けられた

風見鶏を、回転する音が、室内まで、響いてくる

開店はしていないが、店の扉は、開いており

風に押し流されるように、一人の男が、姿を見せた

その服装は、皮で出来た、ジャケットに、腕まくりした

シャツからは、分厚い腕が、見え

赤く焼けている

ズボンも、ジーンズが、所々解れ

白い糸が、飛び出している

老人は、そちらに、目をやるが、直ぐに、布巾で、コップを、磨くと

元の位置に戻す

「オヤジさん、少々たずねたいのだが」

男は、店内に踏み込む

胸の金色のバッチが、光っている

暗い店内

足音だけが、やけに、きしませ大きく聞こえた

「何だね」

そんな、返答が、室内に響く

保安官は、おどけたように、手を振りながら

その焼けた腕を、振り回す

「1981年

ペキサスで、一家惨殺放火事件が

起こった、知って居るかい

おじさん」

カウンターの男の表情は、変わらない

手には、相変わらず、白い布と、コップが、握られている

暗い中で、やけに白い男の歯が、目立つように見える

「焼け跡から見つかった人間は、皆、焼死だと思われたが

不可思議なことに、皆、首が、切り取られて、別の位置に、転がっていた

其れが、偶然なのか、それとも、何者かによる

殺害行為なのか

その家で、唯一見つからなかった物がある

なあ、オヤジさん、其れがなにか分かるかい

なあ、オヤジさんよ」

暗い店の中に、男の立ち止まった靴音と

どんどん大きくなる、声は、普段から、声を荒げているのだろう、怒号と、なろうとも、普段の声色で、話しかけている

「死んだ家の祖父

ジェフリーハートマン

その一人だけが、おかしな事に、見つからなかった」

男の声は、反響するように、暗い店内に、響きわたるが

其れも、砂嵐により、直ぐに静寂にも似た

ノイズに切り替わる

其れを、切り裂いたのは、先ほどまで、乱入者と言っていい

男の居た

ドアに、開けられた

銃痕であろう

其れが、拳銃による発砲だと、気が付いた時

保安官の姿は、そこにはなく

ベルトに、ぶら下がっていた

ナイフが、オーナーの居る

カウンターの奥の戸棚に、突き刺さっている

「ッチ」

保安官は、舌打ちをして、距離を取る

男の姿が、見えないこともあるが

全く、打つ動作が、視界に、入らなかったからだ

なぜよけられたかと言えば、其れは、男と目線が、合ったとき

其れは、自分では、無く

別の物を、見ていると、そう感じたことが、上げられる

よけるやいなや、空気をふるわせる

振動と、其れが、なにかに命中した衝撃が、背後で聞こえ

其れが、銃声だと、酷似している点から、認識する

ただ、保安官が、目にしていた、現場は、立ったまま

動かない老人であり

その手に、拳銃を、見ることはなかった

つまり、構えた姿勢を、目撃することなく

銃声が鳴る

実際に、其れは、発砲されたのだから

あの目線は、たまたまではなかった

つまりは、老人が、撃ったと言う

証拠になるだろう

其れが、法的証拠にならなくても、現実的に、そう直感するに足りる現場である

逃げたのでなければ、男は、まだ、カウンターの下に

逃げることなく、残っていると、考えられるが

実に不思議な光景であった

よける瞬間にも、目を離さず

老人の姿を、追っていた

しかし、最後まで、構えることなく

ただ、銃声は、鳴り響いた

暗い室内で、目が、徐々に慣れ始める

しかし、老人に比べれば、その差は、大きいだろう

次の発砲音はしない

手短に転がっていた

酒瓶を、手に取ると

其れを、カウンターの上に、ずらりと並べられた

緑の別の酒瓶に、投げつけると

其れは、あっけなく

ボーリングのピンのように、木の黒い棚から、雪崩のように、下に落下し、割れて散乱する音が、店内に、響くが、それに対する、反応は、聞こえてこない

もう居ないのか

しばらく、立ち止まる、頭は、下げ、テーブルの陰から、様子見をするが、人の動く音はしない

死んだか

そんな、ありもしないことを、つぶやきながら

立ち上がったとき

また銃声が、聞こえ

先ほどと、同じ場所に、銃痕が、見える

「これは、仕掛け銃かも知れない」

カウンターの木の隙間から

こちらを見て、引き金でも、引いたのだろう

であれば、先ほどの、銃の見えない

発砲も、実に、納得が行く

穴の位置から、考えると、其れは、どうも、逆瓶などが置かれている

頑丈な棚が怪しく

そこに、仕掛けているのだろう

目方も、鏡やガラス瓶でも、使えば、さらに、カウンターの中からでも目標にしやすいだろう

ここは、一つ呼びかけでもしよう

保安官は、そうつぶやくと、声を荒げた

「おい、店主

ここは、簡単に、投降した方が、為だぞ

でないと、無理矢理、引きづり出されたあげく

馬から括られて

じりじりと、黄土色の地面で、皮膚を、剥いでいくことになる

ここら辺は、火山岩が、多く含まれている

農地には、向かないが

処刑に関しては、料理のように、実に、擦りやすい

ぐずぐずにしたくなければ、強火でさっと

撃たれて、死んだ方が、良いんじゃないのか

なあ、オヤジさんよぉお」

声は、誰にも、話ていないかのように

店内に、こだまし反応がない

しかし、その、かくれんぼのような状態でも

男は、一向に、気を抜くことなく

カウンターに、目を向け続ける

棚に置かれた時計が、もう、30分は、経過していることを、示している

ゴト

カウンターで、音がした

少なくとも、まだ、ここにいる

どうする、これは、硬直状態だ

一端、表に出るか

しかし、その間に、逃げられでもしたら

報奨金が、得られない

そのために、わざわざ、一人で、来たというのに

これでは、意味がない

男は、金に困ったことを

考えているが

その反面的、動作として

男の方へ、今度は、銃球ではなく

先ほど、投げられたように、緑の酒瓶が、飛んできていた

その暗闇を、滑空する其れは、見事な、円を、描きながら、男へと、その進路を、進めていた

其れは、暗闇の中で、実に、華やかに写る

なぜなら、瓶の入り口に

白いハンカチが、ねじ込まれ

そこから、アルコール度が、燃えるほど高いのか

メラメラと、揺れる炎が、火の粉を、背後に、散らしながら

一本の線のように、男へと、向かってくる

男は、考える

これは、不味い

そして、この男は、自分の家族を、燃やして殺しているのだから

真に、気を付けなければならなかったのは

肉体的殺傷方法ではなく

物理的状況では、無かっただろうか

そして、其れが、果たして、本当に、酒だろうか

この形状の武器に、男は、見覚えがある

たいていの場合

より可燃性の高い

ガソリンや灯油のような物が、用いられる

つまり、男が、これを投げたという事は

アルコールのような、物ではなく

もう、ここに二度と戻ることがない

その必要性が、いらないほどの破壊力を持つもの

木の床に、ガラスの底辺が、砕ける音がする

男は、もがくように、表へと向かうが

その一瞬

爆風が、あたりを、飛び散らせ

一瞬にして、木造のバーは、赤く火の手を、まき散らせ

黙々と、黒い黒煙を、窓から高く登らせた

「男は」

シャツに付いた火を、払いながら

あたりを、見渡す

黒い煙の中

裏手に、あのカウンターが、合った路地に、行こうとするが

とてもじゃないが、そこを確認できる状況下にない

目にしみる煙の中

仲間が、駆けつけるまで、ボーと、辺りを、見ている

「しくじった」

そんな声は、爆風のように、店内にまだ、爆発物が

あったのか

さらなる爆音に、かき消されていた


夕暮れ迫ると言うにも関わらず

やけに明るい

警察署内で、しかめっ面のように

ガール ドール警官が、パイプ椅子に、座っている

もう、帰れる時間にも関わらず

昼間の件で、色々と、情報を、書かされていた

賞金を、得る代わりに、

男は、日給の半分はあるナイフを、失い

さらには、ただ働きを、このむさっくるしい

仕事場で、過ごすこととなっていることに、非常に、不満を、いだいている

警察署内には

頭が、痛いと言って、都会から、転属された所長が、

動物園の熊のように、ぐるぐると、頭を、抱えながら

歩いているところを見ると

神経症をやられているのだろう

他には、頭の悪そうな、お茶くみが、ビーカーで、コーヒーを、わかしている

これで、金がもらえるのだから、そっちを、是非したい物だ

しかし、どういう理屈か知らないが

男は、外

女は、中

そんな、石みたいなガチガチの思想の中

ここのルールは、定まっている

後は、左遷されたように、町のはずれを、走り回っている、頭の行かれた先輩と

定年を、楽しみに、ここら辺では、使うことも出来ない

釣り竿を、磨いている

ロッジ警官が、椅子に見える

最近の若者で言えば、今年、入ってきて

速攻で引きこもった

市長の息子チャールズトンが、居るが

無視だ

誰の仕業か知らないが

まだ席があり

給料が、支払われているのだから

意味が分からない

俺は、勤勉に、仕事をせず

家にでも引きこもっていたい物だ

いや、其れがだめなら、竿を磨くなり

コーヒーの配分でも、考えていたい

自分で言うのもなんだが

俺は、肉体派ではない

頭脳派だ

こんな、炎天下の町を、ふらふらと浮浪者のように

歩き回るのではなく

風の利いた涼しい室内で

肉体労働ではなく

そろばんでも、はじいて、脳細胞を、いじめている方が

よほど、性に合っている

しかし、其れを、妻に言えば、

馬鹿言ってるんじゃないよ

そろばんで、相手の頬を叩くような奴が

そんなこと出来るわけ無いじゃない

泉がわくよりもあり得ないことよ

そういって、鼻で笑って、チキンでも、揚げてやがる

何て言うことだろうか、これは、犯罪者の気持ちが分かるってもんだ

拳銃でも、乱射して、ぶっ放したくもあるが

しかし、残念ながら、私は、一般人ではない

しがない、警官だ

趣味で、人を、殺すことは出来ない

仕事でも、そうだ

実に、ジーザス

殺される、危険があるまで、撃つなと言うのだから

困ったものだ、割に合わない

妻に、其れを言うと、犬よりも、短気なんだからと

愛犬のホットドックの

延びきった耳を、なでるのであるから

始末に負えない

犬の方はと言えば、その両方に、興味なさげに、窓の外を見ている

実に、実に、実に、暢気極まりない

暢気なものだ

拳銃を、乱射する犯罪者の気持ち側に、立ちたい物だ

しかし、そうなると、警察は、暇になってしまう

故に、其れは、両者の調律が、合っているとも言えるが

給料に、歩合制が、無い自分としては、どうでも良いことこの上なく極まりない

感極まったところで、私は、何度目かになる

質問を、繰り返し答える

目の前には、隣町の保安官

ゴージャス アザレが、その金髪に、そばかすを隠し

目を、卵を、半分に、切ったように、黄身を、下にして、青い目で、見ている

「またですか」

何度目だろう

これで、俺よりも、年下で、なおかつ、階級が、上なのだから、国の制度に、文句がでる

いや、始末に負え無い

これなら、他の会社のように、年功序列に、すればいいのだ

俺は、頭脳労働特化型なのだ

其れは、勝手に、評価して、正当に、価値を、決めていただきたい物だ

少なくとも、テストのようなものではなく

「それで、私に対する嫌みは、終わりですかMr.ドール」

俺は、不服の意味を込めて、卵を半分に切ったような、目を、相手に向けながら

テストだけしか、役に立たない女に、こう言ってやった

其れは、堂々と、皮肉混じりに、

なおかつ、足を組むことが、非常に重要だ

出来るだけ、態度悪く

パイプ椅子に、沈むように、しゃべる体勢が、非常に何度も言うがこれも重要だ

そう 俺は言ってやる

「何度言うのだミス アザレ

俺の名前は、ドールじゃない

ガールだ

ガール

g i r l 

girl

それとも、青い目のお前は、

そんな事も、読めないのか」

相手は、その話を聞いて、感極まった

のか、首を振って、肩をすくめている

そのうちに、むせび泣くに違いない

「あなたは、少女という名前とは、かけ離れているし

なおかつ、其れが、嫌なのではないかと、下の

ドールと、呼んでいるのですが

そんなに好きであれば、ガールさん

私は、そう呼ぶことも出来ますが

Mr.ガール

なぜ、私が、わざわざ、隣町から、わざわざ、事情聴取を

わざわざ、書類を、作成できない

わざわざ、あなたのために

ガールさん

来たと思っているんですか

ガールさん

私は、自分で言うのも何ですが

今日は、誕生日で、彼が

彼氏が、今日、家で、私を、祝いに、待っているんです

其れをですよ」

彼女は、腕時計と、机の上の、小さなベル付きの

二つの鐘の付いた丸い物から

壁に掛けられた

味気ない、いつの時代からあるかもわからないような

時計へと、目をそらした後、

私の、顔を見る

「ガールさん、あなたのために、わざわざ

ここまで、車で、30分以上

ここまで、かけて、来たんですよ

ガールさん

なぜ私が、こんな、火山岩で、ぼろぼろの道路を、30分以上も、この私が、ここまでこなければならなかったか

その理由が、わかりますか、あなたに

ガールさん」

その剣幕に、私は、さすがに、この態度は、不味いのではないかと考え始めたが

そんな興味のないことに、わざわざ、私の脳細胞は、動こうとしない

故に、興味が無いという

哀悼の意を表して

先ほどの彼女の真似をするように

私は、肩をすくめ、首を振ったが

残念ながら

彼女のおつむでは、其れを、理解できなかったらしい

彼女の拳が机を叩いたときに

白いコーヒーのマグカップが、跳ね

黒い水滴が、カップの中に、落ちて波紋を、広げて反射する

「それは、事件の始末書を、ここで、書ける者が居らず

さらには、この事件の書類制作を、私が、行っていたのが、問題なんです

だから、早く、事件の全貌を、話してください

なにもないような、こんな田舎ですから

そのような、書類も、全ての警察署にあるわけではない

それを、よりにもよって、あなたは・・・

まあ、ない方が、問題ですけど

しかし

事によっては、あなたは、事件の犯人を、

逃がしたことになるのですから、早く

性格に、どうして、あの爆破が、起きたのか、話してください」

俺は、頭を抱える

先ほど、同じ事を、何度話したと思っているのだ

「さっきの話を、書き写すだけで良いんじゃないのか」

良いわけないでしょ

彼女は、そう怒鳴る

「先ほどのは、あなたが自分で、書くべき

始末書という書類

本来であれば、隣町ではなく

自分の警察署に、あるべき用紙が、無い・・・

そして

今度は、ここら辺の

町で起こった事件の統括的報告を、私が、請け負っているが、故に、あなたに、もう一度、聞かなければならない

あなたは、どうして、彼を、一人で追いつめようと」

うんざりする、何度目だろうか

もう、かえって、酒でも飲んでいる時間帯のはずだ

警察署内に

誰も居ない

皆、かえって、休んでいる

一人、先輩が、今、交代として、この建物に、向かっているだろうが

「簡単だ、急だったんだよ閃きは

善は急げって良く言うだろ

うちのばあちゃんも、良く言っていた

考えるのなら行動しろ

人間は、くそだからって」

彼女は、じっとりとした目で私を見て、

その化粧毛のない唇を、開いた

「まず、警察は、保安官は、二人で、行動するのが、基本です

何でだか、知っていますね」

私は、うなずく

もちろん、一人じゃ寂しいからだ

「もちろん、一人では、危険だからです

あなたのことですから、なにか、金目の考えを、持ったんでしょう」

何度目の話だ

もう何回、話したと思っているんだ

これは、嫌がらせか

たまたま、電話に出てしまったが故に、ここに来てしまったという

運命に対する

自分の不運を、私に、八つ当たり、しているだけ何じゃ無かろうか

こんな女であれば、きっと、分かれるのは、時間の問題であり

彼氏の結婚の失敗を、うまく、阻止したのであれば、

其れは、間違いない善行と、言えるのでは無かろうか

「いや、お前も知っているだろう、こんな場所では、常に、人手不足だ

居るのは、引きこもりか頭痛持ちか

鉄砲玉のように、帰ってこない奴

そして、コーヒーを、わかすか

老後のことしか考えない

ここに、唯一、勤勉なのは、俺だけだ

そして、俺は」

彼女がまたしても、人がしゃべっている途中だというのに、わざわざ口を挟んだ

「あなたは、トムじいさんに、一人で、見回りに、言ってくると

いつも、無理矢理連れて行くにも関わらず

今日は、なぜか、そう言って、警察署を、出て、パトロールに、出たそうじゃないですか、無理矢理」

彼女が、私の目を、なにかを、すくい出すように

のぞき込んで、しゃべる

「どうなんですか

なぜ、今日あなたは、一人で、パトロールに、出かけたんですか」

俺の頭は、風見鶏のように、回転する

しかし、くすんだ、金髪の奴の目線から

逃れられそうにない

「簡単だ、忙しそうだったからな」

彼女は、目を伏せる

あきらめたか

「何度も、聞いて、私も、疲れているんです

あなたは、指名手配犯のジェフリーハートマンを、見つけた

其れは、先日配布された

新しい指名手配書に、印刷された顔と、酷似していた

あなたは、その懸賞金目当てに、一人

彼の逮捕へと向かった

違いますか」

彼女の目線は、俺の引き出しから、持ち出されたのだろう

赤いマルが付けられた

指名手配書が、テーブルに、置かれ

そこに向いている

「何度も、言っただろう、それに関しては、気が付かなかったと

俺は、たまたま、一人で、パトロールに、向かい

そこで、たまたま、指名手配書と同じような

顔の男を見つけ

話しかけたわけだ

分かるかいお嬢さん」

二つしか違いませんが

そんな声が、聞こえるが、無視をする

「行き遅れには、悪いが警部補

聞きたいことが、あるなら、はっきり言ってくれ、

まどろっこしいのは、時間の頭脳の無駄遣いだ」

彼女は、青筋を立てるように、髪を、猫のように、逆立てながら

「私は、行き遅れていません

まだ、25です」

さすがに私は、行き遅れているだろうとは言わない

「そして、事件の概要は、感情ではなく

書くことが、決まっているのです

故に、あなたの独断と偏見で、物事は、決められないのです」

私は、小声をつぶやくと

「誰が堅物ですが、誰が」と、実に律儀な返答が、

大声で、帰ってくる

実に其れは、対等交換 

物理の法則に、反したエネルギー変換率を用いている

「それで、なにが、まだ聞きたいんだ

俺もそうだが、お前も、時間はないのだろう

明日じゃ駄目なのか

急ぐと、仕損じるぞ」

彼女は、真顔で

「明日から、バカンスなんで

彼氏と」

俺は、横っ面を、けっ飛ばして、帰りたくなってきた

どこの警官が

バカンスだ

なにかこいつは、裏取引でもしているんじゃないだろうか

「ですから、早く、この書類を、片づけなければならないんです

まあ、大体書き終わりましたんで

あなたの、署名を、ここに、書いていただければ

まあ、終わりですよ

まあまあ」

私は、青筋が、顔の側面に、浮かぶのを

我慢しながら

考える

「そういえば、犯人の死体は、見つかったのか」

彼女は、私を見て

「いえ、家の裏手に、穴がありまして

どうやら、その扉から、抜け出したのではないかと、考えていますが」

実に、馬鹿らしい

やはり、あいつは、逃げたのだ

「其れにしては、だれも、奴を、追わないんだな」

俺は、皮肉を込めて、相手に言う

「簡単な話ですよ、もう捕まえましたから」

俺の目は、くすんだ金髪へと向く

「今、何と言った」

「私が、ここに来た理由が、事件のまとめ

だと、先ほども言ったとおり

この事件は、終わっているんです

あなたが、くどくどと、責任逃れの供述を、繰り返したせいで、私の貴重な時間を、無駄にし続けたわけですが」

頭が混乱する

「いつ、そんな情報が、ここに入ってきたというのだ

お前は、そんなこと、一度も言わなかったじゃないか」

彼女は、無表情で

「言う義務は、ありませんから、嘘つきに」

と、こちらを見る

下の方で、車が止まる音がする

「何時、何処で、捕まったんだ

捕まえたんなら、こんな事情聴取

何の意味があるんだ

俺は、ナイフを、投げたが

相手には、当たらなかった

そして、あいつが、店を、爆発させた

全て、俺ではない

拳銃を、発砲したわけでも

罪を犯したわけでもない

では、なぜ、俺は、ここに、監禁されているんだ」

彼女は、一人で、向かった事などは、問題ですがと言った後

「この事件の問題点は、一つあります

それは、今回の爆破事件と言うよりも

首の切られた

一家殺害事件の中で

一人 消息が、見つからなかった人物

しかし、この事件の概要は、実に、奇妙なものです

まず持って、あなたは、今事件を、どの程度

ご存じですか」

私は、頭を、傾げざるおえない

知って居るも何も

警察であるが故に、知りたくもない

残酷な、事件などは、耳をふさいでも、目から感覚から漏れ出してくる

それ故に、その事件は、以前から、知っていたのだ

「一家の死体が

焼け跡から見つかったが

火元が、良く分からないところだったこと

そして、住人の首が、切られていたことから

この事件が、火災による死亡ではなく

殺人事件による惨殺の可能性が出てきたこと

そしてなおかつ、この現場には、その家の祖父の姿が、焼け跡から発見できず

数日経っても連絡が、取れなかった

故に、その老人が、事件を起こした

もしくは、巻き込まれたと言う事になったが

結局 消息は、不明

その後、同様の手口の犯行が、何件か、行われたことにより

その男を、指名手配にするに至ったと」

私は、そういう

「ええ、他の同様の手口に置いて

他に、失踪した人間は、見つからず

そして、どう言うわけか

ハートマン家の老人の

目撃が、その付近で、証言されたが

しかし、最後の事件以降

その目撃情報は、無くなったのと同時に

重要参考人として、手配が、行われた

あなたは、老人の存在を、いつ気が付いたんですか」

女は、俺の顔を、のぞき込んだ

実に、嫌な目である


男の話は、こうである

「その日、目を覚ますと、実に良い天気だ

私は、妻と犬に、挨拶をすると、朝食を食べて仕事場に向かった

そこで、私は、良く見知った顔を、郵便書類の中に、発見した

其れを、私は、机の引き出しに、隠していた

その顔は、良く行く

この町に、最近出来た、やけに安い

酒場の主人に良く似ていた

時期的にも、ちょうど、犯行を、行った後に

この、町に、逃げてきたと考えるのが、妥当な、日にちである

良く、人を隠すには、人の中と言うが

まさか、指名手配犯が

堂々と、町で、酒場を、経営しているなど、誰も思いもしないであろう

犯人も、其れを狙って、こんな、片田舎へと

越してきたと考えたのが、運の尽きと言うものだろう

なぜなら、田舎とは、ただでさえ、人の出入りが少ない

故に、非常に目立つのだ

其れは、ほんの一日でも、目に付くというのに

其れが、何ヶ月も

いや、店を出すというのであれば、一発で、覚えられる

故に、奴は、大きくしくじったと言える

人を隠すには、人の中と言うが

しかし、あまり、少ないと

逆効果に、目立つと言うものだ

少々、人が、少なすぎたに違いない

そんなことも、分からないとは、ぼけた

殺人鬼とは、手に負えないものである

私は、新たな殺人が、起こらないように

一人で、物事を、片づける用意を、した

それこそ、偵察と言っても良い

なにかを、起こす気は、さらさら無い

それこそ、いなくなったとしても

誰も、困らない

私は、いつもの調子で、時間は違えど

あの酒場のバーへと、真っ昼間から、向かったわけだが

その後の、どんちゃん騒ぎは、先ほどから、語った通りだ

実に、おもしろい話だろう

俺からしたら、偵察が、とんだ、事になったわけだがさ

それで、老人は、何て言っているんだ」

目の前の男は、オウムのように、先ほどから、同じような

内容を、私に、話し続けている

私は、その行動が、報われるのを、願いながら

紙に、情報を、書き続けていた


老人の復讐劇は、こうして、終幕を、迎えたことになる

しかし、現実的な、殺傷は、結局は、不発に、終わり

鉄とコンクリートの中

その殺人鬼は、繰り返すように、状況を、話している

同じ内容は、徐々に、変化を見せるが

答えには、到底、向かわない

其れが、幼稚なのか

それとも、意識の範囲を、越えてしまっているのか

要点を、まとめるのであれば

彼の会話は、取り留めもなく

もしかすれば、捕まっていることさえ

認識していないのかも知れない

其れが、嘘でなければ

老人が、犯行に、気が付いたのは

燃えさかる現場から

立ち去る警官の姿を、見たことに、発端を、有する

其れが、誰なのか

本当に、犯人なのか

殺した人間なのか

火事が消えた後

その情報を、知る

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