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長い蛇の夢を見た

それは、とぐろを巻き

血を吐き出しながら

己の逸物を、飲み込んでいた

それは、強烈な悪夢として

自分の髄液を、振動させ

パチパチと、火花を、飛び散らさせ

黄色い体液を、赤く変色させ

その透明な液体は、次第には、さびた鉄から

茶色へと、変化させて行った

青い夢の中で、赤く染まる夢は

それ自体が、実験体に使われ

極万の電極が、つながれ

コードの毛玉の中で

その猫は、黒く眠りを、続ける


長い廊下に、たたずむ、黒い影を、追おうとしたとき

私は、眼下に広がる

唖然とする違和感に、たじろいだ

その由来足る根元が、私の足下に延びる

ワイヤーだと気が付いたとき

私は、足を、引っ込める

果たして誰が、こんな事をしたのだろうか

私は、そう、考えるも、それに対する

アンサーを、出すことはなく

ただ、光景を、前にする以外

私に出来る事はなかった

ワイヤーは、廊下の床に、張り巡らされるように

延びており

ここでもし、勢い良く突っ込もう物なら

オリンピック選手なら、足を切断しても、おかしくはない

幸いにして、それは、糸のように、細いものではなく

ワイヤーを、細くしたような感じであり

直径にして、一センチ程は、あるだろうか

私は、その向こう

もはや、影さえない

人影を前に

考える

追うのは、ここからではない方が、良いのかも知れない

反対側の廊下、

さすがに、今来たところに、罠は仕掛けては、あるまい

それは、絶対とは、言えないが、しかし

それでも、奇跡的に、私が、除け続けたのでなければ、

このワイヤーの廊下よりは、安全そうだ

もし、それが、おびき寄せる

罠だとしたら、私は、まんまと、その罠に、引っかかっているという事になるが

しかし、私は、その時点に置いて、引き返すという選択を、

取らずにいる

辺りは暗く、窓から月明かりが、申し訳程度に、天井を、青白く、浮かばせている

暗い

遮光された室内は、驚くほど、光が入らず

一種、海の真上から

深海を、のぞくように、そこは、異質な、静けさが

森の暗がりのように、広がっている

私は、一人、廊下を、歩く

誰も居ないなんて事は、先ほど、

人影が、否定している

つまりは、そこには、誰かが存在している

しかし、目的は、理由は、存在意義は

それは、偶然か、必然か

それとも、目の錯覚か 聴覚の不安定か

私の意識は、めまぐるしく

意味不明な、感情を、渦巻きにしながらも

私の足は、廊下を進んでいる

まず持って、私の現状今日に、至までの

蛇足のような、うねうねとした、現状を

くどく話さなければならないのかも知れない


朝起きると、私は、鈍痛と頭痛を、合併したような、鈍い痛みに、目を覚ました

鏡を見ると、最悪であり

なおかつ、よく見れば、頭から、血のような赤い滴が垂れている

最低である

傷口を、探したが、等の昔に、固まっているようで

私は、その線を、拭うように、ティッシュペーパーに、丸めて、ゴミ箱に捨てた

何という、目覚めだろう

風邪かと思ったが

生憎、寒気はなく

私は、だめ押しで、祈るように、わきの下に、体温計を、挟み込み、念じること

三十秒ほどであっても

その結果は、私が、健全を示す、いつもの通りの

体温であり

それは、別段高くもなく、低くもないと言う

結果を、指し示していた

私は、うだるような、悲しみを、背負いながら、朝食を、食していると

がなりたてる、うるさいぴーてぃくぱーてぃく

さえずる

テレビのコメンテーターが、アナウンサーに、変わり

場面が、切り替わり

ニュースのスタジオを、映し出している

灰色と青を基調とした

ある意味、寒々しく

または、すっきりとした外装

その中に、一人の、差し障りもない

つまらないスーツを着た男が、言葉を発する

「ただいま、北海沖で、震度三の地震が、発生いたしました

この地震による津波の心配はありません」

見逃したように、何度か、アナウンサーは、機械のように

マニュアル仕掛けで、同じ言葉を、繰り返し

私が、パンを食べ終える頃には、新しい情報を、得ることなく、私の時間は、終焉を迎える

お勝手の流し台に、お皿やら何やらを、流し込み

軽く、洗剤の付いたスポンジで、容器を洗うと

水切りの台に、ふきんで拭いてから

乗っける

皆、ある程度の、距離感を持ち

その白いプラスチックの二重底の

ザルとトレイのような、形式になっている置き場に、放置される

私は、洗面台に向かい、そこで、同じように、歯を磨き、顔を洗い

繰り返される、日常を、エンジョイしていた

実に、くだらない

家を出る頃には、つまらないお笑い芸人が

さして、何にも成らないようなことを、言いながら

番組を、終演へと、導き

私は、リモコンで、電源を、消した後に

カーテンを、閉めた

まるで、暗い様子は、夕暮れ時のようであるが

それは、朝焼けと大差はない

太陽の位置が分からなければ

私は、それを、判別できるのだろうか

暗い室内の、扉を閉めると

それは、密閉となる

空気の移動が、百パーセント、移動できないと言う意味ではないだろう

そこに入る人間は、少なくとも、私以外、あまりにも存在しない

もし、出先で、私が死ねば、私の家族が、そこに現れ

私の私物を、引き取り処分することだろう

しかし、世の中の九割以上が

私と同じような状況であったとしても

昼間、一人暮らしの家に、誰かが進入することがあるのだろうか

答えは、否であろう

それが、合い鍵を、私以外持っていなければ、尚更のことである

鍵を、首から下げた、

携帯のストラップに、戻す姿は

巻き尺が戻るように思える

鍵を再度確認して、私は、家を出る

家とは、寝起きするだけの場所だとすれば

その効率の悪さは

家と言うよりも、売れ残りのペットショップのコオロギのように、感じられる

餌になることもなく

ただしをまつだけの存在

階段を下りると

群のように、歩く人々

果たして、この原動力を、別のことに、使用できないものだろうか

実に、エネルギーの無駄に思えて仕方がない

人間の体に、どの程度、食材が、利用され

そして、排出された栄養は、物体は

どの程度、利用されているかと思えば、

それは、きれいにする程度で、川に流すというのだから

効率以外の何でもない

不価値である

流れの中

果たして、我々が得ている価値とは、存在しうる

物なのだろうか

それは、ゴミくずを、人間という一生をかけて

得ているだけなのでは無かろうか

まるで、不要な歩くパソコンのように

必要以上のエネルギーを、用し

無駄に、動かして、エネルギーを浪費し

さらには、不要なアップグレイドを、繰り返すことで、

あってもなくても良い

何だったら、いらない物ばかりで、必要な物を、見失う物では無かろうか

効率とは、完成から、もっともほど遠い妥協であり

その道は、全く別ルートである

最初から

食べれる食材と食べれそうな絵の具くらいの差がある

満員電車は、果たして、誰の効率か

せいぜい、子供が、田舎から出てきて、

都会は、込んでいるな

位の感想を、抱かせるためだけの物でしかないのではないだろうか

どこの世界に、行動してまで、行かなければならない物があるだろうか

たいていは、その代用品が、手元に存在する

それを、無視してまで、ほしがるほどの物は、この世にはない

なぜなら、人間が、ほしがる物など、誰かが作った

模造品であり

極端な話

それは、あってもなくても、同一化しても

同じような、存在では無かろうか

パスを、改札に、当てながら

人混みの列を、進行する

これが、戦地に赴くならまだしも

生活するために、繰り返すというのだから

無駄の極みである

良いものとは、必ずしも善行ではない

なぜなら、正解とは、正しくも悪くもなく

現象として、そこに存在する

故に、アンサーとは、人間の答えではない

しかし、ここで、二つの代案を、提案するのであれば

それは、継続出来る範囲の耐久性を持った回答

そして、感性に従いつつも世の中を、肯定する

情報としてのアンサーである

答えとは、使う物であり

アンサーであってはいけない

物とは使うものであり

飾るものではない

飾ることが、アンサーの物であれば

それが、技術なのか

それとも、価値なのかは、気になるところである

人の感情を、揺さぶるものを、その存在意義

なのだとすれば、それは、揺さぶるために、使用されるわけだが

人が考えられる答えが、人間が、正しいと、考えられる

物であるとすれば、それは、感覚であり

必ずしも、統計を、グラフを、情報を、取れば、調べれば

正しくないことが、異常に、多い

それは、人間が、自らの正義感を、勝手に持ち出して

それを、いかに、相手に押しつけている現状が、あると言うほか無い

これを、打破するためには、上部の二つ

全てを否定するか

それか、それさえも、情報の一部と考えるしかない

それ以外であれば、相手に、うなずくしかないが、

それは、屈辱以外の何者でもない

母の愛というが、それは、毒親では無かろうか

正しさもなく、感情で、物を語る

正しさとは、正解だとすれば、人間は、いかに、阿呆であり、そして、無知蒙昧であることは、周知の事実である

それは、教師からしても、法律 警察

からしても、同じだ

そう言う宗教団体とは、自分のルールに縛られ

答えを、出せる物は、極僅かであり

たいていが、そのルールを守る以外

出来かねないのである

それは、失敗もすることのない素人と同じである

つまりは、失敗した人間を、救うことも出来ないし

世の中の役にももう立たないのである

継続とは、繰り返しであるが

継続できるだけの意味を、持たせるには、さらなる鍛錬が必要だ

ルールとは、出来ない奴のための出来損ないの答えであり

それを持ち出すのは、出来損ない奴である


「それでは、今日の予定は、こんな物です

何か、連絡のある先生方は、居ますか」

教頭が、そう言って、辺りを見渡すが

何かある人間は、今日は、居ないようだ

私は、教頭が、挨拶を終えると

一人

美術室に籠もる

壁には、ズラリと、スケッチが並び、どれも、人物を

写しているようである

確定した答えは、確定させることが出来るが

それ故に、ゆらぎがない

目に映る、鉛筆で、書かれた

スケッチの中で、一つ

名前の書かれていない物を、発見する

私は、それを、注意深く、観察するが

その細い線からは、人物名を、割り出すほどの物を

私は、持ち合わせていなかった

今日受け持つ教室は、五つ

人物画 立体画 風景画 粘土 人物画

どれも、意味があるとは、到底思えない

やろうと考える奴は、やっているし

やらない奴が、それをやる理由は、いかほどの物だろうか

やらない奴は、やらない方が、幸せだろう

その方が、人間は、特化する

良く、全てを、経験しろと言うが、それは正しくもあり

また、特色を、はぎ取る現実にも思われた

知らないからこそ、妄想する

または、やらないからこそ、さらに一つに時間が割ける

人間は、無能だ

故に、小さい頃から、一つのことだけを、やらせた方が、よほど国のためになるだろう

無能を、いくら束ねたところで、感情主義の

無能しか生まれない

怪物とは、現実否定からしか、生まれないなどは、

実に、無能な国である


一通り、見終わると

一から十まで、総評を、続ける

もっとも無意味な、瞬間である

それはまるで、小説の最後まで見ずに

叙述トリックを見逃すような

無意味さに、包まれている

私は、それでも、真剣さを持って、言ったことを、出来たかという

あってもなくてもどうでも良い時間の無駄を、繰り返す

紙に書かれた時間は

無意味さを、言い表している

チャイムが鳴り

私は、のそりと、教室に向かう

皆一同に、揃っているようだ

私は、生徒から、休みがないかを、聞かされ

授業を、開始した


何度目のチャイムだろう

私は、生徒の騒がしさと、時間表から、これが、最終

授業の終了を、指し示していた

これから、美術部の人間が、来るが

私は、さして、顧問ではない

彼らが、目指す物は、写実主義であり

私は、早々と、後任を、見つけて、別の部に、配属された

それは、超抽象主義的演劇部

なぜか、近所の演劇部からは、三晃中のアングラ演劇部と、言われているが、私の知るところではない

問題点があるとすれば、それは、舞台美術だろうか

ただでさえ、少ないそれは、その上に、美術に、ことごとく、興味が無いどころか、毛嫌いさえしているかと言うほどに、舞台に、花がない

あるのは、椅子

そう、せいぜい、椅子があれば、いい方で、

中には、箱

または、何もないなんて事は、ざらにあり

それ故に、舞台を、現実的

すなわちは、写実的、本物とさして変わらないような

そんな、グラフィックが良いという

ほめ言葉でもないような

言葉の、真反対を行く

その演劇内容は、高校演劇大会に、三度の出禁を、くらい

市のホールの貸出禁止

これに関しては、極秘裏に、スタッフの方が

ごくごく極秘に、開催する事もあったが

それは実質、身内としか言いようが無く

ぎりぎりと言うべき感じである

では、この演劇が、なぜ続けられているかと言えば、

それは、ひとえに、実力と気迫という面が多い

どこの落語家だよ

というように、世の演劇の中には、台本を、三日で覚える演劇部が、存在すると言うが

それは、ひとえに、素材としては正しいが

役者が、監督まで兼用するとこを考えると

それは、あまりにも使えない

確かに、覚えるのが早ければ、それから行動が出来る

うまい絵が描ければ、言われたことを何でもこなすことは出来るし、その上を、より早く行う時間も

また、厚みも出る

そのすごみを、もって、アンサーとするか

それとも、作品の根底

演じることではなく、その作品を、動かす為に

わざと、手を抜く

故に、行ける場所もある

それは、決して、ほめられる物ではないが

なんぴとたりとて、けなすことも出来ない

境域には居る

いや、それは、同等と言っても良い

天限が、存在しても、さらにその上を、目指す

無鉄砲さか

現実を見た上で、リアルを、求めるが故に、

言語を、スレさす事無く、生かしたまま

ストーリーに邪魔にならない程度の事実を、伝えるのか

味か

真実か

求める方向性が、同じ演劇であり

なおかつ、雰囲気以前に、存在しうる

その存在は、同じでありながら、全くの別物と言ってもさしつかえ無い

ただ、それを理解する人間は、限りなく居ない

本物とは、よく分からない物なのである

部屋は、学校の、端の端

発声練習の騒音を、許容できる場所に、追いやられている

唯一の救いは

小道具が、存在し得ないので、そう言う箇所は、優れているとしか言いようがない

教室に、近づけば近づくほど

その声は、大きくなり

一種異質とさえ言えるような、声量は

並の大人の怒号では、到底、子供の泣き声に、等しい

それは、安定してはいるが

故に、難しい檻に閉じこめられる

安定が、揺らぎ無ければ無いほど

それは、不自然に、それ故に、不自然さを

観客に、許容して、見せなければならない

その摩擦を、ゼロにするためには、さらに、鍛練を積み

声に、よどみなく

そして、その声量で、普段の会話のような、さりとて、芯の通った聞きやすい声を、演じなければならないのだから

不可解極まりない

声は、扉越しに、壁越しに、振動している

複式呼吸から、繰り出される振動波は、へそ下三寸

から、繰り広げられ

一種の空気砲のように、繰り出されている

五十音が、終わり

その後に、五十音を、用いた詩が発声される

周りの吹奏楽は、音を消され

当たりに居らず

残るのは、腕相撲部と研究研究会

後は、読書研と工作くらいだろうが、どれも、腕は良くても、離れ小島に、追いやられた人間どもの

島流し場とさえ言える

こんな、発声練習という

最悪な環境でも、居られるが故に

腕が、良いのかも知れない

し、それに、さして作用されない変人なだけなのかも知れないが

用は、マイナーはマイナーなのだ

すごかろうがなかろうが

いつの間にか、向こうで、雨音が、走り出す

窓からは、線のように、白い雨が、降り注いでいる

台本読みは、30分は、経過した後に始められた

「ああ、血みどろの廊下に、倒れる

私の心臓よ

鼓動は、鼓膜を、鳴らし続け

私の、脳細胞は、ぷちるぷちりと悲鳴を上げる

ああ、私の、感覚よ

脳細胞は、死滅し

電子音につながれた

細胞は、ぷぎゃあぷぎゃあと産声を上げながら

血を、体液を脳髄を、はき出し続ける

私の、体の血液は、このトマトジュースの缶詰の

鉄分から、抽出され

私の、体内を、僅か三分ほど巡り

床に、こぼれる

私の肉体は、常に、死を迎え

生を、見ることなく、死に続けている

ああ、神よ悪魔よ仏よ神よ

私の霊体は、今

何処にさまようのか

肉体だけの我の存在は

果たして、魂を、宿していられるというのだろうか

私は、血を、細胞から、漏れだし

今も、床を、白血球と赤血球の汚物の遺骸の骸の

山と化して黒く廊下を、今まさに、盛り上げていく

その肉体だった物の痕は、誰も、通ることの許されない

この孤独の実験場に、今も、固定物として固形物として

残り続ける

ネズミもウジもゴキブリさえいない

私は、廊下で、あがき、もがき続ける

電極に、流された細胞は、無限に癒着した

我の細胞を、咀嚼しながら、刻一刻と

心音を、動かす

脳を、無くした肉片の我の思想は、そこにはない

ただ、肉が、廊下で鼓動を、繰り返す

我の思想など、我が、生きていた内でしかない」

台本が、代わり、次の台詞が入る

私は、部屋の出た直ぐ近くに置かれた

椅子から立ち上がり

トイレに向かう

意味など、存在しない

どんなつまらないことでも、やりようによっては、光って見える

しかし、意味を求めたとき

それは二つに分岐する

継続可能なノーマルか

他者には真似できない

異常な非日常か

答えが決められないなら、情報を、意見を言わず

溜続ける事が、この世への反逆となり得るかも知れないが

逆に、この世の中に、動作を生むことはない

世を、止めるためには、世のあらを、突きつける

事に、要点を置かなくては成らない

それは、正解ではない

しかし、間違った世の中で、正解を、正解だと理解できる人はいない

これは、正当性の話ではない

人間の真理無きものに、真理は無意味だ

故に、間違った正しさで、教えなければ、言語が、意味が、通じないのである

それを、わかりやすくと言う

声が、小さい

部屋の中から、ボソボソと声が聞こえる

部長の猫美智の声であろう

完璧主義者であるが故に

それは、時として、完璧からほど遠い物を、見いだす

それは、人間が、全く違う物を、求めるかのように

知識者は、曖昧さを求め

曖昧な人間は、権威を求めるような

恋愛感情にも、時として、それは見いだせるのかも知れないが

しかし、その場合、これは、上記を、変色的に、解釈すれば

行動を起こす物は、情報を集めるのをやめ

情報を集める物は、それ故に、行動が、起こせない

それが故に、合致するのか

自分に、無い物を、求める理由とは、何処に存在するのだろう

他を、肯定することで

人材の多様性を、確保しているのか

それは、それを知らない無知なのか

棲み分けを、強くするための仕切なのか

他の差 同一的 共通言語 故の荒さなのか

他と多は、同一的であり

交わらない細胞群である

「先生終わりました」

部長が、鍵をかけて、私にそう言う

鍵は、職員室の鍵置き場に置かれるが

それ故に、盗もうと思えば、どの鍵でも、盗むことが可能である

過去に、合い鍵を、自ら作り

大量に売りさばいた事件が、発覚してから

監視カメラが、しかれられた上で

事務員さんが、わざわざ、鍵を、手渡すほどになるあたりに、ルール社会を、目にする

それを、成長と、呼ぶか

安易とよぶか簡単と呼ぶか

崩れやすいのは素人のせいか

まあ、それ故に、私が、鍵を、預かることが、一般的でもあったりする

現に、私の赤いストラップには、家の鍵とここの鍵がぶら下がっている

木工教室に、置いて

戸締まりだけしておけば

いつも閉めていることはない

教室内には、誰もいない

五人の部員が、背後から、廊下へと、帰って行く

私は、一人、その様子を見ながら

帰り支度を、始めることにした

周りからは、吹奏楽の音も消え

あわただしく、最後の生徒たちが、帰る音が

ざわざわと、静かに、波のように、聞こえてくる

私は、美術室に行くと

準備室に入る

美術部のしょうは、皆、帰ったようで、明かりは消えており

私は、鞄を取ると

教室の外に出た

二階である

この場所に、外からはいる物はいないとは思うが

一応窓を確認するが

全て、しまっている

元々、閉めるのが面倒で、いつも締め切っているので、それも無意味かも知れないが

一応の習慣として、義務づけている

美術室に、準備室からはいると

全ての窓を見るが

どれも鍵がかけられている

最後の窓を、確認して、戻るとしたとき

何か、物音を聞いたような気がして、振り向くと

窓ガラスに、かかる

白いカーテンが、揺れていた

おかしい、風が、入るはずがない

古いこの校舎に、換気扇はない

すきま風も、雪国に近いこの地方では、古いと言っても、木造でもない

ので、入りようがない

では、窓が、開いていたか

後ろの扉から

そう考え

先ほど調べた、窓よりも、私が、準備室から、入ってきた

扉を見ると

銀色の板が、ゆらりゆらりと揺れている

其れが、私が、入ったせいで、揺れているのか

それとも、風か分からない

そうなれば、あのカーテンも、私が、窓を見て回るときの風圧で、風が、窓が開いているからではなく

揺れたという事も考えられる

それでも、もう一度、私は、全ての窓を、確認して、カーテンを、まとめようと手をかけた

「先生、大丈夫ですか」

私は、振り向くと

演劇部の部長だった

「何しているの、早く帰りなさい

それとも、何か」

彼女は、私に、研究室のドアの前で言う

「実は、台本を、木工室に、忘れてしまって」

私は、鍵を彼女に渡すと

後で行くから

と、彼女を、行かせた

教室は、暗くなってきている

カーテンをまとめた、私は、何かが、手に付着したのを感じた

しかし、暗い中では、それを、確認することが出来ない

私は、外に出ると

鍵を閉めた

廊下の明かりで、初めて其れが、赤い液体だと気が付く

絵の具でも、カーテンに、付けてしまったのだろうか

顔に近づけると

妙な、鉄のにおいがした

其れは、どうも、絵の具の糊のにおい

と言うよりも

血に、近い気がした

私は、面倒なことがあるかも知れないと

もう一度鍵を開け

今度は、明かりを付けて

あのカーテンの元へと

歩く

白いカーテンだ、見れば、直ぐに分かるだろう

私は、近づけば、近づくほど、奇妙な感覚におそわれた

先ほどまで、白いと思っていた

カーテンが、存在して居らず

代わりに、真っ赤なカーテンが、揺れている

そんなはずはない

第一

先ほど、縛ったはずだ

床には、布製の結束が、落ちており

私の縛り方が、甘かったことを、示しているようである

「誰かの悪戯だろうか」

これは、報告しなければならないかも知れない

私は、ため息を付く

しかし、誰がこんな事を

私は、レーンから、つり下げられた

一つだけ赤いカーテンを、見る

其れは、濡れており

最近、行われたことを、示している

天井を、見上げると

白い天井の一角が

赤く汚れている

「どう言うことだろう」

私は、教室に、備えられた電話で、用務員さんを、呼ぶと

まだ、居てくれたようで

直ぐに来るという

一人、部屋で、赤いカーテンを、見る

しばらくすると、部長が、先に、鍵を置いて、帰って行く

私は「気を付けて」

そう、小雨が、寒空の中 窓を見ながら

彼女にそう言って、その小柄な体躯を、追っていた

「ああ、先生、どこですか」

入れ替わりで、事務の小林さんが、現れた

その四角い体躯は

威圧的なまでの行動を、秘めていそうである

「あれなんですが」

天井を、指さすと

「ああ」

彼は、そう言って、大丈夫ですよ

と、言い

ただ、腐食した鉄が、雨漏りで、垂れるんですよ

そう言って、さもつまらなそうに、笑うと

「なおしておきます」

そう言って、教室を、出て行く

私は、「はあ」

と、そう言うと、一人、改めて、扉を閉めて、電気を、消していないことに気が付き

頭を、振りながら

元の教室の、ボタンを、押すと

表に出る

暗い窓から

中の様子をみると

なぜか、カーテンが、揺れている

天井から、雨漏りがするのだから

そこから、風が入ってきてもおかしくはない

私は、急ぐように、準備室から出ると

今度こそ、鍵をかけた

廊下から見える美術室では、カーテンは、揺れることなく、それどころか部屋の様子さえ

暗すぎて、よく見えない

其れは、廊下の明かりが、明るいせいもあるだろう

そこで、また、鞄を、忘れたあたり

私は、いよいよ嫌になっているのである


廊下を歩いて、踊場に行くと

鏡の前で、私は、手を洗う

今から走っても、電車は、行ってしまっているだろう

私は、ゆっくりと

水で洗い流すと

赤い水が、緩やかに、水道の排水溝に、流れる

流し場には、誰もいない

後は、教頭が、見回りを、今日は済ませた後

警備会社が、巡回する手はずとなる

ぼんやりと写る

蛍光灯

その下で、私は、水を切り

ハンカチに手を当てて、水滴を、取る

もう生徒の足音は、しない

この状況だけであれば、まるで、構内に、私一人が居るようにも、錯覚するが、電気がついている時点で

其れはないだろう

もし誰もいないのであれば

構内、明かりがついているのは、おかしい

私が、廊下を、そのまま降りようとしたとき

なにか、声がした

まさか、まだ生徒が、残っていたのか

振り返り

階段から、上を見たが

薄暗い廊下の壁が、見えるだけである

「誰か居るの」

そう声をかけるが

返事はない

おそるおそる

階段を上る

窓の向こうで、雨音が、する

先ほどまで、見ていた廊下が、やけに暗い気がする

美術室の方向には、誰もない

私は、振り返り

生徒の教室のある廊下を見る

やはり、誰かが消したのだろうか

廊下は、電気が無く

其れを付けようとしたとき、向こうで、人影が動いた気がした

其れは黒い影のように

私は、そう認識した


しかし、其れが、誰なのだろう

私は、その人間を、見たことがあるのだろうか

誰が消したのか分からない廊下は、非常に、薄暗く

物事の陰影を、ぼやかすように、あたりを、包み込んでいるせいで、廊下の影に、誰かが潜んでいても

その人間を、認識することさえ、出来ないのではないだろうか

蛍光灯に、目を移せば、ぼんやりと、天井に、出っ張りのような、取り付け器具が、存在しているが

その存在は、しょせんは、蛍光灯が、あってこそであり

なおかつ、私は、その薄暗闇の中、

どうも、例の蛍光灯の姿を、見いだせずにいた

あの影は、生徒だとしたら、もう帰ってしまったのでは無かろうか

しかし、もしも、不審者であれば、其れは、問題である

私は、その影を、追わなければならないが

不審者という事は、不審なわけであり

そんな人間に対して、この闇は、深すぎる

私が、無防備にいっても、何も解決し無いどころか

さらに、犠牲を、プラスしかねない

仕方なく、その場から目線をそらし

廊下に設置してある

蛍光灯を、点灯する、ボタンを探すも

私は、滅多に、こんな時間に、廊下に、居ることなどなければ

第一、廊下の電気さえつけた記憶がない

果たして、何処においたというのだろうか

考えを、廊下に目線という形で、巡らせるが

その造形物を、探し出すことだ出来ない

もしかすると、この廊下ではなく、階段の途中にあるのかも知れないし

闇の中に、紛れるような形で、其れが、存在していても、何らおかしくは無いどころか

その可能性の方が、絶大であろう事は、予想に難しくはない

壁沿いに、目を沿わすが

暗闇の中で、人間の目は、光の反射を、目視することが出来ず

ただ、目をつぶったような、無気力間の中、手を伸ばし

その存在を探った

私は、いつまでこんなばかげたことをしているというのだろうか

答えなく、探し続ける

凹凸のある壁に、スイッチの出っ張りを、見いだすことは出来ない

私は、そろそろめんどくささを、感じ始めていた

こんなところで、探すより、いつは、廊下の中央部に、そのスイッチはあるのでは無かろうか

であれば、無様にここにいるよりも、一歩前進して

その存在を、探すべきでは無かろうか

暗闇の中、ゆっくりと、上履きが、廊下を、歩く音が聞こえていた


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