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鉄の館 殺人事件

鉄の館 殺人事件


長い列車が、徐々に尻切れトンボのように

短くなる

その中の椅子に、私は腰掛けていた


私が向かう家、いえ、屋敷は

全長百メートルは、有ろうかという

真四角の屋敷であり

思いついたように、屋根が、所々つきだしている

回りからは、鉄屋敷だとか、呪われた教会等と言われているが

教会に関しては、宗教団体ではなく

一般的な、民家であり

そう言うミサのようなことは、行われていない

ただ、噂によると、この屋敷は、一晩で、突如

出来上がったとかで、地元では、不可思議な家として

もっぱら噂である

それゆえに、一夜館とも、言われているが

真否は、不明である

私は、とある筋から、この館で、誕生日会が、行われるとかで

その取材と、こぎ着けて、無理矢理、潜入するつもりであった

この館の一族は覆紙 フガウミ一族と言って

医療関係者が多く

比較的裕福だと言われている

顧客の多くが、金持ちでるというのも、それに拍車をかけているようであった

そうでなければ、こんな山奥に、こんな巨大な

しかも、鉄で出来た、建物を、建造もしないだろう

この建物を、建てた理由について

外部の電波を遮断する核シェルターのようなものだと

言われているが、不明なことも多く

この家の当主

覆紙 大陸 おおみちと言い

病院を、経営しているが、口数が、多い方ではなく

取材に応じたような記事は、見つからなかった

ただ、何かのイベントで、その当時の市長と、写っている

写真を、見ることが出来たが

広い髭を生やし

角張った顔は、生真面目とも気むずかしそうにも

その白衣姿を見て思った

東京市内から、電車で、三時間

私は、バスを乗り継ぎ

タクシーで、近くまで行く

招待客らしき人間が、皆、車に乗り

玄関口で、降りている

私は、一応

それに見合うような、服装を、着ており

レンタルで、二日で、二万円もする高級な物のはずだが

しかし、回りの人間の服装は、私と比べ、多少

安っぽい物に感じられた

招待客は、チケットのような物は、持たず

ただ、一様に、大きな玄関口から

室内へと、入っていく

やはり、噂は本当だったようだ

何でも、この屋敷が、建築されて、今年で、五十年という

節目だという

それに対しての

お祝い

そして、誕生パーティーだという

外装は、大きな鉄

であり、何かが、塗装されているのだろう

錆はあまりなく

上の屋根は、簡易的に、丈夫に設置されており

雨風を、凌いでいるのだろう

その上に、つきだしたように、多数の屋根が、設置されている

其れは、ゴシック建築のような

カテドラル

と言うよりも、無秩序に生えた

いや、キノコのように、隙間を縫うように、建築されているようである

鉄色の外壁と、その屋根のコントラストは、明らかに、違い、異質である

其れこそまるで、おがくずから生える

エリンギのように、感じられたが

その色は、どちらかと言えば、赤い屋根や

茶色い外装からは、別の物に感じられる

室内にはいると

そこは、四角と言うに、相応しい

内装であり

まるで、体育館のように、巨大な吹き抜けが

天井まで続いている

部屋は、半分ほどに、仕切られており

正方形の玄関に面した壁とは、正反対であり

そのしきりの向こうには、住人の住居や

一般客の客室が、存在しているという

ただ、その横百メートルはありそうな、巨大な、ホールというか玄関口は、

それだけで、半分ほど、仕切られているにも関わらず

何処までも広く

ずらりと並べられた、料理の乗せられたテーブルが並び

その全てに、白いテーブルクロスがかけられ

何処までも、続いているように見える

天井からは、明かりが降り注ぎ

とても、何処にも窓が、一つもないとは思えないほどであり

来客は、とても、外が、肌寒い十一月

だとは感じさせない

木枯らしも、曇り空も

ましては、寒さなど無い

この華やかな、場所に置いて、談笑したり料理を、食べていたり、酒を飲んでいる物に分かれている

においのきつい物は、マナーとして無いのだろう

どれも美味しそうであった

私は、この場所の主催者を、探したが、まだ、現れていないらしく

入り口付近では、受付のように、立っている

執事が居るばかりであった

私は、ただ立っている

執事に聞いてみることにした

「あの、すいません、本日は、建立記念おめでとうございます」

執事は、恭しく、例をすると

感謝の言葉を、伝えた

「其れでなのですが、このパーティーは、どういう目的で、行われたのでしょうか」

執事が、白い口ひげを動かしながら

「はい、とう館は、今年で、建築50周年と、成りました。

其れを記念しまして、皆様方に、とう館にお出でいただき、ささやかですが、お食事 ご歓談を、と

主人の覆紙 大陸が、催しを、決めたのでございます」

私は、一人、考える

聞いていたとおりだ

「ちなみになのですが、今日の参加者は、どう言った方々なのでしょうか」

執事は、にんまりと、笑うと

「はい、様々な方々です」

と、柔和に、かわされたような気がした

しばらくすると、風が強く鳴り始め

執事は、大きな、扉を、閉めた

外は、そろそろ暗く鳴り始めており

他に参加者は、居ないようであったが

遠くの方で、何か、明かりが見えた気がした

「執事さん、何か、明かりが見えました

誰かくるんじゃないですか」

執事は、はて

そう言って、もう一度、その扉を開けると

木の隙間から、一つ

マウンテンバイクに乗った

男が現れた

青い車体は、闇で、紺色に沈み見えにくく

ただ、社名なのだろうか

KANAの白い文字が、暗闇に浮かぶ

男らしく

背が高い格好に、雨合羽を、着込んでいる

「いやいや、すいません、途中で、降ってきたもので

透明の合羽の下は、黒いスーツが、着込んでいる

其れを脱いでいると

執事が、手早く、それを折り畳み

袋に入れた

「乾かしておきますので、お帰りの際には、お申し出を」

執事は、そう言って、どこかへと、去っていく

扉は閉められ

外の冷たい外気は、建物内には、入ってはこない

眼鏡をかけた男は、軽く顎髭を、生やしており

一体どう言う人種か計りかねた

「こんばんは」

男は、軽く会釈をした

「今晩は、どう言ったご用で」

そんな物は、このパーティーに、参加するくらいであろうかと

考えたが

しかし、男の言葉は、少々違っていた

「いえ、歴史研究か何ですがね

どうも、この場所は、少々、面白い歴史がありまして

それで、今晩は、急いで聞きつけたのですが

いやはや、ギリギリだったようです」

あたりは、賑やかに、談笑している

食べ物も、千差万別であり

それこそ、お洒落なバーにありそうな物から

高級レストラン

はたまた、オードブルと言った物まで

フルーツから

千差万別和洋折衷とでも、言うようなものだ

それでも、比較的、海外の物が、多いように思われた

「其れにしても、やけに、料理が多いですね

これは、食いっぱれが、無さそうです」

そう言って、テーブルに行こうとする

歴史学者と、称する男

「面白い歴史って、たとえば、どんな物が、存在するんですか」

男は、近くにあった、皿を、取ると

その上に、スパゲッティーを、銀色のトングで、つかみ、山のように、乗せてから、箸で、それを、器用に、すくい

「いただきます」と言うと

食べ始める

「っえ、聞いていませんでした

何です」

私は、相手に、飲み物を私ながら、再度聞く

「いえ、あなたが、ここら辺には、面白い歴史があると

聞いたものですから」

男は、眼鏡の奥で、私を見て言う

麦茶かほうじ茶かしらないが

其れをすすり

「いえ、ここら辺には、男根伝説があるのですよ」

なにやら、不穏な、雰囲気を、かもし始めた

良く言う道祖神も、それに類する事もありますが

所謂 男女和合 陰陽石

等 どれも、村の魔除け

何かを入れないように、辻や境界線等に、置かれたものですがね

ここら辺には、昔

沼が、あり

それを、女隠に、見立て

巨大な石を、建立した

これを持って、魔除けにしたのではと考えているのですよ」

ちょっと待て、良く分からない

「其れは、どういう話なんですか

ただの建立物語ですか」

男は、首を振りもう一口、お茶を飲む

「この辺りで昔、悪い物が、動き回り

村人たちを、沼に、夜になると引きずり込んでいた

其れが、ある時、夜空に、竜が現れ

池に、沈んだ

其れ以来 村人が、死ぬことは、無くなったと言われています

ただ、記録はあるんですが

何分、昔ですし

それに、戦時中

ごちゃごちゃしてしまったもので

資料が燃えるわ

沼の場所も、分からないわで、まあ、ほとほと」

私は、そう言って、別の物を、食べ始めた

男に対して

「それで、何で、この館に来たんですか」

男は、こちらを向いて

「いえ、話は、別件なんですがね

ここには、人狼伝説が、有るんですよ

面白いでしょ

私は、これこそが、封印された

化け物

つまりは、狐付きとか

狂人を、沼に沈めた話が、現在行くに当たって

改変された物何じゃないかと考えたわけです

人が沈めるとなると

体裁が悪い

しかし、其れが、空からくるもの

何か、お告げか

神のようなものとして、人殺しを、正当化させていたのではないかと

そうかんがえているんですよ

でね・・」

そのとき、半分ほどを、仕切

その向こうの階段から、一人の恰幅というか

体格が良い男が、歩いてくる

その姿を見て、何人かが、離すのをやめて

箸を置く

すると、回りの人間も、何かと、それに、習ったようであった

私は、その姿を見て、疑問に思う

「えー皆様方

今夜は、お出で下さいまして、ありがとうござます

外は、冷え込み風や雨が降り注いでいますが

この館は、五十年以上

この地に立ち

我々一族を、見守り

繁栄させていただいております

今宵は、この館の生誕五十年を、記念いたしまして

ささやかでございますが

ここに、祝辞を、延べ指していただき

この館に、盛大な、拍手と共に

感謝を、お伝えしたく

開催させていただきました

其れではみなさま、ご足労かとも思いますが

このやかたに、喝采をお願いいたします」

そう言うと、皆それぞれが、万感の拍手をならす

鉄のせいか、その反響は、一種独特なもので

ホールとは違い鐘のように、響きわたる

皆、ここの関係者ではない物も居るだろうが

その音のせいか、一心不乱に、手を叩いた

しばらくして、男は、拍手を、手を下げる手振りをすると

拍手は止む

「ありがとうございます

館よ、今まで、ありがとう

其れでは、みなさま、ささやかではありますが

それぞれ、ご歓談やお食事を、お楽しみ下さい

ありがとうございます。」

男は、頭を、丁寧に下げると

颯爽と、階段を、戻っていく

「あの男の人を、知っていますか」

私は、彼に、行くと

男は、顔を傾げ

北京ダッグのような、焦げ目の付いた

鶏肉を、取っていた

「あなたは、知っているんですか」

彼に聞かれ

首を傾げる

どこかで見たような、気がするが思い出せない

「そう言えば、お名前は

私は、新聞社に、勤めています

丸罰 十円 マルバツ ジュエンと言います

あなたは」

彼は、別のテーブルに、向かいそうになっていたが

「ああ、歴史学者兼作家の希閉 困閉 キジマ コウヘイだ 以後よろしく」

握手もなく

ただ、咀嚼音が辺りを埋め尽くす

音楽はなく

ただ、外の暴風雨とも取れる

風のうなり声が、辺りを、包んでいた


主役無き会場

いや、主役の内部に、我々は、居るのか

この館の主は、あの挨拶、以降

私は、目にすることは、無かった

自称 歴史学者と言う男は、皿の料理を、求めて

テーブル内から、料理を、堆く盛ることを、追い

さまよい歩いている

私は、参加者に、話を聞いてみようと

周りのテーブルを見て、ふときがつく

妙に、人数が、減っている

遊戯室か、疲れて、部屋にでも、案内されたというのだろうか

そう言えば、このパーティーが、何時までやるのか聞かされていない

もしかしたら、翌朝まで、泊まりがけで、行われているのかも知れない

私は、そう考えながら、一人の男性に近づく

周りには、数人の男女がおり

年は、五十を、越えていそうであった

「あのすいません、新聞社の者ですが」

私がそう言って近づくと

濃い目を、こちらに向けて

「何処のだ、何処の」

と言うので、社名を言うと

「知らんな」と、一括されてしまう

「其れで何ですが、今回のパーティーには、どのような経緯で、参加なされたんですか」

取材の許諾を貰って、私は、眉の濃い男に聞く

「ああ、病院で、誘われたんだよ、医者から

今度、パーティーがある

気晴らしに行ってみたらいかがですか、と

それで、車も出る、と言うし

医者の言うことだ

嫌々だが、来たのだよ」

私は、其れを聞いて疑問に思う

もしも、大勢を呼ぶためのパーティーであるとしたら

この主催者は、病院の全員に、そんなことを、言うように、言っていたのだろうか

「みなさんも、同じ病院で」

周りのかたに聞くと

皆一応に、頷く

「失礼ですが、どのような、病気で」

気むずかしそうな、ぎょろっとした目が

こちらを向き

「ただの心の問題だ」

そう言って、どこかに行こうとする

「失礼しました

最後に、一つ、お聞きしたいのですが

この館について、知っていることは、ありますか」

私の問いに、男は、ふと、考えるそぶりをすると

「この館は、どうもおかしい 土台がどうなっているのやら」

彼は、どうやら、建築業に関わっているらしく

そう言うと、またテーブルの酒を、飲み始めた

「おねいさんは、この建物を、どう思います」

金髪の男が、話しかけてきた

「私ですか、私は、どうも良く分からないと言うのが正直な話です

調べても、余り良く出ないですし

こんな、馬鹿でかい建物が、突如森の中に

もっと、全国に知られても良さそうなものだと思いませんか」

私は、そう言うが、金髪の男は、肩を竦めると

「其れこそが、世界が隠蔽している謎と言うものだと、思わないかい」

そう言って、私をみる

何か、白濁とした

下に恐ろしい感覚を私の周りを包んだ気がする

「大きな箱と言うと

僕は、旧約聖書に出てくるノアの箱船を、思い出すね

これはまさしく、極秘裏に、建設された

あの、ノアのは小舟、そのまま何じゃないかと

私は、思うよ

みた前、この壮大なる

巨大な、建造物を

初代ゴジラよりも二十メートルより高いのだよこの天井も

壁も」

天井と壁は、同じ大きさだとは思うが

何せ正方形なのだから、全面は、見た目は

そんなことはお構いなしに、男の講釈は続いた

「この上の屋根

君は見たかね

あれはまさしく、海外のカテドラル

いや、あのゴテゴテしく

綿密な造形物はゴシック建築

見たところ、かなりの古いものとお見受けする

これは、日本の物ではない海外の物だろう」

私は、そう言いきる自信が、どこら辺にあるのか

聞こうとしたが

「しかし、不可思議だ、この鉄の塊

果たして浮くのだろうか」

私は、思う、ノアのは小舟があるのであれば、

其れは、木製なのでは無かろうかと

もしも、神話級の物が

神話級の物だったら

もしかすると

其れは、超テクノロジーを搭載した

一見金属に見えるものであったとしても、おかしくはないだろう

いつの間にか、酒を片手に、先ほどの男が、口を挟む

「見て見ろ、壁の一部に、変色跡があるだろう」

男はそう言って、鈍い白みがかった

銀色の鉄の壁を指さす

「あれは、何かが混じっている」

男はそう言うと、壁に歩み寄り

其れを、手で軽く叩くと

カーン

と、やけに響く音がした

「やはりおかしい、一体何処で、止まっているんだ

やけに響く」

男は首を傾げながら

壁を叩く

「何がおかしんですか」

男は、酒を飲みながら

「これだけでかいんだ

もはや、地面に、止める必要も無いかも知れないが

しかし、この壁は、良く響く」

男はそう言って、また酒を飲んだ

「色が違うというのは」

男は、首をひねる

「さあ、分からん、強度が落ちるというのに」

そんな事を、言ってまた酒を飲んだ

背後では、救済の時よ

と、若い男が、叫んでいる

大丈夫だろうか

しかし、執事の姿はなく

他の客も、寛容なのか、それに対して、気にするような人間は、現れなかった

そんなとき、どこかで、甲高い悲鳴が上がった

其れが、何を意味するのか、私は、全く理解できなかったが、すぐに其れが、ワインを、落としただけだと気が付く

そう言えば、また、人が減った気がする

時計を見れば、午前十二時を、すぎようとしている

当然と言えば、当然かも知れない

明るい電気の下では、そんなことさえ、考えなければ、分からない

私は、皆が行っているであろう

部屋に、ついて、見てみようと

考えたが

何処から行けばいいのか

私は、分からないことに気が付いた

もし、そのような場所があるとすれば、

先程、男が降りてきた階段か

あるいは、階段の下にある

エレベーターのような、場所であるが

その場所は、行ってみても、ボタンもなく

ただ、鉄の扉が、閉まっているに過ぎない

「どうしたんだ」

振り返ると歴史学者が、立っている

もう、五時間は、経っているというのに

未だに、皿に、食べ物を入れて、こちらを見ている

「いえ、皆さん、部屋に行ったようなので、私も、どのような部屋の構造なのか、知っておこうと思いまして」

少々遅いような気もするが

しかし、いろいろな人間に話を聞いていると

時間とは幾らあっても足りない

それこそ、一日一冊ほどしか

せいぜい伝記が読めないようなものだ

其れさえも・・

「君は、知らないかも知れないが

ここに来た人間が、本当に、客室に向かったと思うか」

男は、肉を食べながら、こちらを見ている

ローストビーフだろうか、ピンク色の薄く切られた

肉が見える

「どう言う意味ですか」

私は、男に聞いた

「言ったとおりだよ、ここに招待された人間で、果たして、泊まりがけだと考えた人間は、どの程度だと思う」

私は考える

分からない

私のような、人間はともかく

そう言えば、あまり、客室の話はおろか

着替えの類の荷物を、見た覚えがない

もちろん、先に客室にはこばれていなければの話だが

「分かりませんが、確かに、そのような、格好ではなかったかも知れません

まるで、すぐに帰るように」

男は頷く

「僕は、ずっと、見ていたけどで

皿越し

だけど」

何をです、と、私は聞く

「其れはもちろん、扉に決まっているじゃないか

君は、記者なんだろ、もう少し周りを見たらどうなんだい」

私は、何か、小言を言われたような気がするが

しかし、何処の記者が、取材もしないで、

入り口ばかり見ているというのだろうか

何か、小説の読みすぎでは無かろうか

そう言えば、この人は、何か、そう言うことを言っていた気がするが

「それで、何か、扉を見ていて分かったことはあるんですか」

私は、あくび混じりにそう聞く

そろそろ眠たい

さすがに、ドリンクくらい、飲んでくれば良かっただろうか、目が覚めるような酸っぱい物を

「少しは、考えた方が良いだろうよ

誰も、そう、だれも、この扉が閉められてから

入った物も出た物もいない

つまり、みな、他に出入り口がなければ、

わざわざ、ここからではなく

別の場所に向かったことになる

其れが何処だか、君は、分かるかい」

私は、またしても、自分をけなされている気がしたが

無知な、私としては、惚けたように、それに対する答えも出ず

指出すように、階段を、示すが

男は、首を傾げる

全員が、全員

あの階段を、登ると思うかい

もしも、そう言う話を始めから、されていたら、

話は違ったかも知れないが

しかし、どうも、そう言う風ではない

となると」

私は考える

人間の行動原理など、対して皆同じ

アメーバかミジンコのようなものだ

「トイレですか」

男は、眼鏡をこちらに向けて頷く

「ああ、そうなる」

私は、周りを向くと、いつの間にか、誰も居なくなって居る

「そんな馬鹿な、全員が全員、トイレに行くなんて事が」

私の考えを余所に

「君は気づいていなかったのかい

料理の中に、利尿剤が、入っていることに

だから僕は、その料理をよけて、食べていたんだよ」

何でそんな物が

私はそう思ったが、其れよりも

「そんなことより、何が起こっているんです

なぜ、そんなことを」

男は、ゆっくりという

「そう、何かここは、おかしいんだ

しかし、君は、どうして、トイレに行っていないんだい」

私はそこで、ここに来てから、まだ一口も、何も食べていないことに気が付く

「ああ、通りで、眠たいと思ったんです

栄養が足りてなかったからか」

男は、空腹の方が、狩猟本能が、強くなり

目が冴えると思うけど

と言っているが

「それで、どの料理を、食べれば、利尿剤が、利かないんですか」

私は、残された料理を見て言う

明日はきっと、大風呂敷で、包まなければいけないほど

量を、質量を、その広大なパーティー会場というのか

社交会場に、並べられた料理が物語ってる

捨てるなど勿体ない

いや、逆に、これは、絶対数的に

告発理由になるのではないだろうか

「しかし、僕は、君を、疑っていたんだよ

なぜ君は、料理を食べないか

もしかしたら、君は、この屋敷側の人間で

先ほどから、君が、周りの人間に、聞いていたのは

情報を、知っているかどうかの探りだと思ってね」

私は、料理の皿を見ながら

「其れで、私は、この屋敷の人間と、一枚噛んでいると

とそう思っていたのなら、どうして、どうじゃないと考えているんですか」

私は、彼に聞いた

「さて、君は、ここに来た当初

周りの人間を、観察していた

しかし、その行動は

君が、自分と、周りを、比べているようであった

そして、君は、しばらくして、会場に、挨拶をしに

現れた男を見て、何か、疑問に思ったらしく

しきりに首を、傾げていたはずだ

「あれは、どういう事かな」」

彼は、そう言って、目を見る

まるで、黒の中に、青とシルバーが混じったようにさえ見える

ハーフだろうか

「いえ、以前、写真を、見たことがあるんです

院長

いえ、覆紙 大陸の顔姿を

その写真が、どうも、挨拶に来た人間と

違う気がしたんです

「ねえ、覆紙 大陸さん」」

男の顔が、歪むように笑った

「其れは其れは、僕は、ただの参加者だよ」

私は言う

「あなたの姿を見たとき、私は、疑問に思いました

どうして、主催者が、来客として来たのか

それに、あなた、先ほど、私が、他の客と、自分の服装、見比べているようなことを、おっしゃってましたが

しかし、私が来てから、しばらくして、あなたは来ました、其れは、どう説明するんですか

まさか、木の間から、こちらを見ていたとでも」

嗚咽のような笑みが、小さく漏れる

「それに、あなたは、料理の中の利尿剤を

感じたと言いましたが

どうして其れを分かったら

他の皆さんに、言わなかったんですか

あなたの目的は、何です

もしあなたが、覆紙氏であったなら、料理に口を付けず、トイレに行かなかった理由も分かりますし

何せ、料理を、作った

そして薬を混ぜたのを知っている主催者なのだから

其れは、当然といえば、当然です

しかし、まさか、何も飲み食い

しない客が居るとは、あなたは、思わなかったはずです

どうして、あなたは、扉が、開かないか、ずっと見ていたんです

、本来であれば、残るのは、あなた、一人だったはず

二人残るはずでは、無かった

あなたは、参加者を、どうしたんですか」

そのとき、階段から

一人の男が、降りて来る

「いやーお見事です

記者さん、まさか、あなたが、ゲームをクリアーするとは、夢にも思いませんでした

しかし、惜しいですね、このゲームが、ゲームと

気づいて居てれば、本当のテュルーエンドで、あっただろうに、実に、残念です

しかし、これは、ほとんど、ゲームクリアーと言っても良いでしょう

おめでとうございます

新聞記者の丸罰 十円様

今日は目出度い」

其れは、まさしく

まごうことなき、執事の姿であり

と、私の頭に疑問が巡る

どういう事だ

これはゲームと言ったが

トイレと思っていた場所から

ズラズラと、参加者達が現れる

彼らは、口々に、拍手やおめでとうなどの、賛美を

私に言う

しかし、これがどういう事が疑問だ

私は、階段の上にいる

執事だった人間に聞く

「あなたが、この館の主なんですか」

彼は、首を振る

「いや、今日の主役は、この館だからね

私はあくまでも、まとめ役だよ

部長のようなものだ」

其れを、主というのではないだろうか

「しかし、其れでは、あなたは誰なんですか」

彼は言う

非常に上品だが

先ほどの畏まった態度とは、少し違った

非常に優雅に、大振りに、礼を、すると

「私は、覆紙一族の頭首 覆紙大陸

です、以後お見知り置きを

今日は、毎年恒例の

ゲームの日なのだよ

この日は、この館の誕生祭に、こじつけて

いろいろな人物を、一人招き

その都度、考えられた

ゲームの世界を、解決できるのか

其れを楽しみに、親族、それぞれ集まっているんだ

紹介しよう」

私は、そのあと、延々と続く

挨拶に、どこかの王族のような気分になったが

しかし、まだ納得はできない

「其れでは、私は、最初から、参加者として

招かれたんですか」

彼は、ああ、とうなずき

「ペンネーム ビックストーリー

は、僕の名前をもじっているんだ」

なんと言うことだろうか

「しかし、私が料理を、食べていたら

どうなったんですか」

私がそう聞くと

「やって見るかい」

と、近くにあった

お酒を、私に渡す

その、グラスの中に入れられた

紫色の液体は、何のお酒であろうか

ワインでは無さそうだ

「これには、利尿剤は、入っていないでしょうね」

周りから、どっとわらいがおきる

「では、飲んでみては」と声が挙がる

私は、其れを、口に付けた

ブドウジュースに、別の割物が

焼酎だろうか

其れは、その時だった

悲鳴が上がる

見ると

一人の女性が、泣いている

明らかに、精神が、不安定そうだ

その瞬間、周りの雰囲気が、代わり

いつの間にか、あの歴史学者が、駆け寄っている

「どうされましたか」

女は、錯乱したように

「彼が、彼が居ないの」

彼とは誰です

歴史学者は言う

「彼は、彼よ 病院から  ここまで連れてきてくれた夫なんです」

彼女はそう言って、憔悴したような目を、再度辺りに向かわせている

「こんな感じにですね、ストーリーは、進行するんです」

少々、気に、なりますね

私が、そう言うと、目を輝かせたように

男は、言う

「では、やりますか

パートツーを」

なんだか 夜が長引きそうである

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