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くらうが

ゆっくりと流れる雲は

塵じりに霧散し弾ける

誰もみていない出来事とは言え

其れは、妙な光景なのは、間違いなかった

私は、その事象を、確認すると

携帯で、連絡を取る

「えーこちらA

目標確認

無事、クラウドの撃退を、確認できました

以上

どうぞー」

間延びした声に対して

やけに、紳士に、いや、静粛というか

淑女に

声が帰ってきた

其れは、やることだけ以外に、あまり興味のない

中学生のように

冷たいほどに、冷徹な、声が

「はい、了解です、撤収をお願いします」

と、帰ってくる

今日は日曜日、休日のない

私の午後の仕事である


やけに分厚い服は、

どこからどうみても、地味であり

これが、コーンポタージュに、白とちゃいろと、黒を混ぜて

濁ったキノコクリームポタージュみたいな

さえない、色にすれば、我々の、服装は、完成した

色となる

そこに、帽子をかぶる

ある意味、消防士のような格好であるが

しかし、我々の問題点は、

雨、寒さ

そして、落下物にある

極端に防熱ではなく

どちらかと言えば、群れず、冷えない防寒着

とでも言ったところか

登山と違うことは、あまり軽量化されていないと言うことだろう

職場は、家から三十分車を走らせるが

殆ど行ったことは、この半年はない

ただ、仕事ばかりが、ぐるぐると、私の周辺を、見回るために、存在する

車は、仕事けん自宅用で、

自分の車が欲しくても

いつ何時何があるか分からないせいで

その範疇は、非常に狭い

せいぜい

愛車のマウンテンが、倉庫で、ほこりをかぶっているくらいだろう

ことあるごとに、油を差すが

最近、試運転に、行った記憶しか存在していない

「お疲れさま」

電話から、そんな声が聞こえてくる

いや、無線というのか

「はい、おはようございます」

今年六十であるが

未だに、私が、ここに配属されてから

イメージが

キッチンでクッキーを焼いている

ふくよかなくるくると銀色の髪を巻いている

おばさんというイメージが変わらない

そんなはずはないのだが

一年に、数度

仕事よりも

近所のスーパー出会うことの方が多い

「今日も、同じコースね」

私は、車に乗りながら

「はい、いつものだ」

といって、信号を止まる

羊か空っ風しか、通らないような

こんな場所でも、一応止まる

なぜなら、ここは、警察のたまり場であり

いかに、善良な市民から金を巻き上げようかという

本末転倒を、喜びにしている

悪魔に魂を売った連中だ

奴らで、教会に顔を出している奴をみたことがない

自分もここ三十年は、冠婚葬祭以外、行っていないが

あそこの、ミサで配られるジンジャークッキーが

死ぬほど不味いのだ

物を捨てるのは、ポリシーに反する

自分としては、行かないのは、当然の帰結とも言える

「以上だが、まだ何か」

向こうで、紙がこすれる音がする

何かを見ているのだろう

今日の天気は、温帯低気圧

実に長引きそうだ

其れ以外に、何か新情報があるのだろうか

俺の予想を反するような

 ああ、

と、何か、見つけたような声を出して

黒いつながれた無線機が、音を鳴らす

「ちょっと、黒雲が大きくなりそうだから

何でも、季節はずれの空っ風というか

ヒョウが降りそうなのよ

知っているでしょ、南方から、来ている

最近被害が、でかいそうじゃない

今、中部を過ぎて、居るくらいよ」

確かにしっているが

もう少し、先だろう

しかしだ

「今は、夏だぞ

草だってしなびているような

こんな時期に、まだ三ヶ月は早い」

どこかで止まるだろうとも考えられるが

「まあ、一応 頭に入れて置いて

被害者も多いんだから面倒よ」

全く面倒だ

ここら辺の天気は、だいたいが、頭に入っている

さらに標高が高い場所では、降らないことも無いが

それでも、下がれば下がるほど

いくらここが、高原という風でも

話は違う

クラウガの出現は、それなりに、理由があるものだ

確かに、妙な話ではあるが

「ああ、パトロールに行くよ」

ええ、気象カメラは、いつもみておくから

何かあったら、また連絡するわ」

そういって、無線は切れる

「ああ、了解」

何回繰り返した会話だろうか

きっと、ボイスレコーダーで、エンドレスに流しても通じるだろう

そうすれば、俺は、毎日がサンデーとなるわけだ

まあ、逆に犯罪者が、俺を殺して

テープだけを流していないとも限らないが

信号を、曲がりながら、サングラスのおくから

空をみる

何も雲がない

落ちてしまいそうな

青一色

その水色から視線を落とす

面倒だ

ハンドルとエンジンを、ふかしたり操作しながら

考える

何もないときが一番やばい

私は、数年前、いや、十数年

今からだと13年前

トムじいさんが、殉職したことを思い出す

あのときも、

いや、あのときは、

そうだ、よくトムさんは、言っていた

何もない青空は、気をつけろ

必ず、何かあるわけではないが

それでも、気をつけるに越したことはない

そんな、トムも、死んでしまった

あれは、火事だ

全く、雲と関係ないところで

死ぬのだから、因果なものだ

その列は、天気にも、いや

天気が、その発端を、作ったのだが

あれは、落雷のクラウガが、

はぐれ

大本は、撃破したにも関わらず

そののこりが、民家に、落雷を、落とし火災が発生

それを、彼が助けたのが、問題だった

其れはほめられることだが

一家皆死亡

其れは、あの人もだった

自分ではない職業で死ぬのだから

何とも因果だ

草と山しかない高原

いや、山の裾とでもいうのか

切り立った、山頂は、未だに、白く

その崖を、縁取っている

しかし、落雷が多く

気象の変わりやすいこの場所は、

追い打ちをかけるように

山頂付近の岩はもろく

登山はおろか

ロッククライマーごろし

といっても、差し支えなく

付近には、登山禁止

の文字が、墓標のように、立ち並び

毎年 ゴミ清掃のように

滑落した

遺体を、麓で、回収する

其れは単純に、近くの熊に、味を覚えさせないためだが

面倒なこと、この上ない

こんなことに、俺の税金が、使われると思うと

その時、頭上で、落雷が鳴る

日本では、お天気雨や狐の嫁入りと

別れた妻が言っていたが

今、雨一つ・・・

フロントガラスに

一粒の放射状の雨粒が広がり落ちる

私は、トランシーバーを、手でつかみながら

ゆっくりと誰もいないだろうが

道路の脇に止める

「こちら ハモンド

雨粒を、確認

場所はソーズマウンテン

付近の道334だ

天気はどうなっている」

私は、もう一度、握り替えすが

返答無く

聞こえない

壊れているのかそれとも

頭上で、落雷が鳴る

私は、ゆっくりと、車のドアを開けた


長い列車が、町を通っている

その横断している

無駄に長い貨物列車には、

羊の他に、大量の物資が、詰め込まれている

横断歩道のない踏切の前

赤く点滅している

ライトを見ながら

空を、むく

雨が、降りそうでもあるし

降らなさそうでもある

空一面、白い雲が覆い

いつ、ずぶぬれになっても何ら

おかしくはなさそうであった

「あんた、何してんの」

横を見ても誰もいない

「後ろよ」

そういわれて、振り返ると

目にいたいような、赤いワンピースに

ここら辺では、あまりみない

黒い毛に

丸い黒い瞳が、洞穴のような、目線で

こちらを、見ている

「何だ、お前」

いくらここが、知らない町であろうと

そんな異邦人のような風体の人間が

ごろごろと居るようには、思えない

それは、かなり幼いようで

幼稚園児にも見えなくはない

其れが、大人ぶってか

赤いでかいワンピースなんて着ても

ぶかぶかに見えるだけである

「私は、水欠 鯉子 おまえこそ、

そんなところで何をやっている」

やけに、偉そうな、子供である

「俺は、線路が、開くのを待っているんだ」

少女は、やけに威圧的な

存在であり

一歩近づくごとに

温度が下がるような気がする 

「私も、そっちに行くの」

其れはそういって、横に並ぶ

何なのだ、この女は

私は、荷物を持ち直し

前を見る

「あんた、暇なんでしょ」

そんなことを言われても困る

暇ではないしが

やることもない

強いて言えば、できるだけ北に向かうしか

私には残されていない

「私に、つきあいなさいよ」

それが、スイケツ リュウコとの出会いであった

いや、実際問題

とんでもなく、面倒なことに、巻き込まれる

事態の第一歩とでも言うべきと頃か

私は、今夜の宿を考えながら

いかに、この赤と黒のの女から

逃げようかと

思案を巡らせていた


雨が降り出したのは

ちょうど、電車が、過ぎ去ろうとするときだっただろうか

私は、駆け足に、町の店街に、向かおうとしたが

「まちなさいよ」

とちょっと、と言われ

なぜか立ち止まってしまった

「何だ」

そういう意味を込めて、無言で見下ろすと

汚い服の裾を握られている

「何をしているんだ」

言葉に出すと

「どこ行こうとしてんの」

私は、夕食以前に

昼飯を食べていないが

それでも、レストランだと言う

「そんなことよりも、あんた、あれも見えてないなんて、馬鹿じゃないの」

少女は、軽く指を指すと

空中に、渦を巻くように

其れは、黒と青と白を

複雑に混ぜたパレットのようになった雲が、

奇妙な、早さで動いている

「壱ノ積乱雲 ザコよザコ

子供みたいだし」

其れは、口のようなと頃からは、稲光のような、蛍光が、光

なにやら、呪文めいた、振動が、あたりを、ピリピリと移動している

「逃げるぞ」

もめ事は、最悪だ

しかしだ、彼女は、何を思ったか

今度は、上を見上げ

何かを、つぶやいた

その手には、トランシーバーが、握られており

次の瞬間

後方から、何かが、飛び出しており

その花火のような、それは、一瞬で、火花を散らし

その煙を、焼き尽くすように、はぜた

彼女は、まだ喋っており

その内容は、私の知らない言葉であり

なぜか、彼女が、喋るほどに

其れは小さくなるように感じた

不意に、彼女は懐から、チョコバーのような物を取り出したが

それは、赤く丸い円柱状の物であり

彼女は、其れを、頭上に向けて

下から、何かをっぱると

其れは、ズドン

と、鈍い音をはぜさせ

煙が、上空に、分散した

「シエン」

彼女はそういったが

私には、やはり其れが何かは、分からない

ただ、空気の振動が、ひどくなり

上空の何かは、もがくように、動いたが

その赤い煙と、混じり合い

徐々にその形は、姿を、あやふやにし

消えるように、ピンクじみた色は

白に変わった

「おい、あれは、何なんだ、っていうか

おまえは、誰なんだよ」

少女は、ふふんと、笑い、危ないことに、

私にその筒を、向けながら

もう一度、自分の名前を名乗った


レストラン

辺りは暗く

徐々に帰宅するような人間の影が見える

店内は、対照的なまでに、明るく

派手な、ネオンの下

厨房で、鉄板が焼ける音がする

「うまいなこりゃ」

日本人だと名乗った少女が

ぐにゃぐにゃと

口に、ハンバーグを詰め込んでいる

先ほどから何回も

おまえの分は、おまえが払え

と言っているが

百ドル札を、テーブルに、三枚置いた彼女は

何か、偉そうに、注文を、していた

俺は、ハンバーガーを、ひとつたのみ

水を、がぶ飲みしている

「それで、あんた、何しにこの町にいるの」

俺が、この町の人間でないと知ると

彼女は、興味深そうに、

私を、見ているのか

それとも、酒のつまみとでもかんんが得ているのか

ご飯を、食べながら

話を聞いている

もちろん、酒ではなく

どこにはいるのか

ガラスのピッチャーに、黄色いオレンジジュースが、

なみなみ注がれている

「俺は、もっと南の方だ

ジャングルみたいに、暑い場所で、生まれた」

ふーんと、明らかに興味なさそうに、前方の女が言う

目の前の鉄板は、三枚重ねられ

皿の上に、大量のコーンが

湯気を上げているのを、今度は、口にスプーンで運んでいる

何という奴であろうか

私は、そう思いながら、話を進めることにした

「俺の住んでいる町は、ダイヤモンドの採掘場で

栄えたが

自然破壊が、問題になり、観光業に、転向しようとしたが

其れは、破壊された自然と

後に、ひとが入ることにより

種子が、別のところから持ち込まれ

一重に、熱帯の欄類が、目に見える形で、絶滅していった

川には、本来いない魚が、泳ぎ

水草の類は、消滅

ダイヤの採掘以上に

其れは、元に戻らない物になっていった

ただ、俺はそんなことは、どうでも良かった

市長が、首をくくろうと

学校の教員が、いなくなろうと

俺の好きなパン屋が、消えようと

そんなことは、俺にはどうしようもない

俺の家族自体が、もう、その町にいない現状

俺は、町を、出ることにした

自然のないその町は

全てを、コンクリートで、平らにし

採掘場後は、その穴を、養殖場に変えていた

果たして、何の意味があるのか

私は、家財を、売り払い

この町に来たわけだ」

アイスクリームが頂点に乗った

どでかいパフェを、なめながら

彼女はさもつまらなそうに

「逃げたのね」

と言って、頂点のサクランボを食べる

それに異論はないが、なぜ目の前の女にそんなことを言われなければならないのか

「色々あるんだ 色々

其れよりも、おまえは何なんだ

おまえは

こんな時間帯まで、子供が一人居て良い時間帯じゃないだろう」

目の前のパフェの巨大なグラスが

採掘作業により消えていく

今八分目と言うところか

「私は、仕事よ、あんたと違ってね」

日本人とは、こうも口が悪いのだろうか

そういえば、男尊女卑の国と言ったが

其れは、そういう理由でもあるんじゃなかろうか

「其れは何だ、子供に出きるしごとって」

彼女は、銀色の細長いスプーンを突きつけて言う

「簡単な話よ、調査よ調査

あれみたでしょ、あんた

あれは、本来、ここには居なかった代物なのよ

其れが、噂の伝達により

別の場所に、現れた

いやな時代よね

まるで、先住民族を、

いや、疫病を振りまいた

赤十字軍みたじゃない

戦争って、結局

戦闘よりも

密な環境で、起こる

感染症の方が、よっぽど死人を出す訳よ」

何か偉そうにそういっているが、要領を得ない

何を言いたいのか

「本来どこにでも居るし

昔からいた

しかし、其れが、噂話として、現実に、存在する

形となる」

何を言っているのか、先ほどからさっぱり分からない

「其れはどういうことだ、俺はあんな物は、見たことはないし、聞いたことはないよ」

女は、っふ、と笑って、肩をすくめる

高層ビルのようにそびえ立っていた

パフェは、半分ほどが、消失し

曇った、クリームで、汚れた容器の向こう側に

女の不適な姿が映る

「この世の中に、災害があれば、其れは、巨大な

神や、化け物、巨大生物だと、考える

しかし、其れは、時代の移り変わりで、

物語が、記号や原子に、変わっていく

しかし、ひとたび、見方が変われば、

其れは、一瞬にして、姿も変わっていく

今日見たことは、日本のエイプリールフールに

日本の深海新聞社が、発行した号外

雲のような、巨大な、怪物が、町にやまから落ちてくる

と言う物が、世間に広まり

その共通認識が、化け物を産んだ

それは、東京ドーム三十こぶんの面積を

東京のど真ん中から破壊し

大変な、被害を、催した

しかし、それを知らないとなると

辺境の地

日 出る国 日本も、やはり、黄金郷と、言われるほどの最果てということか」

そんなはなし、ニュースもラジオも、テレビも

いや、ひとの会話で、何か、どこかの知らない国で、

妙なことが起きていると

聞いたような気もするが、記憶は確かではなく

不確かである

あれが、もし、そうだったとしても

それを、認めるほど

私は、馬鹿ではない

現代社会の学校教育を学んでいれば、

人間とは、知識であり、

そこに人間的感性は不要だ

あるのは、データーと

それを分析する方程式だ

「お前は、子供だからかわから無いが

其れは、人前で言わない方が良い

ほら吹き認定されて

国辱

というか、日本の印象を、悪くするぞ」

ぞっそするくらい

黒い目が、そこに、ヨーグルトを

取ろうとしながら

ゆっくりとこちらに向いた

「現実を、見なければ、未来はないぞ」

スプーンで、最後の一救いを

食べながら

彼女は満足げに、いつ注文したのか

クリームメロンそーだーの

緑と

丈夫に揺れる

クリーム色の島が

氷の上で、徐々に溶けている

「お前、この後どうするんだ

俺は、宿を探すが、家の人が居るんだろ

わざわざ送ってやるよ」

アイスクリームを必死で混ぜて、飲んでいる

彼女に言うと

其れは、さもおかしそうに

何を言っているのかと

「っは、っきみは何を言っているんだい

ジョン・ウー君」

僕の名前は、そんなカカシみたいなものではない

これは、名誉毀損で訴えてもいいんじゃないだろうか

「仕事はこれからだ

そのための、飯ではないか

君は、少食だな

そんなもので行動できるなんて

実に、燃費の良い体だ

今度解剖でもして、教えて欲しいものであるよ」

恐ろしい国日本

戦時中 幽霊の実験をしていたと言うが

そんなことが

その黒い髪と黒い目は

其れを、肯定しそうなほど

一種 奇妙に見える


暗闇の中、いつの間にか降り出した

小雨は、雲の中で光る雷鳴の証明のように思う

彼女は、バス停の下に行くと

「ここで待ちませう」

そう言って、突っ立っている

僕は一体に何をしているというのだろうか

これに理由などぞんざいしているとでも

そんなことを考えながら

今夜の宿を、取ってくれるという

交換条件で

僕は、暗いバス停で、彼女の後ろに立って

惚けたように、時刻表の上に立っている

明かりを見ている

暫くすると

バスが、停車する

今夜はこれで最後だ

しかし彼女は、乗らないと運転手に、言い

そのままバスは、通り過ぎる

「何を待っているんだ」

彼女は、何も言わず

空を見ている

半透明の屋根には、雨粒が、落ちる音がする

「なあ」

そう言って、俺も、上を見る

相変わらず、空は、暗く

その中に、一瞬光る稲妻が、その全貌を、明るく照らす

そのどれかが、まるで生き物のように、動くのかと、傍観したが

そんなことはなく

其れは、ただの雲であり

其れ以外でも、それ以上とも

考えが付かない

仕方なく、ベンチに腰掛けていると

不意に、彼女が、声を漏らす

「ついに来たか」

ー ヘクトパスカル地、この地の観測史上

最大

雲の大きさ全長十キロと仮定

種類は、積乱雲

目標 仮定とし

本由来を、目標A31と認定

行動を、決定するー

何か、よく分からないことを、

またしても、つぶやいて・・

いや、トランシーバーで、話している

「よし、お前は、雷に打たれないように

気をつけながら、これを打ち込め

発煙筒の尻尾みたいなのが、でている物を

渡された

どうやら、昼間彼女が、打っていた

花火と同じ物のようだ

確証は持ててないが

いや、今なんて言った

雷に打たれないように

その時、前方を、アホみたいな、振動が揺れ

電気が

いや、空気が、変化するのが分かる

何かが分解されて

いや、変わったのだ

頭が

いや、寒気がする

何だ

目の前で、何かが動いている

其れは、動物などではない

何か異質な

二足歩行の生物だった

「不味いな、鬼が、現れた

これは逃げるに限る」

彼女は、そう言って、

雨の中を走り始める

おっおれはどうすれば

目の前の其れは、黄色く発光し

形がぼやけるように、動いている

大きい

三メートル以下だろうか

頭から二本の角のような物が見える

「何をしている逃げるんだよ」

雨音がうるさいが

後ろで声がする

私は、我を忘れて

彼女が逃げていった方に逃げる

それは、ゆっくりを、私を追うように

歩いているように感じられた

「どこまで逃げればいいんだ」

雨が土砂降りに変わり

落雷が続く

暫く走り

僕は、彼女にそう聞くと

「もういいだろう」

そんなことをいって、シャッターの閉まった店の軒下に、立ち止まる

「あれはなんだ、あれも、お前の言った

噂って言うのか

それとも雲か」

彼女は首を左右に振って

「バカだな、お前、雲が光るわけ無いだろう」

と、よく分からないことを言う

「じゃあ、何だ、あれ、あれは、人がただったぞ

まさか、宇宙人とでも言うのか」

彼女はさも残念そうに、首を振る

「まさかじゃない、その通りだよ

あれは、プラズマ生命体雷鬼だ」

私の死こうが沈黙する

「本当か」

私は、リアリーと、聞こうとしたが

「まあ、冗談はさておき

あれが危険なのは本当だ

、地上に落ちて、しばらくは、体内の電気で活動ができるが、それも、4、5分もすれば、自然に消滅する

あの正体は、言ってしまえば、産み落とされた空想

日本で言うところのライジュウが、それに当たるのかもしれない」

また飛んでも話が、始まった

「それも、誰かの認識がどう変化させたって言う

大ほら吹きを、しんじろってか」

彼女は首を振ると、雨粒が、辺りにばらまかれる

「嘘からでたまことと言うが

嘘が本当になってしまえば

そこから生まれる物は

嘘ではなく、本当だ

つまり、あれは、本来では、あり得ない質量を、有した、存在が、一種 感情を持った

生物のように見える程に

エネルギーを、別の物に変換

我々は、それを、何かだと認識しているが

実際は、別の物が、いるはずだ」

本当に理解して言っているのだろうか

其れは、本の中の登場人物が

本を読んでいる読者をどう思っているのかと同等の

理論に思える

つまり、理解や、認識できないことは

果たして、現実に、存在しているのか

私たちの世界が、その次元だとして其れ以外の認識が、存在したとき、その雲

たしか、クラウガと言ったか

其れも別の物として、理解されているのでは・・・

「何をぼけっとしているんだ

仕事分は、しっかりと働いてもらうからな

先ほどまで、逃げていたのは、どこへやら

盛んにも

雨の中

赤いスカートが、ひらめいている

何だ

野蛮人なのか

私は、赤い警告灯のような筒を、手に持ちながら

その赤い影を、暗闇の中

雨と雷鳴が光る中

走っていた


空を焼くような閃光が、赤く雷鳴と混じり合う

悲鳴のような、砲口は、声と言うよりも

地震のように、振動し

地上に、その巨体が、落ちてきた瞬間

風圧が、辺りを、まき散らす

打ち上げた警告灯からでた花火は

軽く、体を、赤く染めたが

其れは、すぐに、別の霧が覆い尽くし

さらに密度を増し

そのからだがふれた、郵便ポストが、妙な音を立てて

曲がっていった

「どうするんだ、これ、逃げた方が良くないか」

雷は、地面につぶれ

地上からはぜ

上空に、火花を散らしている

電線は、常に、弾け

住人の叫びと

雷よりも小さいサイレンの声が

わずかに、避難のブザーを、鳴らし続けている

「おい」

彼女は、ぶつぶつと何かを言っている

「頭は崩した

そうなると、もう」

ついに、あまりのことに、万策つきたか

私は、彼女を引っ張って、でも、逃げようかと、した

それは、その時だった

頭に、何かが、当たった

強風で、何かが飛んできたと思った瞬間

「来たか」

彼女が何かをつぶやき

頭に何かをかぶっている

ヘルメット

早期が付いたとき

冷たい氷の粒が

辺りに、降り注いだ

ヒョウである


「なっなんなんだこれは」

私の叫びは、降り注ぐ、小石のような痛みにかき消される

「積雲の上層部が、崩れると積乱雲に、変化する

一気に、片づけるつもりだったが

片割れが逃げてしまい

母体が、そのままだったのだ

しかし、追加の攻撃も一気に霧散することもできず

ついに、上層部の氷を含んだ部位が

損傷し、ヒョウが、降ってきたのだ

分かったか馬鹿者」

何か、いい知れない物を感じたが

「じゃあ、終わりなのか」

と聞く

私に対して、さらなる暴言が飛ぶ

「馬鹿野郎、ここにいると言うことは、早く、これを、壊さなくては、町が壊滅するぞ」

別段、何か思い入れのある町でもなかったが

しかし、私は、宿を、ここで泊めてくれるという

仕事がある

そのため、やらなければならないだろう

「何をするんだ、お前のくれた花火は、もう無いぞ」

彼女は「何を言っている」

そう言って、鞄を開く

そこには、ぎっしりと詰まった

赤い筒が山のように入っている

「おい、まさか」

そのまさかだよ

彼女はそう言って、乱雑に、こちらに、4、6本

投げる

その何個かは、危うく落ちそうになる

早急な対応

其れすなわち、最前につながる

彼女は、手始めのようにと

何本か、筒を、打ち上げる

其れは、実に、柔和に

雲を、撫でる程度である

「おい、大丈夫か」

どこからともなく

「フ・フ・フ・」

と言う、声が聞こえる

其れが、前方の女だと気が付いたとき

私は、筒を、握りしめた

手元に、五本

さて、大丈夫だろうか

自分の身は、自分で守る以外なさそうであった



揺れるような

視界の中

私は、病院のベッドで

骨折して、ギブスがはめられた

両足を、眺めていた

布団の上には、ぽんと

茶色い封筒が、乗せられており

何の嫌がらせか

今安いと私でも知っている

円が

封筒に、これでもかと詰め込まれている

大丈夫だろうか

私は、両手を動かすと激痛を感じる

先ほどまで、いすに座って、なんと言うこともない

自分で、バナナを持ってきて

彼女は、帰って行った

挨拶もなしである

なんて言う、一日であっただろうか

自分は、自分のしたことを、多少なり、後悔しそうになる

激痛の中

白い病院のベッドの中にいる風は

まるで、雲の中に浮いて居ているような

一種 騒騒感にもにた、恐怖と

また、ぽっかりと、プールに浮かんでいるような

意味の分からない安堵がある

窓の外は、昨日とは打って変わって

平凡な、水色とちぎったような雲が

それぞれ空間をあけて、平凡そうに、浮かんでいる

果たして、大丈夫だろうか

これからのことを考えながら

わたしは、重たいからだを、つり下げている

今思えば、あれは、呪縛とも、

恐怖の部活争奪にも、にていたのかもしれない

そう、選ぶことができなければ、其れが世界となる

わたしの退院日

看護婦から、一通の茶色い封筒を、もらう

宛名は、よく分からない、

どうやらお役所のようであるが

わたしは、其れの封を、あけると

一枚の紙が、折り畳まれ

その四つ折りの蛇腹を、開くと

なにやら、難しい文字列と

いつ誰がどういう理由で、応募したのかは、不明で、あるし

自分自身、其れについて全く記憶が無いどころか

記憶があってもないと言うに違いない

そこには、採用

と、今考えれば、破り捨てておけば良かったなと思うような、ことが、書かれていた

其れが、散雲所 クラウガ対処室CTとの接点である


くもり空が、山の向こうに見え

風が出てきた

はじめは、気象台の人間が、派遣されてくることもあれば、元から、地元の天気に詳しい人間が採用されることもあった

その前から、

そう言う組織はあったが

表だって活動するものではなく

あくまでも、その予兆を、消すような、地道な作業を、繰り返してきていた

つまり、其れは、噂だけが、本文ではない

ただ、日本でやらかした、分子操作により

その存在が、大きく変化した

其れを目撃し

事象として観測してしまったことが、

大きく拍車をかけたとも

ただ、大気が全て、汚染されたとも言われている

つまり、分子が、霧散し、其れが、気流に乗り

世界を回ってしまったのだ

どちらにしても、俺はやることをやらなければいけない

頭はいつの間にか、はげている

しかし、くもり空の中、わたしは、車のドアを開けた


空気が流れ込む

冷たい風だ

辺りの、草を撫でる音が聞こえる

その音に混じり

向こうの方で、声がする

どうやらクラウガのようであった 

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