ナナし
がらんどうの両目に
ミイラという事を抜いても
大量の鉛筆が突き刺さり
其れは儀式なのか
それとも、何かの意思表示か
ただの悪戯
それか、偶然の産物か
目の前の其れを、私は無意味にも思えるが
しかし、現実問題
其れをおもしろいとも考えることもせず
それに対する
かけた部分の穴埋めに奔走することになるのは、目に見えている
きっとそのうち
こういう雑用は
ルール化され
機械による
総当たりか
または、機械自体が、有権者を必要とせず
一人で犯罪を起こし
一人で其れを捜査し
そして、裁判するような時代がくるに違いない
マッチポンプどころか
体内で、一人で生まれ、そのこう廃物が一人で、死に
また生まれるような
意味のない
または、孤独な完成作品のようにも見える
私は、車に乗り込むと、廃車同然の、ハンドルを握りながら、おうとつのない円を、回しながら、駐車場を、曲進した
信号を、待っていると国営放送で、
聴いたこともない曲が流れる
音楽にも政治にも無頓着なせいで
ラジオから流れてくる曲が
新しかろうと古かろうと関係なく
ただ其れが、音に合わせている
その程度の認識しかない
それこそ、忘年会で、かしわを、さんさんななびょうしなり一本締めなりで、終わらすように
ただ、それでも、感情が、多少動くようなことはある
ただ、其れは、かしわと同様に、信号が、青になったから、進む程度で
反対側が青になろうと進む気にはならない
現場近くの
振り当てられた
地図を見ていると
まるで、新聞の勧誘か郵便配りのように錯覚するが
あまり好歓迎された記憶がない
それどころか、手帳を、見せるせいで、いよいよ
悪印象を、もたれ
言うべき事も言われず
言わなくて良いことを緊張して
間違って、喋らしている来もしなくもない
近くの駐車場に、車を止める
マンションの物だろうか
一番はじめの棟
Aとかかれた
白地のペンキが、色あせたのか
クリーム色のはがれかけの外装の大きなマンションに入る
都心のような、無駄に高いジェンガのようなものではなく
ウルトラマンで良くしようされるような
はかいしやさすそうな、黒板消しのような長方形の形である
全部で五棟
1三1の形で、建っており
きっと真ん中の真ん中の棟は日差しが悪いに違いない
これだけ大きければ、もう、すべてを、巨大な、一軒家にしてしまった方が、ご近所つきあいも楽だろうに
そんなことを考えながら
一階の管理人室に、行くと
歳終えた老人が、膝に小動物を、黒く乗せながら
丸眼鏡から新聞を、眺めている
「あのー」
こんこんと、ガラス窓をたたくと
タンスの引き戸のように、其れはゆっくりとあく
事前に連絡が行っていたのだろう
了解していたように思える
時代を感じさせる
所々
傷が付き曇っている
ガラスを、あけた老人は
「刑事さんかい」
と言うと
私が頷いていたところで
ガラスを閉じて
反対側の奥の扉を開くと
表に出てきた
「こんにちは、私は、ここで、管理人を負かされています
棋道と、言います
そんで、何かご用ですか」
たぶん知っているだろうが、私は改めて、事件というか
聞きたいことを説明するために
それに類する説明文を、言葉にして話す
「じゃあ、あれかい、近くのあれで、内に来たと
でも、ここの住人は、つきあいが、悪いからな
お前さん、だいじょうぶかい」
其れは、勧誘にも言っているのだろうか
私は、いやだと言っても、やらなければいけないことを思いながら
質問に入る
「ええ、それで、事件当日
何か変わったことはありましたから
貴方のその時間の行動も、一応お願いします」
ぎょろりと、細長い目の奥で、丸い球体が、動いた
「其れは任意かい」
なにやら、一拍溜めて
重々しくそんなことを言う
「まあ」
老人は、けたたましく大声なら聞こえたであろう
笑いを小さく漏らし
「そんじゃあ、しかたねえな」と言って
話す
私は、黒いメモ帳を取り出す
大学生や小学生が、使っているようなものだ
「ここにいるのは、主に昼間の三時間
一時から三時
後は、殆どが、清掃
後は、何か連絡があれば、工事員を、呼ぶなりするけど
いまじゃあ、大抵は、自分でできることは
するよ
昔は、水漏れなりなんなりを、すべて、業者に頼っていたけど
見ている内に、結局自分でやることになった
で、変わった、事だが、さしてないな
いつもくる 宗教の勧誘は、俺が居ない間に来るし
後は、マンションの壁のひび割れだな
これは、もうここ二、三年仕方ないとは思ってはいるが」
犯行の時刻が、ちょうど、一時から三時
ぴったり合っている
それ以外にさしたる情報は、なさそうである
「その前後の時間帯は、何かお仕事を」
老人は、私を見上げるように見て
腰でも痛いのか、手を当てている
「町内のゴミ拾いだ
そうは言っても、このマンション周辺を、ここの住人とだが」
老人はそう言って、あらかた聞いたと私が思ったが
「其れが、午前中
後は、一人寂しく釣りだよ、いつもの場所だ
俺と同じような連中が、沢山いる
誰か見ているだろう いつも同じメンバーだ」
私は、挨拶もそこそこに、一階を回る
全部で、三十軒
良くこの狭い場所にそれだけの人間を、詰め込んだものだ
動物なら、ノイローゼで自殺してしまうだろう
「あのー」
チャイムを押して、しばらくすると
若い女が出てきた
表札には、若井とかかれていた
主婦だろうか
「すいません、実は、昨日近くで事件がありまして
それで、一応 聞き込みにきたのです」
と言って、本当にそうかというような適当さで、黒い手帳を、出して
はあ、と言う相手に、聞き込みを開始する
「其れでですが、貴方は、一人暮らしでしょうか」
彼女はこくりと頷く
「昨日のお昼頃から夕方まで、何をなさっていましたか」
彼女はおどおどと
私の胸のボタンあたりを見ながら
「昨日は、ですね、えっと
あのそうです
コンビニのバイトです
城島碧店のバイトです
朝九時から午後五時まで
荷出ししたり」
そうですか、私は、うなずき
「それで、確認を取れる方は」
彼女は店長が、分かるかと
同じシフトですから
そう言ってうつむく
「最近変わった方を向いたり
体験したことは」
私は、彼女と少し距離をとりながら聞く
威圧的だっただろうか
「ええっと、無いです」
私は、礼を言い
部屋を後にした
隣は、田中と、表示されている
その下には、家族なのだろうか
四人の指名が、小さく並んでいる
上から
「匙男
美喜
答辞
誇々」
と、田中を一番上にかかれている
一人家族だろうか
私は、先ほどと同じように、チャイムを鳴らすと
エプロンをとりながら女性が、
表に出てくる
三十代後半と言ったところか
多少皺が拝見できる
「あのすいません、十時警察署のものなのですが
昨日の事件について、少々お聞きしたいかと」
手帳を見せる
ここら辺は、十時町であるし
実際問題は、県に分類されるが
ややこしく
かたっくるしいし
わかりにくい
「はあ、大丈夫ですが、何をお聞きになりたいんですか」
私は、玄関先で、失礼しながら
「実は、昨日のお昼頃から夕方まで、何をなさっていましたか」
彼女は、ああと言うと
「近くのスーパーで、パートに入っていました
タイムカードを見れば、すぐだと思いますよ」
そうですか
そう言って私は
「ちなみに、旦那さんや、お子さんは」
ああ
彼女はそう言って
「夫は、主張で富山に
子供は、学校です」
何もおかしくはなさそうだ
「旦那さんの確認は、取れますか」
彼女は、首を傾げたが
たぶん向こうの人が分かると思いますが
聞きますか」
私は、其れを、断ってから
「ちなみに、最近変わったことはありましたか」
そうきくが
彼女は首を傾げて其れ以上、何かがありそうではない
私は、お礼を良い
外にでる
徐々に周りを、鏡のようなマンションが、反射しあい
通路の日陰まで、じりじりと暑さを、向けている
二軒
まだ始まったばかりだというのに
何か、僕の心は、疲れてきた
昨日、ここら辺で
いや、向かいのマンションで、変死体が、見つかったのであるが
マンションの物置で、発見された遺体には、所持品があり
このマンションの物ではないと思うのであるが
一応、聞いて、回っている
扉の奥で、チャイムの音がする
しばらくすると住人が、顔を出した
若い女であり
顔に、化粧をしており
目の上の元が赤い
「こんにちは、実は」
いきなり、扉が閉じる
何かあったのだろうか
私は、近くの回って居るであろう
同僚に、後ろ側に回ってくれと、お願いしながら
電話を切り、もう一度、チャイムを鳴らした
「すいません、何か失礼なことを言ったでしょうか」
しかし、その後、物音がするわけでもなく
すぐに扉が開く
「あっ、すいません、彼しかと思ったもので」
その派手な化粧は、正直、誰かと一緒にいると言うよりも
仕事のような、雰囲気であるが
また、扉を開いた彼女は、先ほどと違いを、私は、見つけることができない
其れは、服装髪型
玄関の様子を取ってだが
「はあ、何かありましたか 私警察の物です」
手帳を、出しながら
私は聞く
「いえ、最近 ちょっと、いやなことがありまして
殴ってやろうかと、思っていたので
気持ちの整理が付かなくて」
はあ
私は、そう言って
「お困りなら、警察署や、交番に連絡してください
其れでなんですが、こんな時に悪いのですが
実は、昨日 事件がありまして
その事件のあったと思われる
昼から夕方まで
何をしていたか覚えていますでしょうか」
彼女は首を傾げていたが
「ああーー多分、店にいたと置もうんだけど」
店ですか
こんな昼間からやっているのか準備だったのか
「ええ、私、手品師なので
その仕込みとか師匠の挨拶周りとか」
はあ
私は、聞き慣れない職業ながら
話を続行した
「ちなみにその場所と其れを確認が取れる方は」
ああ
彼女は、そう言うと
「師匠とか、お店の小屋の人とかなら分かるかと
場所は、隣町の木島青井の子供井です」
わたしは、聞いたことのある名前を思い出す
確か、積極的に、公民館や病院に
人材を、派遣し
そこで、披露を、行うという活動をしていたはずである
「その日は、舞台に」
彼女は、わたしの言葉に、頷く
「そうですか、ちなみに、最近この付近でおかしな事はありましたか」
彼女は、よく分からない目をこちらに向けている
「何か」
わたしが聞くと
「いえ、実は、手品用の鳩が逃げてしまいまして
それを、捕らえ得ていただくことは 可能でしょうか」
わたしは、少々黙るが
「いちおう、特徴などがあれば、
ないかも知れませんが
警察に届けられる等あれば、連絡が行くかも知れませんが、何か、あったんですか」
彼女は首を振る
「いえ、彼氏に、部屋から逃がされてしまったもので」
「はあ」
わたしは、特に何も無いというので
部屋を後にした
これで三件
あと四十七軒
まだまだ長い
これまでの間に
だいたい三十分ほどが経過している
一人十分三軒で三十分
単純計算
九時出勤 五時上がりとして
この棟で、500分
つまり、九時間長というくらいか
今日だけでは終わらないことを考えると
仕方なしに、残業して残るか
そんなことを考えながら
チャイムを押す
「こんにちは」
表札には、梧桐とかかれ
下に名前が二つ
「男佐々
清」
しばらくして、老人が、扉を開けた
「どちらさまですか ただいま 喪中です」
わたしは、事情を説明する
「はあ、警察の方ですか
其れで用件は」
わたしは、事件の時間と何か変わったことはないか
そうきくと
その時間は、火葬場であり
変わったことは、奥さんが亡くなったことだという
わたしは、部屋を出る
いよいよ気が重い
いい加減にやればいいと思うが
そこら辺の感情の切り替えが下手なのだろう
時間が、滲むように遅い
縄跳びをしている最中に、一秒が十倍に膨れ上がったような気分だ
「こんにちは、警察です」
右隣に移動する
一列十軒、其れが、五階つづき
屋上は、貯水タンクになっているらしい
「はあ、どちらさまでしょうか」
わたしは、老婆が一人出てきたので
「すいません、実は、事件がありまして、其れをお聞きしているんですが
最近変わったことは、ございますか
あと、その時間帯を、どこにいらっしゃったかお聞きしているんです」
ああ、そうですか、そうですか
彼女はそう言うと、おくに引っ込んでいき
お茶をと言うが
わたしは其れを強引に引き留め
先がありますのでと先を促す
「昨日ですか
昨日と言いますと
隣の家が、人が死にましたから
付き添いで、火葬場にいきまして
そうですね、其れが朝から夕方でしたから
あと、変わったことと言われてもねー
近所に新しいスーパーができたり
隣の道はさんで、置くに、お向かいなのに
コンビニが、もう一点
何考えているのかしらね
そう言えば」
何か変わったことは、わたしは彼女に尋ねる
「そうね、最近道にいるじゃない
よく分からない物が」
道に、よく分からないものですか
「其れは何ですか」
ええっとね
彼女は思いだそうとしているらしい
横の下駄箱に手を突いて考えている
「そうね、ほら、皮が、こう、ぐにゃぐにゃして
今にも食いつきそうな
なんでも、昔は、それで、何回も殺していたそうじゃない」
何の話だ
事件と関係があるのか
「ほら、箱みたいな
知っているでしょう
ブルータスとかアレキサンドライトとか」
外人なのか
物なのか機械なのか
分からない
「其れは生き物ですか」
そうよ、
なぜか憤慨して、そう返される
「ほらあれ、柴犬を、万力で
ほら、内輪でつぶしたみたいな」
犬らしい
「ブルドックですか」
ああ、そうそう
「フレンチブルドックっていうんでしょ
あれ、孫の図鑑では見たことあるけど
こんなところにいるなんて驚いて
さわらしてもらっちゃった」
わたしは、なんと言えばいいのか分からず
相づちをうち
しばらくして、部屋を出ると扉を閉めた
廊下は長い
其れが、暑さの見せる陽炎なのか
向こう側が、遠い
しかし、行かなければならない
心を、静寂に浸し
殺したように進まなければならない
先ほどが「加藤はな」
次が「鬼園 可憐」
奇妙な名字である
すいませーん
チャイムを鳴らしたが
どうも居ないらしく
部屋から返答はない
昼間と言うことであるし
仕方がない
日曜日であっても、
いや、だからこそ表にでている人間も多いのだろう
「すいませーん」
わたしは、もう一度行かなければいけないだあろうかと
ノートに、部屋を書いていると
音がしたが
扉は開いていない
居留守だろうか
「誰もいないよ」
いきなり声がして
左側を見ると
おはなと言う老婆が
いつの間にか、扉を開けて
横に立っていた
「いつもこの時間は、仕事だろうね
居ないんだよ
八時頃には、出て行ったのを聞いたよわたしは」
はあ、ご協力どうも
わたしが、そう言うと
「帰りは、いつも九時頃だから
そこらへんかんがえといた方がいいよあんた
何だったら、ついて行きましょうか」
わたしは其れを、丁重に、辞退して、次の部屋に向かう
はじめが、若い女性で佐合と言ったか
次が、主婦
老人 老婆
そして、留守
全く千差万別である
生き物であれば、習性により
吹き溜まりのように
ある一定の特徴を持って集まるものであるが
このアパートは、ある意味
多様性にとんだ、場所なのかも知れない
極端に値段が変われば、思考は読めるかも知れないが
中間という物は、それ故に、分からない
普通を、選ぶが故に、行動が、二枚舌のように
人がやっている
その裏に、別の行動を、するだけの意味がある
ないかも知れないが
五件
入った数は四軒
「こんにちは」
今から、家に入ろうとしている人間を、見つけ
挨拶する
妙妥と言うらしい
その下に、名前はない
警察の物ですが
昨日近所で事件がありまして
お聞きしているしだいで」
大変ですね
そう言う女性だが
歳は、四十代半ばというくらいか
手には、袋を持ち
どうやら、食材の買い出しの帰りらしい
「すいません、それでなのですが、昨日は、昼頃から夕暮れまで
何かされていましたか」
わたしが聞くと
眼鏡の奥の黒目が、わずかに小さくなっる
「わたし、疑われてるんですか」
わたしは、それを否定して
「いえいえ、みなさまに聞いているだけですので
貴方個人ではなく
はい、それでは、心配なさらないでください」
彼女はぎゅっと手を、胸元によせる
「昨日は、何を」
袋が下がり
「昨日、何かあったんですか」
と聞く
確かにこの棟は
A棟
その反対側のE棟で、殺人は、起こった
いくら騒がしくとも
黄色いテープが見えたことはないのかも知れない
「ええ、ちょっと、殺人事件がありましたもので」
彼女の目が大きく見引かれる
「それで、聞いて回っている次第です」
そうですか
彼女はそう言う
「昨日は、集会がありまして」
集会ですか
わたしはオウム返しのように聞く
「ええ、その、昼間から六時くらい
ええっと18時くらいまで、本を読んで、書き物をしていて、それで、外に出たら
騒がしくて、そうか、それで、ああ」
わたしは
「その時間、貴方は一人で
この部屋に」
彼女は、きょとんと頷く
「それを、証明できる方は」
彼女の黒目がまたちじむ
「やっぱり疑ってらっしゃるんですか」
わたしは無言のまま
「いえ、みなさんに聞いて回っていることですし
それに誰にも会わないような、一人暮らしの方や
それこそ、家族で居ても、それは証明にはなりませんから
ええ、みんなに聞いているんです
ええ それで、どうなんでしょうか
おひとりで、ほかに証明する方は」
彼女は、首を振る
「でもわたし、一歩も外に出ていないんです
本を読んでて
それで、発表がありましたから」
発表ですか
わたしはそれについて聞く
「ええ、ビブリオバトルってご存じですか
本で殴り合う」
わたしは、そんな野蛮なバトルは知らない
「いえいえ」
彼女は首を振る
「殴り合うと言っても
知的なものですよ」
どう知的なのか
チェスをしながらサッカーでもサーフィンでもボクシングでもプロレスでもすると言うのか
それとも、知略戦の殴り合いでも
「相手の好きな物の
穴を付き
本当にその作品が優れているのか
見落としはないのか
従来の作品で、それが、元ネタになった物を
丸パクリしていないのか
技術 知識
または、今までにないような、驚き
わたしは、それに対して
絶対的な、鉄壁
城を牙城を、本一冊から拓き
海千山千
本の井戸から出てくるような
文字におぼれし者共を
何とか、退けるために
様々な、理論武装を、本を持って
再構築するのです
我々は、作るものではなく
読むものです」
わたしは、急に小動物が、マシンガントークを、始めたことにたじたじしながら
ノートに、アリバイなしと、書く
「つまり、六時からは」
急に静かになり
「ええ、それで、何か、さわがしいなーと
思ったんですが
そのまま、その反対方向
バス停を過ぎて
そのまま電車に乗って都内に
現行図書館で、夜通し
血みどろのバトルが開催されるんです
今年で、三十年目で
ただでさえ頭と血気盛んさがおかしい司書が、選ばれて
選抜されるだけあって
一般人は、恐るべき武装が必要となります
本棚一個ある程度ではとてもとても歯が立ちません」
「はあ、ほかに、最近変わったことは」
彼女は、首を傾げ
「さあ、近所の本屋が、店じまいして
昨日は、それに対しての、はなむけとして
本を、図書館戦艦から、アンダルシア王子に、変更しました」
わたしは、家を出る
何か目が血走っていた
黒目が赤く充血する様子を
わたしは、戦々恐々しながら
部屋を出た
六ヶ軒目
もうゆうがたじゃないだろうか
しかし、いっこうに、進んでいない時計の針
人間の心のトレーニングは、筋肉となり
しっかりとついているのだろうか
磨耗や技術
それは、減少や増加 卓越などありえるのか
わたしは、重いあしを引きずりながら
七軒目に、向かう
チャイムをならすが
返答はない
声をかける
奥で、音がする
その、無機質な、音が、擦れ合うような音
それは、カチャカチャときこえる
軽いプラスティックのようにも、思える
「ごめんくださーい
爺原さん
ごめんくださーい」
暫くして、時計を見ると
十分ほどか
扉がゆっくりとわずかに開き
チェーンが、小さく、それを繋いでいる
部屋は暗く
カーテンでも閉めてあるのだろう
明るい外から
室内に、明かりが漏れているのが見える
それ以外は、暗い
電気もなく
Tシャツ
短パンの男
歳は、三十近いか
髭が、ぼうぼうであり
二日ほど、剃っていないように思われる
「・・ナンデスカ」
それは、驚いたことに、日本語ではなく片言のカタカナであった
古くは、ひらがなよりも歴史はあるが
しかし、今現代、言葉として、文字でなければ
それは、ドラマの中のような、外人のカタカナ英語に聞こえる
「すいません、十時警察署のものですが
実は」
「事件ですか」
わたしはそういわれ、頷く
「ご協力、お願いしたいのですか」
「ええっと、昨日は、昼間は、仕事
工事現場
後は、牛丼屋に、長居してた
もろ代
あの道はさんだ印刷屋のビルの裏
で、六時くらいに、帰ってきて」
どうやら、言葉が片言だったのは、あまり言葉を発していなかったせいか
不自然に聞こえたのだろう
「すいません、日本の方ですか」
男はだまり
「ええ、生まれも育ちもこのアパートですが」
私は、そうですかと言い
「あの、どうして、事情聴取の時間をご存じで」
男は、頭を掻きながら
「ニュースで、やってたんだよ
昼過ぎから夕方までの間に、事件が起こったって
それに、ここに帰ってきたときには、人混みと
黄色いテープが、無駄にぐるぐる巻きに
玄関とかに、あって
帰宅できずにかわいそうに、と思いながら
暫く見ていたけど
そのときが、六時くらいだったから
それ以前だと思うし
それに、昼過ぎ通ったときには、何もなかった
だから、まあ、昼過ぎに関しては、ニュースの受け売りだし、朝からの可能性もある
それを、塗りつぶしたのは、あんた達のうるさい声だ
ここまで聞こえた
まるで頭がおかしくなるようだよ
まるで、コンビニの入店音のように
この廊下で、繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し
これで、端からだから七軒目か
大変ですね」
私は聞く
耳がいいんですね
「ああ、だから、イヤホンつけて
ゲームしていたら
なったから」
はあ
私は言う
「聞こえてたんですか」
「そう言う脅しめいたことが、いらいらするから
すぐに仕事を辞めて、工事やってるんだよ
悪いですか」
いえ
私は思う
「しかし、工事現場は、うるさいのでは」
男は
「やることが、単純で良い
何も考えず
繰り返し同じことができる
これは一つの、正しさだ
あんたみたいに、繰り返しの中で、違う言葉を使ったり
統一性はないのか
まるで、スライムのようだ
流動性とも言えるのか
とにかく、俺は、不自然な流れがいやなんだよ
形を自分で変える
相手に合わせて変える
そう言うことを、いちいち考え理屈づけて
居たら
とてもじゃないが手が回らない
ヘッドをんでもつけて、ゲームでもしていた方が
単調短絡で良い
ゲームは、難しくてもパターンがある
其れは、作った人間が作った難しさだ
曖昧ではない
バグはあるかも知れないが
事件もそうだ
同じ繰り返しを止めるのは、迷惑きわまりない」
私は押し黙る
何がいいたいのか
「犯人は、みましたか」
男は首を振る
さっき言ったこと以外・・
そう言えば」
どうしたんです
「いや、さっきやっていたゲーム
昔の物なんだが
そう言えば、FIVEとsevenはあったけど
sixを、僕は、買っていないかも知れない
少し調べないといけないかも知れない
それで、ほかに聞きたいことは
もう少し声を抑えてくれるとありがたいのですが」
「はあ、すいません
何か、最近変わったことや気づいたことは、ありますか」
無いです
男とはそう言う感じで
話が終わり
扉が、閉じる
私は、頭を掻きながら、考える
怪しいのだろうか
今回の事件
一人の男性が、密閉された物置で
高温の中、死んでいた
そのせいで、どうも、死亡時刻が、分かりかねている
ただ、防犯カメラの映像から
時刻が、少なくとも生きていたのが、午後十二時
それ以降に、死んだことになる
私がそれを知ったところで
捜査に、何ら、影響は、ほとんどない
なぜなら、同じことを、聞くしかないのである
事件の概要は、以下の通りである
八月九日土曜日午後十二時三十五分
E棟に謎の人物が写る
その後 屋上の物置で、発見される
この人物が、被害者の男であり
胸元のポケットに入っていた空の財布にある免許証と、写真が一致
しかし、後に気づくが
他の情報が、すべて、はぎ取られ
上から、別のシールが、貼られており
すべてでたらめである
指名には
「屍 四肢弄」とかかれているが、日本にそのような名前の戸籍井は発見できない
そのほかにハンカチ以外に持ち物はなく
服装は、スーツ上下
シャツ ネクタイ
パンツ靴下
靴であるが
どれも、珍しいものではなく
量販店の一店舗で、すべて、ハンカチを含め購入されている
体重五十九キロ
痩せ形 身長160センチ
推定年齢 54才
殺害方法
不明
脱水症状
高温障害
が、考えられるが
部屋は、鍵がかけられており
窓はなく
全面コンクリート張りであり
傷はない
入り口は、鉄の扉であり
鍵がかかっていた
扉は接着もされており
取り外したとは考えにくい
つまり、鍵の所有者が、犯行を起こしたとも考えられるが
物置だったため
鍵はかけられておらず
鍵自体
内側から手で、締める以外
外で、鍵がかけられない
仕掛けとなっており
用具を、取りに来た住人が
鍵がかかり部屋に入れないと
管理人に
連絡
無理矢理、あけようとしたが開かず
曇りガラスの中で
人が倒れている姿を発見し通報
その後、警察により鍵が、ハンマーで、壊され
中で遺体が発見される
そのとき、鍵も壊されており
正確な、情報は、不明
扉に、強打され、鍵が、開いた状態と閉じた状態の中間で、現場に残されていたためである
遺体に、外傷はなく
熱中症のような、状態であった
なぜ、この場所に、入ったか不明であり
もし、ここで自ら鍵を閉めて
でられなくなったとして
なぜ、鍵を閉めたのか
そして、鍵は壊れていたのか
など、疑問に残るが
各自、周辺に、渡された紙を頼りに聞き込みをお願いしたい
時刻は昼過ぎから発見された午後五時
までの間
不審な人物及び事柄がなかったかを、忘れずに聞くようにお願いします
以上です
手短に、立ち話のように、聞かされ
私は、朝の貧血のままよろよろと
同僚の運転する車の後ろで、シートベルトをつけて
はきそうに、うなだれていた
事件の概要は実に単純な話である
結局は、身元の知られたくなかった被害者による自殺
であった
自身で、高温の密室に入り
身元を分かる物を消したとされる
その証拠に、屋上に、自殺防止用のカメラに
男が一人、入っていく姿が発見される
しかし、映像の男と
被害者の男の風体が、違うように、思われるが
僕だけの勘違いだろうか
コノ事件は、解決している




