♥ 自宅 1 / 居間 / 9月25日
──*──*──*── 自宅
ふわぁ〜〜〜。
1ヵ月振りの我が家だわ〜〜〜。
…………だけど…何か外観の汚れが進んでないかな??
私の記憶では、もう少し綺麗だった気がするんだけど……。
それに家の壁に植物の蔓が伸び放題になってるし、庭も荒れ放題だよ…。
この1ヵ月で何があったの?
何故だか1ヵ月前よりも明らかに老けてるお父さんとお母さん……。
「 さぁ、寧子…上がって。
貴女の家よ 」
「 分かってるよ〜〜 」
両親と私を乗せて、自宅まで送ってくれたパトカーは家の前に停まっている。
このまま居座って私を監視するつもりなのかな?
両親に促されて私は自宅の門を抜けて、自宅の敷地に入った。
お母さんがドアを開けてくれる。
玄関で靴を脱いで、スリッパを履いたら、廊下を歩いてリビングに入った。
先ず私の目に入ったのはソファー。
私はソファーに座ると、テーブルの上に置かれている新聞を手に取った。
私が新聞で見る所と言えば、番組欄しかない。
女子高生の私は番組欄にしか興味ないの!
──あれ?
毎週放送してる番組がやってない??
今日は中止なのかな?
まっ、いっか。
BSでアニメでも見よっと!
テーブルの上に置かれているテレビのリモコンを持って、テレビの電源を入れたら、BSに切り替えた。
夏休みと言えば、BSアニメ特選だよねぇ!
小学生の頃から大好きで夏休み中は、毎日欠かさず見ている至福の番組なのだ!
あ〜……でも、夏休みは終わっちゃってるから見られないんだった……。
今は別のアニメが放送されてるけど、あんまり面白くない……。
「 寧子は相変わらずだな 」
「 何が? 」
「 アニメ好きよ。
帰って来るなりアニメを見るなんて……、本当に寧子なのねぇ… 」
「 …………お母さん…何で泣くの?? 」
「 ……だって……寧子が…寧子が……帰って来てくれたから…… 」
「 1ヵ月も入院しなかったら、残りの夏休みを満喫出来たんだけどね! 」
「 それは仕方無いわよ…。
色々と寧子には聞きたい事があったみたいだし…… 」
「 警察と病院が?
ちょっと1日留守にしただけなのに? 」
「 …………本当に寧子の中では…1ヵ月しか経っていないんだな… 」
「 どういう事? 」
「 ……ねぇ、寧子……落ち着いて聞いてね? 」
「 だから、どうしたの? 」
お父さんとお母さんは神妙な顔で私を見つめている。
何なの??
「 寧子……お前が家を出た8月23日から、お前が連絡をくれた8月23日──いや、日付が変わっていたから8月24日になるな。
お前は “ 1日しか経っていない ” と思っているんだろう? 」
「 うん…。
だってそうでしょ? 」
「 あのね…寧子……。
落ち着いて聞いてほしいの 」
「 どうしたの?
改まっちゃって? 」
「 寧子……お前が隣町へ出掛けた8月23日から、電話をくれた8月24日の間に世間では……その…だな……言い難いんだが…… 」
「 もう〜?
何なのお父さん?
焦らさないでよ… 」
「 寧子……40年……40年も経っているの。
寧子はね……40年間も行方不明になっていたのよ… 」
「 は?
私が行方不明??
…………40年も?? 」
「 嘘じゃないんだぞ。
新聞やカレンダーの日付を見れば分かる…。
確かめて見るか? 」
私が40年も行方不明って……マジ?!
知らない間に、私の身にマジカルが起きちゃった──って事?!
「 お母さん、私のスマホ貸して! 」
病院に連れて行かれて入院する事になって、私はスマホを取り上げられた。
お母さんが私のスマホを持って来てくれた。
お母さんからスマホを受け取った私は、1ヵ月振りに自分のスマホを触った。
何か嬉しい(////)
本当に私が40年も行方不明になっていたなら、このスマホも私と一緒に40年っていう長い時間を過ぎたって事だよね。
謂わば、私の戦友?!
S●Sの画面を開いて、コメントをアップしてみる事にした。
何をアップしようかな〜?
「 お母さん、今日の夕飯は何? 」
「 まだ決めてないわよ。
何か食べたい料理でもあるの? 」
「 シチューで煮込んだピーマンの肉詰めとロールキャベツ!
シチューとピーマンの肉詰めとロールキャベツが1度に食べれるでしょ? 」
「 寧子は変わらず食いしん坊ねぇ。
いいわ。
ピーマンの肉詰めとロールキャベツをシチューで煮込んであげるわ 」
「 やったぁ!!(////)」
よ〜し、これをアップしよう♪
私は今日の夕飯のメニューを書いて、S●Sにアップしてみた。
アップされた日付を見ると──、9月25日とは出るけど、●●●●年とは出ない。
う〜ん……これじゃあ、本当に40年も経ってるか分からないよ……。
新聞の日付を見てみようかな。
もう1回、新聞を手に取って日付を見てみた。
2060年…………2060年だ!
確かに40年経ってる!!
だって私が17歳だったのが── 今は誕生日を迎えて18歳になってるけど ──2020年8月23日だったもん!
──と言う事は、本当に私は40年後の2060年に帰って来たんだ!!
来ちゃったよ、ファンタジー!!
こんにちは、ファンタジー & 怪奇!!
私、現代版浦島太郎になっちゃった!!
きゃあぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜(////)
ミステリー!!
生きた証人、此処に居り!!
どっどうしよう??
どうしたらいいの??
有名な雑誌の記者、呼んじゃう??
超月刊●ーの編集長宛に手紙書いちゃう??
え〜〜〜これから忙しくなるなぁ〜〜もぅ〜〜〜(////)