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×  作者: と金
第一章 Angel Soldiers vs Dark Alliance
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正真正銘の『宣戦布告』

Twitterで私の活動追ってる人は結構胸熱展開かもしれないですね

「…お前達か」

ベアルは剣を置いて、ビルの上を見上げた。

そこには、スクラーヴや黄目の男とは別に真黒な像が数人いて、その中の一人、黒目の男が一人目立ってベアルを見下ろしていた。


「…撤退命令だ。今すぐヘイトの出力を止めてここに来い、エメラルド」

ベアルはその声を聞くや否や、神威を引っ込めてビルの上まで一蹴りで登ってきた。


「…やはりあの『昼月瞹』、他の天使とは異なる潜在能力を持っていたようだな。…天使の身体を持ちながら、悪魔を、しかもここまで強力な、魔力とも呼べる力を押さえつけられていたものだ。…コハク、確りデータはまとめてきただろうな?」

「勿論。色々想定を超えた事象は次々と観測されたけど、その全ては既に記録してある。…そして今ここに現れた男の事もリアタイでね」

「…流石だコハク。…直ぐにデータをサンストーンに渡せ」

黒目の男は、瞹を抑えた天使の男の方を見た。



「……私に何か用件でも?」

「…貴様、ソルジャーの者だな。…しかも話に聞いていた通り、天使の能力を持っていると見える。…貴様、『ソルジャー部隊最高責任者』だろう…?」

「黙秘権を、使わせて頂きます」

「…隠しても無駄だ。…我がダークアライアンスの諜報要員を見縊るなよ。外部に情報が漏れないように厳重に管理していたつもりだろうが、うちにも優秀なクラッカーがいるものでな。…貴様の事も当然知れている。…サンストーン、情報を」

「…了解。『久夛良木クタラギ 倭文禰シズネ』、ソルジャー部隊最高責任者、そして見ての通り天使であり、そのアイ解放能力名は『以糸伝糸の紡ぎ』、糸状に変形するホープを操る…とデータは言っている」

「よくご存知のようで。いかにも、私は『ソルジャー部隊最高責任者 久夛良木倭文禰』ですが…改めて、私に何か用件があるのでしょうか?」


「……久夛良木様!早くお戻りください!奴らは悪魔です、天使達や戦死者の回収は終了しました、早く撤退をお願いします!!」

「スナイパー部隊、敵群に向かって構えろぉぉ!!」

倭文禰の背後には、銃を構える精鋭部隊が列をなしていた。その銃口は悪魔達の方へ向けられている。

「抵抗は無駄だ!命が惜しくばそこを降りてこい!!」



「…モルガナイト」

「おっけー!!」

モルガナイトと呼ばれた桃色の目の少女は、黒目の男の指示を聞いて指を拳銃の形にしてスナイパー達に向けた。

「…なっ、抵抗するようだな!スナイパー、発砲準備…」

「スナイパー、はっぽうじゅんびぃ〜………うてぇい!!!」


モルガナイトが銃を模った指で撃つように見せると、スナイパー達が持っていたスナイパーライフル銃は次々と不可解な爆発を起こしていった。

「うぉ!?何だこれは」

「お、おいどうなってんだこれは!!うわっ!!」

「きゃははははは、たのしいたのしいー!!」

ぼかん!びゅん!!ちゅどーん!!!

彼女はぴょんぴょん飛び跳ねながら楽しそうにライフルを爆裂させていく。


「…度を過ぎるなよモルガナイト。…目的を履き違えるな」

「はぁーい」

全ての銃を破壊し終えた彼女は、手を引っ込めて後ろの方へ回った。

「…人間を、殺さないのですか」

「…殺そうと思えばいつだってできる。…だがそれは今ではない、お前に少し言いたいことがあってな、戦いにきたわけではないと言うことを先に断っておこう。…俺はお前がここに来ることを知っていた。…いや、お前がここに来るように仕向けたのは俺だからな。…それも加味して、エメラルドとアメジストを天使達にぶつけた」



「珍しいですね。個が強い悪魔達が、団を率いて現れるなんて。悪魔は団体行動が苦手だとばかり私は思っていましたが」

「…確かにこいつ等の個性は強く曲者が多くて、俺も手を焼く。…しかし我らがこうして集っているのは、ある一つの『目的』を達するためだ。…単に安寧秩序を求めて集団として縋っている訳ではない。…意義に反する者がいれば敵だろうが味方だろうが切り捨てる。…それが我々のやり方」

「………やけに筋の通った考えですね。その、『目的』とは」


黒目はポケットを入れていた両手を広げた。


「…『全人類悪魔化計画ヘイトレッド・エヴァンゲライズ』……だ」


「『全人類』…、『悪魔化計画』………!?」

「…そうだ。…全ての人類を悪魔にして、全て我々の支配下に置く。…我々が中心となって、この世界を征服するのだ」

「そしてその野望は、レド王国再建を目指すこの俺の宿願でもある。虐げられてきた者に救いを授け、正義を振りかざす偽善者を抹殺して真の平和を作り、民を、国を、世界を治める。それが俺の願いだ」


「…エメラルド様。その他人の会話に口挟む癖、やめといた方がいいと思いますよー」

メイド服の青目少女がひょこっと割り入るように言った。

「黙れラピスラズリ、俺は然るべきことを語っただけだ。口を挟むなどはしていない」

「エメラルド様、ラピスラズリ、おやめくださいませ。折角大事な所なのに、口喧嘩なんかで台無しにしてはいけませんわ」

「…ガーネットの言う通りだ。…お前達は少し口を噤め」

淑女口調の、ガーネットと呼ばれるメイド服の少女と黒目の男は小言を言って、二人を軽く窘めた。


「…このように全人類悪魔化計画の果てに見るものは各々違う。…しかし、我々は全人類悪魔化計画の目的を達するために集められた悪魔の精鋭達だ。…脆弱な輩は引き入れず、俺が選りすぐって目星をつけた悪魔達が集まっている。…並大抵の人間如きでは勝てないと思うことだな、戦うのなら心してかかるが良い」

黒目の男は手をポケットに戻す。



「…我等は『惡魔枢軸同盟ダークアライアンス』と名乗り、これよりお前達全世界のソルジャー、及び天使に宣戦を布告する」

「…な、なんだって…!?」


「…先程も述べたが、我々の目的は全人類の悪魔化そして支配、及び対立者の徹底的な殲滅。…猶予は認めない、拒否権も認めない。…たかが小隊がと見縊るなよ、手駒は幾つでもある。…我等と同じを志す同胞と共に、貴様ら人間達をこの世から根絶やしにしてやろう」

「………………………」


倭文禰の額から、一筋の冷や汗が流れた。

目を丸にしたように見開いて、ダークアライアンスと自らを名乗る軍団の底知れない実力と膨大で凶悪なヘイトの存在を感じ取っていた。

しかし、彼は一歩も引かず、逆に一歩前に立って、彼らに言い放った。


「……いいでしょう。その宣戦布告…受理しました。しかし我々ソルジャーのやる事は変わりません。暴走した悪魔を抑圧し、人類の恒久的平和を守ることこそ我々の役目。しかし私は違う方法を探し求め、やっと見つけたのです。やっと願いが叶うのです…、その希望を託した私の『弟妹』達が、あなた達悪魔も人間と共存できるような…そんな世界を作ってみせましょう」

「…共存…?…この世界ではそんな言葉は通用しない。…違うからこそ争いが起き、違うからこそどちらかに優劣がつく。…その雌雄の決着を、世紀を越えて行われたこの戦いに…、ここで終止符を打とうではないか」


ビル街の向こう側から太陽が出り、あたりはどんどん明るくなっていく。そして暗闇に呑まれていた悪魔達の姿も、朧気にだが見えるようになってきた。

「…夜明けが来たな。…折角我が同盟全員が貴様の前でここに集っているんだ、顔触れくらい覚えてもらおうか。…悪魔達、名乗りを上げろ」



「改めて、通称『エメラルド』、『ベアル・レド』だ」


「……同じく改めて、通称『アメジスト』、『スクラーヴ・ハーバー』………」


「通称『ガーネット』、『ルナ・アンジェリーク=ペルソナージュ』、」

「通称『ラピスラズリ』、『ソル・ジュリエット=ペルソナージュ』、」

「「2人合わせて、『ペルソナージュ双子姉妹』。以後、お見知り置きを」」


「通称『サンストーン』、『ゼクロノ・アグレース』、だよ」


「通称『コハク』、『Username:しょほ』。よろしく」


「つーしょー『モルガナイト』、『髑髏道どくろどう あーりん』だよっ!」


「…『パール』、『柚二ゆに 才子さいこ』」


「…そして、ダークアライアンスの首脳、『オニキス・グロッシア』だ。…次に俺達の顔を見た時は、命はないと思え。…いつであろうと我らは貴様らを殺す準備はできている。…せいぜい足掻くための戦力を、蓄えておくことだな」


オニキスは両腕を広げ、辺りを覆うほどの黒翼を展開しダークアライアンスの面々を包み込んだ。

「…じゃあな。…最後に一つ教えてやろう。…俺とお前は、係累された運命を握っている。お前がその正解を見つけるのが先か、俺達に殺されるのが先か。…暇潰しにでもなるだろう、答えを必死に探すが良い。…ふん、楽しみだ……」

「そ、それは……!!」


大きな黒翼は両が重なりあって消える。

その様子をしばらく見上げていた倭文禰。突然の瞹の暴走、ダークアライアンスの出現とその強大な能力、宣戦布告、そして、オニキスから告げられた謎の問いかけ。

彼は立ち尽くしたまま、悪魔達のいたところを見つめて混乱していた。


「…久夛良木様、帰還致しましょう。緊急を要していたとはいえ、あなたも確り休んで頂かないとお体に障りますよ」

隊員が倭文禰に声をかけ、彼はハッと我を取り戻した。一つ咳払いをして、彼は振り返る。

「そうですね、ここであれこれ考えていても仕方ありません。瞹は私が運んで行きます」

倭文禰は瞹を抱きかかえ、空艇拠点に乗り込む。



そこには、延命治療を行われて、何とか生き長らえていた天使達の姿があった。

「久夛良木様!心臓が停止しているのに脈拍がまだあるんです!これは一体…」

「説明をする余地はない、彼らを治療してくださったこと、大変感謝します。ここからは天使である私に任せてください。瞹のためのキャスター付きの担架を」

「…はい!了解いたしました!」

懸命に天使達を治療していた看護師は、倭文禰の指示を受けて何処かへ走っていった。


「…………………」

足取りは重く、しかし一歩一歩を確実に踏みしめて、倭文禰は天使達の方へ歩いていった。そして天使達の左眼元に手を当てると、その手は光り始める。彼のホープを天使達に与えているのだ。

「………すまない、本当にすまなかった。幻夢、怜虹、ラベンダー、碧…そして瞹。私がもっと早く異常に気づいていれば、もっと迅速な対処をしていれば…こんな酷い仕打ちを受けなくて済んだだろうに…辛かっただろうに。私の『弟妹』達よ…私が余りにも、不甲斐ない余りに…」

傷だらけになった天使達と、元の服の色が分からなくなるくらい血を浴びすぎて真っ赤になってしまった瞹の惨たらしい姿を見て、倭文禰の頬に涙が伝る。悔しさ、不甲斐なさ、申し訳なさ、いろいろな思いが混み絡んで、涙となって次々と流れ落ちてくる。


「…お待たせしました久夛良木様!キャスター担架届き、まし、た……、久夛良木様…?」

「……ありがとうございます。衛生が良くないですし、瞹の服は脱がせておいてください。私の事はお気になさらず。寧ろ私はこれから沢山やらなければいけないことがあるようです。…全ソルジャーへの宣戦布告の通達、全人類悪魔化計画に対する記者会見、…私が頑張らなければいけないのは、こう言う時ですから」

倭文禰は涙を拭いとって両腕をバッと開くと、服の汚れが一瞬にして消える。そして通信機のようなものを持ってどこかに行ってしまった。

読んでいただきありがとうございました!

ダークアライアンスの面々は追い追い出そうかなーとも思ってたんですけど出しちゃいました!後でキャラ設定編集しなきゃ!次回も乞うご期待しないでね


☆Babyfaced Rumors

「ダークアライアンスの中では統計上あーりんが一番人気です。幼女恐るべし。それではまた」

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