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×  作者: と金
第一章 Angel Soldiers vs Dark Alliance
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平穏を蝕む黒い影

街は慌ただしく人通りが多くて、見ているだけで目が回りそうだ。行き交う車は淀んだ煙を吐き出し、人々はいつもと変わらずそれぞれの行先へと足を進める。


そんな喧騒の中に、一人少女は立っていた。

白銀のような美しい髪に、まだ幼い体。彼女は天使のように可愛らしい顔立ちで、その左眼は眼帯によって隠されていた。

少女は泣いていた。零れる涙を受け止めきれずに、幼く、か弱い声で、しゃっくりを出しながらすすり泣いていた。


周りの大人たちはどんな顔をしているのだろう。他人事のように目を逸らして通り過ぎる人もいれば、どうしようかと戸惑いを見せる人や白い目で冷たく睨む人。結局誰の一人も彼女を助けようとはしなかった。


止めどない涙を拭いては拭いて、立ったまま俯いている少女を見ても、この世の人間にとっては彼女が泣いている理由なんて知る由もなく、それはもはや所詮どうでもいいものなのだろうか。少女はいつまでもそこに取り残されていた。



突然、彼女の前に大きな影が現れた。

彼女の小さい体を隠すような、大きい大人の影。男性であるようで、その太い太い声の声色を優しく変えて少女に話しかけた。

「お嬢さんどうしたの〜?そんなに泣いて」

「ひっ…ぐ…お兄ちゃんたちと…はぐれ、て…まいごに…なっちゃった……ぐす…」少女は俯いたまま、嗚咽を交えて答えた。

「それはそれは悲しかったねえ、でもおじさんが来たからにはもう安心だよ」

「ほん…とう?」

「本当さ、この街で君みたいな年の女の子が一人で居たらそりゃあ大変だ。ちょっとでも経てば直ぐ誰かに連れ去られてしまう。でも大丈夫だよ…おじさんは君の事を連れ去ったりなんてしないからねぇ」


頭に何かが覆いかぶさった感触、そして肩に何かが乗っかった感触がした。男は少女の頭と肩に大きな手を置いて、右手でわしわしと頭を撫でたのだ。見ず知らずの人間に頭を撫でられているというなんとも不気味な光景だが、落ち着きを取り戻した彼女は少し泣き止んで、前を見ようと頭を上げた。



…おかしい。

少女の頭と肩に載せられていたはずの手に徐々に圧力が加わっていく。彼女は「痛い!」と声を上げたが、頭を握りしめられ、首根っこを掴まれているどころかその力はどんどん増していき、しまいには体が浮くほどに持ち上げられてしまった。


街のド真ん中でこのような光景が広がっているのを見た人達は混乱し、散るようにその場を離れていく。

「お前そんな小さい子になんてことをするんだ!」「あんたには人の心が無いの!?」

…と罵倒を浴びせる人達だが、その人たちはさっきまで彼女を無視し続けていた人達だ。力になるはずがない。


男は頭と首を掴む手は話そうとしない。少女は酸欠になりそうになりながらも頭に覆い被さる手を振り払おうと必死に抵抗したが、男はビクともしない。彼女をがっしりと掴む腕は筋肉質に膨れ上がり、しかも黒く変色していた。

「嫌!」「痛い!」「助けて!」潰れかけた喉で精一杯の声を出し、脚で大男の胸元を蹴ったりしたが抵抗も虚しく彼女の意識はどんどん薄れていく。



「テメェェェ、その女の子を離せェェェエエ!!」

スーツ姿の中年男性が仕事用のバッグを持って飛びかかってきた。走りながら、バッグの持ち手を持ち腕を大きく振りかぶる。男性は大男の脳天を目掛けてバッグを振り払った。


ドスッ!!バッグが大男の頭に激突した音が響く。

しかし、大男はやはり寸分のダメージを受けたようにも見えない。少女の頭を掴んでいた手を離して右に大振り。中年男性は腕が触れずともその衝撃波で吹き飛ばされ、集る民衆の人混みを越えてビルの壁に先程とは比べ物にならないほどの轟音を響かせてぶつかっていった。


阿鼻叫喚、男も女も関係なく人々が恐怖の声が劈くような大爆音を響かせる。誰も少女を救えない、と。アイツに適うわけがない、と。



「聞けェ!!!!!!!!!!」

大男はそんな群衆を黙らせたいかのように叫んだ。

「俺の子供は10にも満たない幼い年で自殺をした!!それを追うように妻も!!」

男は続けた。

「なぜ死んでしまったのか!?いじめだ!!我が子は周りから酷く虐められていつも傷だらけで帰ってきた!!しかし教師や他の親は誰も我が子を助けなかった!!今さっきまでのお前達もそうだっただろう!?そんな貴様らには反吐が出る!!」


人々は立ちすくんでいた。その話を聞いていた。

大男の張り裂ける様な声の演説は、どんな政治家たちの演説よりも力強さと説得力があった。誰も彼の言うことに反論できなかった。

「だから俺は悪魔となり、人間を殺すことに決めた!!その第一人者としてこのガキを殺してやる!!」


首をつかむ筋肉がさらに膨れ上がっていく。少女にはもうもがくような体力も残っていなかった。

「死ねえぇぇぇぇぇぇ!!!!!」



……「おい」

大男の後ろから声が聞こえた。

めちゃくちゃグダリますそして話ごとの文字数めちゃくちゃブレますがどうかお付き合い願います

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