Prologue
と金で〜〜す
私の創作をご存知の方に向けて趣味暇潰し程度に書く小説(笑)です
生暖かい目で見守ってやってください
あと更新遅かったら叩き起して、励ましてくれるとありがたいですよろしくお願いします
「光あるところに影あり」
この世の森羅万象にはこのような概念がある。
科学も、宗教も、運命も。この世の全ての因果には表と裏があるのだ。何かが上手く行くと、違うどこかに巡り巡って上手くいかなくなる。また、何かが間違っていても、次々と辻褄が合ってそれが利になる。
そのように、全ての物事の運命は決まっていた。
「Villain」、つまり「悪魔」。人間がこの世界を憎み、妬み、呪う力を得て変貌した姿。
彼らの目は黒く色を変え、その体に力を込めると、禍々しい角が生え、黒い翼が広がり、黒い霧が体を纏ったと思えば、それは様々な物に変形する。刃、鎧、鎖、拳、拳銃……彼らが願えば願うほど、呪えば呪うほどその力は強くなる。
彼らがどうやって悪魔になったのかは人それぞれで、それぞれの悲劇があり、それぞれにその心は違う。しかし、悪魔となったからには、力を持ったからには、互いに違う心境や境遇にある者たちの目的はひとつに絞られた。
それは、「人間への復讐」。
力を持った弱者はその拳を掲げ、雄叫びを上げ、憎き人間たちへの恨みを晴らすべく戦いに行くのだ。
人類はこれに対抗するべく、「Soldiers」という聖兵軍隊を作り上げた。
政府や国の機関に干渉しない組織ではあるが、人間の生活の平穏を守る為に作られたソルジャーの活動は全世界に渡り、今やほぼ全ての国や地域にソルジャーの組が作られている。
ソルジャーを志す者にも様々な思いを持つ者がいる。その中に、大切な人の命を悪魔によって奪われてしまった者は少なくない。例え悪魔が人間に復讐を果たしても、殺された者の無念を晴らすために立ち上がったソルジャーによって殺されてしまう。血で血を洗う、そういった惨たらしい負の連鎖は続くのだ。
そこである男が言った。
「光あるところに影あり。ならば、目には目を、「悪魔」には「天使」でしょう」
彼は数人の子供達を集めた。彼らは筆舌に尽くし難いような、心痛む辛い過去を持つ悲しい子供達だった。
男は、子供達に力を与えた。彼らはこの世界を嫌ってしまうほどの憎しみを持っていたが、男はそんな子供達にこそ希望を与えようとしていた。
彼らが力を込めると、その「左眼」は色を変え、体の周りで光っていたその気は姿形を変えて彼等の手に戻る。この力を使えば悪魔を人間に戻すことが出来る、と説いた。
しかし、そこに憎しみがあってはいけない。憎しみを持って接してはただの争いだ。慈愛、許容、肯定の気持ちを相手に示すことによって悪魔を人間に戻すことができる、と、彼は伝えた。
男は、子供達を「Babyface(無垢な子供達)」、つまり「天使」と名付け、彼らの所属を「ソルジャー聖兵軍 天使支部」とし活動を始めさせた。
この物語は、そんな世界の運命を背負うことになった子供達、「天使」の戦いを、心境を、生き様を描いていく英雄譚である。