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マジメキャラのてんらく~❓

堅いすべり出しですが、やがてフニャッとなっていきます。

そして、明かされる世界観が現実と結びついていきます

序章


その男は歩ゆみをピタリと止めた。

少し長い髪を風に靡かせ、やや上方を見る目には少し涙が浮かんでいた。

そして持っていた剣を地面に突き刺した。

暫くすると彼は溶けるように大きな水玉になった。

やがて、その水の球は空に浮かび、ゆっくりと空へ空へと舞い上がっていった。

ここに彼の一生は終ったのである。


歴史より非情なのは時である。

流れに乗られしものは、まるで溺れたもののように抗えど、抗えば程自らを失う。


ここは宇宙の遥か彼方、そのまた彼方のはずれにある緑色の惑星。その最も大きな大陸には3つの国があり、その一つはシラドア帝国とよばれ、帝国はじまって以来の最大の戦乱期に最大の危機を迎えていた。


その男の死をシラドア帝王は深く悲しんだ。しかし、それは新たな希望でもあった。

抗うことを決意したシラドアにとって、また、最後の望みでもあった。


この大陸で大きな勢力をもつカペト王国は軍事政権であり、いまや大国であったオクマー共和国を事実上掌握し、大陸の5分の3の面積を支配していた。

カペト・ルラ・7世は、城の最上階に立ち、まもなく全大陸を支配すると確信した。


大陸に住む人は全て同じ種族であり、この3,000年特に大きな差はなかった。カペト7世が一挙に歴史を動かしたのには理由があったが、シラドア、オクマーの人民、いや、カペトの大くの人ですら、その理由を知らず、歴史の渦と思っていた。


街を見下ろしていたカペト7世の横には、いつの間にか長身で髪の長い女性戦士が立っていた。

カペト7世はその気配をはかり、

「カホタ、少し遅れたな。」

カホタは、悪びれず、

「3分20秒の遅れです。」

カペト7世は少し微笑み、

「責めてはおらぬ、タスク遅延はつきものだ。」

カホタはホッとした表情で、

「申し訳ございません。」

カペト7世は、眉間に力を入れ、

「オクマー帝国の反乱軍が勢力を拡大しておる。およそ、3,000人の戦士が潜んでおる。ここまでくるのに、多くの血を流しすぎた。お前が精鋭部隊を率い、静かに鎮圧して見せい。」

カホタは少し考え、

「3ヶ月お待ち下さい。50人の強化戦士を作り、3日で制圧してみせます。」

カペト7世はすかさず、

「3ヶ月たてば、奴らの勢力は拡大するぞ。」

カホタは自信満々に、

「強化戦士部隊ができれば、3,000でも5,000でも大差はありません。」

カペトは静かに頷いた。


~シラドア帝国 戦士の間の~

男は、ゆっくりと目を開けた。

天井に小さなライトが見える。

起き上がり、小さな部屋の端にある端末の前に座る。

「おはよう、トモサ。」間抜けなこえで、端末が喋る。

トモサは端末の横にあるグローブのような装置に手をいれ、端末で〔DL〕を選択する。重要機密記憶を脳にDLしたトモサは呟いた。

『シラドア帝王に会いに行くか。』



この物語は、矛盾と奇跡と夢に満ちたある星の歴史の一部を切り出したものである。

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