アーツギア~プロローグ1~
アーツギア
~プロローグ1~
「スキャン開始」
小汚いマントに身を包んだ人間が、ささやくようにつぶやいた。
「敵影確認 ユソウガタ1ゴエイセントウガタキ2 コウゲキガタ1マドウヘイ3ヲ確認シマシタ」
彼の後ろに立つ機械から返ってくる。
「さてと、作戦開始と行きますか!」
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西暦2061年、脳の五感領域の神経を共有することによって、仮想の世界を現実のように体験できる技術【DVR】。これにより、ゲーム業界は著しい発展を遂げていた。
ファンタジー系を始めとし、無数のジャンルのタイトルが発売された中、日本の大手ゲーム会社から、満を持して発売されたタイトルがある。
その名は【ホプリスマギア】フロントと呼ばれる、近代欧州風の世界で、銃と魔法そして「アーツギア」と呼ばれる、人型機動兵器を駆使して生きる、という内容のゲームだった。
他のDVRゲームとは比べ物にならないほどの自由度とPvP(対人戦)の難易度から、コアなゲーマーたちを中心に、人気を博した。
レベル要素がないものの、ステータスやスキル、魔導付力と呼ばれる、魔法のようなものも存在し、自分の行動によってステータスが変わるという独特なシステムを採用している。
例えばAGI(俊敏さ)を上げたければフィールドを走る、または回避行動をとるなどによって上がる。その時の練度によって、スキルを覚えたり魔法を覚えたりするのだ。
武器に関しても、銃が中心であるが近接系の武器もあり、種類だけで300を優に超える。もちろん、銃に関しては、自作銃やカスタマイズを合わせると、億を超える数の銃が存在した。これがメインと言ってもいいような感じはするが、このゲームの要素の一部に過ぎない。
このゲームのメインはそう、「アーツギア」だ。
アーツギアとは、魔導機兵ともよばれ、アーツと呼ばれる魔力をエネルギーとして動く、全長7~9Mの「魔駆動式人型機動兵器」のことである。アーツギアのパーツや武器は、メインだけあって、人間武器系の約5倍のものがある。
その他、基本的なオンライン要素を含め、高性能AIが採用されていることや、非戦闘系職業の多さ、アーツマギアやアーツスキル(魔導能力)を使うことによる、PvP戦術の幅広さなど、あげるときりがないが、無数の楽しみ方がある。バトル系DVRの中でも最高傑作であると言えるゲームであった。
サービス開始の2068年から10年、プロゲーマーや古参の猛者、そんなトッププレイヤー達からも一目置かれ、一般的に都市伝説扱いされるプレイヤーがいた。
【蒼黒の死神】と呼ばれる存在だ。
どうも初投稿の鷹ノ宮アルフというものです。異世界系のものは数多くあり、ロボット物も結構ある中魔法と銃そして、男のロマンであるロボこの三点セットのものがほしいなーということで投稿させていただきました。稚拙な妄想小説ですがたまたま開いてくださったそこのあなた、これからもどぞよろしくお願いいたします。