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王国訪問編─①

俺は驚きを隠せなかった。

夢かなにかだと疑わなかった。

だって、今まで確かに見えていた、高層ビルの屋上からの景色から、1面真緑の草原に変わっているのだから。

俺はほっぺを叩いた。何回も叩いた。

それでも、まだ夢だと思えた。

しかし、そいつの言葉で真実だと信じる他なくなった。

「ここはお前のいた世界ではない。

我の主である魔界王フォリアス様の統治する魔界聖都市フォリアミンだ。

ほれ、あそこに見えるだろう。」

と言われたからだ。

俺はゆっくりと目を動かしそこを見た。

以前の世界ほどではないものの、そこには都市と言っていいほどの街並みとビルらしきものが広がっているのが遠距離でも分かった。

「しかし我の住んでいた街も発展したものよ。昔はまともな家を作ることさえ、難しかったのだから。

城を作る時はそりゃあもう...」

おっと。

こいつ、かなりこの世界から離れてたんだな...

今少しでも早く元の世界に戻りたいと思った俺が恥ずかしい。

それに、よく異世界転生モノや、異世界転移モノのマンガやラノベを読んでいたので、この辺の展開には手馴れたものなのだ。

そんなことを心の中で思いながら、傍らで懐かしさに浸りかけている奴がいる。

「おいおい、懐かしさに浸るんならせめて向こうについてからにしろよ。まだはぇーよ。」

「おお、そうであるな。

では、我に付いてくるがいい。」

こいつはそれを言うと、俺を掴んで王国へと向かったのであった。


マリーさん...

そろそろきつくなってきました...

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