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遭遇

(不味いな。このままではこの国が崩壊する。)


─そう考えた彼はこの状況を打破するため、"シモベ"に命令を下す。


「お前に託したいことがあるのだ。」


そう言って、彼は"シモベ"に任務を説明する。

そして命令を下す。

『任務を遂行し、無事にここに戻ってこい』と。

命令を受けた"シモベ"は、早速行動を開始する。

彼にとって、この"シモベ"は最も頼れる親友であり、仲間である。

この国を作る時に初めにであった言わば盟友であり、今まで幾千もの戦いを共にし、数多の困難を二人で乗り越えてきた。

しかし今はもう仲間が沢山いる。

彼は2人だけではない。

一瞬彼は自分が行って来ることを考えた。

彼は少し俯く。


(しかしな...。

俺自らが行くのはいかんだろうな...。俺にはここにいて守るべき我が国の民共が大勢いる。やはりこいつに行かせるのが無難か...。)


彼は少し行かせるのを躊躇ったが、もうそこには"シモベ"の姿は無い。

彼は少しの後悔と、希望を心の隅において、"シモベ"を優しく見送ったのだった。


──────────────────────────

─────────

俺は一体なんのために生まれ、何の為に死んでいくのか─それは、俺たち人類の永遠の謎だろう。

解明されることはなく、ただただ俺は悪戯に時を過ごしてゆく…

なんてね。

別に俺は哲学者じゃない。

哲学的に考える癖があるだけだ。

俺はただ自分の夢を追い掛けているだけのなんの取り柄もない人間だ。

何をしても人並みで、ただその人並みから一つだけの才能を見つけることが出来たのは幸運だったが。

たしかに俺は小さい頃からよく絵を描いていた。

好きこそ物の上手なれというのも案外あっているのかも。

─俺はいつも、仕事場(アトリエ)に向かう電車の中でそんなことを考えて暇を潰している。

あとひと駅で乗り換える─という時に、電車の前の方から逃げ惑う人々がやってきた。

泡を吹く者、死に物狂いで狭い車内を全力疾走する者、はたまた驚きで唖然となり立ちすくむ者...

俺は何があったのか分からないまま、状況を理解しようと前の方に目を凝らす。

そしてどうやらそれが、火事であると気づいた。

俺は慌てて後ろの車両に逃げ込む。

俺はなぜあのとき車内アナウンスがならなかったことに気づかなかったのだろう。

気づいていれば─或いは、その正体をはっきりと確かめていれば、何かが変わったのかもしれない。

その正体─俺が火事だと思っていたものは、だんだんとこちらに近づいてきた。

俺は唖然として立ちすくんでしまった。

炎を纏う人間の様なものがこちらに向かってくるのだ。


(おいおい、マジかよ...)


俺は自分自身に火をつけた放火犯と見て間違いないと思った。

なのに、自分自身が燃えているのに、なぜ苦しむような素振りを一切見せないのか...



▶◀



──「彼」は、探していた。

今の窮地を救うことの出来る力の器を持つ人間を。

その為にこの世界に来て20年余りが経つ。

しかし、彼は探し続けていた。

その日は、突如として訪れる。

「彼」が主から渡された『探知機』が、強烈な反応を示したのだ。

それは、「彼」が仕事場(カイシャ)に向かう時のことだった。

彼は、興奮しつつも、冷静だった。

主に言われていたことを思い出したのだ。


「『探知機』が反応しても焦るな。落ち着き、冷静に元の姿に戻り、彼がその姿を見て慌てずにいられるかをその目で確かめろ。そして、お前がその人間を認めるほどの強者だった場合のみ、この私の前に連れてこい。最後は私自らが試そう。」


と。

「彼」はそれに従い、電車内で元の姿に戻った。

彼のスーツは体内中心部から溢れ出る爆炎により燃焼、消滅し、彼の身体には焔が纏わりついた。

そう、覚醒したのだ。焔を操りし精霊の王、"イフリート"へと。

「彼」は一歩一歩確実に進んでいく。

「彼」の能力で電気系統はすべて遮断してあるため、誰も警察を呼べず、車内アナウンスもならないようにしてある。

準備は念入りにしてある。

あとは会うだけなのだ。

「彼」は後ろの車両に入った。

幸運なことに【未熟者】(タマゴ)はその場に突っ立ったままだ。

「彼」はタマゴが唖然として動けないのではないかと気になったが、そんなことは声をかけて確認すればいいと、タマゴの目の前にやってきた──



▶◀



俺が考えていたことから現実に目を戻すと、目の前に焔を纏う人間が目の前にいることに気づいた。

それが俺の肩を掴もうとしてきたので一溜りもない。

俺は慌てて肩を避けたが、残念なことに腕を掴まれてしまった。


(熱い!熱い!!!燃えて死ぬ!!!)


短い人生だったなと少し悲しみ始めたものの、俺の体は燃えていない。

落ち着いて感覚を確かめると、

熱さを感じていないということに気づいた。

しかしやはりそいつは燃えている。

なのにどうして...?

するとそいつがいきなり語りかけてきた。


「お前、次の駅で降りれるか?」


俺は突然なんだと思ったが、


「次の駅でどうせ乗り換えだからいいぜ」


と言い返してやった。


マリーさん、マリーさん。

小説書くのって難しいですわね...

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