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 その夜、おかしな夢を見た。



 ママがお仕事でしばらく家にいれなくなるって言われてあたしは家に一人になる。

 見慣れた部屋なのに怖くて、心細くて泣いてしまう。


 だれかたすけて。ひとりにしないで!


 叫びたいのに泣き声で声が出ない。



「君が……」

「ともだち……か」


 そこに来てくれたのは、赤い髪の女の子と青い髪の男の子。


 あれ?


 違う。違うよ。

 あたしを助けてくれたのは……二人じゃない!



☆★



「っ!」


 あたしは声を出せないままベッドから飛び起きた。

 心臓がドキドキして額から嫌な汗が流れてくる。


「夢なんだよね。うん、夢だよね」


 まずは落ち着かなきゃ。

 深呼吸をして心臓を落ち着かせて、ベッドから起きた。


 汗を吸って気持ち悪い服をワンピースに着替えて外を見たら窓の外は明るい。


「朝、か」


 隣からおはようと聞こえてくる声はない。


「アーベント、ノイテ……」


 名前を出して確かめる。


 あたしが一緒にいて、ずっと側にいてくれたのは二人だよね。

 何も間違えてないよね。


「なんで不安になるんだろう……」


 二人と別れたから?


 でも新しく友達ができたのにいつまでも二人を引きずってちゃダメだよね。寂しいなんて言い続けたら会えなくなっちゃかもしれないし。


「うん、早く二人に会いに行こう」


 今は新しい友達に会いに行こう。

 時間は早すぎるかもしれないけど、お花畑にいたらきっとすぐに時間は経つだろうし。


 そうやって新しい友達と毎日を過ごしていたら時間はあっという間に過ぎて、二人が急に会いに来たりしないかな。


 そう考えたら明日が楽しみになる。朝になって今日が始まったばかりなのにおかしいかな。


「ママ起きてるかな?」


 朝ごはんを食べて行ったほうがいいかなって思って部屋を出て、キッチンに行くけどママはいない。


 多分まだ寝てるのかもしれない。


「それじゃあパンだけ持って行こうかな」


 キッチンの棚に入っている紙袋から丸パンを一つ取り出してワンピースの大きめのポケットに入れて、それから棚からメモ帳とペンを取って、教会まで遊びに行くことを書いてテーブルの上に置いておいた。


 これなら心配ないよね。


 全部の準備をしてから家を出て、人のいない町を歩いて教会裏のお花畑に向かった。


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