スパイと殺し屋が出会う時
作風は大幅に違いますが、設定やキャラクター、話などが前作と共通するところが多々あります。前作は中途半端に打ち切ってしまったので、今作はきちんとストーリーを組み立てていきたいと思います。
―――インターフォンが鳴り、ドアを開けるとそこには奇妙な少女がたっていた。
右目に黒の眼帯。
顔には右目と鼻上を横断する大きな十字傷。
髪は白の短髪。
なんとも奇抜な外見だが、顔の造形自体は愛らしい。
年齢は恐らく12~15歳程度と推察。非常に小柄な女の子だ。
薄い。そう感じた。
儚いに近く、けれど脆そうではなく、なんとなく存在が揺らいでいるような、虚ろなような雰囲気があったので、存在が『薄い』と感じた。
少女が口を開く。
澄んだきれいな声。しかし、感情の起伏は一切感じられない、どこか機械的な声で少女は言う。
「私は風音零。殺し屋です」
開口一番、これである。
どうみても小・中学生かそこらの女の子にいきなり『殺し屋です』と自己紹介さてもイタズラとしか思えない。
だって、ここ日本だぞ。治安の良いこの国で殺し屋なんて職業は流行らない。
「ごめんね、イタズラなら他所でやってね」
苦笑しつつ少女に軽く注意し、ドアをゆっくり閉め……。
「!?」
鍵を駆けるとダッシュで自室を駆ける。
目指すは窓。ここは賃貸アパートの二階だが気にせず飛び降りる。
あの少女は殺し屋を名乗った。
そんなの、冗談に決まってる。
…………と、普通だったら思えるところなんだけどな。
俺の名は大城一弥。
職業は――――スパイだ。
今作はラブコメ描写を強めにしたいのでジャンルを『恋愛』としましたが、ベースは海外ドラマのようなクライムアクション(犯罪アクション)です。スパイ男と殺し屋少女の活躍をお楽しみください。