表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/158

猛毒ウェルズ=アルバート⑥

「さてと。俺からの報告は以上だ。次はお前らの意見を聞こう。まずは、この場にいないサイスとガリウス、レジストを招集しよう。話はそれからだ」


 意を悟ったのか、ガストーが部屋を出て三人を呼びに行った。まもなく三人は姿を現した。


 まず目を見張ったのは、廊下に流れている多量の血とすでにこと切れているセングンだった。一瞬何が起きたのか分からない三人だったが、その場の空気が異様だったのとデュマとガストー、ハシュクに返り血が付着していることから全てを察した。


「落ち着きなさい、お三方。俺から話しましょう」


 落ち着き払ったバルザックは、三人の前でさっきまでデュマ達にしていた話を丁寧に説明した。聞いている三人は時折、セングンの遺体に、ちらちらと目を落としていた。やがて話が終わると、バルザックは手で自分の汗をぬぐった。


「ふう。二度も同じ説明をするのは疲れるな。なんだかワインが飲みたくなったよ。デュマ、ワインはあるか?」


「ねえよ。欲しけりゃ自分で厨房ちゅうぼうまで取りに行け」


「冷たいな」


「ふざけるな!」


 レジストが怒声を上げた。あまりにも大きな声だったので、場にいた全員が、思わず耳を塞いでしまった。


 むっとしたバルザックは、レジストをにらみつけた。


「説明に何か不満な点があったのか、レジスト?」


「何が『転生』の能力者だ。何がウェルズ=アルバートだ。この仲間殺しめ。よく平気なつらでここにいるな」


「その男は反乱軍を辞めているから、もう仲間ではない。だから殺しても大丈夫だ。レジスト、人生において割り切りは大切だ」


「なんだと、貴様!」


 怒りが爆発した。レジストはバルザックに向かって喰ってかかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ