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新団長ライナ=ハルバートン③

 思わずひれ伏してしまう。フェルナンやその他の騎士達は頭を下げた。


「さてと、それはそれとして、話を本題に戻しましょうか」


 いつの間にか、顔がいつもの温和なライナに戻った。フェルナン達は拍子抜けしてしまいそうだった。一体、どこにあんな気迫を持った顔が隠されているのだろうかと疑ってしまうほどだった。


 ライナがオルバス騎士団の新団長として就任した時、全員唖然とした。


 女。


 それも若い。おまけに茶が好き。二十六歳とはいえ、触れたら一発で壊れてしまいそうなほどの弱そうな女だった。文句も言いたいところだったが、ラジム二世とロウマの命令だったので文句が言えなかった。


 しかし、初日から圧倒されることになった。調練でライナに勝てる者が誰一人いなかった。フェルナンでさえ、一瞬にして馬から叩き落とされてしまった。まぐれかと思って再び戦ったが、結果は同じだった。


 噂によると元帥のロウマに異民族の土地で鍛えられたらしいが、本人は、その話をあまりしてくれなかった。いつもはぐらかされてしまうのである。不思議な人物だった。話し方は指揮官というより貴族の令嬢の感じが強く、気軽に話せなかった。


 おかげでフェルナンを初めとした騎士もライナと話すのにまだ、慣れていなかった。フェルナンは、とりあえず現状の反乱軍の様子を伝えることにした。


「ユースチス前団長が戦死なされて以降、反乱軍は一度も仕掛けてきていません」


「つまり、敵は守勢に入ったのですか?」


「左様です」


「ならば私達も守りを堅めましょう。下手に仕掛けて無駄に死者を出すより、守りが良いはずです。ブルーメはどうですか?」


 ライナはフェルナンの真向かいに座っている猫背の男に問いただした。

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