ep5 夕食と令嬢
タイトルが予定していたものと違ってしまいました。すいません!
とにかく、第5話です!
あと・・・度々すいません・・・後書き変えました。
食堂到着と・・・
昼はあんまし見なかったけど・・・ここもすげえ豪華だよな・・・
席は100以上あるし・・・メニュー数も和・洋・中全部揃ってる。
「時雨、あそこの席空いてるよ!」
「おう」
俺と出雲は左奥の空いている席に座った。
「とりあえず席確保と・・・」
「時雨!ほら、早く並ぼ!」
「ぐわっ・・・!」
首つかみやがった・・・!
「やめろ・・・!首を、つか、むな・・・!」
「え?あ、ごめん」
「げほっ・・・ったく・・・」
死ぬかと思った・・・
「はいはい!何にする?」
1分ほど並んで注文のカウンターまできた。
なるほど・・・最初のカウンターで注文をして、次のカウンターでそれを受けとる。
効率のいいシステムだな。
それにしても・・・カウンターで注文とってる人、まだ俺らと同じくらいに見えるな・・・。
「ちょっと、ボケっとしてないで早く注文しておくれよ」
喋り方はおばさん臭えな・・・
「私焼き魚定食!」
「俺は刺身定食で」
「はいはい!焼き魚に刺身一丁!!!」
声でかっ!
2分ほどで注文したのが来た。
「早いね~」
同感だ。
それから席に戻って
さて・・・味の方はどうだ・・・
俺は刺身を一切れ口に入れた。
・・・!
これは・・・!
「うまい・・・」
「ホント!おいしいよね!」
舌触りなめらかだし、旨味が口いっぱいに広がるし、わさびも本わさびだし。
これはうまいと言うしかないだろ・・・
昼飯ろくに食ってなかったから余計にうまく感じる。
「ちょっとあんた達」
「へ?」
「あみゅ?」
いきなり声をかけられから間抜けな声を出した。
出雲なんか頬張り中だったから返事と言えない返事をした。
「あたしの髪飾り見なかった?」
・・・なんだこいつ・・・
口はへの字になってるし、眉はつり上がってるし・・・いかにも不機嫌そうなんだが・・・
「ちょっと聞いてんの!?」
しかもなんか上から目線だし・・・
「髪飾りって・・・どんな髪飾り?」
お、出雲。
いい質問ですね。
「どんなって・・・髪飾りは髪飾りよ!」
え~~~・・・
「それじゃちょっと・・・」
「そんなんで分かるわけねえだろ。バカかお前」
「バ・・・!」
おお、黙った。
「あんた・・・!あたしにそんなこと言っていいと思ってんの!?」
「なんだよ。思ったことをそのまま言っただけだ」
実際そう思ったからな。
「あんた・・・あたしが誰だか分かってんの!?」
「知らん」
「な・・・!」
また黙った。
「あたしを知らない!?この標部 杏奈を!?」
しるすべ・・・あんな・・・
「知らん」
「・・・!」
お、今度は顔がひきつった。
「標部・・・あ!もしかして・・・!」
出雲がなんか気づいた。
「あの標部財閥の!?」
「ふっ・・・その通りよ!」
急に顔が明るくなったな・・・
「あたしは標部財閥の令嬢!」
あの標部財閥のねえ・・・
標部財閥ってのは医療や科学技術、その他いろんな分野で幅をきかしている会社だ。
その娘が今年で16歳ってのは聞いたことはあるけど・・・
「これで分かった?あたしがどんなにすごいか」
・・・
「そのあたしにバカなんて言うのは失礼極まりないことなの!それが分かったら土下座して謝りなさい!」
さて・・・
「やっぱお前、バカだな」
「な・・・!?」
「し、時雨・・・!?」
こういう奴には教えてやらねえとな。
「あんた・・・まだあたしにそんなこと言うの!?」
「確かに標部財閥はすげえよ。実際いろんな功績を残してるしな。だけど・・・それはお前の親がすごいのであって・・・お前がすごい訳じゃねえ・・・」
「っ・・・!」
「大して世のためになってねえ・・・いや・・・世のために動こうとしてねえ奴が、親の権力を自分のものだと勘違いしてる・・・。だからバカだっていうんだよ!!」
たまにいるからな、こういう奴が。
「この・・・!言わせて置けば・・・!」
お~お~、怒ってますね~。
「あんた・・・絶対許さないから・・・!パパに頼んであんたをこの学園から追い出してあげるわ!」
・・・ったく・・・
「これほど言っても分かんねえのか?はっ・・・そうやってまた親に頼って、自分では何もしねえんだな。
悪かったよ。訂正してやる。お前はバカじゃねえ。大バカ野郎だ」
「・・・!!」
さらにお怒りだな。
「あわ・・・あわわ・・・」
出雲は何言っていいか分かんなくなってんな・・・
「いいわ・・・!あんたごとき追い出すのなんて・・・あたしの力だけでやってあげるわ!」
「できるもんならな。あと、人のことあんたあんた言うな。俺の名前は方城 時雨だ。覚えとけ」
人はちゃんと名前で呼ぶもんだ。
「方城 時雨・・・!絶対・・・許さないから・・・!」
そういうと標部は歩き去っていった。
「し・・・時雨・・・あんなこと言っちゃって良かったの・・・?」
「いい。俺は後悔してない」
後悔なんざするわけねえ。
何をしてくるか、分かんねえが・・・受けてたってやるよ・・・!
SIDE 杏奈
あたしにあんな屈辱的なことを言うなんて・・・
あいつ・・・!
絶対絶対絶対絶対絶対絶対ぜーーーーーーーったい許さないんだから・・・!
・・・でも・・・あいつの言ってることも・・・間違いじゃないかもしれない・・・
今までずっと・・・パパに頼ってばっかりだった・・・
でも・・・!
あたし一人でもやれるってことを・・・教えてやるわ・・・!!
あ・・・
そういえば・・・髪飾り・・・
見つけないと・・・!
あたしの宝・・・!
〈次回予告〉
標部との決着をつけたいところだが・・・今度はなんか困ってんぞ・・・?
次回 探し物と友達