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方城時雨の奇妙でイカれた学園生活  作者: 水面出
序章 -始まるは、日常-
31/46

ep28 取り合いと遠慮

〈癒乃〉「第28話・・・」


〈翠〉「始まりますよォ!」


ではどうぞ。



「ミナ先輩!やっぱりここは後輩に譲るのが道理だと思います!」


「なに言ってるの出雲ちゃん。普通は先輩に譲るものでしょ?」


「二人とも映画くらいあたしのお金で連れていってあげるわよ!だからこれはあたしに譲って!」


現在、出雲、杏奈、稲波瀬先輩の間にはバチバチと火花が散っているように見える。


理由は、先ほどカザミドリ先輩が持ってきた、映画のチケット。

何故か分からないが、二人分あるチケットの内、一枚が自動的に俺に回ってきたのだ。

それで残りの一枚をめぐって今、三人は争っている。


最初俺は、そんなに行きたいなら俺が辞退するから誰か二人で行けばいい、と言ったのだが、「それじゃあ意味ないでしょ!!」と三人同時に一喝された。

訳が分からない。


そしてまあ、最初の方は、それなりに真面な話し合いだったのだが、徐々に激化して、今ではもういつも通りの漫才(言い争い)になってしまっている。

三人とも、絶対に自分は譲らない、という形相だ。


発端のカザミドリ先輩はチケット置いたらさっさと帰ってしまったし、沙良先輩はさっきからいつも以上に楽しそうな笑顔で三人を見てるし、癒乃はいつも通り無表情でなに考えてるか分からないし、誰も止めようとしないのだ。

俺も、今あの三人に何か口出しするのは嫌だ。というかできない。


「ミナ先輩!かわいい後輩を差し置いてチケットをもらおうとするなんて、大人げないんじゃないですか!?」


「大人げないなんて知らないわよ!私は部長なの!だから私が行くの!」


「何が部長だからよ!理由になってないじゃない!」


「ここは楽園部!私の部なの!だから部長命令よ!私に譲りなさい!」


「すいませんがその部長命令は聞けません!映画には私が行きます!」


「何言ってんのよ出雲!あたしが行くに決まってんでしょ!?」


漫才(言い争い)はどんどん激化していく。そんな中、なんと癒乃が三人の間に割って入った。


あの中に少しも臆せずに入るとは、中々肝が据わっている奴だ。


「落ち着いて・・・」


「でも癒乃ちゃん・・・!」


「落ち着いて」


出雲が何かを言おうとしたが、癒乃はそれを遮るように同じ言葉を繰り返す。

その一言に、何とも言えない凄みを感じたのか、出雲含め三人とも口を閉じた。


癒乃は静かになったのを確認すると、三人に言い聞かせるように言う。


「三人で言い争っても・・・意味ない・・・」


「じゃあどうすればいいのよ」


やや不満気味な表情の杏奈が問う。

その問いに、癒乃は迷うことなく即答した。


「時雨が・・・決めればいい・・・」



「「「「・・・え?」」」」


不覚にも俺も疑問の声をあげてしまい、三人の声と重なった。


沙良先輩は相変わらず楽しそうに笑っていたが。だが俺は、今癒乃がなにを言ったのか分からない。


「癒乃、俺が決めるって・・・どういうことだ?」


その疑問を言葉にして伝えると、癒乃は俺の方を向き、


「だから・・・時雨が、一緒に行きたい子を・・・選べば、いい・・・」


そう言う。


「ああ・・・」


そこでようやく、癒乃が言った言葉の意味が分かった。

ようは、あの三人で言い争ってたらいつまでたっても決まらないから、俺自身が決めろということか。


なるほど確かに、そっちの方が早い。


「確かにそうだね・・・」


「いいじゃない・・・。これではっきりするわ・・・」


「じゃあ・・・決めてもらおうかしら・・・」

とりあえず三人とも癒乃の提案に納得したらしく、俺の方を見てくる。その表情は、どこか期待と緊張が入り交じったようなものだった。

何故そんな表情になるのかは分からないが。


「そうか。なら・・・」


まあとりあえず、選べというならば、俺は迷わない。



「俺は癒乃と一緒に行く」



「「「・・・・・・え?」」」


出雲、杏奈、稲波瀬先輩は、俺が言ったことが理解できなかったのか、唖然とした表情になって固まる。


「・・・」


当の癒乃本人も、目を真ん丸にし、口をぽかんと開けて、驚愕の色を浮かべていた。

いつも無表情な癒乃がここまで驚いた顔を見せるのは初めてだ。

俺、そんなにおかしいことを言っただろうか。


いや、言ってないはずだ。

何故なら沙良先輩が先ほどと変わらず楽しそうに笑って俺たちを見ているのだから。


「・・・何で固まってるんだ?」


俺のその言葉に、出雲、杏奈、稲波瀬先輩がはっとして我に返る。


「な、何で癒乃ちゃんなの!?」


「そうよ!癒乃は別に行きたいって言ってないじゃない!」


「時雨君、納得のいく説明をして!」


三人が俺に詰め寄ってくる。


「だってよ、出雲や杏奈や稲波瀬先輩と行くと・・・」


俺は一呼吸おいてこう言った。


「疲れそうじゃん」


「「「んなっ・・・!?」」」


俺の言葉に出雲、杏奈、稲波瀬先輩の三人は驚愕の表情を浮かべる。沙良先輩はさっきよりさらに面白そうにくすくす笑っている。

癒乃は未だにぽかんとしていて聞いてない。


「そんな、理由で・・・!?」


「それだけじゃない。お前らと行くと俺の財布に多大なるダメージも食らいそうだ。特に出雲と杏奈、お前らは前科があるんだぞ」


「「うっ・・・!」」


俺の言葉に二人は反論できなくなる。ざまあみろ。


「わ、私は別に時雨君にたかったりしないわよ!」


稲波瀬先輩が何故だか焦ったように言ってくる。


「いや、あんたと行くと一番疲れそうなんで、いやです」


「がーん・・・!!!」


今のが決定打だったらしく、稲波瀬先輩は大ショックを受けたような顔になり、その場に膝から崩れ、比喩表現抜きで口からエクトプラズマを出す。

そんな稲波瀬先輩を見て、沙良先輩はつぼに入ったようで、肩を震わせながら笑っていた。


「まあ、ということで。俺は癒乃と一緒に行く。以上」


「「「・・・はい」」」


三人はまだ不満さを表情に表しているが、渋々と頷く。

沙良先輩の方も、笑いが収まり「ふぅ・・・」と息をついていた。


そして


「・・・」


癒乃はというと、未だに唖然とした顔で、所定の位置から全く動かず突っ立っていた。

どんだけ驚いてるのがは分からんが、とりあえず元に戻ってもらわないと話が進まない。

そう思い俺は癒乃に声をかける。


「おい癒乃」


「・・・」


が、全く反応がない。少し焦れったくなる。

今度は少し声の調子を強めて言う。


「癒乃!」


「っ・・・」


それでやっと癒乃は反応し、俺の方へそろりと目を向ける。


「な、なに・・・?」


「いや、聞いてたか?俺はお前と一緒に映画に行くって言ったんだが」


「あ・・・うん。聞いてた・・・」


これまでボケっとしていた奴が、ホントに聞いてたかどうかは正直怪しいが、気にしないでおく。


「それでだな。色々と予定を話し合っておこうと思ってな」


「う、うん・・・」


癒乃はそう言って頷くが、その声からはまだ戸惑いの色が感じられた。

何でそこまで戸惑うんだ?ただ映画に誘っただけなのに。

そう思ったから、癒乃に直接訊いてみることにする。


「なあ癒乃」


「・・・なに・・・?」


「もしかして、映画行くのが嫌だったりするのか?」


俺の問いに対し癒乃は「どうしてそう思うの・・・?」と首を傾げながら問いで返す。


「いや、なんかさっきからおずおずしてるっていうかおどおどしてるっていうか、なんか落ち着きがねえじゃん。なんか行きたくない理由でもあるか?」


「っ・・・」


癒乃はぴくりと肩を震わせる。癒乃のこれは図星な証拠だ。


「まあ、どんな理由があるにしろ、行きたくないなら無理に誘わねえぞ?」


だが癒乃は首を横に振る。


「行きたくない訳じゃ・・・ない、の・・・」


なんだそうなのか。じゃあどうしたって言うんだ。

そんな俺の思いを汲み取ったのか、癒乃は言葉を続ける。


「わたしが・・・行って、いいのかな・・・って・・・」


「は?」


俯きがちな癒乃が発した言葉に、疑問を感じる。何を言ってるんだこいつは?


「お前なに言ってんだよ?んなもん行っていいに決まってんだろ」


「でも・・・他に行きたい人が・・・いるのに・・・、わたしなんかが・・・行って・・・いいのかな、って・・・思って・・・」


癒乃の声がだんだんと小さくなる。非常にめんどくさい奴だ。そこまで他人を気にする必要はないだろう。


「お前は行きたいって思ってんだろ?」


「ん・・・」


癒乃は躊躇いがちに小さく頷く。


「なら行けばいいだろ」


「でも・・・」


癒乃はちらりと項垂れている出雲、杏奈、稲波瀬先輩の方を見る。三人のことを気にしているのだろう。


その視線に気づいたのか、出雲が慌てたように言う。


「わ、私たちのことは気にしなくていいよ!行って来なよ癒乃ちゃん!」


それでもまだ癒乃は迷いを断ち切れないようで、表情を曇らせる。

その様子を見た杏奈と稲波瀬先輩が「はあ・・・」と二人同時に嘆息した。


「あんたね、他人のこと気にしすぎよ。せっかく時雨が誘ってくれたんだから、行って来なさいよ」


「そうそう。後輩に気を使われる程、私は落ちぶれてなんかないしね。私たちはまた次の機会に期待するわ」


そう言った二人の表情には、一切の陰りも見られない。

本心で言っていることなんだろう。

さっきまでこの世の終わりみたいな顔をしてたのに、全く、立ち直りが早いというかなんというか。


というかそもそも、何で俺と行けないだけで落ち込む必要があったんだ?

まあいいや。気にしないでおこう。


「・・・いいの・・・?」


おずおずと訊く癒乃に、三人は力強く頷きそれに答える。


「目一杯、楽しんできたらどうですか?」


今まで黙っていた沙良先輩も、優しく微笑みながらそう言う。


「・・・じゃあ・・・行く・・・」


少し安堵した様子で、癒乃は小さくそう言った。


「おし、決まりだな」


「そうね。・・・あれ?」


そこで、稲波瀬先輩が何かに気づいたような顔になり、その次の瞬間には途端に不機嫌そうになる。


「時雨君・・・」


「はい?」


「さっき、私のこと・・・なんて呼んだ?」


「へ?そりゃ稲波瀬先・・・」


俺はそう言おうとしたが、言葉を途切らせる。稲波瀬先輩がなにやら氷のような視線で俺を射抜くように見ていたからだ。


「“稲波瀬先輩”・・・?あなたはさっきの話で何を聞いてたのかしら・・・?」


「さっきと言いますと・・・?」


何故だろう。稲波瀬先輩に何とも言えない凄みを感じる。


「名前で呼ぶ話よ!」


稲波瀬先輩が怒ったように言う。というか実際怒ってるのか。

だがまあ、稲波瀬先輩の言いたいことは分かった。

さっきお互いを名前で呼び合う話をしたばかりなのに、俺が“稲波瀬先輩”と名字で呼んだから怒っているのだろう。

でもそれは出雲と杏奈との間だけで俺とは関係ないと思っていたんだが、稲波瀬先輩の様子を見るとどうやら違うみたいだ。

いちいち細かい人だ全く。


「ああ、はいはい。すいませんでした。俺もあんたのことを名前で呼べばいいんですね?」


「そ、そうよ・・・!あっ、でもミナはやめてね!」


残念。俺もミナ先輩と呼んでからかってあげようかと思ったのに。まあいいや。


「そんじゃまあ、とりあえず。分かりましたよ。水無月先輩」


「・・・ん・・・それでいいのよ・・・」


水無月先輩が顔を赤に染める。

もしかして照れているのだろうか。だが名前を呼ぶことのどこに照れる要素があるのだろう。


「良かったですね。時雨君に名前で呼んでもらえて」


そして、いつも通り沙良先輩・・・いや、もう暦先輩でいいか。

暦先輩がにやにやした笑みを向けて水無月先輩にからかう。

そしていつも通り、水無月先輩がそれに顔を真っ赤にして反論をするという絵が見られた。


「飽きないわねあの二人も」


「仲がいい証拠じゃないかな」


杏奈は呆れた目で、出雲は生暖かい目で先輩方を見ている。


「俺たちは映画について話し合っとくか」


「・・・ん」


癒乃もいつも通り、無表情のまま頷いた。


「どっか別のとこで話すか。待ち合わせ場所とかこいつらに聞かれると当日来そうだし」


「そんなことしないよ!」


出雲が心外だという顔をして声を荒げる。


「あたしはしないけど、出雲ならやりそうね」


「杏奈ちゃん!?」


が、杏奈にも同じことを言われ軽くショックを受けたような顔になった。


「うぅ・・・何で私にはそんな変なイメージがあるのかなぁ・・・」


「「やっぱそういう風に見えるし?」」


「そういう風ってなに!?ていうか二人してぴったり同じタイミングで言わなくてもいいよね!?」


この頃出雲がツッコミ役になってきている気がするな。しかも、中々的確で鋭い。

元々ボケ要素もあるし、こりゃあ一人漫才できるんじゃねえか?


「時雨、今変なこと考えてたよね!?」


「いや考えてねえぞ」


「・・・」


出雲は納得していないのか、ジト目で俺を見てくる。

久しぶりに読心術を発動したか。ああ恐ろしい。


「まあいいや・・・。時雨!次こそは私と行こうね!」


出雲が身を乗り出して言ってくる。


「あたしもだからね」


杏奈もまた同様。


「ああ、考えとく」


俺は軽く流し気味に返事をする。だってめんどくさいし。まあ、いつかは行ってもいいが。


「そんじゃ癒乃、屋上でも行くか」


「・・・ん」


頷いた癒乃と共に、俺は部室を後にし屋上へと向かう。


水無月先輩と暦先輩が未だにぎゃーぎゃーやっている声が廊下に出てからも聞こえた。


今日もいつも通り、騒がしくて平和な楽園部である。





さあ、やって参りました。トークタイム。


〈暦〉「どうも、沙良暦です」


今回も楽しくやっていきましょう。


〈暦〉「ちょっとすいません、作者さん」


はい?


〈暦〉「何故時雨君がいないんですか。いつも最初からいるのに」


それはですね。いつも時雨ばっかりじゃ読者様も飽きると思いまして。


〈暦〉「そんな下らない理由で私を駆り出したんですか」


いやいや、下らなくないでしょう。それにそれだけじゃありませんよ。

今回の最初のテーマのゲストにあなたも含まれてますから、呼んだんです。


〈暦〉「・・・なら、仕方ありませんね・・・」


はいはい、では!早速トークタイムいってみましょう!

まずもう一人のゲストをお呼びします!

どうぞ!


〈翠〉「皆さんこんにちはァ!萌えをこよなく愛する者、風水翠!今回も頑張っていきますよォ!」


〈暦〉「風水さんとですか。中々珍しい取り合わせですね」


〈翠〉「そうですかねェ?去年まではよく一緒にいたじゃァありませんか。ミナちゃんも一緒に」


〈暦〉「去年までの話ですよ」


〈翠〉「冷たいですねェ」


〈暦〉「あなたと一緒にいるとろくな事がありませんでしたから」


あなたたちと水無月さんの間に何があったんですか?


〈暦〉「それは今は関係のない話です。そんな事よりさっさとトーク、やってしまいましょう」


それもそうですね。


では、今回最初のテーマはこちら!

黒鉄侑次様から、「今までで最ッ高に恥ずかしかった事」です!


〈暦〉「・・・は?」


〈翠〉「恥辱プレイですかァ・・・。人にやるのは好きなんですけど・・・」


自分がやられるのは嫌と?


〈翠〉「いえいえ!大好きですよォ!」


うわ、やっぱりこの人真性の変態だ。

まあいいですけど。


〈暦〉「すいません。私は全くよくないんですけど」


え?嫌なんですか?


〈暦〉「嫌じゃない人なんか普通いません。いるのは風水さんみたいな変態だけです」


〈翠〉「いやァ、そんな褒めないでくださいよォ。照れるじゃないですかァ」


〈暦〉「褒めてません。あと黙っててください」


〈翠〉「こりゃ手厳しい」


〈暦〉「とにかく、私は話す気はありませんから」


そうですか・・・。なら仕方ない。とりあえずカザミドリ先輩、先にお願いします。


〈翠〉「了解しました。そう、それは・・・五月初めの頃です」


意外と最近ですね。


〈翠〉「体育祭で使う、服だけを溶かす液体を手に入れたは私は・・・その効果を試すため、布にかけてみようと思ったんです・・・」


〈暦〉「そんな事を・・・」


〈翠〉「そうしたら・・・誤って液体の入った容器をひっくり返してしまい、そのまま頭からばしゃんと・・・」


・・・


〈暦〉「・・・」


〈翠〉「みるみるうちに服は溶け、私はあっという間に全裸に・・・。しかもそれを通りかかった生徒数人に・・・ああああ!!思い出すだけでも恥ずかしい!そして興奮する!!」


なんかもう、別次元な気がしますね。


〈暦〉「そうですね・・・」


〈翠〉「あんな漫画やラノベにしか出てこなさそうなこと、そう何度も体験できるもんじゃァありませんよォ!」


あーはいはい。分かりました。


では次、暦さん。本当に話さないんですか?


〈暦〉「しつこいですね。私は絶対に話しませんよ」


そうですか。

まあいいでしょう。こういう時のために、ちゃんと事前に準備してきましたから。


〈暦〉「え?」


それでは、こちらをお聞きください。




『え?暦が恥ずかしがってたこと?そうね~・・・。あ、そうそう。去年一緒にプール行った時にね、遊んでたら暦のビキニの紐がほどけちゃったのよ。それでビキニがとれて、大勢の人に胸を見られた時はすっごい恥ずかしがってたわね。あの時の暦は見てて面白かったわ♪』


〈暦〉「~~~~~~!!!な、何ですかこれは!!?///」


事前に水無月さんに取材したのを、録音しときました。


〈翠〉「いやァ~、そういうことがあったんですねェ~。これはまた中々の萌えイベント」


〈暦〉「何が萌えイベントですか!!」


あっはっはっは。普段中々取り乱さないから新鮮ですね。


〈暦〉「黙りなさい!!」


ああはいはい、すいません。調子に乗りすぎました。

でもあなたが言わないのがいけないんじゃないですか。


〈暦〉「こんなこと自分から言えると思ってるんですか!?」


もっと恥ずかしいこと言ってる人がここにいますが。


〈暦〉「それは風水さんがおかしいだけです!」


〈翠〉「おかしいとは失礼な。私はただ真の萌えを追求しているだけです」


〈暦〉「黙ってください!!」


まあまあ落ち着いて。

もう次のテーマへ行きますから。


〈暦〉「くっ・・・!ミナ・・・覚悟していてくださいね・・・」


おー怖。では、カザミドリ先輩と暦さんは一旦退場です。

控え室へどうぞ。


〈翠〉「はいは~い」


〈暦〉「・・・」




はい、色々と騒がしくなりましたが、次のトークテーマいってみましょう。


ゲストは時雨と水無月さんです。


〈時雨〉「よ、毎度お馴染み時雨だ。今回はゲストとして来た」



・・・あれ?水無月さんは?



〈時雨〉「さあな。俺は知らな――」




《ミナ!!何故あのことを話したんですか!!》


《それは作者さんが訊いてきたからで・・・》


《作者が訊いてきたから幼馴染みの恥を晒したって言うんですか!?あれ程他言するなと言ったでしょう!?》


《でも、あの・・・そうしないとトークが・・・》


《トークが何だって言うんです!!トークタイムはカミングアウトの場じゃないんですよ!!!私がどれだけ恥をかいたか分かってるんですか!!?》


《う・・・ご、ごめんなさい・・・》


《二度とこういうことはしないでください!!分かりましたか!?》


《はい・・・分かりましたぁ・・・ぐすっ・・・》




〈時雨〉「・・・」


・・・あの・・・水無月さん・・・?




〈水無月〉「ひっく・・・なによ暦ったら・・・。あんなに怒ることないじゃない・・・」


〈時雨〉「水無月先輩が泣いてるとこ初めて見た・・・」


どれだけ怖かったんでしょうかね・・・。


〈水無月〉「そりゃ話した私も悪かったけどさ・・・だからって本気で怒るなんて・・・」


ええと、暦さんへの恐怖がまだ冷め遣らぬと思いますが・・・、トークやらせて頂いても?


〈水無月〉「あっ!そ、そうよね!気を取り直していきましょ!」


〈時雨〉「大丈夫なんですか・・・」


〈水無月〉「平気よ平気!ホントに怖かったけど、もう気にしないわ!」


〈時雨〉「そうですかい・・・」

では、トークテーマいきましょう。エドワードニューゲート様からで、「苦手なゲーム」です。


〈時雨〉「苦手なゲームねぇ・・・。ああ、俺はあれだ。音ゲーが得意じゃねえ」


ほほう。何故?


〈時雨〉「やってる途中で訳分かんなくなるんだよ」


〈水無月〉「へえ、意外ね」


〈時雨〉「そうですかね?」


〈水無月〉「時雨君そういうの得意だと思ってたわ。ちなみに、私は音ゲーは大得意よ♪」


はい。では次、水無月さんお願いします。


〈水無月〉「私は・・・そうね、ホラーゲームかしら・・・」


何故。


〈水無月〉「・・・怖いじゃない・・・」


〈時雨〉「意外だ」


〈水無月〉「そう?」


〈時雨〉「はい。結構可愛いとこあんだなって」


〈水無月〉「か、かわっ・・・!///」


〈時雨〉「どうしたんすか?」


〈水無月〉「な、何でもないわ・・・!」


はあ、相変わらずの奴め。


〈時雨〉「?」




さあでは次のテーマです!

ゲストをお呼びしたいと思います。


〈水無月〉「私たちはこのままでいいのね」


〈時雨〉「誰が来るんだ?」


くっくっく・・・行くぞ!




トークタイムだよ!全員、集合~~~!!




〈暦〉「全く・・・ミナはちゃんと反省しているんでしょうか・・・」


〈翠〉「早かったですねェ」


〈出雲〉「こんにちはー!」


〈杏奈〉「今回は何なのよ・・・」


〈菜奈〉「またここですか。面倒くさいですね」


〈薊〉「ウチの出番なのじゃー!」


〈小夜〉「久しぶりの登場だよ~!」


出雲、杏奈、暦さん、カザミドリ先輩、空巻先生、理事長、そして今いる時雨、水無月さんです。


〈時雨〉「マジかよ・・・」


〈水無月〉「全員、って訳でもなさそうね。癒乃ちゃんがいないもの」


ふふふ。癒乃にはもっと重要な役目があるんですよ・・・!


〈出雲〉「何かな?」


〈杏奈〉「どうせまた下らないことよ」


〈翠〉「なんかいい予感がしますよォ・・・!」


勘が良い。流石カザミドリ先輩。ではテーマは、同じくエドワード・ニューゲート様からで、「金髪碧眼の少女に似合いそうな格好」です!


〈薊〉「キンパツヘキガン?何なのじゃそれは?」


〈菜奈〉「金色の髪に碧い目、つまり外国人ですよ。まあ私は金と碧よりも血の色の赤の方が好きですが」


〈水無月〉「それで、作者さん。そのトークテーマで私たちに何をしろと?」


ええと、ですね。

説明したいと思います。

中継で繋がってます。現場の癒乃さん!


〈癒乃〉『はい・・・』


〈出雲〉「あ、癒乃ちゃん」


〈暦〉「どこにいるんですか?」


〈癒乃〉『更衣室・・・』


〈時雨〉「更衣室?何で?」


それはわたしから説明します。

これからあなたたちにはトークテーマに沿って、癒乃をコーディネートしてもらいます!


〈小夜〉「コーディネート?」


〈翠〉「私には分かりますよォ作者さん!要は魅鳴さんを好みの萌え萌え衣装にチェンジさせればいいんですねェ!」


まあそんなとこです。


〈出雲〉「へえ~!面白そうだね!」


〈小夜〉「泥棒猫と意見合うのは気に食わないけど、楽しそうだね!」


〈薊〉「ウチもそう思うのじゃ!」


〈菜奈〉「面倒くさいですね」


〈水無月〉「いいんじゃないかしら」


〈暦〉「そうですね」


〈杏奈〉「癒乃の意思は関係ないのかしら・・・」


〈癒乃〉『許してるから・・・大丈夫・・・』


〈時雨〉「それならいいか」


では、全員がそれぞれやってると長いので、いくつかのグループでやっていきましょう。


それでは、コーディネート・・・スタートォォォォォォ!!!






時雨・出雲・杏奈組


〈出雲〉「やっぱり金髪碧眼にはゴスロリだよね!!癒乃ちゃんにはすっごく似合うよ!!」


〈癒乃〉「・・・」


〈杏奈〉「どう?気に入った?」


〈癒乃〉「結構・・・」


〈時雨〉「俺も良いと思うぜ」


こちらはゴスロリできましたか。まあ基本ですね。


〈翠〉「すばらしい!ゴスロリ万歳!」


〈菜奈〉「黒ばっかりじゃないですか。やっぱり赤があった方が・・・」


〈暦〉「あなたが求める赤はもっと別物でしょう・・・」


中々好評ですね。では次!!




水無月・暦・翠組


〈翠〉「私もゴスロリは良いと思いますよ・・・ええすばらしいですとも・・・!でも、もう少しひねりがあってもいいでしょう!!金髪碧眼だから洋風な服を選ぶとは限らない!!金髪碧眼とは一見正反対の服を組み合わせることで、それはもう絶妙な――」


〈水無月〉「はいはい、長くなりそうだからそこまでです」


〈暦〉「私たちが選んだのは浴衣です」


ほう、浴衣ですか。

金髪碧眼に浴衣・・・いいですね。


〈水無月〉「どうかしら癒乃ちゃん?」


〈癒乃〉「初めて着た、けど・・・良い・・・」


好反応ですね。


〈小夜〉「この子かわいいなぁ・・・。義妹にしたいかも・・・」


〈出雲/杏奈〉「ええっ!?」


〈時雨〉「なに言ってんだ姉さん・・・」


〈薊〉「ウチも浴衣着てみたいのじゃ!」


では次、いってみましょう。




菜奈・薊・小夜組


〈小夜〉「私たちが選んだのはこれ!」


〈薊〉「ミニスカサンタなのじゃー!」


〈菜奈〉「赤が入っていて、とってもいいですね」


〈癒乃〉「ちょっと・・・丈、短い・・・///」


〈翠〉「恥じらい金髪碧眼ミニスカサンタ萌えェェェェェェェェェ!!」


〈時雨〉「似合ってるじゃねえか」


〈出雲〉「か~わ~いい~!」


〈小夜〉「やっぱり義妹に・・・」


〈杏奈〉「それはダメよ小夜さん!?」


〈水無月〉「良いわね」


〈暦〉「良いですね」


いやあ、皆さんから大分好評ですね~。


癒乃さん、どうでしたか?色々な服着てみて。


〈癒乃〉「楽しかった・・・」


そりゃ良かった。



〈時雨〉「それじゃ、今回はこれで終わりだな」


ん?いえ、まだありますよ。最後に一つ。


〈時雨〉「何だよ?」


時雨以外には伝えてありますよ。


〈出雲〉「ああ~!そういえば、時雨にもコーディネートするんだっけ!」


〈杏奈〉「全員で一個ね」


〈時雨〉「は?聞いてねえぞ?」


〈水無月〉「そりゃあ教える訳にはいかないわよ。教えたら時雨君逃げちゃうもの」


〈暦〉「今回着せるのは、女性ものですからね」


〈時雨〉「はあっ!?ちょっ、待て!どういうこった!?」


〈翠〉「そのままの意味ですよォ」


〈小夜〉「時雨、かわいくしてあげるからね♪」


〈時雨〉「おいっ!冗談じゃねえぞ!ふざけんな!」


〈菜奈〉「逃がしませんよ」


〈薊〉「楽しみなのじゃ!」


〈時雨〉「おい作者!てめえふざけんじゃねえぞ!!」


せっかくなんで、メークもしてあげてください。


〈癒乃〉「分かった・・・」


〈時雨〉「嫌だああああああああああああああああああ!!!!!」





変身中





〈時雨〉「もう・・・やだ・・・」


〈杏奈〉「ちょ・・・すごくかわいいんだけど///」


〈小夜〉「時雨メイド服似合う~!///」


〈出雲〉「今回ばかりはブラコンと同感!///」


〈水無月〉「・・・///」


〈暦〉「これはかわいいですね・・・」


〈癒乃〉「時雨・・・かわいい・・・」


〈薊〉「方城が女になったのじゃー!」


〈菜奈〉「ただの女装ですよ」


〈翠〉「女装萌え万歳・・・!」


良かったですね時雨。大好評ですよ。


〈時雨〉「良くねえわ!!ちきしょう!!もう二度とこんなテーマには出ねえぞ!!」


それは君が決めることではない。


それでは今回はこれで終わりです。


トークテーマをくれた黒鉄侑次様、エドワード・ニューゲート様、ありがとうございました。


感想とトークテーマ、いつでも受け付けていますので、よろしくお願いします。




では、次回予告です。




〈次回予告〉

癒乃と映画に行くことになった訳だが・・・俺は思う。


やっぱりうちの部活に集まる人間は普通じゃない。



次回 恋愛ものと納豆メロンソーダ牛丼風味


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