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方城時雨の奇妙でイカれた学園生活  作者: 水面出
序章 -始まるは、日常-
30/46

ep27 デジャヴと呼び名

〈出雲〉「第27話!」


〈水無月〉「始まるわよ!」


〈杏奈〉「楽しんで読みなさい」


〈暦〉「ではどうぞ」



「あがりよ♪」


「えっ!」


「あがりだ」


「はひ!?」


「私もあがりです」


「ふぎゃ!?」


「あたしもあがり!」


「はにゃにゃ!?」


「・・・あがり」


「がっ・・・!!!」


出雲が絶望に満ちた表情になる。


理由は簡単。

勝負に負けたからだ(しかもビリ)。




魅鳴が部活に入ってから五日が経った。

初めの頃は、魅鳴も中々苦戦していたが、ゲームを繰り返すうちにコツを覚えたのか、どんどん強くなっていった。今はもう、俺と同等の力があるかもしれない。

元々素質があったんだろうな。


そして今日は、初心に戻ろうということで、部員全員でババ抜きをやっていたのだが、さっきから出雲が負けまくっている。

通算して今八回目のビリだ。


何故だか、毎回出雲の下にババが来る。

さらに出雲は考えていることがすぐ顔に出るので、どのカードがババなのか丸わかりで、全員ババを簡単に避けてしまう。

そうすると、最後には必然的に出雲の下にババが残る訳で。


今まで色々な奴を見てきたが、これ程までにババ抜きが弱い奴は初めて見るぞ。


・・・というかまあ、出雲は基本頭を使うゲームは全部ダメだからな。

大体部活ではビリだ。


そんなことを思っていると、いつもの如く出雲が喚き始める。


「何で!?何でこんなに負けるの!?もう八回目!」


「何でもなにもないわ。それが出雲ちゃんの実力ってこと♪」


稲波瀬先輩が今の出雲には嫌みにしか聞こえない言葉をにやにやしながら言う。


それに対して出雲が癇癪を起こす。


「うが――――――!!何で、いつも、私、ばっかり、ビリに、なるの!!」


火を吹きそうな剣幕だ。

そこに、魅鳴が相変わらずの無表情で宥めようとする。


「落ち着いて・・・」


「でも癒乃ちゃん!負けてばっかりなんだよ私!喚きたくもなるよ!」


心中お察ししますよ出雲さん。


「それは・・・仕方ない・・・。弱いから・・・」


魅鳴の全くフォローになってない言葉に出雲はがくりと肩を落とす。


「癒乃ちゃんにまでそういうことを言われるとはね・・・」


「・・・?」


魅鳴が首を傾げる。

どうやら全く悪気はなかったらしい。

そこに、沙良先輩が少々不満気味な表情をしながら口を挟む。


「出雲ちゃん。その言い方だと、まるで私たちがいつも出雲ちゃんにそういうことを言ってるみたいじゃないですか。やめてくださいよ」


「いや実際言ってるでしょうがぁぁぁぁ!!」


沙良先輩の悪気たっぷりの言葉に出雲がキレながらツッコミを入れる。


前回も似たようなことがあった気がする。俗に言うデジャヴって奴か。


「落ち着いて・・・その・・・」


再び出雲を宥めようとする魅鳴が、一瞬何を言おうか迷う素振りをする。

やがて少し俯きながら口を開く。


「その・・・天崎・・・さん・・・」


瞬間、沙良先輩の方を向いていた出雲が、魅鳴に怒った顔を向ける。


「ちょっと癒乃ちゃん!!」


その剣幕に面食らったのか、魅鳴が目を丸くした。


そんな魅鳴に出雲は言葉を続ける。


「何で名字で呼ぶの!?他人行儀だよ!」


「え・・・」


魅鳴は呆気にとられたようで、口をぽかんと開ける。


「ちゃんと「出雲」って下の名前で呼んで!」


魅鳴はしばらく呆然としていたが、やがて元の無表情に戻ると、


「ごめん、その・・・出・・・雲・・・」


呟くように言ったその言葉にはまだ躊躇いがあるように感じたが、出雲はとりあえず満足げな顔になる。


「うん!いいよいいよ!」


「別に呼び方なんて何だっていいじゃない」


「どうでもよくないよ杏奈ちゃん!」


杏奈の言葉に出雲が反論する。


「親しい間柄なのに他人行儀な呼び方なんてされたくないよ。杏奈ちゃんだって、時雨に「標部さん」なんて呼ばれたくないでしょ?」


「・・・それは確かに、そうね・・・」


杏奈が納得したように頷く。

確かに同感かもしれない。今更親しい奴を名字とかで呼ぶのはちょっと嫌だな。


「ねっ!だから癒乃ちゃん、私たちのことはちゃんと名前で呼んでねっ」


「・・・ん。分かった・・・出雲」


魅鳴が今度はしっかりと出雲の名前を呼ぶ。それにより出雲はにっこりとした満面の笑みを浮かべた。


と、そこに


「お話し中悪いんだけど、出雲ちゃん」


稲波瀬先輩が口を挟んでくる。

出雲は「はい?」と稲波瀬先輩の方へ目を向けながら返事をする。


「親しい者同士は下の名前で呼び合うっていうことなら、私と暦はまだあなたたちと親しい間柄になれていないのかしら?」


悪戯っぽく笑う稲波瀬先輩に出雲は何かに気づいたように「あっ!」と声を漏らす。


「私たちはあなたたちを名前で呼んでるけど、あなたたちは一向に私たちの名前を呼んでくれないわよね?」


「あ~・・・その、やっぱり先輩だし・・・下の名前では呼びにくいというか・・・」


ばつが悪そうに目をそらす出雲に、稲波瀬先輩はがやや怖い笑顔で言う。


「先輩だから他人行儀な呼び方をするの?」


「う・・・」


出雲は何も言えなくなる。

めんどくさい人だな。


「そんな回りくどい言い方しなくていいじゃないですか先輩」


俺がそう言うと稲波瀬先輩は怪訝な顔をする。


「どういう意味かしら時雨君?」


「自分も名前で呼んで欲しいって素直に言えばいい。そうでしょう?」


そう言った途端に、稲波瀬先輩の顔が少し赤く染まる。


「な、なに言ってるの時雨君!別に私は・・・」


「そうだったの?なら早く言ってよ。名前でなんていくらでも呼んであげるのに」


稲波瀬先輩の言葉を遮るように杏奈が言う。


「杏奈ちゃんまでなに言ってるのよ!?」


「仕方ないんです。ミナは素直じゃないから」


「なっ・・・!?///」


稲波瀬先輩の顔が真っ赤になる。


「本当は呼んでもらいたいんですよ。名前で」


「なに言ってるの暦っ!!そんな訳・・・」


「そんな訳、ないんですか?」


「ぐっ・・・!」


言い返せないようで、稲波瀬先輩は言葉を詰まらせる。


「いつも部屋で「私も名前で呼んでもらいたいな~」って言っていたじゃないですか」


「っっっ・・・!!!///」稲波瀬先輩は最早ゆでダコのように真っ赤っ赤だった。


そしてぷるぷると肩を震わせ、やがて


「ああもうっ!!そうよ!私も名前で呼んで欲しかったの!!出雲ちゃんや杏奈ちゃんばっかりずるいって思ってたの!!文句ある!?」


半ばやけくそ気味でそう言い放った。

涙目で、顔を真っ赤にしながら言うその様は、何だか子供っぽくて無性に可愛らしく見えた。


出雲、杏奈、魅鳴は普段とは違いすぎる稲波瀬先輩に唖然としていたが、やがて出雲が吹き出す。


「あははははっ!意外と可愛いところがあるんですね!稲波瀬先輩・・・ううん、“ミナ先輩”!」


「い、意外ってなによ・・・!ていうか、ミナって・・・」


「私の呼び方を使ったんですね」


楽しそうに微笑んでいる沙良先輩が言う。出雲がそれに「はい!」と、肯定する。


「くっ・・・!暦はどうなのよ!名前で呼んでもらいたいんでしょ!」


「ええ。私はミナと違って素直ですから、是非名前で呼んでもらいたいと思ってます」


涼しい顔でさらりと返す沙良先輩に、稲波瀬先輩は悔しそうに歯噛みする。

そこに、出雲がにやにやしながらこう言う。


「沙良先輩もただ名前で呼ぶのはつまらないですよね?だから、“こよみん先輩”で!」


「ぷっ!」


稲波瀬先輩が吹き出す。

対して沙良先輩は珍しく恥ずかしそうな顔をしていた。


「あの、出雲ちゃん・・・。それは、ちょっと・・・どうにかなりませんか・・・?」


「なりません!こよみん先輩!」


反論は認めません、と言っているような笑顔で言う出雲。そこにさらに杏奈もにやにやしながら加わる。


「いいじゃない。こよみん先輩」


「杏奈ちゃんまで・・・。はあ・・・もうそれでいいですよ・・・」


沙良先輩はこれ以上言っても無駄だと悟り観念する。

稲波瀬先輩はそんな沙良先輩を見ているのが面白いらしく、盛大に笑い転げていた。




「たかが呼び名くらいで、どうしてここまで騒がしくなるんだよ・・・」


俺はぎゃーぎゃーやってる四人を呆れた目で見ながらそう呟く。

確かに呼び名は大事かもしれないが、別にここまでやる必要はないと思う。

というか、こいつら途中から話がずれている気がするが。


そんなことを思っていると、


「でも・・・呼び名って、やっぱり・・・大事だと・・・思う」


俺の隣にちょこんと座っている魅鳴がそう言ってくる。


「そうか?」


俺が問うと、魅鳴はいつもの如く小さく頷く。


「親しい呼び名で呼んでもらえるのは・・・時雨が思ってるより、ずっと嬉しいもの・・・」


魅鳴は少し遠くを見るような目で呟くように言う。


「少なくとも・・・わたしは、嬉しかった・・・。下の名前を呼んでくれて、呼ばせてくれて・・・。今まで・・・そんなこと、一度もなかったから・・・」


その言葉は相変わらずの無機質、無感情な声なのに、何処と無く嬉しそうな響きが感じられる。


「だから・・・時雨も、わたしを下の名前で呼んで・・・」


魅鳴は無機質な目で俺をじっと見ながら言う。

ていうか特に気にしなかったが、こいつ普通に俺を下の名前で呼んでいた。


それを、少し嬉しく感じてしまうということは、魅鳴が言っていることはやはり正しいのだろう。

そして俺は、それに答えるべく口を開く。


「分かった、癒乃」


「ん・・・」


癒乃は満足げな表情になる。

表情自体いつもと変わらないんだが、俺には何故かそう見える。

つまり見えるだけで、勝手な自己解釈なんだろうとは思うが。その時ふと、癒乃が小さく声を漏らす。


「・・・不思議」


「なにがだ?」


問うと、癒乃は俺の方を向く。


「時雨と話してると・・・なんだか、落ち着く・・・。何でかな・・・」


癒乃は小首を傾げ、その透き通るような碧い目で俺を見据えてくる。それはさながら、俺に答えを求めているように見える。


もちろん、そんなことが俺に分かる訳がない。それに、そんなことを言われたのも初めてだ。


だから、俺ははぐらかすように言葉を返す。


「さあ、何でだろうな?」


そう言った俺の言葉に対して、癒乃は少し悩む素振りを見せ、やがて口を開いた。


「・・・温かいから・・・?」


「温かい?」


少し予想外だ。俺は別段体温が高い訳ではないんだが。


「そう・・・そんな感じ・・・。そばにいると・・・温かい・・・何となく、色々・・・」


「何だそりゃ」


妙なことを言うな。

まあとにかく、理由はなんであれ、そばにいると落ち着くと言ってくれるのは嬉しいことだ。

そう思うと、なんだか無性に癒乃の頭を撫でたくなる。


というか、撫でた。


「言ってることの八割が訳分からんが・・・とりあえず、ありがとな」


「・・・ん・・・」


癒乃はそれに何か言葉を返す訳でもなく、気持ち良さそうに目を細めていた。

その時、頬がほんの少し赤に染まっていた気がした。


と、そこに


「ちょっとちょっと時雨!癒乃ちゃん!なに二人でいい感じの雰囲気醸し出してるの!?」


出雲が文句ありげな顔で俺たちに向かっていい放つ。

見れば、杏奈も稲波瀬先輩も何故だか不機嫌そうな目を向けていた。

沙良先輩は面白いものを見るような目で笑っていたが。


「いや、別に話してただけだろ」


「じゃあ何で頭撫でてるの!?私撫でてもらったことないよ!?」


「怒るとこそこかよ」


訳の分からない奴だ。なんで俺が癒乃の頭撫でたくらいで怒る。


「あたしは撫でてもらったことあるわよ」


「ええ!?」


杏奈が言ったことに、出雲が驚愕の声をあげる。


確かにあるな。

そのことについては第25話を参照してくれ。


「ずるいよ杏奈ちゃん!」


「いいでしょ?」


優越感たっぷりに言う杏奈に出雲は悔しそうに歯噛みしていた。

たかが頭撫でるくらいで、変な奴等だ。


「時雨君に・・・頭・・・」


「ミナも撫でてもらいたいんですか?」


「なっ・・・!そんな訳ないでしょ!!」


「くすくす」


稲波瀬先輩たちは稲波瀬先輩たちでよく分からないやり取りをしているし。

本当に訳が分からない奴等だよ。


そう思っていると出雲が俺に向かってビシッと指を差してきた。


「とにかく!不用意に女の子の頭撫でちゃダメ!時雨の場合それだけでフラグ立っちゃうよ!」


「・・・なに言ってんだお前・・・?」


出雲の言っていることがほとんど理解できない。

一体なんのフラグが立つというんだ。というか俺の場合って何だよ。

そう思う俺を、出雲は呆れた目で見てくる。


「やっぱり・・・時雨にこんなこと言っても分かる訳ないかぁ・・・」


おい。今軽くバカにされなかったか俺。


「仕方ないわよ。時雨だもん」


「そうそう。時雨君だもの」


え?何で杏奈と稲波瀬先輩もそんなこと言ってくるの?


そして、三人は俺を見て、


「「「はあ・・・」」」と、ため息をついた。


こいつらたまに俺にため息ついてくるけど、結構失礼なことだと思うぞ。沙良先輩はいつものように楽しそうに微笑んでるし。


「なあ癒乃、どうして俺はため息をつかれなきゃならないんだ?」


一応癒乃にそう訊いてみるが、「さあ・・・?」と言って首を傾げられただけだった。




そんな時




部室の扉がガラリという音と共に開いた。軽くデジャヴを感じるが気にしない。


そうして、緑がかった黒髪のポニーテールを揺らしながら部室に入ってきたのは、


「皆さん、調子はどうですかァ?」


カザミドリ先輩だ。


部室にいた全員の視線がカザミドリ先輩に集まる。

当然のことだ。まず、この部室に人が来るということ自体が珍しいし、ましてやカザミドリ先輩がここに来るなんて誰も予想などしていなかったのだから。


癒乃が来た時と同じよう、しばらく皆呆然としていたが、やがて稲波瀬先輩が口火を切った。


「風水さん、どうしてここに・・・!?」


稲波瀬先輩の顔には、当然のように驚愕の色が浮かんでいたが、カザミドリ先輩はそんな稲波瀬先輩の様子を気にすることもなく、軽やかに問いに答える。


「いやあ、ちょっとあなたたちに渡したいものが・・・ってありゃ?」


何かを言いかけようとして、カザミドリ先輩が癒乃に視線を向ける。


「新入部員さんですかァ?」


にやにやした笑みで訊くカザミドリ先輩に癒乃は一瞬当惑しながらも、戸惑いがちに頷く。


「ほほ~う。金髪碧眼にロリですかァ。い~いですねェ。萌えます」


「アホなこと言ってないで、さっさと本題に入ってください。俺らに渡したいものがあるんでしょう」


若干気持ち悪い笑みを浮かべるカザミドリ先輩に俺はやや呆れながら言う。


「ああ~はいはい。そうでしたそうでした」


カザミドリ先輩は思いだしたようにそう言うと、制服のスカートのポケットから二枚の小さな紙を取り出す。


「それは?」


問うと、カザミドリ先輩は得意気にそれを見せながら答える。


「映画のチケット、二人分です。この部にいる人には、ちょうどいいと思いましてねェ。まあ、言うなれば・・・」


そこでカザミドリ先輩は一呼吸置いて、にやりとした笑みを浮かべながらこう言った。




「デート券みたいなもんですかねェ」


それにより、部室内の空気が一変したのは言うまでもない。


はい、やって来ました!時雨'sトークタイム!


〈時雨〉「毎度お馴染み、時雨だ」


いやあ、はっはっは。最近忙しくて中々執筆してる暇がないですよ。


〈時雨〉「ゲームしてるだけだろ。新しく買った」


はいすいません。そうです。でも新しく買ったらやっぱりやりたいじゃないですか。


〈時雨〉「FFの零式だろ。何で今更」


いいじゃないですか。それに今更って言うほど古くないですよ。


〈時雨〉「そういえばそうだな」


まあとりあえずこんな下らない話は置いといて、トークタイムにいきましょう。

今回は先にテーマを出しときます。


〈時雨〉「ほう。なんだ?」


三月語様からで


「ツンデレ×ネコ耳」です!!!


〈時雨〉「は?」


ですから、「ツンデレ×ネコ耳」です!!!


〈時雨〉「どういう意味だ?」


ですからね、ツンデレとネコ耳という最強の組合わせについて語るんですよ。


〈時雨〉「いや、最強と言われてもな・・・」


では、早速一人目のゲストをお呼びしたいと思います。やはり、萌えについて語らせるならこの人しかおりません。ではどうぞ!


〈翠〉「皆さんこんにちは!萌えをこよなく愛する放送委員長、風水翠!ただいま推して参りましたァ!」


〈時雨〉「やっぱりこの人か・・・」


〈翠〉「いやァ嬉しいですねェ。いつかこのような素晴らしいテーマが来ると思ってましたよォ」


いや全くですね。


〈時雨〉「あんたらの思考回路がよく分からないんだが」


まあまあまあまあ。

では早速語り――たいところですが、やはりここは実物を見てからの方がいいですよねぇ。


〈時雨〉「どういうこった?」


ふふふ。うちにはツンデレの気がある人物が二人もいますからねぇ・・・。では、呼んでみましょうか・・・!


カモン!!!


〈杏奈〉「ちょっと!こんな変なテーマに呼ばないでよ!」


〈水無月〉「何で私がツンデレなのかしら・・・。別に私はツンデレなんかじゃないのに・・・」


〈翠〉「う~ん!杏奈ちゃんは見事な王道ツンデレタイプ!水無月ちゃんは隠れツンデレタイプですねェ!どちらにせよ、萌えます!」


はははは、そうですね。では、この二人にはこれをつけて貰いましょう。


〈杏奈〉「・・・なによコレ」


ネコ耳です。

つけてください。


〈杏奈〉「はあ!?ふざけないでよ!」


〈水無月〉「何でそんなものつけなくちゃいけないのよ・・・」


いや、こういうテーマですんで。


〈翠〉「はやく!つけてください!」


〈杏奈〉「いや!」


〈水無月〉「私も嫌かな・・・」


時雨もつけて欲しいって言ってますよ?


〈時雨〉「はあっ!?言ってねえぞそんなこと!!」


〈杏奈〉「時雨が・・・言ったの?」


〈水無月〉「それなら・・・」


〈時雨〉「いやいやお二人さん!言ってませんよ!?俺はそんなこと一言も言ってませんよ!?」


時雨よ!お前は見たくないのか!?

ツンデレ×ネコ耳を!


〈時雨〉「いや知らねえよ!」


絶対可愛くなるよ!?


〈時雨〉「そりゃなるだろ!元々可愛いこいつらがネコ耳なんかつけたらそりゃあ破壊力抜群だろうよ!」


〈杏奈/水無月〉「ネコ耳つけるわ!///」


〈時雨〉「つけんの!?何でいきなり!?」


よっしゃあ!ナイス時雨!


〈翠〉「意識せずにそういうことを言えるのは唐変木主人公の特権ですねェ!」


〈時雨〉「なんのことだよ!?」


ははは。まあ気にせずに。


それでは・・・つけてください!ネコ耳!


〈杏奈〉「しょうがないわね・・・///」


〈水無月〉「時雨君が言うから仕方なくよ・・・///」





・・・・・・・・・





〈翠〉「キタ―――――――――――――――――!!!!!!」


〈杏奈/水無月〉「・・・///」


〈時雨〉「う・・・」


これはやばい!やばいですよ・・・!


〈杏奈〉「ちょっと!あんまりじろじろ見ないでよ・・・!///」


〈水無月〉「この場に暦がいたら間違いなくからかわれてたわね・・・///」


ひゃははははあああい!!!

カザミドリ先輩どうですか!感想は!


〈翠〉「えぇえぇえぇえぇえぇえぇえぇ!!きましたきましたきましたきましたきましたきましたきましたきましたァ!!キタキタキタキタキタキタキタキタキタァ!!ですよォ!!!最高最強最大最上最良の萌え神様が降臨しましたよォ!!ツンデレという非常に萌えポイントが高い最強の属性にネコ耳という最強のアイテムを掛け合わせることでそれはもう言葉では説明できないくらいに素晴らしく絶妙なハーモニーを奏で見る人全てを魅了しキュンキュンさせてしまう!!!それは最早人智を超え萌えという枠にも収まりきれない!!ツンツンして恥じらいながらネコ耳を手で隠そうとしそれでいて肝心のネコ耳部分は隠されておらずそれがデレた時のキュンキュンを何十倍何百倍にも増幅させさらにはネコ耳がもつ特有の小動物オーラはキュンキュンするだけでなくつけたものの愛らしさが増し人の可愛いものを見たら愛でたくなる本能をくすぐり人の理性という理性を吹き飛ばす!!事実私はもう理性が飛びそうです!!いやもう飛んでるかもああでもこんな可愛いものを見れるなら理性の一つや二つや三つや四つ!!!吹き飛んだって構わない!!!ああ神よ!!偉大なる全ての萌えを創造した萌え神よ!!あなたは何故こんなにも愛らしく可憐で麗しいものをつくってしまったのか!!そのせいで私は理性を失い自分への歯止めがきかなくなるまで堕ちてしまった!!でも神よ!!同時に私はあなたに感謝したい!!このような素晴らしき芸術を醜く穢れた人の世に生み出し私の荒んだ心を洗い幸福の絶頂へと誘ってくれたのだから!!!私の今の心は温かな希望と幸せで満ち溢れている!!全て萌えがもたらしてくれた!!感謝してもしきれない!!!この世から戦争が無くならないのは何故か!それは世界の人がまだ萌えというものの素晴らしさを理解していないからだ!!戦争をしている国々の人々は血と硝煙の匂いしか知らない!!!萌えがもつあの甘美で優雅な香りを知らないのだ!!!もし全世界の人々が萌えの素晴らしさを知り味わったら世界から戦争などというくだらないものはきれいさっぱり消える!!皆萌えに包まれ希望に満ちた生を楽しむことができる!!!だから私は萌えというものの素晴らしさを少しでも沢山の人に知ってもらいたい!!そのためなら私はどんな努力も恐れず厭わない!!私が萌えから得たものはそんなものとは比べものにならないほど尊く有難いものなのだから!!!いずれ私は萌えを通じて平和で幸せな世を築いてみせる!!!それが萌えの恩恵に対する感謝の意を表明できる唯一の手段なのだから!!!さあ!!全世界の人々よ!!!私と共に萌えの素晴らしさ尊さを分かち合い世から穢れを掃きだそうではないか!!!そして萌えに満ち溢れた平和な世界を取り戻そう!!!今がその時だ!!!私についてこい!!世を萌えが満たすその日まで私が皆を引っ張ってやる!!萌えこそ正義!萌えこそ平和!萌えこそ希望!萌えこそ命!萌えこそ全て!萌えがあってこそ世界がある!!!戦え!!人のため!世界のため!希望のため!全てのため!萌えのため!!それを邪魔するものは私が排除してやる!!行くぞ!!!平和な世を!!真の萌えを取り戻すんだアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」




〈時雨/杏奈/水無月〉「・・・・・・」


〈翠〉「はっ・・・!すいません。私はまた熱くなっていたようですねェ・・・」


いえ、気にせず。

見事な演説でしたから。


〈翠〉「そう言ってもらえると嬉しいですねェ」


〈時雨〉「何なんだこの人は・・・」


〈杏奈〉「光天寺学園には変人が沢山いるけど・・・この人は別格ね・・・」


〈水無月〉「去年からこんな感じよ・・・」


はははは。まあカザミドリ先輩の萌えに対する熱意は充分伝わってきましたので、今度は時雨。


どうです。二人のネコ耳を見た感想は。


〈杏奈/水無月〉「っ・・・!」


〈時雨〉「いや、どうって言われてもな・・・」


どうなんですか?


〈時雨〉「いや・・・物凄く可愛いとしか言い様がないんだが・・・」


〈杏奈/水無月〉「~~~~~!!///」


またこいつは・・・。


〈翠〉「罪な男ですねェ」


〈時雨〉「は?」


〈杏奈〉「ま、まあ当然じゃない!!わ、私に似合わないアクセサリーなんてないしね!///」


〈水無月〉「ち、ちょっとは嬉しいかしら・・・///」


〈時雨〉「何で二人とも赤くなってんだ?」


〈杏奈/水無月〉「赤くなってなんかない!!!///」


〈時雨〉「?」


〈翠〉「やっぱり君たちといるとおもしろいですねェ」


あはははは。


ではこの辺で今回は終わりにしたいと思います。


テーマをくれた三月語様、ありがとうございました。


感想とトークテーマ、いつでも待っておりますので、どうかよろしくお願いします。


それでは、次回予告です。




〈次回予告〉


カザミドリ先輩の野郎・・・めんどくせえもん持ってきやがって・・・。


誰と行くか俺に選べだって?

なら俺は・・・


次回 取り合いと遠慮



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