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方城時雨の奇妙でイカれた学園生活  作者: 水面出
序章 -始まるは、日常-
27/46

ep24 助っ人とテスト 前編

〈水無月〉「遅くなっちゃってごめんなさいね」


〈暦〉「では第24話」


〈翠〉「始まりますよォ!」



体育祭が終わって一週間。


六月の半ば近くとなり、じめじめした気候が続いている。


そして、他の高校でもあるように、この光天寺学園でもある時期がやってきた。


現在、教室にはピリピリとした空気が流れている。


その理由というのが、ホームルームの時間に空巻先生が言った言葉だ。




そう、あれは十五分前のこと―――






―――朝のホームルームが始まり、いつものように空巻先生が出欠をとり連絡事項を話す。


「それでは、連絡事項は以上です。何か質問はありますか?」


空巻先生がそう言いクラスを見渡すが、生徒は「何もありません」と目で言っている。


もちろん俺もだ。


「ではホームルームを終わります」


そう言い、そのまま教室を出ようとした時、空巻先生は急に振り替えってこう言った。


「あ、そういえば伝え忘れてました。来週は中間考査なので、皆さんしっかり勉強しておいてくださいね。赤点なんかとったりしたらあなたたちの体に直接点数を刻み込みますから。カッターで」


・・・なるほど、これがホントの“赤”点・・・ってふざけている場合じゃない。


今、空巻先生はさらっととんでもないことを言った。


そうだ。


忘れてたよ。光天寺学園にも定期考査はあるんだ。


全く勉強をしてなかった、やばい。


・・・と、普通は言うだろうが、残念ながら俺はそんなこと言わない。


これでも中学の時は三年間学年トップだったし、高校の授業も完全に理解している。


油断しなければなんら問題はないだろう。


だが、そう思っているのは俺だけらしい。


クラスの奴らは俺以外一人残らず顔面蒼白になっている。


見ると、出雲なんか蒼白どころか真っ白になってる。


そんな生徒達を見て、空巻先生は愉快そうに口角をあげる。


その顔はまるで、「さて、何人の子が私に“赤”点を刻ませてくれるのかな」という風なことを言っている感じだ。


何度も思うが、本当に教師なのだろうか。


そんなことを思っている中、空巻先生は未だ「テストがある」というショックから抜け出せない生徒たちを放置して、今度こそ教室から出ていき、職員室の方へと歩いていった―――






―――ということで、現在のこのピリピリした空気は「来週にテストがある」ということからくる焦りと苛立ち、「空巻先生の“赤”点刻みは絶対ゴメンだ」という思いからなっているのだ。


ホームルーム前までお喋りしていたクラスの奴らが教科書や資料を机に広げ、ノートに色々と書き込んでいる。


皆必死だ。


それだけ“赤”点がいやなんだろう。

俺もそうだが。


そこに


「時雨・・・」


いつもの強気で不敵な表情はどこに行ったのやら、暗い顔をした杏奈が俺の元に歩み寄り話しかけてきた。


「どうした杏奈」


俺がそう言うと杏奈は一瞬次の言葉を言うかどうか迷ったような素振りをみせる。


何が言いたいかは大体わかるが、自分の口から言わせよう。


「あ、あんたってさ・・・勉強得意でしょ・・・?」


「ああ、まあそこそこはな」


「あたしも・・・文系はいけるんだけど・・・、その、理系・・・特に数学が・・・ダメで、その・・・」


杏奈は俯きながら喋る。


まどろっこしい奴だ。

さっさと本題を言えばいい。


「だから・・・あたしに勉強・・・教えて・・・」


杏奈は言いにくそうに言う。


他人に勉強教えてもらうのにどうしてそんなに躊躇う。


お嬢様のプライドって奴ですか。


まあ、断る理由はないからいいけど。


「いいぞ」


そう言うと杏奈はぱあっと表情を明るくする。


「――ただし、俺は厳しいからな」


「そのくらいが丁度良いわよ!」


軽く脅しのつもりで言ったが、全く効かない。


これなら大丈夫だな。


何だかんだで杏奈呑み込み早いし。


だが問題は・・・


俺は教室の窓側前から二番目の席を見る。


「あの真っ白に燃え尽きてる奴だな・・・」


その席に座っている生徒――出雲は生気の無い顔をしてぴくりとも動かない。


口からエクトプラズマが出ているのは気のせいだと思う。


「・・・ホントに生きてるのかしら・・・」


杏奈が心の底から心配そうな声をあげる。


かく言う俺も、マジで心配だ。


出雲が今燃え尽きていることに対してじゃない。


出雲が無事テストを切り抜けられるかどうかに対してだ。


このままだと出雲は身体中に“赤”点を刻まれてしまうかもしれない。


それはこっちもゴメンだ。


見ていて痛々しいし。


だが・・・あの出雲が一人でテストを切り抜けられる訳がない。


今回は俺が一肌脱いでやるしかないか。


「杏奈・・・お前、文系なら教えられるよな」


俺が訊くと杏奈は戸惑いがちに頷く。


「ならあとは・・・英語、か」


そう、杏奈は文系科目を出雲に教える。


理系科目に関しては俺がやる。


あとは英語。俺がやってもいいんだが、出来れば理系に専念したい。


もう一人、英語が得意な助っ人が欲しい。


そんなことを考えていると、


「時雨・・・あんたの考えてることは大体分かるけど・・・間に合うの?」


杏奈が不安げに訊いてくる。


「間に合わせる」


俺がそう言うと杏奈は微かに、だが力強く微笑む。


「そう。ならあたしも全力で協力するわ」


こういう時は妙に頼もしく感じるな。


まあ今はそれが何よりの助けになるが。


とりあえず俺は感謝の意を込めてこう言う。


「おう、頼んだ。ありがとな杏奈」


「べ、別にお礼を言われるほどのことじゃないわよ・・・!」


杏奈はそう言って少し俯く。

心なしか顔が赤く見えるが、気のせいだろう。


「さて、そうと決まれば早速英語が得意な助っ人を探さなきゃな」


「もう授業始まるわよ」


「・・・」


助っ人探しは昼休みにしよう。










時間は経過し、昼休みになった。


出雲は相変わらず真っ白のままだ。


早くなんとかしなければ。


「よし杏奈。助っ人探しだ」


俺がそう言うと杏奈は頷く。


「とりあえず・・・あの二人のところに行ってみましょう」










「助っ人、ですか?」


沙良先輩は俺の言ったことをそのまま返すように言う。


「はい。出雲のためにお願いできませんか」


「出雲ちゃんのため?」


今度は稲波瀬先輩が言う。




俺たちがまず訪れたのは稲波瀬先輩と沙良先輩のところだ。


いつも通り、食堂の窓際三番目の四人用のテーブル席に座っていたからすぐに見つけることができた。


「なるほど、来週のテストに向けてですね」


「そうよ」


流石沙良先輩、物分かりがいい。


この人ならやってくれそうだ。


だがそんな俺の考えとは裏腹に、沙良先輩は困ったような顔になった。


「ごめんなさい。私はミナに教えるので手一杯なので・・・」


沙良先輩は申し訳なさそうに言う。


「稲波瀬先輩に?」


「はい。ミナは教えてあげないと大変なことになるんです」


「ちょっ、暦!」


稲波瀬先輩は恥ずかしそうに顔を赤くしながら言う。


少し意外だ。


てっきり稲波瀬先輩は勉強が得意かと思ってた。


「へえ、稲波瀬先輩ってバカだったんだ~」


杏奈はにやにやしながら面白そうに言う。


「バ、バカっていう訳じゃないのよ!周りよりちょっと下なだけで・・・!」


「ふう~ん」


焦りながら言う稲波瀬先輩に杏奈はただただにやにやしている。


沙良先輩はその光景を見てくすくすと含み笑いをしている。


「ま、まあとにかく!申し訳ないけど私達は出雲ちゃんに勉強は教えられないから!」


話題をそらすかのように稲波瀬先輩が言う。


「助けになれなくてごめんなさい」


沙良先輩はそう言い頭を下げる。


礼儀正しいな。表上だけだが。


内心なに考えてるか分からないしこの人。


・・・いや、やめよう。こういうことを考えるのは。


また読心術を使われたら敵わないからな。


そう思いながら俺も言葉を返す。


「いや、別にいいんですよ。一応まだ当てはあるんで」


「そうですか」


沙良先輩は俺の言葉を聞いて安心したように言った。


「テスト頑張ってね。時雨君」


「それは稲波瀬先輩も、じゃないの?」


「うっ・・・」


にやりとした笑み浮かべている杏奈の言葉により、稲波瀬先輩は口をつぐむ。


「それじゃ」


「はい」


そうして、俺と杏奈は食堂をあとにした。










「ホントにいるかしらね」


「多分いるだろ」


俺はそう言いながらドアを開けた。


それと同時に少しじめじめとした空気を肌で感じとる。


そう。俺たちが次に来たのは、屋上。


何故ここに来たのか。


それはある人が昼休みにはここにいる可能性が高いと思ったからだ。


そして予想通り、その人物はいた。


「ありゃ?方城君と標部さんじゃァありませんかァ」


カザミドリ先輩は屋上にあるベンチに腰かけて、焼きそばパンを頬張っている。


「どうしたんですかァ?こんなところに来て」


カザミドリ先輩はそう言って、また焼きそばパンを一口食べる。


以前(というか体育祭の時)俺たちが屋上で昼食をとっている時、カザミドリ先輩は同じように昼食をとりにここに来た。


しかも入ってきた時、「ありゃ?先客がいる」というセリフから、カザミドリ先輩は頻繁に屋上で昼食をとるということが分かる。


まあ誰にでもできる単純な推理だが、とりあえず役には立ったか。

と、こんなことを思っていると


「・・・黙ってないでなんか答えてくれませんかねェ」


不満そうな顔でカザミドリ先輩がぼやいた。


その表情はいかにも「自分の質問に答えろ」と言っているように見える。


とりあえず謝っとく。


「ああ、すいませんね」


「いーえ。別にいいですよォ」


それだけ言うと、カザミドリ先輩は再び焼きそばパンをかじり始める。


もの食いながら、人の話聞くのもどうかと思うが、そこは気にしない方向で。


「それでここに来たってことは、私に何かご用でもあるんですかァ?」


「助っ人を頼みたいの」


「助っ人?」


カザミドリ先輩は小首をかしげる。


「来週、テストがありますよね」


そう言うと、カザミドリ先輩は「ああ、はいはい。大体分かりました」と言って説明を続けようとする俺を止める。


「テストに備え、勉強が苦手な天崎さんに勉強を教えるのを手伝って欲しい。そういうことでしょう?」


うん。

何で分かるんだこの人。


俺まだ最初の最初しか言ってないんだけど。


怖いぞ。


見れば、杏奈も同じような気持ちらしく、カザミドリ先輩を若干引き気味の目で見ていた。


すると、いつまでも俺たちが黙っているのを疑問に感じたらしく、カザミドリ先輩は「違うんですかァ?」と少し不満そうに言う。


とりあえず合っているのだから、否定する必要はない。


「いえ合ってます。ていうか何で分かるんですか」


「勘、じゃだめですかねェ?」


「よくねえよ」


悪戯っぽく笑うカザミドリ先輩。俺はそれを見てなんだか腹が立ちつい敬語が外れてしまった。


「どうして分かったかなんてこの際どうでもいいでしょ!」


杏奈はイラついているのが表情に出ている。


そらそうだ。

本題からずれてきてるし。


「それで!カザミドリ先輩、助っ人してくれるの!?くれないの!?くれるでしょ!?」


杏奈、それじゃ脅迫だ。


そんな言い方したらだめになるぞ。


「いいですよ」


そんな俺の予想はまたもや外れ、カザミドリ先輩はあっさりと頷いた。


杏奈は先輩の答えを聞いてほっと胸を撫で下ろす。俺もこれでひとまず安心だ。


「それで、なんの教科を教えればいいんですかァ?」


「俺は理系で杏奈は文系なんで、カザミドリ先輩は英語をお願いします」




「・・・え」




途端に、カザミドリ先輩の笑顔がひきつった。


さらに顔色がどんどん悪くな、冷や汗も滝のように流れている。


一体どうしたというのだろうか。


「ほ、方城君・・・今・・・え、英語と・・・言いましたか・・・?」


「言いましたけど」


嫌な予感がする。


「じ、実はですねェ・・・私、英語だけは苦手でしてェ・・・。点数が二桁に達したことがないんですよォ・・・、あは、あはははは・・・」






・・・笑えねぇ・・・






「あはは・・・、えっと・・・すいません・・・」


気まずそうにそう言うカザミドリ先輩。


対して俺たちは黙ったまま、ただ立ち尽くしていた。










「・・・どうすんのよ」


教室に戻るため廊下を歩いている中、杏奈は重苦しい雰囲気を纏いながらそう言う。


「やっぱ・・・俺が理系と一緒に教えるしかねえか・・・」


「それしかないわね・・・。あたしは英語そんなに得意じゃないし・・・」


――と、そこに


「どうしたのじゃお前ら?」


いつの間にやら湖倉薊理事長が俺たちの前に立っていた。


背が低いから自然と俺たちを見上げるかたちになっている。


ていうかなんで学園の理事長がここにいるんだよ。


「二人ともなんか暗いのじゃ。なんかあったのか?」


「いや・・・あんたに言っても仕方ないんで」


俺がため息混じりにそう言うと、理事長は不満そうに頬を膨らます。


「なんでじゃー!教えてくれたっていいと思うのじゃー!!」


理事長が駄々っ子のように見える。


まあいいか。

減るもんじゃねえし。


そう思い、俺は助っ人を探してることを理事長に話した。






「なんじゃ、そういうことか!それならうちに任せるのじゃ!」


俺が話終わると同時に、理事長は胸をドンと叩き高らかにそう言った。


「え?」


「あー・・・理事長、任せるって・・・どういう意味ですかね・・・?」






「だから!ウチが天崎に勉強を教えてやるのじゃ!」


理事長は自信たっぷりの表情でそう言った。


ええ、まずは謝罪です。


前回はトークタイムを休んですいませんでした。


〈時雨〉「まったくだ」


あと、投稿遅くなってすいませんでした。


〈時雨〉「遅くなった理由はなんだよ」


それは教えられません。


では、トークタイム行ってみましょう。


今回は多いですよ。


〈時雨〉「そうなのか」


はい、じゃ早速。

時雨、失せろ。


〈時雨〉「はい!?なんでだよ!」


いいから失せろ。


〈時雨〉「・・・分かったがよ・・・言い方考えてくれてもいいだろ・・・ったく」






はい、退場しましたね。


では、ゲストをお呼びしましょう。


〈出雲〉「こんにちはー!」


〈杏奈〉「よく呼ばれるわね・・・」


〈水無月〉「今回も頑張っちゃうわよ♪」


〈暦〉「呼んでくれてありがとうございます」


お馴染みいつものメンバーと、


〈翠〉「お呼びいただき光栄でェす!!」


初登場の風水翠先輩、通称カザミドリ先輩です。


さらに、


〈菜奈〉「どうも」


空巻先生もお呼びしました。


〈暦〉「女性だけですね」


はい。


ちなみに、理事長は呼んでおりません。


今回のテーマには使えない人ですから。


〈出雲〉「ひどい言い様だね・・・」


〈杏奈〉「で、テーマはなんなの?」


はい。三月語様からで、「事故だとしても許せる・許せないのボーダーライン」です。


〈暦〉「どういう意味ですか?」


例を言うと、転んで押し倒されるように体勢になったり、事故で裸を見られたり。

そういうのをどこまで許せるかってことです。


〈翠〉「だから女性限定なんですねェ」


もちろん、事故の相手はご自由に。


〈出雲/杏奈/水無月〉「んなっ!?///」


つう訳で、特に順番はありません。


言いたい方からどうぞ。


〈菜奈〉「はい」


お、珍しいですね。


空巻先生が進んで話そうとするなんて、ではどうぞ。


〈菜奈〉「ボーダーラインなんかありません。どんな理由だろうが、どんな事が起きようが、私の気分を害したら即“血祭り”です」

いやあ~、あまりにも予想通り過ぎますね。


弁解の余地も与えてあげないんですか?


〈菜奈〉「あげる訳ないでしょう」


ですよね~。


〈杏奈〉「相変わらず怖い人ね・・・」


〈菜奈〉「何か言いましたか標部さん?」


〈杏奈〉「い、いえっ!なにも言ってません!!」


〈菜奈〉「そうですか・・・残念です・・・」


何が!?


何が残念なの!?


〈菜奈〉「いえなんでもありませんよ」


・・・


釈然としませんが・・・次いきましょう。


誰かボーダーラインを教えてくれる人はいますか?


〈暦〉「では私が」


はいどうぞ。


〈暦〉「私の場合、わざとじゃないのなら大抵のことは許してあげますよ」


寛大ですね。


ではわざとの場合は?


〈暦〉「聞きたいですか?」


・・・いえ・・・遠慮しときます。


では次誰か。


〈翠〉「はい!」


じゃ、カザミドリ先輩お願いします。


〈翠〉「私はですねェ・・・全部許してあげます!」


なぜ?


〈翠〉「だってェ!そういう事故は“萌え”の極みじゃないですかァ!それを自分が体験できるなんて・・・逆にお礼が言いたいくらいですよォ!」


・・・この人の行動理念は全部“萌え”なんですね・・・


分かってはいましたが。


まあいいでしょう。


では次は・・・


〈出雲/杏奈/水無月〉「・・・///」


・・・そこの赤くなってる三人、お願いします。


〈水無月〉「私は・・・その・・・ちゃんと謝ったら、なにされても別に・・・気にしないわよ・・・」


〈杏奈〉「あ、あたしも同じで・・・」


〈出雲〉「私は・・・相手にもよるかな・・・」


相手が時雨だったら?


〈出雲〉「・・・なにされてもいいかも・・・///」


わお。


大胆発言。


まあ、そんなもんでしょうね。


ではこのテーマはこれで終わ―――


〈小夜〉「ちょっと待ったあ!」


あれ?


小夜、きてたんですか?


〈小夜〉「きてたんですかじゃないよ!何で私も呼んでくれなかったの!?」


あ~・・・すいません。忘れてました。


〈小夜〉「ひどい!」


まあまあ。


じゃあ折角来たんだから、あなたのボーダーラインを教えてください。


〈小夜〉「泥棒猫と同じのは気に食わないけど、私も時雨にだったらなにされてもいい!それ以外の奴だったら殺す!」


やっぱり。


これも予想通り過ぎですね。


〈出雲〉「おいコラブラコン!私と同じ答えにするな!」


〈小夜〉「知るか!」


〈出雲〉「んだと!?」


〈杏奈〉「ああもう!やめなさいよ!」


ホント、この二人はすぐ喧嘩になりますね。


ま、いいや。放っときましょう。


じゃ次のトークにいきたいと思います。


皆さん退場お願いします。


〈出雲〉「はーい」


〈暦〉「分かりました」


〈翠〉「次呼ばれるのを楽しみにしてますよォ」


〈小夜〉「私出番少ない!」


知りません。


あ、ちなみに杏奈と稲波瀬先輩はあとでもう一度出番がありますので、控え室の方に行っといてください。


〈杏奈〉「まだあるの・・・」


〈水無月〉「分かったわ」


あと、空巻先生はこのまま残ってください。


〈菜奈〉「なぜですか」


あなたはこのあとすぐに出番があるからです。


〈菜奈〉「そうですか。仕方ありませんね」




退場中




はい、退場完了。


時雨、もう入ってきていいですよ。


〈時雨〉「やっとか」


えーでは、ゲストをお呼びします。


というか、残り呼ばれてない人なんて一人しかいませんが。


ではどうぞ。


〈薊〉「来てやったのじゃ!」


はい、理事長ですね。


〈時雨〉「この二人かよ・・・」


文句言わない。


ではテーマの方を。


エドワード・ニューゲート様からで、まずは一つ目「生徒に求めるもの」です。


〈菜奈〉「そんなもの決まってます。「校則を守ること」です」


〈時雨〉「そんなもんだろうと思った」


ですね。


それ以外はないんですか。


〈菜奈〉「ありませんね」


そうですか。

では次、理事長お願いします。


〈薊〉「ウチはなー!お菓子とジュースくれればそれでいいのじゃ!」


〈時雨〉「ガキだな」


実際ガキですよ。


〈薊〉「ガキじゃないのじゃー!」


ああはいはい。


ガキじゃないですねー。


では次のテーマいきましょう。


同じくエドワード・ニューゲート様から、「生徒指導でこころがけてること」です。


〈時雨〉「これ答え分かりきってるだろ・・・」


まあそう言わずに。


では空巻先生から、お願いします。


〈菜奈〉「とにかく校則を守るよう呼び掛けています。呼び掛けを聞かない人は・・・」


〈時雨〉「“体罰”でしょう・・・?」


〈菜奈〉「その通りです。よく分かりましたね」


〈時雨〉「誰でも分かると思いますよ」


同感です。


〈菜奈〉「?」


じゃ、次は理事長お願いしますー。


〈薊〉「せいとしどーでこころがけてることかー?う~ん・・・あ!せいとといっぱいおしゃべりするようにしてるのじゃ!」


それはなぜ?


〈薊〉「こみゅにけーしょんが大事だと思うからじゃ!」


〈時雨〉「珍しくまともだ・・・」


そうですね。


意外です。


〈薊〉「意外とは失礼なのじゃ!」


〈菜奈〉「仕方ありませんよ理事長。いつもがいつもですから」


〈時雨〉「あんたが言えることじゃないと思うんだが・・・」


〈菜奈〉「うるさいですね。小指詰めさせますよ」


〈時雨〉「ヤクザかあんたは・・・」


今更つっこむ必要もないですよ。


では、お二人の出番は終わりです。

ありがとうございました。


〈菜奈〉「ではまた」


〈薊〉「またななのじゃー!!」






〈時雨〉「ふう・・・疲れた・・・」


頑張ってください。


まだ残ってますよ。


〈時雨〉「おう・・・多いなホント・・・」


では、控え室にいた杏奈と稲波瀬先輩、お待たせしました。


〈杏奈〉「やっと出番?」


〈水無月〉「待ってたわよ~」


はいはい。


では、いってみよー!


一つ目がまたもエドワード・ニューゲート様からで、「相方の困った所」です。


〈杏奈〉「相方?出雲のこと?」


〈水無月〉「私は当然暦のことね」


はい、そうです。


あなたたちから見て、相方の困った所を教えてください。


〈杏奈〉「そうね・・・今回の話でもあったように、もう少し勉強に身を入れた方がいいと思うわ」


〈時雨〉「お前も理系科目は苦手だろ」


〈杏奈〉「そ、それは今は関係ないでしょ!!」


他にありますか?


〈杏奈〉「ん~・・・あ、そうそう。夜寝てる時、たまに寝惚けてあたしのベッドに潜り込んでくるのよね・・・。しかもあたしをそのまま抱き枕にするから・・・寝苦しいったらありゃしない・・・」


そりゃ大変ですね。


〈杏奈〉「大変よ。ったく・・・どうせ抱き枕にされるなら・・・時雨に・・・」


〈時雨〉「ん?今なんて言ったんだ?声小さくて聞こえねえよ」


〈杏奈〉「聞こえなくていいの!」


〈水無月〉「ふふふ・・・杏奈ちゃんも中々大胆なこと言うわね~♪」


〈杏奈〉「稲波瀬先輩もうるさい!」


まあまあ落ち着いて。


で、さらに他にはありますか?


〈杏奈〉「えぇと・・・まあこんなもんね。細かいところはまだあるけど、それを言うと多すぎるから」


そうですか。


では次、稲波瀬先輩。


沙良先輩の困った所をどうぞ。


〈水無月〉「私をからかってくる所よ」


〈時雨〉「即答かよ」


〈水無月〉「だって、ことある毎にからかってくるのよ?」


最近は時雨絡みのものが多いですしね。


〈水無月〉「ちょっと作者さん!」


はいはいごめんなさい。


〈時雨〉「俺絡み?そうか?」


・・・相変わらずの唐変木ですね。


〈杏奈〉「わざとやってるんじゃないかって思う時もあるのよ・・・」


〈水無月〉「同感・・・」


〈時雨〉「?」


まあいいや。


こんな唐変木は放っといて、次のテーマに。


またまたエドワード・ニューゲート様から、「蒸し返されたくないトラウマ」です。


〈杏奈〉「・・・これ、話さなきゃいけない・・・?」


はい。


〈水無月〉「いやなテーマね・・・」


そう言わずに、お願いします。


〈杏奈〉「仕方ないわね・・・。あたしが8歳の時なんだけど・・・夏にうちのプライベートビーチに行ったのよ・・・」


〈時雨〉「プライベートビーチがあんのかよ」


〈水無月〉「まさにお嬢様って感じね」


〈杏奈〉「それで、あたしは泳ごうとして、海に入ろうとしたの・・・そしたら・・・」


そしたら?


〈杏奈〉「砂浜いっぱいに・・・な、な、な、海鼠が・・・うじゃうじゃ、いて・・・」


〈水無月〉「うわあ・・・気持ち悪そうね・・・」


〈杏奈〉「それであたし・・・それ見て、卒倒したの・・・。今でも・・・海鼠を見ると鳥肌がたつわ・・・」


〈時雨〉「海鼠美味いのに・・・」


んなこと聞いてねえ。


まあ、小さい女の子には海鼠の大群はきついでしょうね。


〈杏奈〉「ううう・・・海鼠なんて・・・海鼠なんて・・・」


〈水無月〉「相当怖かったらしいわね・・・」


では、次は稲波瀬先輩の番です。


〈水無月〉「わ、私・・・?えっと・・・つまらない答えかもしれないけど・・・空巻先生の、“血祭り”よ・・・」


〈時雨〉「・・・うん・・・分かりますよ・・・」


〈杏奈〉「どんだけ恐ろしいのよ・・・」


〈水無月〉「あれを受けると・・・今まで自分が受けてきた恐怖がいかに小さいものだったかが分かるわ・・・」


あはは・・・。


まあ、こういう機会がない限り、無理に思い出すのはやめといた方がいいですね。


〈水無月〉「そうね・・・」


あ、ちなみに・・・時雨はトラウマ、ありますか?


〈時雨〉「稲波瀬先輩と同じだ」


ですよね・・・






では今回はここまでです。


トークテーマを応募してくれた三月語様、エドワード・ニューゲート様、ありがとうございました。


トークテーマ、いつでも募集していますねで、ご応募よろしくお願いします。


では、次回予告です。




〈次回予告〉


助っ人になったのは理事長だって・・・!?


一体テストはどうなるのやら・・・




次回 助っ人とテスト 後編

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