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方城時雨の奇妙でイカれた学園生活  作者: 水面出
序章 -始まるは、日常-
21/46

ep18 放任主義と“恥辱”障害物競争

〈小夜〉「第18話!」


〈暦〉「始まります」


ではどうぞ。



《さ~あ!やって参りました~!光天寺学園体育祭!司会と実況はこ~のわたしィ!放送委員長の風水かざみ みどり、通称カザミドリが務めさせていただきま~す!》


テンション高えな・・・。







昨日は色々大変だったが、姉さんは結局俺達の部屋に泊まった。

杏奈は問題無く受け入れたし俺は小さい頃よく一緒に寝ていたから平気だ。


もちろん最後までぶーぶー文句を言ってた奴はいたが。


誰かは分かるだろう。


ちなみに姉さんは“久しぶりに時雨と寝れる~”と寝る直前まで終始ニコニコ顔だった。



それで、滞りなく体育祭当日になった訳だ。


たった今無駄に高いテンションで挨拶をしたのは放送委員長の風水先輩。いや、わざわざご自分で通称を教えてくれたんだ。せっかくだからカザミドリ先輩と呼ぼう。


学年は三年生らしい。よく思い返してみれば、入学式の司会もこの人がやっていた。あの時はあんなにハイテンションじゃなかったから印象に残らなかったんだと思う。


カザミドリ先輩は緑がかったセミロングの黒髪をうしろの方で束ねている。いわゆるポニーテールだ。


入学式の時は確か眼鏡をかけていたが、今はかけていない。恐らくコンタクトにしているんだろう。


顔立ちの方はかなり整っていて性格も良い、さらにその力強く美しい声により生徒達から人気があるらしい。


そんなカザミドリ先輩が挨拶をしたのは今が開会式だから、という理由だ。

全くそんな風には聞こえなかったが今のは開会の言葉らしい。


それで、全校生徒が校庭に並んでいる訳だが、光天寺学園の校庭はかなり広い。

全校生徒が並んでいてもまだまだ余裕がある。


並び方は左から紅軍の三年、二年、一年、青軍の三年、二年、一年、白軍の三年、二年、一年という順だ。


俺はもちろん青軍の一年の列にいる。出雲と杏奈も同様だ。


二年の方を見ると稲波瀬先輩と沙良先輩も並んでいた。同じ青軍なんだから当たり前か。






話は変わるが、姉さんは当所の目的である“いい席をとること”を見事に成功させた。

いや、成功させたというか・・・なんというか・・・。敢えて言うならそれ以上だな。


何故なら、今姉さんが座っている席は、


《さ~て、ここで今回のスペシャル解説者をご紹介しましょ~う!眉目秀麗、文武両道、完璧超人の一年生方城時雨君のお姉さん!方城小夜さんでェす!》


《ど~も~!》


解説席だからだ。


何故あそこに座っているのか。

どういう経緯でああなったのか。


全く分からない。


いや確かによく見えるとは思うよ。

でも普通は解説席なんて選択は思いつかないと思うんだが。


まあ姉さんに“普通”なんて言葉を求める方が愚かなことだってのは分かっているけど。


それとカザミドリ先輩。俺は完璧超人なんかじゃありません。

買い被り過ぎです。


《いや~!ビックリしましたよ~!いきなり解説者をやらしてくれなんて言ってくるからァ!》


《ごめんね~。どうしても時雨を至近距離で食い入るような熱い目で見たかったから~》


《お~やおや!早速弟思いのコメント!》


限りなくプラスに考えればそうだろう。


だがなカザミドリ先輩。そういうのは普通はブラコンと言うんだ。

覚えといてくれ。


《え~、では!開会の言葉とゲスト紹介が終わりましたのでェ、次は理事長の挨拶でェす!理事長!よろしくぅお願いしまァす!!》


カザミドリ先輩がそう言うと職員席にいた理事長が立ち、トコトコと全校生徒の前まで歩いてきた。


「あ~・・・ごほんごほん!今日は体育祭なのじゃー!」


スタンドマイクの前で一度咳払いをして話始める。

ちなみにマイクは理事長の背丈に合わせてすごく低くなっていた。


「皆今まで練習してきた成果を見せる時なのじゃ!精一杯頑張ってくれなのじゃ!」


理事長は両手を腰に当て、「どうだ!」と言わんばかりに得意気な顔になった。


子供っぽいが言ったことが至って普通だったのが少し驚きだ。


だが理事長は得意気な顔から今度は面倒くさそうな顔になり、


「まあ、どのチームが優勝するかははっきり言ってどうでもいいのじゃ。勝手に頑張ってさっさと終わらせてくれなのじゃ。今日は見たいアニメが四つもあるのじゃ。それに新しいお菓子もあるし、借りてきたDVDもあるのじゃ。早く見たいのじゃ」


そう言った。


さて・・・理事長室に侵入してテレビもお菓子もDVDもまとめてごみに出してやろうかな。


・・・まあ冗談だが。


理事長のくせして自分の欲のために学校行事を疎かにするとはな。

呆れを通り越して逆に感心する。


周りを見渡してみると他の生徒も呆れた顔をしていた。稲波瀬先輩と沙良先輩はクスクスと含み笑いをしていたが。


「ということで、これで挨拶を終わるのじゃ!」


終わりでいいのかよ。


・・・このツッコミも今更だな。



《ありがとうございましたァ!それでは、競技に入ってェ・・・の前に、準備体操です!各自適当にやって下さい!》


カザミドリ先輩の言葉に一年は戸惑っていたが、二、三年は少し広がり各自本当に適当に準備体操をやりはじめた。

それを見て一年も各自準備体操を始めた。



どうやら毎年こうみたいだ。



いつもなら“どんだけ適当なんだこの学園は!”なんていうツッコミを入れるだろうが、俺はツッコまないぞ。

この学園に入ってからツッコミを入れる回数が前の五百倍くらいに増えたからな。疲れるのなんのって・・・。


ツッコまなきゃいいじゃないかって?


バカ野郎。この学園にいてみろ。いつの間にかツッコまずにはいられない体質になるぞ。



そう思いつつ俺も適当にストレッチを始める。

途中、出雲と杏奈が加わってきたので三人で準備体操をすることにした。






「今更だけど・・・この学園ってホント変よね」


準備体操をしている中、杏奈が唐突に言う。


激しく同意。


「そう?いいところだと思うよ?」


「別に悪いところとは言ってないでしょ。ていうか出雲、あんたそんな風に思える理由があるの?」

「ごはんおいしいじゃん!」


出雲が胸を張って高らかに言った。


いやいや・・・


「あんたの学校の良し悪しの判断基準は食事なの・・・」


出雲の言葉に杏奈は呆れ顔をする。


再び激しく同意。


そういう俺もこの学園をいいところだと言える理由は言えないが。


「去年もこんな感じだったのかしら・・・」


「この学園のことだ。絶対そうに決まってる」


俺が言い切ると杏奈は苦笑した。


「俺はこの学園に入ってから何度その適当さに呆れたことか。何度怒りを覚えたことか。何度ツッコミを入れたことか。もう数えきれない」


「どれだけよ・・・」


杏奈は俺の言葉に今度は呆れた目になる。


「でも仕方ないんじゃないかなぁ」


俺はさらに愚痴ろうと思ったがそこで出雲が口を挟んできた。


仕方ないとはどういう了見だ。


「何でそう思うんだ?」


「だって、生徒手帳に書いてあったもん」


「なにがよ」


「光天寺学園の教育方針のところに、“生徒の自由を尊重する”って」


『・・・』


俺と杏奈はなにも言わなかった。

いや、何かを言う気にもなれなかった・・・。



「何で黙るの?」


出雲がきょとんとした顔で小首を傾げた。


「いや・・・」



“生徒の自由を尊重する”だと?


“放任主義”の間違いだろ。



「まあ・・・この学園にもいいところは沢山あると思うし・・・多少のことは気にしない方がいいんじゃない?」


多少じゃないと思うんだが・・・


俺は杏奈が言ったことに対し、心の中でツッコミを入れた。





俺達が準備体操を終わると、ちょうどカザミドリ先輩の声が校庭に響いた。


《さァて!みなさん準備体操は終了しましたねェ?それでは今度こそ、競技に入りたいと思いまァす!最初の競技は―――――》









俺は青軍の応援席に座って体育祭を見物していた。


隣に杏奈と出雲もいる。

正直、今俺は楽しい。代表リレーしか出れないなんて暇そうだと思っていたが全然そんなことはなく、見ているだけで楽しい体育祭だった。


「そこだー!行けー!」


出雲が声を張り上げて応援をする(ちなみに今やっているのは三年の徒競走)。



「あぁもうなにやってんのよ!さっさと抜き返しなさい!」


杏奈も出雲と同じように大声で応援(の割にはさっきから文句ばっかり言ってるが)。

どうやら青軍の走者が抜かされてしまったらしい。


《おおっとォ!青軍仲嶋選手、抜かされてしまいましたァ!》


《抜かしたのは紅軍の日高君だね。今順位は白軍一位、紅軍二位、青軍三位。青軍頑張れー!》


カザミドリ先輩と姉さんが実況と解説をやっている。


三年の人には悪いが、俺としては青軍が抜かされて順位が下がったことより姉さんが真面目に解説をやっている方が衝撃的だ。


《あーっと!そのまま白軍がゴール!続いて紅軍!残念ながら青軍は最下位だァ!》


《惜しかったねー!もう少しで抜き返せるところだったのに!》


二人の実況の声と同時に白軍の応援席からは歓声が。青軍の応援席からはがっかりした声が上がった。


両隣にいる出雲と杏奈も「ああ~・・・」と言いながら項垂れた。



「気にするなよ。まだ始まったばっかりじゃねえか」


『うにゅ~・・・』


俺がそう言っても二人は不機嫌そうに変な声で唸っているだけだった。


まあこいつらの気持ちはよく分かる。確かに体育祭はまだ始まったばっかりだが、得点状況は芳しくない。


俺は校舎の三階の窓に貼り付けられている得点表の方に目を向けた。


〔紅軍 145点


 白軍 150点


 青軍 70点 〕



これを見ると俺も唸りたくなる・・・


紅軍と白軍が拮抗してる中、青軍だけ・・・くそ・・・。


半分だぞ?他二軍の半分だぞ?


軍分けの時、戦力が同じくらいになるようにしたはずなのにどういうことなんだ?


《さあ!次は光天寺学園名物、“恥辱”障害物競争でェす!》


そんなことを思っているうちに次の競技にうつったらしい。


障害物競争か。・・・・・・“恥辱”?


どういう意味だ。


俺はコースの方を見る。そこには網や平均台などのものは置いておらず、いつの間にやら建築現場にありそうな高い即席の壁で校庭のコースに当たる部分が隠されていた。


一体どんな競技なんだ?


「あれ?・・・あっ、ねえねえあそこ!」


出雲が何かを見つけたような声を出しながら“恥辱”障害物競争のスタート地点の方を指差した。


「ほら!稲波瀬先輩!」


出雲が指差した方を見るとスタート地点で軽くストレッチをしている女子生徒がいた。


稲波瀬先輩だ。


いつもはストレートにしている腰くらいまである長い紺碧の髪を今は少し低めの位置でポニーテールににしている。青のハチマキはカチューシャのように頭に巻いている。


「出場するのかな?」


「あそこにいるってことはそうでしょ」


出雲の言葉に杏奈が特に興味がないような感じで返す。


「それはいいけどよ。“恥辱”障害物競争って一体なんなんだ?」


俺の疑問に二人は顔を見合わせた後、再びこちらを向き「さあ?」と二人同時に言った。


気になる。すごい気になる。“恥辱”という言葉がつく障害物競争ってどんなものなのか。

あまり・・・いや、全くいい予感はしないが。


「んー・・・」


俺が小さく唸っていると、


「私が教えてあげましょうか?」


「ぬわっ!?」「はひっ!?」「にゃにっ!?」


いきなり後ろから声がしたので俺達は同時に驚愕の声を出す。

その声が物凄く間抜けなものだったことは忘れたい。


この感じは前もあった。


多分あの人だろう。


そう思いつつ俺は後ろに目を向ける。


「どうも♪」


やっぱり。


俺達の座っている応援席の後ろに悪戯っぽい笑みを浮かべた沙良先輩が立っていた。


こちらは膝くらいまである漆黒の長髪をいつも通りストレートに降ろしている。


ちなみにハチマキはつけてない。


「時雨君今“やっぱり”って思いましたね?」


「サアナンノコトデスカ?」


俺が感情のこもっていない声で片言に答えると沙良先輩は一瞬訝しげな目で俺を見たがすぐにいつもの慎ましやかな表情に戻る。


「まあいいです」


それは良かった。


全く気配を感じさせないで人の後ろに立てる何やら危険な匂いを放っているこの人を敵に回したら俺の学園生活が色んな意味で“The end”になりそうだからな。


「それより、“恥辱”障害物競争について教えてくれるってのは本当ですか?」


「はい」


俺が訊くと沙良先輩は頷く。


出雲と杏奈も興味津々な表情で沙良先輩を見ている。


「では教えてあげます、と言ってもあまり詳しく話しすぎるとつまらないので簡単に説明しますね」


沙良先輩の言うことに俺達は三人同時に頷く。


「では・・・スタート地点の方をもう一度見てください」


『?』


疑問に思いながらも沙良先輩に言われるがままに“恥辱”障害物競争のスタート地点を見る。


生徒が十数人並んでいて、各自ストレッチなどをしている。もちろんその中に稲波瀬先輩もいる。

別に普通だと思うが・・・何か変わったところでもあんのか?


「・・・あっ」


杏奈が何かに気づいたような声を出す。


「どうした?」



「女子しかいない・・・」


「・・・あ」


杏奈の言う通り、生徒が十数人いる中、男子は一人もいなかった。


「それがヒントになります」


沙良先輩はにやりと口角をあげる。


「どういう―――」


《さあ!“恥辱”障害物競争、いってみましょう!》


俺の言葉を遮るようにカザミドリ先輩がマイクを通してで校庭中に響く大音量で言った。


《それではァ!コースオープン!》



カザミドリ先輩の合図と共にコースの周りに立てられていた壁が前に倒れ、隠されていたコースが姿を現した。


そこで俺達が見たのは網でもなく平均台でもなくひもでつるされたパンでもなく、




大量に積まれている何かの衣装らしきもの、水が入ったビニールプール・・・中には・・・うなぎ、何やらぬるぬるとしてそうな液体が撒かれている坂道、沢山の自動水鉄砲がセットされている道。


唯一まともそうなのは最後の方。何かが書いてありそうな折り畳まれた多数の紙が地面に置かれていた。



俺と出雲と杏奈は、沙良先輩がニヤニヤと笑っている中、目を真ん丸にして同時に呟いた。






『何・・・これ・・・』



時雨'sトークタイム!


やってきました!


〈時雨〉「前回・・・俺がいない時、何があった?」


思い出させないでください。


〈時雨〉「・・・悪かった」


いえ、いいんです。


では、今回のゲストを及びしましょう!



〈菜奈〉「いきなり呼ばれましたが・・・何の用ですか?返答しだいでは血祭りに・・・」


〈薊〉「久し振りなのじゃ!」


最近“本当に教師なのか?”と言われている、空巻菜奈先生と、出番が妙に少ない子ども理事長、湖倉薊理事長です!


〈時雨〉「この二人か・・・」


〈菜奈〉「何か文句でも?こちらは仕方なく来てあげたというのに?態度がよろしくありませんね。このコーナーにも赤い雨を降らしてあげましょうか?」


いややめてくださいよ!?


〈菜奈〉「・・・ちっ」


〈時雨〉「今絶対舌打ちしたろ!?」


あんた本当に教師か!?


〈菜奈〉「・・・何のことでしょう」


〈時雨〉「とぼけるなよ!」


〈菜奈〉「方城君、敬語はどうしましたか?」


〈時雨〉「・・・はいはい、分かりましたよ・・・」


初っぱなからペース乱されてる・・・。


〈薊〉「なあなあ、今回はウチ何をすればいいのじゃ?また何か話すのか?」


あ、はい。そうでした。危うく忘れるとこでしたよ。

ありがとうございます。


〈薊〉「えへん!なのじゃ!」



えー、では、今回のトークテーマは前回と同じくエドワード・ニューゲート様から、「教育に必要なもの」です!


〈時雨〉「成る程・・・だからこの二人なのか」


それでは早速いってみましょう!


〈時雨〉「教育に必要なものね・・・俺は分からねえ。不本意だがここは教師である空巻先生に答えてもらうしかないな」


〈菜奈〉「何故不本意なんです」


〈時雨〉「さあ」


〈薊〉「おい方城!先生はウチもなのじゃ!」


〈時雨〉「はいはい後で聞きますから」


〈薊〉「そんならいいのじゃ!」


んじゃ、空巻先生どうぞ。


〈菜奈〉「そうですね、やはり・・・教育には“体罰”が必要かと・・・」


〈時雨〉「はい来た!誰もが予想したとーりー!」


あまりにも予想通り過ぎますね。

まあ、それを分かってて呼んだ訳ですが。


〈菜奈〉「なんです。答えろ言ったのはあなたたちでしょう」


確かにそうなんですけどね・・・


〈菜奈〉「やっぱり・・・一度爪を剥ぐくらいした方が・・・」



やめてくださいね!?お願いだから!


〈菜奈〉「・・・はい」


〈時雨〉「メチャクチャ残念そうだな・・・」


・・・では、一応理由を聞いておきましょう。

空巻先生、何故体罰が必要だと?


〈菜奈〉「口で何度も言っているのに聞かないからその身を持って教えてあげるんです」


〈時雨〉「意外に正当な理由だ・・・」


私はただ単に生徒を酷い目に遭わせたいからだと思っていましたよ。


〈菜奈〉「失礼ですね。人を体罰狂みたいに言わないでください」


あ、いやこれは失礼。


〈菜奈〉「私だって体罰をしている時は心苦しいのですから」


〈薊〉「え?」


どうしましたか理事長?


〈薊〉「心苦しかった?ウチはただ生徒を己の欲望の赴くままにいたぶっていりように見えたのじゃ!」



・・・


〈時雨〉「・・・」


〈菜奈〉「理事長・・・後でちょっと“お話”がありますので・・・楽しみにしておいてください・・・?」


〈薊〉「え?え!?なんか怖いのじゃ!?どうしたのじゃ!?」


〈菜奈〉「いえ・・・なんでもありませんよ?」


〈薊〉「そ、そうなのか・・・?なら、いいのじゃ!」


〈時雨〉「後で何が起きるか・・・想像したくねえな・・・」


あははは・・・。

え~、では・・・次は湖倉理事長、あなたにとっての「教育に必要なもの」はなんですか?


〈薊〉「きょーいくにひつよーなもの?そんなの決まってるのじゃー!」


なんですか?


〈薊〉「テレビとお菓子!」


〈時雨〉「帰れ」


〈薊〉「ふえっ!?違うのか!?」


いやあんた違うもなにも・・・それはあんたにとって必要なものでしょう・・・。


〈薊〉「ええ!?でも会議の時とかはウチはお菓子食べたりテレビ見てたりしてれば良いって菜奈が言ってたのじゃ!」


〈時雨〉「・・・」


・・・


〈薊〉「しんろそうだんやしけんをつくる時もそうしてれば良いって言ってたから・・・きょーいくにひつよーなものはテレビを見たりとお菓子を食べたりすることじゃないのか!?」


・・・


〈薊〉「あ!もしかしたら菜奈のパンやジュースを買ってきたり菜奈の肩を揉んだり菜奈の靴を磨いたりすることがそうか!?いつも「これが教育に必要なものです」ってゆってたし!」


〈時雨〉「・・・空巻先生・・」


〈菜奈〉「・・・はい、なんでしょう・・・?」


〈時雨〉「あんたは理事長のことを何だと思っているんだ?」


〈菜奈〉「・・・玩具、ですかね?」


某死ぬ気復活漫画の六道を操る男かあんたは!!


〈薊〉「おもちゃ!?ウチおもちゃ!?それはいやなのじゃ!」


〈菜奈〉「大丈夫ですよ理事長。私は途中で捨たりはしません。ちゃんと最後まで遊んであげますから安心してください」


あんたはまた何を言ってるんだ!?


〈薊〉「そうか・・・?それなら安心じゃ!」


お前も納得してんじゃねえよ!!


〈菜奈〉「うるさいです作者さん。非常識ですよ」


あんたに言われたくねえよ!!!


〈薊〉「作者はひじょーしきなのじゃ!まだまだ子どもなのじゃー!」


お前の方が子どもだろおおお!!!!


〈時雨〉「作者、落ち着け」


ふう・・・ふう・・・そうですね。ここは落ち着いていきましょう・・・。


〈時雨〉「まあ、今さら落ち着いてももうトークタイムも終わりだけどな」


No――――――――――!!


〈菜奈〉「うるさいと言ってるでしょう。声が出せないように声帯をカッターでズタズタに切り裂いてあげましょうか」


〈時雨〉「あんたはあんたで怖いこと言ってんじゃねえよ!!」


〈薊〉「なあなあ、もうすぐ見たいアニメが始まるから帰っていいか?」


〈時雨〉「勝手に帰れ!!」


〈薊〉「んじゃ、残念バイバイなのじゃー!」


あ・・・本当に帰ってしまいましたよ・・・。


〈菜奈〉「それでは私もこの辺で・・・。まあまあ楽しかったからまた来てあげてもいいですよ」


〈時雨〉「そりゃ良かったなァ!!!二度と来んなこのヤロー!!」



今回は前回以上に疲れた気がします・・・。


〈時雨〉「こんなのが毎回続いたら体持たねえよ俺・・・」


まあそんなこと言ってたらなにも始まりませんよ。

頑張っていきましょう。


〈時雨〉「・・・そうだな・・・」


はい、ではトークタイムはここまで。

トークテーマを応募してくれたエドワード・ニューゲート様、ありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。


読者の皆様方も、トークテーマ、いつでも募集していますのでよろしくお願いします。



では、次回予告です。





〈次回予告〉

表れた“恥辱”障害物競争のコース・・・。

果てしなく嫌な予感しかしないぜ・・・


次回 ゴールとこれくらい





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