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方城時雨の奇妙でイカれた学園生活  作者: 水面出
序章 -始まるは、日常-
10/46

ep7 宝と捜索

どうも!第7話です!

「さて・・・これで俺がお前を助ける理由はできたな!」

「え・・・?」


おいおい・・・まだわかんねえのか・・・?



「友達が困ってたら助けるのが普通だろ?」

「そうそう!」

出雲、俺の話に乗っかるな・・・



「そういうもんなの?」

「そういうもんだ!」

「・・・」



「話してくれるよな」



「・・・仕方ないわね・・・あたしはいつも髪飾りを肌身はなさず持ってるんだけど・・・昨日の昼休み、昼食をとりに食堂に行って、注文をとりにいったとき、汚したくないからテーブルに置いていったの・・・」



なるほど・・・



「それで、注文をとって戻ったら、髪飾りがなくなってた・・・って訳か・・・」

「そう・・・」


「でも、汚したくないんだったら、普通にポケットに入れとけばよかったんじゃないの?」


・・・やっぱりアホだな・・・



「壊れやすいものだったんじゃねえか?」


「ええ・・・ガラスでできてるから・・・ちょっとしたはずみで割れる可能性があって・・・」


「ああ~・・・」



「一応聞くけど、その髪飾りはお前にとって大切なものなんだよな?」


「ええ・・・私の宝よ・・・」


宝・・・




「色々ありそうだな・・・」

「勘がいいわね・・・」

「え?え?」



出雲・・・お前ちょっと黙ってろよ・・・




「あたしのママはね、3年前に亡くなったの。病気でね・・・」


・・・



「パパと同じように、ママも仕事ばっかやってて・・・体の抵抗力が弱ってたんだって・・・」




(杏奈は悲しげな表情で話し続ける)



「・・・亡くなる1ヶ月前に、一緒にショッピングにいったの。普段そういうことは全然しないから、あたしすっごく嬉しかった・・・」



・・・



「その時、ママがあたしに買ってくれたのが・・・綺麗なガラスの髪飾り・・・特別値段が高い訳でもないけど・・・ママが初めてあたしにくれたものだから・・・とても大事にしたわ・・・」




・・・




「その後、ママが死んじゃって・・・あたし・・・すっごい泣いたわ・・・。悲しくて・・・悲しくて・・・何もやる気力が湧かなかった・・・。だけど・・・そんなときに・・・髪飾りを見て・・・

元気出そうって・・・。

ママが最後に残してくれた思い出・・・それを忘れさせないでくれた・・・。

だからあの髪飾りは・・・あたしの宝物なのよ・・・」




「お前にも・・・色々あったんだな・・・」

「あうあうう・・・」



出雲が泣いてるよ・・・



「親を失う悲しみはよくわかる・・・」

「・・・まさか、あんたも・・・」

「ああ・・・二人とも、事故でな・・・」



あんまし思い出したくねえけどな・・・



「だからといって、同情なんかしなくていいぞ。今俺は、幸せだからな・・・!」

「幸せ・・・?」


「おう!俺は一人じゃねえからな!姉さんもいるし、出雲もいる。それにお前だっているからな!」


「っ・・・!・・・なによ・・・調子いいこと言っちゃって・・・」



ん?


気のせいか・・・?

顔が赤くなってるような・・・


何でだ?



「あ・・・話がずれてきたな。本題に戻そう。その髪飾りがお前にとって大切なものなのは分かった。問題はそれがどこにいったかだ」



それが分かんなきゃな。



「昼食をとりに行ってた数分の間になくなった・・・食堂はもう探したのか?」

「そんなのとっくにやったわよ・・・!」


う~ん・・・ってことは・・・




「誰かに盗まれた可能性が高いな・・・」

「え・・・!?」

「実際その髪飾りは高価じゃなくても、標部財閥の令嬢の所持品だ。ブランドものだとか思ったんだろ」


「じゃあ、誰が盗んだって言うのよ・・・」


「そこまでは分からん」

「なによ!役立たず!」


ひでえな・・・


「仕方ねえだろ・・・食堂は全校生徒が使うんだ・・・そんな中、犯人だけを特定するのは難し過ぎる」

「う~・・・」


「とりあえずもう一回食堂に行ってみようよ!何か手がかりが見つかるかもしれないよ!」


それが今できる事だな・・・



「よし、現場検証といくか!」







食堂


「このテーブルなんだな?」

「ええ、間違いないわ」


なるほど・・・特に怪しいものが落ちてる訳でもなく・・・



足跡がある訳でもない・・・か・・・



「ねえ時雨、この傷なんだろ?」


あ?



俺は出雲が差すところを見ると、テーブルの脚に3センチくらいの傷がついていた。



「なんだ・・・?」



何でこんなところに傷が・・・






「相島さん!その指輪かっこいいっすねえ!」


なにやら話声が・・・


あいつら確か2組の・・・


「そうだろう・・・!これは俺のお気に入りだからな」




「相島 宏太・・・相島グループの御曹司よ・・・」

「知ってるのか?」

「パーティーで何回か会ったことがあるわ・・・」


金持ちはすげえな・・・




「この薔薇のフォルムがいかしてるだろ?」

「はい!マジいいっす!」




「男なのに薔薇って・・・」

「ただの自慢ね・・・」



・・・



「標部・・・あいつに何か恨まれたりしてねえか・・・?」

「え・・・?・・・前にさんざん罵った時はすごく怒ってたけど・・・。なに・・・?あいつが犯人なの・・・?」



「確証はねえが・・・多分な・・・」



「何でそう思うの?」


「そりゃあ、捕まえる時のお楽しみだ・・・!」



どういぶりだすか・・・



「お前らにも手伝ってもらうからな」

「いいよ!」

「当たり前じゃない!あたしの髪飾りなんだから!」




さて・・・やってやるか・・・!





以前ここに掲載していた湖倉薊の人物紹介はキャラ図鑑の方へ移動させていただきました。


それでは次回予告です。


〈次回予告〉


犯人の目星はついた。


さあ、推理ショーと行こうじゃねえか!




次回 犯人と拳




クズ野郎は・・・俺がぶん殴る・・・!




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