野球部戦に向けて
「野球部の武器はバットと硬式ボールだろ?」
俺がなすのに確認する。
「そうだよ」
「なら逆に言えばそいつを封じればかなり有利になるんじゃないかな…?」
「そうだね」
「どう封じるかだなぁ」
ん~…。
「攻撃は最大の防御!だったら攻撃しまくればいいんだ!石とか投げまくればいいんだ!」
そんなことを言っているのは横溝。
「却下。相手に打ち返されて終わりだな」
「そっか~…」
横溝ガッカリ。
「あ、そうだ!鶴橋!竹刀貸してよ!」
「へ?まさか…」
俺の発言に驚く弥生。たまには名前で呼んであげましょう。
「そのまさかだぜ!」
「絶対嫌!」
「何で?」
「金属バットにはかなわないもん!折れたら嫌だし…」
「折らないから!ね!お願い!」
「嫌!」
「頼むから!」
「祐輔!止めなって!」
なすのが口を挟んできた。
「そうだぞ祐輔!幼女からものを取っちゃいかんって!」
横溝まで口を挟んできた。
「はい…」
「幼女じゃない!高校生!」
鶴橋必死です。
「あ!思いついた!」
俺が叫んだ。
「え?何で?幼女で?ロリコンめ!」
横溝うるさい。
「違う。そこ見てみな!」
俺が指差した先にあるもの…それは!ゴキブリホイホイ。
「嫌!見たくない!」
鶴橋が言った。
「これを応用するぜ!」
「これをって…?ええ~?」
半分涙声の鶴橋。
「いや、この原理だけ。こいつ自体は使わない」
「あ~…良かった」
「これでバットとボールは防げる!」
おれは確信した。
「アクリル板を大量に用意してくれ」
俺が指示を出す。
大量のアクリル板が用意され、それに液体を塗っていく。
「そいつは何?」
横溝が聞いてきた。
「秘密だ。試合見てれば分かるぜ!」
「教えてくれないのかよ…」
残念そうな横溝。
あとは…。
「メンバーは俺となすのだけでいい!」
「え!?」
なすのビックリ。
「大丈夫だ!心配すんな!」
こうして会場に向かった。