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護衛の仕事で成り上がれ  作者: 肩ぐるま


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第6話 ご予算はと聞かれたので

俺たちが馬車に戻ったときには、盗賊たちの首は幾つかの袋に入れられて馬車の後ろに引き出した簡易な荷台に積まれてロープを掛けられていた。

そして、3人の盗賊が手を後ろに縛られて地べたに座らされていた。

「ライド、何か分かったか」

「大したことは分かりませんが、他に少数の仲間がいて、アジトで待機しているようです」

「アレク、ヨルン、怪我は大丈夫か」

ルートヒルトに声を掛けられたのは若い男2人で、1人は頭を包帯で巻いており、1人は腕を肩から布で吊り下げていた。

「怪我人が2人だけで良かった。捕虜を馬車に縛ったら、すぐに出発だ。ライド、引き続き護衛を頼むぞ」

俺はルートヒルトに促されて、彼に続いて馬車に乗り込んだ。

馬車は、長方形の箱型の荷馬車で、前向きの座席の後ろに荷物がぎっしり積まれている。前部の両横に扉があり、小窓から外が見える。馬車の周囲を、怪我をした2人を含めて4人の保衛が囲んで徒歩でついて来る。


「最初は賞金稼ぎのお方と思いましたが、そうでもなさそうですね」

ルートヒルトと少し会話をしているうちに、俺への認識を少し改めたようだ。

「ああ、普段は森で獣を狩っている」

「獣?」

「狼とか熊とか色々だ」

「リュートさん、それは魔物と違いますか?」

「魔物?」

「えっ?魔物をご存知ないと。リュートさんは何者です?」

「何者と言われてもな。気がついたらあの森の中に居たんだ」

「ずっと森の中に、ですか?」

「う〜ん、だいぶ居たな」

「あの森は魔物だらけですよ。よく生きて出られましたね。いや、それだけ腕がたつということですか」

そんな話をしながら、何事もなく3日後には、クライムの街に着いた。

俺はルートヒルトから護衛料として銀貨30枚をもらい、街の衛兵詰め所に賞金首を差し出した。

賞金は、金貨3枚と銀貨80枚になるそうだが、もらえるのは明日になるということだった。

ルートヒルトと別れ、彼に教えてもらった宿屋街へ行き、高くも安くもない宿屋を選んで泊まった。

翌朝、衛兵詰め所に出向き、盗賊の懸賞金を貰った。

思わず大金が手に入ったので、現状に必要なものを買いたい。武器か道具かと迷って街を歩いていると、奴隷商の看板が目に止まった。

思わずふらふらと中に入ってしまい、気付いた時には店主に

「奴隷はどれくらいで買える?」と聞いていた。

店主は奴隷商人には見えない上品な初老の男で

「どのような奴隷かにもよります」と答えた。

「若い女で、戦闘にも連れて行けるといい」

「若くて美人、しかも戦闘もできるとなるとかなり高くなりますが、ご予算はいかほどで」

「いや美人とまでいかなくてもいいし、それほど強くなくてもいい。予算は金貨3枚位で」

「かなり厳しいですが、いなくもないですな。何人かお連れしますので、暫くお待ち下さい」

店主はそう言い残して部屋を出ていった。

10分ほど待つと、店主は3人の少女を連れて戻ってきた。

「子供では具合が悪いんだが」と言うと、

「こう見えても、いずれも大人です」と奴隷商。

「どう見ても子供なんだけど」と聞き返した。

一番背の高い少女でも背丈が俺の胸あたりまでしかなく、他の2人は、俺の腰までしかない。顔も子供にしか見えない。

「まず、こちらがハーフドワーフのルージーで25歳、次がハーフリングのアンヌで21歳、3人目がハーフノームのリリカで23歳。どうです、立派な大人でしょう」と説明された。

「そ、そうなのか。大人なのか?普通の人間はいないのか?」と聞くと、奴隷商は、「ご予算では、これで目一杯です」顔を顰めて首を横に振った。

この3人は、異種族への差別意識が強いことに加え、大人の女の魅力がある身体をしていなかったことから、買い手がつかなかったということだ。

奴隷商は、最初に紹介したハーフドワーフの背中に手を当てて俺の方に押しやり、

「お客様のご予算では、この奴隷は掘り出し物ですぞ。買わない手はありませんぞ」と勧めてくる。

そう言われてその女をよく見ると、体型はずんぐりしており胸部装甲は貧しいが、童顔の中にも少し大人の雰囲気がある整った顔立ちをしている。

「この女で幾らだ?」と聞くと、金貨3枚と銀貨50枚で一番高かった。

ちなみに他の2人は、それぞれ金貨3枚と銀貨20枚、金貨3枚と銀貨15枚だった。

そのお勧めの女と話をしてみると、ドワーフの村で暮らしいて夫と子供が2人いたが、住んでいた村が盗賊に襲われて、家族は殺されて自分は捕まって奴隷商に売られたという。人間ならこういう違法奴隷は認められていないが、異種族の場合は認められるらしい。

「ここでお前を買うと、俺の持ち金のほとんどを使うことになるので、暫く貧しい生活を送ることになるが大丈夫か?」

と聞くと、

「力仕事は得意ですし、貧しい生活にも慣れています」と、袖を捲り上げて、重量挙げの選手のような太い腕を見せた。

背は低くても、狩りのパートナー役が務まりそうなことと、慣れないこの異世界でのサポート役も求めていたので、人生経験が豊富そうなことも含めてルージーを買うことに決めた。


金貨3枚と銀貨50枚を払い、俺と奴隷契約を交わしたルージーを連れて店を出た。

懐には、報酬の残りの銀貨が30枚。その他に護衛代としてルートヒルトから貰った銀貨が30枚あったが、昨日の宿代で2枚減って58枚。盗賊の懐にあった銀貨22枚と併せて銀貨80枚が、今の俺の全財産だ。

この中からルージーの服、俺が着ていた服もボロボロになってきたので俺の服を買い、少し安めの宿屋を探して部屋を取った。

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