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護衛の仕事で成り上がれ  作者: 肩ぐるま


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第1話 異世界なのか?そうなのか!

ジョブ 手使

スキル 奥の手(短剣)、短剣術1


ジョブが手使で、スキルが奥の手(短剣)だって?

『奥の手というのは、切迫詰まったときの切り札的な奴か?』

意味が分からないので奥の手と念じてみる。すると俺の前に1本の透明な腕が現れた。

腕と言っても、肘から先だけだが。そして、腕の先には、ちゃんと手が付いていて、透明な短剣を握っている。

『動かせるのかな?どうやって動かすんだ?念じるのか?』

やっぱり、念じるのが正解だった。

試しに、透明な腕が持つ短剣で、目の前の樹に切り付けてみる。

樹の皮が若干削れただけで、短剣は幹に食い込みもしなかった。

『非力だな。だが、俺が本物の短剣を持って樹に切りつけても同じようなものだろう。ということは、俺の腕力並みの力はあるということになるのか。短剣術1のスキルが、最初から付いているのは有難い。地球では、剣なんか、持ったこともないからな』


短剣術1なら、基本中の基本位は、あらかじめ身に付いているのだろう。

後は、俺以外の者にも見えるのかが気になる。

森の中をウロウロしていると前方の茂みがガサッという音とともに揺れて、何かが飛び出してきた。

その何かは、俺に気がつくと暫く固まっていたが、すぐにグギャと一声鳴いて、こちらに飛びかかってきた。

俺は思わず透明な腕を出して、透明な短剣を突き出した。

嫌な手応えとともに、透明な短剣はそいつの胸に突き刺さった。

俺は尻もちを着いていたが、透明な短剣は、そいつの胸を串刺しにしたまま、空中に留まっていた。

俺は尻もちをついたまま、透明な腕を動かしてそいつの胸から透明な短剣を引き抜いた。すると、そいつは地面に崩れ落ち、痙攣して直ぐに動かなくなった。

俺は透明な短剣でそいつの体をつつきながら死んでいるのを確かめた。

相手が避けなかったところをみると、この透明な腕と短剣は俺にしか見えていない可能性がある。だとしたら、これは戦いで大きなアドバンテージになる。不意打ちし放題だからだ。おまけに、自分の身体から少し離れた所でも使えるので、遠い間合いから攻撃出来る。その上、返り血も浴びないで済む。少しは血がかかるけど、無視できる程度だ。

俺は立ち上がると透明な腕の短剣を構えながら森の探索を続けることにした。途中で、手頃な長さの木の枝を拾い、その先を削って木槍を作って持つこともした。

暫く歩くと今度は3匹の同じ奴等に出くわした。

名前がわからないと面倒くさいので、俺は心の中で勝手にゴブリンモドキと呼ぶことにした。

俺が木槍を構えると、ゴブリンモドキは俺を取り囲むように横に広がって近付いてくる。俺は右側から来る奴にダッシュすると、木槍を横殴りに振るう。

そいつは上手く屈んで避けたが、そこに透明な短剣で下から突き上げる。下げた顔の真正面から短剣が突き刺さった奴は、悲鳴を上げて転げ回る。

そいつは放っておいて、木槍を翻して真ん中の奴の胴体目掛けてバットのようにフルスイングする。木槍に体の左側面を叩かれたそいつは、グギャと鳴き声を上げて吹っ飛び、もう1匹を巻き込んで被さるように転げた。

そいつ等を追いかけて、無防備にこちらに向けている背中に木槍を突き立て、さらに巻き込まれて下敷きになってもがいている奴の首に見えない短剣を突き立てた。

最後に、最初に顔に短剣を突き立てた後、転げ回って悲鳴を上げている奴の首にも短剣を突き立てて止めを刺しておいた。

これでゴブリンモドキを合計4匹殺した。知性のある亜人だったりしないよな?そんな恐れも抱きながら、ステータスに変化がないか確認してみる。よくあるラノベだと、レベルアップしてもおかしくない戦闘体験をしたのだが。


名前 リュート

種族 人族

ジョブ 手使

スキル 奥の手(短剣)、短剣術1、気配察知1


スキルが増えている。気配察知1が現れていた。

行動した、あるいは実践した分だけスキルが増えるのか?

スキルの横に付いている1は、スキルのレベルのことだろう。スキルには、レベルがあるようだが、俺自身のレベルがない。

う~ん、レベルアップしようにも、レベルそのものがいのか。その上、HPとかMPとかの数値化されたステータスもない。

レベルもステータスもないと自分がどれ位強いのか弱いのか分からない。

ここは、ゲームのようでゲームとは異なる世界のようだ。とはいえ、魔物のような奴がいたし、ジョブやスキルなんていうのもあるから、異世界であることは間違いないのだろう。そもそも俺はどうやってここに来た?

う〜ん、何も思い出せない。記憶はあるにはあるのだが、自分のことがさっぱり分からない。服は、黒のスーツに、黒の革靴。これはサラリーマンの定番という記憶がある。

自分の名前はリュートというのか?心当たりがない。何もかもが妙だ。だが、こんな森の中で考え込んでいても仕方がない。何より危険だ。俺は気持ちを切り替えて、また歩き始めた。

だんだん喉の渇きがひどくなってきた。すると、運のいいことに小さな川を見つけた。手で水を掬う深さもないほどの、せせらぎ程度の水の流れだ。それでも水があるというのは有難かったので、近くの木から大きめの葉をむしり取り、それをコップ代わりにして水を掬って何杯も飲んだ。

このまま森の探索を続けるにしても水なしでは辛い。俺は水の流れに沿って下流へと歩くことにした。

だんだん暗くなり夜が近づいてきた。このままでは森の中で寝ることになる。地面で寝るのは危険なので大きな樹を選んで登ってみた。地上から20メートルほど登ったところで、蔓や細い木の枝を集めて、チンパンジーのような寝床を作って寝ることにした。

それにしても、この奥の手というスキルがなかったら、とっくに詰んでたよな。しかし、いったいここは何処なんだ?そんなことを思い巡らしながら、いつの間にか眠ってしまった。

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