【小話】「ラブコメ」というジャンルの終わり
こんにちは。
皆さん、ラブコメって読んでますか?
クリスマスの翌日にこんな話をするのもどうかと思いますが、まあ聞いてください。
私は、このジャンルは並程度には読みます。
下手な純愛モノよりは、知ってる作品数も多いはずです。
やっぱり数多くのキャラクターが出てきたり、それぞれにドラマがあったり、定型化するほど分かりやすい造りなので、今日まで私は時たま読んできたわけです。
でも、もうそろそろ「終わり」が見えてきたんじゃないでしょうか。
ここでは、そんな話をしようと思います。
私がこう思うようになったきっかけは、「次に来る漫画大賞2025」での事です。
読んで字の如くのこの大会に、今年は『描くなるうえは』という漫画がノミネートされていました。
私はそれまでこの作品を見たことがなく、漫画家モノかな?と思いながら読んでみたのですが……中身は純度100パーセントの現代ラブコメディーでした。
簡単に話すと、クラスの隅で細々と漫画を描いていた主人公の少年が、ギャルに才能を買われて共に漫画家を目指す、という話です。
けれども、どう考えても漫画家を目指す夢物語的要素が、ラブコメに押しつぶされてしまっています。
物語のテンポは悪くないのに、合間に恋愛描写をスパスパ挟むせいで、説得力が損なわれて、転んでいるように感じます。
漫画家漫画を期待していた者としては、少し落胆してしまったのが本音です。
では、肝心のラブコメパートはどうでしょう。
はっきり言ってしまうと、ここも「ジャンルの限界」を感じる仕上がりでした。
まずビジュアルをだいぶ盛り込みすぎてますね。
例えば、一巻の表紙絵の肌が露出している部分を、私は鎖骨だと思って見ていたわけですが、よくよく見たら胸の輪郭がありえんはみ出ていただけ、みたいなね。
まあ「男子キラーなボディ」は今に始まった事じゃないし、こちらに本編の絵が主張強めで伝わるのも絵が上手いことの裏返しでもあります。
こんなの別ジャンルでもある普通にあります。
それにしてもビジュアル方面で尖ってしまうのは、何か理由があるのかい?
キャラクター性も、ラブコメ専用の仕上がりで参ってしまいました。
もう初めっからギャルは主人公のことを好いていますし、その癖恋愛下手だからいつまでもナヨナヨテレテレしててウザったいんですよね。
キャラクターに恋愛経験がないならまだしも、もっと関係性の振れ幅や道筋を描いて欲しいものです。
しかもこの作品青年誌でやってるんですよ。
流石に雑誌間違えてますって。
とまあこの漫画の愚痴を喋りましたが、こんなふうに関係性とかをすっ飛ばして自分のヒロインばっかスポットライトを当てる作品が多すぎるんですよね。
結局それで本編がお粗末になって、説得力が死んだら意味ないじゃないですか。
なんだろう、プロの漫画家なら流石にストーリーに重きおけよ、無理なら他の長所行かせる分野描けよ、って思いますね正直。
それに加えて、このジャンルはもう出尽くした感があるんですよね。
手を変え品を変えやってますけど、今更どうアレンジ加えても真新しさないでしょ。
とりあえず男性読者のために「女」を前面に出しておけばいい、という安易な姿勢が見えるのは、もうウンザリです。
ということで、私の自論は以上になります。
『描くなるうえは』をノミネートさせた読者にも責任はあると思いますが、とにかく起伏のない漫画をこのペースでバコバコ生産していたら、確実にこのジャンルは絶命します。
もしラブコメを創作したい人がいるなら、まずは二人の地味な部分をちゃんと描いてあげてください。
そこに共感させられたら、ようやく没入感のある恋愛ドラマが生まれるのだと、僕は信じています。




