二度目の昔話
美咲は会社で昼食後に夢の話をした。
ちょうど、その時に目の前を男性社員が数名通った。
植松がその数人に向けて「ちょっと。」と手招きした。
手招きされたのは川崎だった。
「えっ? 俺?」
「そう……ちょっと、川崎君。」
「おっ、川崎ぃ~御指名だぞ。」
「モテるな。」
「いやぁ~~それほどでも~。」
「ちょっと、川崎君。」
「はい、はい。」
「いってら。」
「何? 俺に何か用?」
「うん、座ってくれる?」
「おう、でっ何? デートのお誘いなら大歓迎。
今日空いてるよ。」
「あらっ、いつデートのお誘いしましたっけ?」
「へっ? お前呼び止めたよな。」
「確かに呼び止めました。け・れ・ど・も……デートしたいとか言ってないし。」
「そんな寂しいこと言うなよ……彩世。」
「あの……植松先輩、川崎先輩とお付き合いしてるんですか?」
「あ……言ってなかったっけ?」
「はい。」
「そうなのよ。コレとね……もう2年なの。
じゃない! あの川崎君。」
「なんか他人行儀だな。もう教えたんだから、いいだろ?
名前呼びで……。」
「ここ、会社よ。
じゃない! 川崎君。」
「なんですか。」
「美咲ちゃんに怖いお話したでしょう。」
「怖いお話? 何だっけ?」
「シンデレラ!」
「あ……したな。」
「美咲ちゃん、怖い夢を見たんだって。
川崎君のせいだからね。」
「夢まで俺が責任持たないといけないのかよ。」
「可愛い後輩なのよ。」
「まぁ……デッカイけどな。」
「可愛い!でしょう。」
「あの……もういいです。」
「じゃあ、さ。もう一つのシンデレラの話するよ。」
「ええ―――っ! また、怖い話じゃないでしょうね。」
「怖くないから、美咲ちゃん。」
「はい。」
「それは………。」
また昼休みに川崎の話を聞いた。




