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名残りの雪  作者: yukko
3/5

光源氏

美咲は帰宅時にもポケモンGOをしている。

帰ってから母親が作ってくれた夕食を家族で食べる。

高校の時と変わらない毎日である。

パソコンでネットサーフィンするのも美咲の日常である。

入浴して眠たくなると寝ている。



春……桜が見事に咲き誇っている清涼殿の春の宴である。

舞っている美しい男性が二人。

二人の男性は、今を時めく光源氏の君と頭中将。

煌びやかな宮中の宴――朧月夜の君の姿も……。


⦅あれっ? 光源氏の君……あれっ?

 あれは……先輩?⦆


煌びやかな春の宴を見ている美咲は、光源氏が片思いの先輩に見えた。

宮中の桜花の宴の夜に思いがけなくも光源氏と出会い、後に関係が発覚して入内は取り止めになった。

葵の上の死後、右大臣は源氏と結婚させることも考えたが、弘徽殿女御が猛反対し、源氏自身も既に紫の上を妻にしていたため実現しなかった。


⦅あんな……じゃない!

 先輩はあんな女たらしじゃない!⦆


朧月夜の君は、始め御匣殿別当として登華殿にあり、後に尚侍ないしのかみとなって弘徽殿に移った。

その美貌と当世風で華やかな人柄から朱雀帝の寵愛を一身に受ける一方、源氏との逢瀬も密かに続けていた。

朱雀帝は自身が源氏の魅力に及ばぬことを認め、朧月夜を責めなかったが、彼女との関係が発覚したことが右大臣と弘徽殿大后の怒りを買った。


⦅ほ~ら! 女たらしだからじゃないの!

 見た目が先輩なのが嫌だなぁ……。⦆


朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は後見する東宮に累が及ばないよう、自ら須磨への退去を決意する。

左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、東宮や女君たちには別れの文を送り、一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。


⦅あっ! あれは……香川先輩!

 香川先輩が紫の上なのね。

 やっぱり……お似合い……とっても、お似合い……。

 ……胸が痛い……痛い……チクって……痛い……。⦆


須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、源氏は悲しみを新たにする。


⦅先輩! 泣かないで!⦆


そこで、美咲は夢から覚めた。

目覚めた朝、胸の痛みだけがはっきり残っていた。

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