憧れの君と片思いの……
美咲の会社の受付で働いている美しい先輩。
その受付の美しい女性社員は優しくて気さくで…美咲は憧れている。
たまに社員食堂で姿を見掛けただけで美咲は嬉しくて堪らないのだ。
「あぁ……今日も麗しい……。」
「ほんと、香川さんのこと好きなのね。」
「はい、植松さん。」
「私より?」
「えっ……それは……その……植松さんは……お仕事を教えて……
優しく教えて頂いてて……大好きな先輩です!」
「そう? ありがとう。
でっ……香川さんは?」
「香川さんは、もう憧れですね。」
「ふぅ~~ん。憧れてるのか……まぁ、気持ちは分からないでもない。」
「ですよね。美人でぇ……。」
「うん。」
「美人なのに気さくでぇ……。」
「うんうん。」
「めっちゃ優しいですぅ!」
「そうよね。だから、男女問わず誰からも大人気よ。」
「やっぱり!」
食べ終わって同じ係の先輩・植松と席を立った時だった。
目の前を憧れの香川と仲良く話している男性社員が歩いて行った。
⦅あっ……先輩だ……。
なんか似合うなぁ……。
お二人は……大人の雰囲気で……お似合い……。
お付き合いされてるのかなぁ……?
本当にお似合いだなぁ……。⦆
片思いの先輩が、憧れの女性香川と仲良く話しているのを見て、美咲は⦅あんな大人の女性が先輩にはお似合いなんだ……。⦆と思いつつ、同時に胸の痛みも感じていた。
ガチャッ!
「済みません。」
「大丈夫?」
「はい。」
「直ぐに着替えてきて!」
「はい。 あの……済みませんでした。」
「私は被害なしよ。お残ししてないから……。」」
「良かったです。」
「早く着替えておいで。見惚れてないでね。」
「あ……はい。」
「それから! お残しは許しません!よ。」
「はぁ~~い。」
「ごめんねぇ。あの子、香川さんに見惚れてて、ちゃんと前を見てなかったの
よ。」
「いいわよ……でも、そんなに憧れてるのね。」
「そうなのよ。」
「可愛いわね。」
「まだ18ですもんね。」
「背は高いけど、なんか可愛いのよ。やることが……。」
「ふふっ、それが18なのよね。」
美咲は残したうどんが零れて、自分の服を汚してしまった。
急いで更衣室へ行き、制服を着替えた。
⦅あぁ……替えの制服がクリーニングから帰って来てて良かったぁ~。
けどぉ……恥ずかしいな。
見られちゃったよね。⦆
憧れの香川先輩。
密かに心惹かれている先輩と二人がお似合い過ぎて……それが悲しくもあり、当然のようでもあった。




