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レベッカと温泉とドラゴン

お久しぶりです。ヨシタカナギです(*'ω'*)

今回もレベッカを主人公とした物語を書かせて頂きました。


 森に(かこ)まれた小さな町にレベッカという女の子がいます。レベッカには大好きなパパとママ、それから森の友達や町の子供たちがいて、毎日楽しく元気いっぱいに暮らしていました。


 楽しく過ごしていたレベッカですが、お日様(ひさま)が元気いっぱいの季節(きせつ)になった時のことです。


 レベッカとパパとママの三人で町から(とお)(はな)れた町に遊びに行くことになりました。


  その町は海が一面に広がっていてレベッカが暮らしている町とは正反対の場所です。


 (とお)(はな)れているので普段は行くことはないのですが、なんでもその町はパパとママの思い出の場所というではありませんか。


 馬車に()られながら、どんなところかパパとママにお話を聞いてみます。楽しそうに話す二人の話を聞いているとうちに気づけば町に着いていたました。


 町にはくたくさんの人がいて、(さわ)がしくも(あた)かい雰囲気(ふんいき)に包まれていました。レベッカは楽しそうきょろきょろと周りを見ています。


「わぁ~すごいすごい!」

「もうレベッカったら、そんなにはしゃいで。転ばないように気をつけなさいね」

「はーい! 」


 ママに気をつける様に言われて元気に返事を返します。

 けれども、普段町では見慣れないものばかりでレベッカは変わらず大はしゃぎ。


 目に入った屋台でこの町でしかないものだったりを見て回ります。いいなと思ったモノがあれば友達へのプレゼントだったり、一緒に遊べるモノを買います。


 お買い物をしている間に空がすっかり夕焼け色に染まっていまた。

 一日中楽しみはしゃいでいたレベッカはすっかり疲れてしまい、スヤスヤとうとうとしています。


「たくさん遊んで疲れちゃったみたいだね。よ~し! パパが抱っこしてあげよう」

「うん、おねが~い」

「ほら、おいでレベッカ」


 パパにぎゅっと抱き抱えてもらい、ママはレベッカの買ったモノを手に抱えて宿に向かいます。

 ゆっくりと心地の良く揺られてレベッカはいつの間にか深い眠りについていきました。


 レベッカが目を覚ますと畳の上でごてん眠っていました。見知らぬ場所だからか、きょろきょろとパパとママを探していると、レベッカが起きたことに気づいたママが声をかけてくれます。


「あら、起きたのね。大丈夫?疲れてない?」

「ううん、大丈夫!レベッカは元気いっぱいだよぉ~!」


 元気にそうい言いましたが、すぐ後にぐぐぅ~っと大きくお腹のほうも大きく鳴りました。

 二人はレベッカがはらぺこさんなのを見て、顔を見合わせて微笑んでいます。


 パパとママにつれられて、ご飯を食べにごはん処に向かいます。中は広々としていて、床に座って食べるようでした。

 運ばれてくる料理は、どれも見たことのない大きなお魚さんやカニさん。海の生き物がいっぱいです。


「えへへ、みんなおいしそう! この赤いのな~に?」

「それはカニっていうのよ。とっても美味しいから、一緒に食べましょ」

「かたい中に美味しいのば詰まってからね。パパが見本を見せるから、レベッカもやってみよう」

「うん!パパと見せて見せて~!」


 レベッカはパパのマネっこをしてみます。そうして、初めて見るものばかりに囲まれながら、レベッカは嬉しそうにモリモリパクパク食べていくのでした。


 たくさん食べてお腹はぽっこりまんまるです。その様子を見てパパとママはにこにこと見ていした。


「うぷ~おいしかったぁ! もうお腹ぽっこりして食べられないよぉ~」

「あらあら。すぐ横になると牛さんになっちゃうわよ」

「まぁいいじゃないか。レベッカも育ち盛りでいつも走り回っているし、大丈夫だよ」

「うふふ、それもそうね」


 お腹がまんまるで動けなくなってしまったレベッカはママの膝の上で丸くなります。



 しばらく経ち、ようやく動けるようになったレベッカは今度はお風呂かなとパパとママに聞いてみることにしました。


「もう夜だからお風呂入るの~?」

「そうだよ。でも、ただのお風呂じゃなくってね、温泉っていう大きな大きなお風呂に入るんだよ」

「そう、とても広くて気持ちがいいの。レベッカもきっと気に入ってくれると思うわ」


 なんとお風呂ではなく温泉があるみたいです。それを聞いたレベッカは初めての温泉にワクワクと心躍らせます。


 ところが、行ってみると温泉はすっからかんで何もありません。


「あれ~!なにもないよ」

「おかしいなぁ。前はここに温泉があったはずなんだけど……」

「そうね。でも、何か事情があると思うの。旅館の人に聞いてみましょうか」


 三人は旅館人に聞きに行くと、レベッカ達が来る少し前から温泉が出なくなってしまっているらしいのです。なので、普通のお風呂しか今は入れないといいます。


 レベッカは楽しみにしていた分、シュンと落ち込んでいました。でも、レベッカよりも悲しそうにしているパパとママの姿がそこにはありました。レベッカは二人が元気になってくれるようになんとかしようと思い立つのです。


 こっそり部屋を抜け出し、旅館の人に温泉が出る場所を聞いてみます。


「すぐ近く、ほらあそこ。山が見えるでしょ? あそこの近くに洞窟があって、その中から温かいお湯が出てくるんだよ」

「教えてくれてありがとう!」


 レベッカはお礼を言って、すぐに山に向かいました。


 真っ暗の中歩いていくと、明かりがうっすらと灯りっている場所があって、洞窟(どうくつ)の中は薄暗(うすぐら)くなっていますが、ほのかに温かい光がぽつぽつと(とも)っていました。


 レベッカはぺたぺたと壁を触りながら、転ばないように気をつけて歩いていくと、水の音が聞こえてきまた気がします。

 そこにはたくさん水のようなモノがありますが、暗くてよく見えません。そっと触ってみるとひんやりと冷たく感じました。

 目をこらして見ると、水が向こう側へ続いていて、レベッカは水が続く道の方へ歩いていきます。

 その先に小さな穴があいていて、ナニやら大きなものが動いている気がしました。

 なんだろう?と気になったレベッカがすぽりと穴の中に入っていくとーーー


 そこには、大きなタマゴを抱えたドラゴンさんがいました。


「あッ!?」


 レベッカはビックリして大きな声を出してしまいました。


 驚いているレベッカを見つけたドラゴンさんはじっとレベッカをに話しかけてきます。


「あら、こんなところに小さな子来たら危ないわよ。」

「う、うん。でも、温泉が出なくてパパとママと旅館の人が困ってるから……」


 ドラゴンさんはどうやらレベッカのコトを心配してくれているようです。


 そんな優しいドラゴンさんにレベッカはみんなが困っているコトを話しました。

 すると、ドラゴンさんは言いました。


「それはごめんなさいね。私温泉が大好きで昔からよく来ていたのよ。それでこの子にも温泉で温まってほしくて」


 抱えているタマゴを大事そうに大きな手で撫でています。


 話を聞いてみると、大好きな温泉に赤ちゃんドラゴンと一緒に入りにきたというではありません。


 ドラゴンさんとタマゴが道を塞いでいて温かいお湯が町に運ばれなくなってしまっているみたいでした。


「ドラゴンさんも赤ちゃんも入りたかったんだね!でも、町の人も温泉が大好きだから……なんとならないかなぁ」

 ドラゴンさんにレベッカがみんなが困っていると話すと、今度はドラゴンさんが困った顔をします。

「そうしたいのは山々なんだけど……。困ったことにこの子の下に溝があって引っかかっているみたいなの」


 お湯につかりにきたのはいいが、タマゴがひっかかってしまい、動かせないと話してくれます。

 なんでもとても小さな溝にひっかかっているらしく、自分ではどうすることもできなくて困っていると。


 それを聞いたレベッカは温泉に潜ってみることにしました。


「じゃあ、レベッカが取ってあげるね!」

「ホント?ありがとう。でも、あんまり無理しないでね?」

「うん!気をつけるね、ありがとう~!」


 レベッカは温泉の海に飛び込みました。

 あったかい水の中を泳いでいくと、地面はデコボコしていて、ちょうどタマゴの下に溝が見えます。その中にすっぽりとタマゴが埋まっているみたいで、手で押してみてもうんともすんともいいません。


 そこでレベッカは近くにぷかぷか浮いている石で地面を削ることにしました。

 不思議なことにレベッカが擦ると簡単に堀進められます。なんとかしようと夢中で掘り進めていくと、さっきまで動かなかったタマゴはゆっくりと浮かんでいくのでした。


 レベッカはタマゴにそっと手を置いて一緒に上へ上へ浮かんでいきます。

 水面に出るとなかなか上がってこないレベッカを心配していたドラゴンさんは手で抱き上げてくれます。


「ありがとう。小さいのによく頑張ったね」

「えへへ!よかったね!」


 ドラゴンさんはレベッカにお礼を言って、ずぶぬれになっているレベッカをそっと手で撫でてくれます。するとあっという間に濡れている身体は乾くのでした。


 そういえば温泉はどうなったのかと、見てみると止まっていた温泉はレベッカの通ってきた道に向かって外へ流れていくではありませんか。


「あっ! 温泉流れていくね」

「そうね。そういえばあなたのお名前は?」

「わたし?えへへ~レベッカっていうの!」

「そう、ステキなお名前ね。それでレベッカはパパとママにナイショで来たと思うけど、そろそろ戻らなくて大丈夫?」

「わぁ~忘れてたぁ~!急いで帰らないと……!」


 するとドラゴンさんは慌てるレベッカをそっとだき抱え、背中に乗せてあげました。

 レベッカはドラゴンさんに乗せてもらい、いきおいよく流れていく温泉をと一緒に旅館に戻れっていきます。


 旅館の風呂の近くに来ると、レベッカを呼ぶ声が聞こえてきました。

 パパとママ、それから旅館の人たちが探しにきてくれたのです。


「パパ~! ママ~!」


 呼ぶ声にレベッカが大きな声で返事をしました。


「もう、心配したのよ」

「ごめんなさい! それとね……」


 二人に心配をかけてしまったことを謝ってから、レベッカは話ます。


 温泉が出るようになったこと。ドラゴンさんと出会って、連れてきてくれたことを伝えました。みんなは少し驚いた様子でしたが、レベッカにみんなを連れて温泉に向かいます。


 そこには大きなドラゴンさんとタマゴが一緒に温泉に入っていました。

 ドラゴンにも驚いている様子でしたが、温泉が戻ったことに旅館の人たちは大喜びしています。


「よかった…ホントによかった……」

「ええ! これでまた人が来てくれるわね」


 パパとママもすっかり元気になっていました。

 レベッカは嬉しくなって言いました。


「えへへ。みんなで一緒に温泉入ろ!」


 レベッカはパパとママ、それからドラゴンさんと一緒に仲良く温泉に浸かるのでした。



 —――温泉を訪れてから、しばらく経ったある日、旅館の人からの手紙がレベッカの元に届きます。

 あれから温泉は元に戻り旅館にはまた多くの人が来るようになったと書かれていました。

 ドラゴンさんも大好きな温泉にみんなと一緒に入ることが増えたみたいで、ドラゴンと一緒に入れる温泉としてたくさんの人が訪れるようになったと。


 みんな元気になってくれてよかったと心のそこか思うのでした。

 そして、レベッカは今日も元気に友達に囲まれながら楽しく幸せに過ごすのでした。


 おしまい


拙い文章ではございますが、ここまでお読み頂きありがとうございました。

評価やコメントなどを頂けると嬉しいです(/ω\)


ゆっくりとしたペースでの執筆になりますが、これからもよろしくお願いします٩( ''ω'' )و

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