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月夜譚 【No.201~No.300】

悩み事 【月夜譚No.254】

作者: 夏月七葉

 複雑な心境というのは、如何ともし難いものである。あったらあったで落ち着かないし、なければないで物足りない。そんな思いに駆られる経験は、誰にでも一度はあるだろう。

 しかし、あるかなしか、どちらかを選ばなくてはならないのだ。世の理というのは、そういうものである。

 だがしかし、そう容易に選べるのなら、これほど苦労はしないのだ。頭を抱え、時間をかけて考えて、それでも尚、自分の中に答えは出ない。考え過ぎてもうよく分からなくなることもあるが、だからといって答えを出さないわけにはいかない。

 彼が悶々と考え込む背後に、殺気を放つ人影が立った。

「――ねえ」

 恐ろしい空気を纏う声に、彼はびくりと肩を跳ね上げる。

「お兄ちゃん、いつまでそうしてるつもり? 早くしないと夜になっちゃうでしょ!」

 人がごった返す日曜日のショッピングモール。そのとある一角の店の前で妹に叱られ、彼は恥ずかしさと共に本日買おうか悩んでいた商品を諦めざるを得なかった。

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