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突然俺を振った幼馴染  作者: にやり
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6 今さら



あれから数年が経ち、俺は今大学二年生だ。


千夏も頑張って、俺の後を追ってきた。


俺も千夏も、一人暮らしを始め、お互いのアパートを行き来している。


同棲は流石に、な。


大学を卒業したら、同棲しようとは話したが。


今は二人で大学生活を楽しんでいる。




「優弥くん、優弥くん!!!」



講義が終わり、帰ろうかと千夏を探していると、後ろから声を掛けられた。


ほら、相変わらずだろ?


未だに千夏のこの呼びかけ方を聞くと、表情が緩んでしまう。



「んん?」


「今日、優弥くん、バイトないですよね?」


「ああ、ないよ」


「じゃあ、夕食作りに行きますよ!!いいですか?」


「いいのか?千夏もたまのバイトが休みの日なのに」


「私が楽しくてやってるんです!!」


「お、おう、それなら頼むよ」


「はい!!段々料理の腕も上がってきましたよね?!」


「そうだなあ、確かに。最初の頃は……」


「そ、その頃の事はいいんです!!」


「ははっ、わかったわかった。楽しみに待ってるよ」


「はい!!最初からそう言ってくれればいいのに……」


「ごめんって。じゃあ俺も、部屋掃除しとくかな」


「そうしてくださいよ?お泊りするつもりなんですから!!」


「わかったよ、待ってる」


「はい!!じゃあ、また後で!!」



千夏の元気なところは何も変わってない。


だが、俺たちの関係は大分変化しただろう。


付き合い始めの頃は、どうしても千夏は俺に気を遣う事が多かった。


愛梨との事があったから。


俺が千夏の事を好きだと言った言葉を、信じ切れていないような。


だから、時間を掛けて千夏に伝えた。


俺は本当に千夏に救われた。


本当に千夏の事が好きなんだ、と。


だから、俺に遠慮してほしくない、とも。


そのせいか、千夏も俺に遠慮する事が無くなった。


ちょっとしたことで言い合いもしたし、ケンカにもなった。


だが、その度に自分の気持ちを伝えあって、今の関係になれた。


俺達の関係は、強固なものになったと思う。


何があっても揺るがない。



























そう信じていた。








自分のアパートに着いた。


さて、掃除するか。


なんせ、実家に居た頃はあまり自分で掃除なんてしなかったから、初めは苦労した。


自分の部屋は掃除していたが、トイレや風呂、キッチンなど、初めての事ばかりで中々掃除のクセがつかなかったんだ。


まあ、半年もすれば慣れてきたけど。


なので、そんなに気合を入れて掃除するほど汚れてはいないんだけどな。


とはいえ、千夏が来るんだから、水回りは丁寧に掃除しておくか。


どちらかというと、千夏の方が水回りの掃除が苦手なんだよな。


結構ズボラなんだよ。


掃除はするけど、雑っていうか。


たまに千夏のアパートに泊まりに行った時、俺が掃除してやったりもしてるんだよ。


そのかわり、俺は料理が苦手だ。


カレーとか、簡単な炒め物とかは出来るんだけど……。


洗い物するのが嫌いで、あまり料理しないんだよな。


その点、千夏は料理にハマっている。


千夏の言う通り、本当に腕が上がったと思う。


見習わなきゃな。




ピンポーン。



ん?やけに早いな。


アパートに戻って、準備して、買い物してから来るって言ってたのにな。




「早かったな……?!!!」



ドアを開けると


























「ひ、久し振り、優弥」


「どうも。あの時はごめんね?」






愛梨とあの時の男が立っていた。





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