表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然俺を振った幼馴染  作者: にやり
3/9

3 突然の別れ



「おはよ!優弥」


「おはよう!愛梨!」



いつものように、愛梨が迎えに来る。


ホントに俺は幸せ者だ。



「うー、何かちょっと怠いなぁ、今日体育見学しようかな」


「大丈夫か?学校休んだ方がいいんじゃないか?」


「大丈夫、熱測ったんだけど、微熱だった」


「そうか?無理すんなよ?」


「うん、風邪かな?」


「季節の変わり目だから、気をつけろよ?」


「うん、ありがと」



なんか最近、愛梨が体調を崩す日が増えた気がする。


けど、熱も学校を休むほど上がるわけでもなく、時々だったから、あまり気にならなかった。



「あんまり夜更かししないようにしよう……」


「結構遅くまで起きてるのか?」


「うん、同じクラスの子とメッセージのやり取りが楽しくて」


「へえ?」


「やっぱり彼氏持ち少ないでしょ?話聞きたいって言われちゃってね?」


「そんなもんか」


「うん!ま、まあ、自慢みたいになっちゃってるんだけどね?」


「あ、あんまり恥ずかしい事言うなよ?」


「わかってるよ!でも、なんか楽しくて」


「まあ、寝不足は良くねえよ。早めに寝るようにすれば、体調も良くなるだろ?」


「そうだね、気を付けるよ」



俺と付き合ってることを自慢している愛梨、と考えると俺も強くは言えない。


だって、そうだろ?


俺にはもったいないと思っていた愛梨が、俺との事を自慢するなんてさ。




そして付き合い始めて、一年。


二人とも高校二年生になっていた。


順調に交際を続けており、キスまでは済ませていた。


二人で色々なところに出掛けた。


付き合うまで知らなかった愛梨の一面も、知ることが出来た。


幸せな一年だった。


そんなある日の放課後。



「優弥、今日夜の七時くらいに家来れる?」


「ん?ああ、大丈夫だけど?」


「ちょっと話があるの」


「話?帰りながらじゃダメか?」


「……うん、家で話したい」


「そうか、わかった」



何だろう?改まって。


あ!もうすぐ付き合って一年記念日だからか?


デートどこに行くかとか、みっちり計画を練る、とか?


楽しみだな。




その日の夜七時。


愛梨の家へと向かった。



「いらっしゃい、上がって?」


「おう」



ん?見慣れない革靴。


おじさん、帰ってるのかな?


愛梨の部屋へ。



ドアを開けると、知らない男がベッドに座っていた。



「は?だ、誰?」


「こんにちは、初めまして」


「あ、は、初めまして……?」


「……優弥、言いづらいんだけど、別れて欲しいの」


「……は?」


「私ね?この人の事好きになっちゃったの!」


「僕は愛梨ちゃんの遠い親戚なんだけど、この間愛梨ちゃんが来た時に告白してね?」


「そうなの。で、初めは断ってたんだけど……」


「ああ、愛梨ちゃんは言いづらいだろうから、ここからは僕が」


「……ありがと、お願い」


「まあ、僕は結構女性経験が豊富な方なんだけどね?断られたからって、はいそうですかって引き下がるような性格じゃないんだよねえ」



な、何を言ってるんだ?愛梨も、この男も……。



「で、なんやかんや理由をつけて、僕の部屋に愛梨ちゃんを誘ってね?」



愛梨を見ると、無言で俯いていた。



「で、まあ、ちょっと強引だったかもしれないけど、最後までしちゃったんだよね!!」



勝ち誇ったような表情で、その男が笑う。


……こ、こいつ!!!!



「おっと、怒るなよ?今までずっと一緒に居たのに、手を出さない君が悪いんだろ?童貞君?」



衝動的に身体が動いた。



「〇してやるよ!!!コラァ!!!!!」



と、その時愛梨が俺の前に立つ。



「やめて。この人は悪くないの」


「な、なんでだよ!!愛梨!!!」


「自分の彼女を寝取られて、悔しいのはわかるけどね?暴力は良くないと思うなー?」



そう言いながら、立ち上がり後ろから愛梨を抱きしめる男。


なんでだよ!!愛梨?!!何でそんな男と!!!



「ごめんね?優弥の事、嫌いになった訳じゃないの、ただ……」


「そう、僕の方が良かったってだけだよ?」



今度は愛梨の身体を撫でまわす男。



「あん、優弥の前でなんて、やめてよ」


「そうは言っても手に力が入ってないよ?愛梨ちゃん?」


更に愛梨の胸を揉みしだく。


俺だって愛梨を抱きしめた事はあったが、そんな事したことないってのに!!!



「も、もう!やめてったら」


「いいだろ?こうでもしないと童貞君はわからないみたいだし?」


「そういうのは二人きりの時に……」



愛梨も本気で嫌がっているわけじゃなさそうだ。


そうかよ……勝手にしろってんだよ!!!!



「私、二学期から転校するの、彼の居るところに」


「そう、愛梨ちゃんのお父さんもこちらで仕事することになってね?」


「ちょうどいいから、家族で引っ越そうって事になったの」


「……勝手にしろ」


「はあ?何だって?声が小さくて聞こえないよ?童貞君?」


「勝手にしろって言ったんだよ!!!お前らの事なんか知るか!!!!」


「……良かったね、愛梨ちゃん?別れてくれるってさ!」


「……ごめんね?優弥?」


「俺はもう帰る!もう二度と俺には関わるな!!!」


「……わかった、さよなら、優弥」

























こうして俺と愛梨の関係は……終わった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 伏線がしっかりしていたのですぐわかりました!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ