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おばあちゃんは名探偵!〜お隣さんは謎だらけ〜  作者: 地野千塩


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犯人逮捕大作戦編(1)

 翌日、理世と石子は教会に向かっていた。9時半から始まる日曜礼拝に参加する為だったが、その後に出る昼ご飯を作る為に、早めに家を出たにだった。石子によると毎週、みんなで集まって昼ごはんを作っているのだという。日曜日に朝からこんな活動的だなんて理世はちょっとカルチャーショックだった。


 今日は昨日に続いて天気は晴れていたが、ちらほらとマスコミの姿もあり、鬼頭や坂下の家にカメラを向けていた。


 石子はマスコミに取材されそうになったが、無視してさっさと歩いていた。理世はそれが意外だった。石子の性格だったら、キャッキャと取材を受けそうだったが。


「マスコミの取材なんて嫌よ。昨日、礼央くんの陰謀論ブログを読んでたら、素人のインタビューもかなり捻じ曲げて編集して放送するらしいわ」

「本当?」

「現に鬼頭さんもねじ曲げられて放送されてるじゃない。私はもうマスコミなんて信頼しないわ」

「テレビみないの? おばさん探偵ミス・ミャープルは?」

「あれは別よ」

「グランマ、都合よくない?」

「いいの!」


 そんな事を会話しつつ、教会についた。まず牧師館の方に行き、キッチンに向かった。環奈や牧師だけでなく、立花や百合名、礼央の妻・美幸もいてキッチンは混み合っていた。


「理世ちゃん! うちら女子たちは、塩結び担当だよ! 一緒にやろう」


 理世は環奈に誘われて、一緒に塩結びを握る事になった。一方、石子は出来上がった料理を礼拝堂に方へ運ぶ役割を牧師と一緒にやる事になり、キッチンの人工密度は少し減った。


「こんなに作るの?」


 キッチンの作業台に上には、お皿いっぱいの塩結びがあった。ツヤツヤとした白米のシンプルなおにぎりだったが。


「うん、教会には時々、ご飯に困っている人もいるみたいで、食べにくる人もいるのよね」


 そう言ったのは百合名だった。今日も分厚い黒縁メガネをかけているが、熱心に塩むすびを握っていた。理世も百合名や環奈にやり方を教えてもらい、塩結びを黙々と握っていった。


 立花や美幸は、焼きソーセージを作っているようで、キッチンに香ばしい匂いが漂いはじめていた。あと卵焼きもできてて、牧師と石子がせっせと礼拝堂の方に運んでいた。


 今朝、朝ごはんを食べていたはずだったが、こうして動いていると、お腹が減ってきた。朝ご飯はちゃんと食べてきたはずなのに、こうして美味しそうな塩結びや焼きソーセージの匂いに理世は食欲を刺激されていた。


「環奈ちゃん、理世ちゃん、百合名ちゃん。特別味見よー!」


 立花からソーセージを一本貰った。普段は別にソーセージなど好きではない理世だったが、こうして作業中にや焼き立てのソーセージを食べると、いつもより美味しく感じてしまった。コリコリの肉の食感や香ばしい香りが特別だと思ったりした。


「このソーセージの香りで、あのホームレスがやってきたりしないかしら? 私があのホームレスが怪しいと思うわ」


 そう言ったのは、礼央の妻・美幸だった。この美幸のせいで、キッチンのみんなは森口の事件の話題に染まってしまった。


「カルトの銃価も怪しいけれど、普通に物取りじゃ無い?」


 美幸はホームレス犯人説をあげていた。百合香もホームレスが一番怪しいんじゃない?と言い、理世も一応あのホームレス・砂原に会い、怪しい行動をとっていた事を話す。この場所では、銃価教祖の虐待に事などは口にできなかった。


「ところで、立花さん。極秘情報はないの?」


 環奈はホームレスはイケメンだから犯人じゃない!と言い張った後、立花に話題をふって居た。環奈はだいぶミーハーな性格らしい。


「今のところ目新しいのはないわ。森口さんは、相変わらず何も言ってないみたい。あの人が証言すればいい話なのに、ダンマリって事は何か隠してるのかね?」


 立花はシワだらけの顔で、ニコニコ笑っていた。この姿だけみたら、だいぶ魔女っぽい。


「香村刑事に脅されて何も言えないんじゃないですか?」


 理世は思い切って自分の意見を言ってみた。


「それは一理あるわね。でも、何を脅しているの?」


 立花は首を傾げながら、出来上がった焼きソーセージをフライパンから皿に移していた。


 さっきは自分の意見をいえた理世だふぁ森口が自分の子供や秀太を虐待目的で教祖に差し出したいるかもしれないとは、どうしても言えなかった。


「そう言えば私、坂下さんが野良猫蹴っているのを見た事あるんだけど、なんか関係ある?」


 理世が言葉に詰まっているうちに、環奈が話はじめた。黙々と作業をしていた百合名のおかげで、塩結びはほとんど完成していた。


「何それ、ドン引き。なんかテレビでは、悲劇のヒロインっぽく報道されてるけど、そうでも無いね?」


 百合名は犬を飼っている事もあるのか、この中で一番引いていた。


「確かに坂下さんも怪しいわよ。私なんて、あの人が万引きしたって情報握ってて」

「ちょっと、立花さん。それで脅して鶏に鳴き声の文句言われないようにしてたんですかー?」


 さらに百合名は立花に引いていたが、他のみんなは薄笑いを浮かべていた。立花はこういうキャラで定着しているようだ。


「まあ、とにかくあの坂下って女も怪しいよ」

「ですねー、立花さん。私はホームレス犯人説から、坂下さんにしよう!」


 百合名と立花が推理に花を咲かせている間に、すっかり料理も出来上がり、石子と牧師も戻ってきた。


「あら、立花さんと百合名ちゃんは、坂下さんが犯人だと思うの? いいえ、私は香村刑事や華名さんが犯人だと思うわ」


 石子は全くブレなかった。そんな石子を見た一同はため息をこぼしていた。


「はいはい、皆さん! 次は礼拝堂に行きましょう。推理はそこまでです。まず、神様を一番優先しまよう」


 牧師の掛け声の後、一同は礼拝堂に向いかい、椅子や音響のセッティング、ピアノの準備などを始めた。


 それが終わると、続々と礼拝参加者達がやっtwきた。理世の知らない顔もあり、麹衣村以外からも来ているものも多いらしい。理世もちょっと緊張してきたが、礼央の姿も見かけてホッとした。それに鬼頭の姿もあり、さっそく石子也立花と会話していた。


 誰み鬼頭には、マスコミの事や森口の事件を話すものは、居なかった。


 麹衣村は、全く優しくない田舎だが、この空間だけは、何かに守られているように理世は感じてしまった。

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