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おばあちゃんは名探偵!〜お隣さんは謎だらけ〜  作者: 地野千塩


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捜査開始編(5)

 朝食を片付けた後、礼央と美幸から貰った資料を石子と二人で読み込んでいた。華名に会うのは午後からの予定だったので、まだ時間があった。


 ちゃぶ台の上は、温かい緑茶があり、一見殺人未遂事件(?)を調べているようには全く見えな平和な雰囲気だ。客観的の見れば、おばあちゃんと孫が事件を調査しているなんてとても見えないだろう。


 平日の昼間から、こんな風に家にいるのも何とも奇妙に感じた理世だが、とりあえず今は目の前の事に集中したいと思う。資料をめくり、付箋をはり、アンダーラインを引き、事件と関わりがありそうなところをピックアップし、メモに書く。


 礼央が持ってきた資料は想像以上に分厚く、まとめるのも大変だった。


「ふー、一晩でこれだけ調べるなんて、さすが陰謀論者ね」


 石子は額の汗を拭った。意外と読み応えのある資料に、石子も読んでいるだけで疲れたようだ。


「もうちょっと私は飽きたわ。華名さんにお土産のお菓子も作りたいし、私は一旦台所の方に行くわね」

「グランマ、華名さんにお菓子もってくの?」


 それは内心やめた方が良いとも思った。昨日に和菓子を貰った華名の雰囲気では、甘いものでは喜ばないタイプに見えた。


「まあ、お菓子で向こうの口も軽くなるかもしれないし、一応作ってみる。それに立花さんのところで玉子で作る蒸しパンよ。これは我ながら自信作だからね!」


 単に資料を読むという地味な作業に石子は飽きただけのようにも見えたが、理世はもう突っ込むのはやめておこう。理世自身も大量の資料を読み込み、少し疲れている所があった。


「じゃあ、理世。頑張って。後で出来立ての蒸しパンをあげるから」

「え、でも」

「よろしくよ」


 体良く押し付けられた感じだが、今更やめるわけにもいかない。


 台所に行く石子を見送り、再び資料を読みこんだ。


「それにしても礼央先生も美幸さんも本当にドン引きするぐらい執念いね……」


 資料は主にカルト教団・銃価の事ばかり調べられていたが、事件あった時の銃価幹部や教祖のアリバイも調べられている。SNSや陰謀論人脈で調べてそうだが、事件当日の幹部や教祖は全員アリバイがあるようだった。都内の銃価の会館で年一回の大きな会合があったそうでだ。この村での地域リーダーなども会合に出ていたそう。この様子だと事件に幹部や教祖が関わっている可能性は低そうだった。


 他には警察やメディアに大きな権力がある陰謀論の資料もあった。所詮陰謀論なので、全部が正しいとは言えないが、信者から集めた豊富な資金源があり、政治やメディア、警察でも権力があるようだった。過去にも犯罪を色々と揉み消しているようだった。表に見えないところで色々と事件ももみ消されている可能性が大だと陰謀論は締め括られていた。


 森口の事件と銃価が関係があるのなら、揉み消される可能性もある気がした。香村刑事は頼りないし、石子が事件調査をしているのは、意外と筋が通っている。


 しかし、銃価の信者からの搾取っぷりはえげつなく、嫌な気分になってくる。銃価信者でも2種類のパターンがあるらしい。一つはガチ信者で給料や財産を全部貢ぐタイプだ。もう一つはライト信者で銃価の権力目当てで名前だけの信者として在籍しているものだ。このタイプは芸能人や政治家で多いらしい。それだけで仕事が来たり選挙で有利のようだ。一見ライト信者はコスパいい気がしたが、教団が多額の借金を負わせたりして、結局ガチ信者のように財産をむしり取られるらしい。芸能人の場合は下手な事をすると、干されたり、若い女性タレント場合は脱がされる事もあるようだ。


 宗教といってもやっている事はヤクザと変わりなく、理世の眉間に皺がよる。このライト信者は、権力や金目当てで最近一般人でも増えているのが、さらに嫌な気分になってくる。


 勧誘もなかなかしつこそうだった。勧誘が成功した信者には、教祖からの名誉やボーナスもあるらしい。一方、勧誘を断った人にはストーカー行為やいじめをする事も許可されているという。万が一警察に届けられても、警察内部には信者もいっぱいるので、もみ消されるようだった。


 カルトの闇は、理世の想像以上で気分は悪くなってきたが、緑茶を飲みながらどうにかノートに事件と関わりがありそうな部分をまとめた。


 ・銃価幹部や教祖は、事件当日アリバイあり

 ・メディアや警察にも権力があり、事件をもみ消される可能性もある。

 ・ガチ信者とライト信者がいる。

 ・森口は広報で表彰されていた→ガチ信者確定

 ・坂下がお金に困っている(by立花情報)→ガチ信者の可能性大

 ・勧誘がしつこい。ストーカーやいじめの発展する事もある。


 まとめを書きながら、カルトというか大人が抱えている闇に吐きそうになってくる。


 事件との関係はまだハッキリとしていないが、森口が勧誘してトラブルになった可能性もある。鬼頭や華名もしつこい勧誘されて森口を襲った可能性もあるだろう。


 考えれば考えるほど煮詰まってくるが、台所からふわりと甘い香りが漂ってきた。


「理世、蒸しパンができたわ。食べる?」


 石子が出来立ての蒸しパンを持ってリビングになってきた。


「食べる! 糖分切れてきたよー」


 頭を使った後に食べた蒸しパンは、今まで食べたスイーツの中でも一番美味しく感じてしまった。玉子がいいのか、味も蒸しパンと思えないぐらい濃厚だった。


「おつかれ、理世。よく資料をまとめてくれたわ。うーん、そうね。これはカルトが関わっている可能性が高いわね……」


 石子は難しい顔をしながら理世がまとめたノートを読んでいたが、意外と資料まとめは疲れてしまった。


 とりあえず蒸しパンを食べながら、理世は一休みした。


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