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エピローグ 変態野郎は次の旅へ

本日2話目です。

一つ前に最終ループの話を投稿しているので、最新話からお読みの方は、お気をつけください。

 ようブラザー、俺との牢獄の旅は楽しんでくれたかい?

 俺は楽しかったぜ。


 例え大半を早送りで置いて行かれたとしても、話し相手がいるってのは楽しいもんだ。


 大半を、早送りで、置いて行かれたとしても、な。



 できればアンタと、ロゼッタ様のお漏らし話に花を咲かせたいところだが……悪いな、ちょっと忙しいんだ。

 あん? 何やってるのかって?


 旅行の準備だよ。無期限で休暇とって、どこか遠くの国にな。



 ……ロゼッタ様のお漏らしの責任で、追放されるわけじゃねーよ。


 国外逃亡だ。



 ……ロゼッタ様がお漏らしの件で俺にブチ切れて、命の危機に陥ってるわけじゃねーよ。


 寧ろ、ロゼッタ様が追放されちまった。

 ウチのお偉いさん達は、思った以上に頭がヤバかったらしい。


『民衆の前であのような失態を晒した聖騎士など国の恥。聖騎士の位は剥奪。ロゼッタ・アズライトは国外追放とする』


 だ、そうだ。

 俺も取り消しになるようには頑張ったよ?


 何せこの件は100%……ロゼッタ様も、パレード前だってのに紅茶ガブ飲みしてたっちゃ、してたんだけど……94%俺のせいだ。


 性癖が満足しちまったから、罪悪感しか残ってなかったし、色々資料を集めて、ロゼッタ様がいなくなると発生する問題とかプレゼンしたんだけど、お偉いさん達は鼻で笑うだけで、一切聞く耳持たず。

 ロゼッタ様の追放が決まった。


 しかも、しかもだよ……アイツら、聖騎装を強奪しようとしやがったんだ。


『当然のことながら、聖騎装と竜鎧も、聖騎士の位と共に、国に返還となる』


 竜鎧は実際、国のものだ。聖騎士は相性のいい竜鎧を貸し与えられているに過ぎない。

 だが、聖騎装は聖竜様が与えた(ってことになっている)聖騎士の持ち物。


 元々国の物ではないし、そもそも変身で出てくる物だから、物というより能力に近いだろう。

 奪い取ろうなんて馬鹿げている。


 が、奴らはやった……やろうとした。


 ロゼッタ様に枷をつけ、聖騎装で出頭させた上で、男6人が力尽くで脱がしにかかったんだ。


 後ろ手に拘束された、17歳の、むっちりレオタードの女の子を、男が数人がかりで取り囲んで、強引に服を脱がせようと、身体中触りまくる。


 強姦シーンでも見せられてる気分だったよ。

 で、どうなったかって?


 『やろうとした』って言ったろ? 失敗した。


 ロゼッタ様の悲鳴が最高潮になった時、周囲に光る水みたいなのが現れてさ、そいつがスパスパっと、男6人の首を落としたんだ。


『聖騎装を奪わんとする者。聖竜の裁きが下る』


 御伽噺かと思っていたが、実話だったよ。

 俺も含めて、全員が驚きと恐怖で動けない中、ロゼッタ様は一礼をしてその場を後にした。

 で、その後、ロゼッタ様の姿を見た奴はいない、と。


 それが何で、俺の国外逃亡に繋がるのかって?


 さっき、『ロゼッタ様がいなくなることで発生する数々の問題を、資料に纏めてプレゼンした』って言ったじゃん?

 その内容は、もうそのまんま俺の不安の塊でな。確度も高いと思ってる。


 何せ、他の聖騎士様方は、聖騎装の力と竜鎧の火力に胡座をかいて、碌に訓練もしようとしない。

 武術はお粗末だし、竜鎧は真っ直ぐ進めて砲弾ぶっ放すだけだ。

 ロゼッタ様みたいに、あの巨体をギャリギャリドリフトさせながら、正確に急所を狙い撃つなんて芸当は出来やしない。


 単独でドラゴンを倒せる聖騎士は、ウチにはロゼッタ様しかいなかったんだ。


 そんなお人を追放しちまったわけだ。

 この国は多分、もう長くない。


 そしてその前に、多分それ関連で色々問題が起こると『わかっていたのに未然に防がなかった』とかで、多分俺は縛り首だ。


 ってわけで、さっさとトンズラさせてもらうことに決めた。

 ロゼッタ様は追いかけねーよ? 合わせる顔もないし。

 また、別の国に行って、仕事探して……そんで、人目を忍んで性癖を満たす毎日を送るさ。


 じゃあな、ブラザー。

 面白いネタがあったら、声をかけるから、そんときはまた付き合ってくれ。


 早送りしてもいいから。


 まあ、『|黄金牢獄《ゴールドプリズン』は、もう二度と使わないけどな!




 ◆◆




 こうして、聖騎士ロゼッタ・アズライトと、変態ブラーダ・ウォッチは、それぞれジュエリアス王国を去った。


 その3ヶ月後くらいから、各地で力無き人々を救う、『黄金の聖水騎士』の噂が広まっていくことになるのだが、それはまた別の話。

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