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プロローグ 超絶好みの女の子がおしっこ我慢していたら、常識的に考えて理性は吹っ飛ぶ

「先頭の騎兵隊がっ、そ、そろそろ、西通りを抜けます。このままっ、ん、くっ……失礼しました……このまま15分後には、竜鎧がこちらに到着するかと」


 中央通り脇の、喧騒から少し距離を取ったところで、部下の職員から現状報告を受ける。

 金髪をサイドテールに纏めた、利発そうな顔をした彼女は、若いが、見た目を裏切らず優秀な事務職員だ。


 だが今は、真っ青な顔面に汗を滲ませ、脚も小さくだが、小刻みに震えている。


「どうした。体調でも崩したか?」


「い、いえ! 何も、問題は……ありません……」


 深刻そうな表情で視線を泳がせる彼女の様子は、とても『問題がない』とは思えない。

 だが、本人がそう言うなら、俺は敢えてこれ以上は問い詰めない。

 深刻な病気でないことも、わかっている。


「そうか。なら、引き続き警戒を頼む。何か問題があれば報告してくれ」


「承知致しました」


 最後は凛とした返事を残して去っていく彼女。だが、そのようすは、どこかソワソワと忙しないように見えた。



 ――387/412ml(94%)



「ふむ……相当きてるな。次の報告が楽しみだ」


 去っていく彼女と、視界の端に映る数値を見比べ、俺は小さく口の端を吊り上げた。



 俺の名前はブラーダ・ウォッチ。ここジュエリアス王国で、事務局長なんて仕事をやっている。


 『局長』なんて偉そうな肩書きはもらっているが、要は雑用のトップだ。

 騎士みたいな花形職からは、軽く見られがちで、下っ端からも横柄な態度に出られることもある。


 正直腹も立つが、仕事自体は嫌いじゃない。

 国の内情には、どの部署よりも深く関われるし、今日みたいな催事も、割と好きなように内容を弄れる。



 催事――今日は、うちの聖騎士様が馬鹿でかいアンデッドドラゴンを討ち取ったとかで、その凱旋パレードが行われているのだ。

 中央通りは、聖騎士様の姿を一目見ようと集まった国民でごった返している。

 明らかに男の割合が多いのは……後で話すとしよう。



 どこのどなた様か知らないが、俺の話を聞きにきたんだ。興味があるのは、さっきの数字だろ?

 ちょうどまた彼女の姿が見えたから、もう一度出してやる。



 395/412ml(96%)



 よしよし、さっきより上がってるな。表面上には出さないように努めているが、相当苦しそうだ。


 俺は、他人の膀胱の中身を数値化することができる。


 ……下らないとか思った奴。おめでとう、アンタは正常だ。

 このまま回れ右して、男女が裸で愛を育む、真っ当なポルノを楽しむといい。


 反応しちまった変態は……ご愁傷様。アンタは『こっち側』だ。

 俺と、楽しい話をしようじゃないか。



 まず改めて自己紹介。

 俺はブラーダ(膀胱の)ウォッチ(観測者)……勿論偽名だ。

 歳は29歳、趣味は人間観察。


 ただし、小便を我慢している若い女限定の、自分で言うのも何だが、どうしようもない変態野郎だが。


 膀胱の中身を見る以外も、これ関係の能力を幾つか持っている。

 この性癖と能力は生まれつき――を、通り越して、前世から持ち込みだ。

 筋金入りだろ?


 俺は前世では、別の世界で諜報員をやっていたんだが、まぁ、盛大にしくじってな。

 何やかんやで死んじまって、気付いたらこの世界で『おぎゃあ』ってわけさ。


 そこからの俺の人生は、こんな性癖と能力のお陰で『楽しいこと』も色々あったが、それ以上にヤバいことも多かった。


 能力の一つに、とんでもなくハイリスクな奴があってな。

 使えば相手は99%お漏らし確定なんだけど、しくじれば、俺自身死よりも辛い地獄が待っている。


 実際、これで人生八方塞がりになりかけたことがあったんだよ。

 発動条件は、尿意の数値を出してる状態で、『投獄(インプリズン)』と発音すること。


 幸い中々使うような言葉じゃないが、これのせいで『イ』で始まる言葉を言う時に、一瞬固まる癖がついちまった。

 正直、もう二度と使いたくねえ。



 ――おおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっっっ!!!



 おっと……話している間に、今日の主役の聖騎士様が来たようだ。野朗共が、の太い歓声を上げてやがる。



 『青薔薇の聖騎士』ロゼッタ・アズライト様。


 青い髪を肩口で切り揃えた……男共の反応で分かると思うが、美少女だ。

 前髪で右目が隠れているのも、色気が出てて俺好みだな。


 歳は17歳。綺麗ってよりは可愛い系で、笑えば背景に花でも咲くんだろう。

 でも聖騎士って立場上か、いつも目をキリッと引き締めていて、それがまたいじらくてたまらないんだ。


 スタイルも抜群。おっぱいは巨乳って程じゃないが、十分大きい方だ。

 尻から足回りもムチっとしていて、所謂男好きする体型。


 そんなロゼッタ様が、竜鎧(りゅうがい)――聖騎士用のでかい戦車だな。

 そいつに乗って、我々民草にお手々を振って下さるわけだ。

 それだけで、男の観客が多いのも理解できるだろ?


 でもな、ロゼッタ様のサービスはそれだけじゃないんだ。


 ロゼッタ様は聖騎士。

 聖騎士ってのは、『聖騎装』っていう特殊な鎧に選ばれた騎士様のことを言うんだが……ロゼッタ様の聖騎装は、エロいんだ。


 手脚と胸はちゃんとこう『聖騎士』って感じの白い甲冑で守られてるんだが……下半身がな、青いぴっちりレオタード。


 スカートとかは無い。丸見えだ。


 あと、ハイレグって程際どくはないんだが、サイズが小さいのか、食い込みが凄い。

 背中は肩まで全部見えてる。マントとかもないんだよ。


 あとは武器だな。華奢な感じの、刀身が青い宝石みたいになっている槍を持ってる。


 俺も聖騎装は結構見てきたけど、どれもこれも重装備。

 軽装なのもあるにはあったが、ロゼッタ様ほど大サービスの奴はなかったよ。


 これで男に『見るな』ってのも無理な話だ。

 俺だって、仕事がなかったら町中追っかけてる。



 なんだけど……ロゼッタ様、なんか表情が固いんだよな。

 いやまぁ、あの格好で町中引き回されるのは、年頃のロゼッタ様には相当キツいだろうけど、それでも固すぎる。


 まるでこう、何か辛いことを耐えてる……よう……な……。



 能力発動。



 554/623ml(89%)


 

 うん、なるほど。


 そりゃ、表情も固くなるわな。


 そうかそうか。




「いんぷりずんんんんんんんんんっっっっっ!!!!!」




 俺はブラーダ・ウォッチ。


 美少女がおしっこを我慢している姿を見ると、理性をなくす男。

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