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異世界転生してもハーレムは作れません  作者: ミカン
第一章 女のいない世界
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8-いただきます

アルカイドの地図を書いてみました。だいぶ適当です

挿絵(By みてみん)


「どうしたんですか急に泣き始めて」


 俺は泣いていた。

 アーロは泣きだした俺を見てそう問いかけてきた。昨日お酒で酔って泣いたせいでおびえの表情が見える。


 ……何か悲しいことがあった? 苦しいことがあった? 違う。感動して泣いていた。だって、だって、この世界にきて初めてのおいしい料理に感動していたんだもの。



 ことは数分前にさかのぼる。


「お昼何にしましょう?」


 ライアンのお父さんのお店を出た俺達はお昼ご飯を何にするか決めていた。


「肉にしようぜ。肉、肉」

「魚食べに行こ」


 ライアンは肉が食べたいと言い、フィンは魚が食べたいそうだ。フィンはごはんのことになると喋るのか。


「ソウキさんはどうします?」

「おいしいごはんが食べたいです」


 これに限る。いままで食べた食事といえば保存性を追求した干し肉とかたいパン。そして飲み物だがお酒の3つしかない。だからとにかくおいしいものが食べたい。


「おいおい、ここは海がある国じゃねーんだぞ。魚ていってもフォーマルハウトほどのやつはねーんだぞ」

「……」

「なんか言え」

「最近はずっと干し肉だったから」


 たしかに、干し肉とかたいパンばかりだったから肉以外がいいなぁ。


「わかりました。ではあの店にいきましょう」


 訪れた店は商店街の城側にある店だった。

 商店街には1階部分が外からでも中が見れる店もあれば、ドアがあって中が見えない店もありいろいろな建物が並んでいる。お店は3階建てで屋根が赤いレンガの建物だった。

 中に入るとそこには鼻孔をくすぐる香辛料の匂いが充満していた。


 ……この匂いてもしかして……カレーでは。


 そのお店はカレー専門店だった。


「このお店なら肉も魚もありますし、傭兵の間でも人気のお店です。」


 注文は店の壁に書かれていた。そして書いてある字がなぜかカタカナだった。

 自動翻訳でもされているのだろうか。それとも異世界は日本語を使っているのか。たしか大学の言語学で日本語はどこにも系統がないって言っていたけど、もしかして異世界と系統しているのだろうか。

 そんな考えてもわからない考察をしている間に店員さんが注文を取りに来た。

 ライアンはチキンカレー、フィンはシーフードカレー、アーロはキーマカレーを注文していた。俺はコンビニでよく買っていたカツカレーを食べようと思ったがなかったのでポークカレーを注文した。

 でてきたカレーはカレーとかたいパンだった。


 ……さすがに、異世界にごはんはなかったか。


 それでも異世界にきてやっと文明的な食事がとれることに歓喜して食事をとり始めた。


「いただきます」


 ……あぁ……うまい。


 やっとおいしいごはんを食べれて涙がでてきた。


「どうしたんですか急に泣き始めて」

「いや、ぐすん、やっとおいしい料理が食べれて……ぐすん」

「魔族にとらわれていたときはごはんなんてたべれなかったんですね。そして助けてからも干し肉とパンでしたから」

「これからは魔族をいっぱい倒してうまいメシ食おうな」


 カレーの具は豚肉といもが一口大がすこしと細かく刻まれた玉ねぎだけだ。パンをちぎりしみこませるようにして食べる。そうすることでパンに味が付き、柔らかくもなる。

 カレーはいつも食べるカレーに比べてかなり辛かったが、そんなことを気にすることなく食事を堪能した。

 

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