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異世界転生してもハーレムは作れません  作者: ミカン
第二章 偽モノ
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71-ここんとこ休んでばっかだな

「よかった。ちゃんと生きてて」

「それはこちらのセリフだ。キリュウは泳げないから、生きているか不安だった」

「水を凍らせてなんとか流れずに済んだよ。フィンはどうやったの?」

「俺たちは下のほうにいたから流される時間が短かったからな」

「魔族は?」

「普通に倒したが」


 ……なにそのやれて当然ですが? 感は。


 無事を喜びあう俺とフィンのところへネイサンが来る。


「よく勇者様を守ってくれたな。礼を言う」

「いえいえ」


 ……役得でした。


「ネイサンもよく無事だったね」


 ……あの水流は本当にやばかった。普通に窒息死するレベルだ。俺たちは途中で水を止めれたから生きられたがネイサンはどうやったのだろうか。


「シンシアのおかげだよ。彼女の球状の盾を作ってくれたおかげで息も切れず、外傷なしに流されるだけで済んだ」

「魔族とも相対したよね」

「私の剣であれば、鉄格子などすり抜けれるからね」


 球状の盾を作って水から身を守り、伸びる剣で敵を倒して鍵も取れたそうだ。


 ……案外けろっとしてるな。こっちは大変だったのに。


 2人とも大変だったことに変わりないだろうが言い方が大したことなさそうな感じに聞こえてしまう。


 ……まあ、ここでは変に辛いことを強調するよりも心配をかけない言い方のほうがいいよね。


 全員辛かった、大変だったことに変わりはないのだ。少しでも心配させず、余裕感を出す言い方をするのが精神面を保つコツなのだろう。



 ……なんでこいつらサーモグラフィーに反応しなかったのだろう?


 橋で死んでいる2つのリザードマンを見ながら考える。サーモグラフィーを使ったときには左の建物に5人の熱源反応があるだけであった。川の中には何もなかった。なのに出てきて不思議に思える。

 ヌメヌメする体を触ってみると冷たかった。死後体が冷たくなるにしても早すぎるくらい冷たい。


 ……サーモグラフィー。


 サーモグラフィーで見ると理由は一目瞭然だった。こいつらの表面温度が川と全く同じ色をしていた。サーモグラフィーは周りとの温度が違うから捉えることができる。温度が同じなら同じ色が表示され認識できないのだ。


「変温動物かよ。よくその体温で生きられるな」

「なにか言いましたか?」

「何でもない」



「ここが私たちの基地だ。と言っても魔族の元家を奪っただけだがな」


 検知した通り左の建物に彼らの基地はあった。石でできた3階建ての建物で灰色をしている。特にきらびやかでもなくただ住むための家って感じの建物だ。中もそんな感じで、椅子や布団など最低限の家具があるだけ。人間でいえばこの暮らしはすごく質素だ。

 ここにいた5人はフィン、アーロ、ライアン、アビー、ネイサン、シンシアの6人だそうだ。


「助かったのは6人だけなんですか?」


 ずっと他人の生死を気にしていたアイラがそう聞く。


「いいや、今はこの地下都市の全容を把握しようと騎士が周っているだけです」

「じゃあ、魔族は全滅?」

「そうなってくれればよかったのだがね~。あそこの城に逃げられたさ」


 地下都市の中央にある城をさしながらネイサンが言う。


「地下都市はすでに制圧済み。残すはあの城だけ。囲って退路をなくし、攻め込むだけだ。いや~、戦力が増えてよかったよ」

「攻め込むのは?」

「まだ決まってない。まあ、包囲が完成したら連絡が届く。私の仕事はそれまでここを監視しておくことだが、キリュウも勇者様の疲れているだろう。休みなさい」

「うん、ありがとう」

「ありがとうございます」


 そう言われ俺は寝室へと行かされた。もちろん男女別々です。


 ……ここんとこ休んでばっかだな。

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