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異世界転生してもハーレムは作れません  作者: ミカン
第二章 偽モノ
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67-kissではない

 水流が俺たち4人に襲い掛かった。あまりにも突然の出来事だったので気づいても対処ができず、ただただ流された。幸いなことに来る直前で気づいたため大きく息を吸うことができた。

 泳げないから水流に逆らうこともできず流される。目も開けられず、息を止めるのも苦しくなってきた。


 ……なんとか止めないと。サーモグラフィー。


 サーモグラフィーを使って周りの人の位置を確認する。


 ……あれ? 1人?


 頭の中に入ってきた熱源情報は俺以外に1人しかいなかった。しかし、流されている状態で頭が回らず他の2人はどうなったのか考えられない。


 ……氷壁

 

 当たらないよう気を付けながら水を一気に凍らせる。水をせき止めるための氷の壁だ。水流の総量が減ったことで地面に転がりそれ以上流されることはなかった。


「はあ、はあ、はあ」


 必死に呼吸をする。息切れ直前だったため本当に危なかった。自分の頭に魔法でせき止めるという考えが咄嗟に浮かんでほんとよかった。

 あたりを見回すと着いたところは小道だった。周りを岩に囲まれた横幅2メートル、高さ3メートルくらいの小さな坂道だ。少し下には白い鎧をまとったプラチナブロンドの髪の少女がいた。


「アイラ大丈夫?」


 返事がなく、急いで駆け寄り顔をぺちぺちと叩いてもずっと応答がない。口元に耳を近づけ息をしているか確認する。


「息してない!?」


 いきなりの水流だったのだ直前に気づいて息を吸って構えられた俺とは違って、疲れていたアイラには気づくことも息を吸って構えることもできなかったのかもしれない。


 ……ええと、そう! 胸骨圧迫。胸骨圧迫。


 急いで胸の真ん中に手を置き開始するが鎧が硬くて全然押せない。ただ、幸いなことにアイラの鎧は騎士みたいな金属の全身甲冑ではなく、俺と同様な魔物の革から作ったコートタイプ。だから鎧の脱がし方も問題なくわかった。

 コートを脱がすとその下に来ていたのは白の長袖Tシャツ。これもコートと同様力を加えると硬くなった。このTシャツもコートと同様普段は硬くなくても力が加えられると硬くなるダイラタンシーの現象が起こるようだ。問題はTシャツにはコートと違って前にボタンがない。だから脱がすことができない。


 ……ちっ、熱血。


 右手人差し指だけ熱くして服だけ溶けるよう上から焼き切っていく。Tシャツを切ると豊満な胸を隠した水色の下着と白いお腹があらわになった。


 ……流石にブラにダイラタンシーはないよね。


 下着の上から胸骨圧迫を始める。腕を垂直に立てて押し込んだ。


「1、2、3、4、・・・」


 数をカウントしながら行ったが30回やっても意識が戻ってこない。人工呼吸をするため指であごを上げて気道を確保する。


「はあ。ふー。はあ。ふー」


 ゆっくり空気を2回吹き込んだ。それでも意識は回復しない。


「あー、もう。なんでAEDないんだよ」


 ないものねだりはしていられない。とにかく胸骨圧迫と人工呼吸を繰り返した。


「18、19、20、ぅわっ!?」


 突然アイラの胸から何かが飛び出して俺は驚く。


「ごほっ、ごほっ。はあ。はあ」


 それと同時にアイラが目を覚ました。


「あ、起きた!?」

「What?」


 アイラは首を起こして起き上がる。まだ、覚醒直後のため混乱しているが問題はなさそうだ。


 ……よかったぁ。心肺蘇生法習っててよかったぁ。教習所で習ったときは『は? これいつ使うん? 道端に倒れてるやつなんかいないから』と思ったものだがやっててよかった。それに以外と覚えててよかったあ~。


ピキッ


 突然氷からそんな音が響いた。直後水が流れてくる。


 ……まずい。


 急いで冷気でひび割れを塞ぐ。その後、水圧に耐え切れずまたひび割れるからしれないから氷に触れて冷気が奥へ奥へ伝わるように魔法を使った。これで氷の厚さが増え頑丈になったはずだ。


「大丈夫だった? ……えっ!? ぉpっふりh!?」


 流れた水は多いがそれでも人が流されるほどでも、なかったので大丈夫だろうと振り返ったら事件が起きていた。ポロリだ。下着が流され、アイラの控えめな乳房が、アイラの乳首が見えていた。


「Oh! Oh my god!?」


 ……すごい生のOMGだあ~。


 アイラも下向いて自分の状況がわかったみたいだ。腕で胸を隠す。


「Don't look!」

「すいません!」


 生のOMGが聞けたことから頭を振り払い急いで後ろを向いた。


 ……はっ、びっくりした。


 ポロリとか都市伝説だと思ってたから実際に見て変な声を出してしまった。今日はこんなこと絶対ないだろと思った出来事によく出会う。


 ……あれ?


 すっごく気になることが出てきてバレないようこっそり後ろを振り返る。


「**********」


アイラは控えめな胸を抑えながら当たりを見回していた。そう、控えめな。


 ……やっぱり、減ってる。


 服越しから見るアイラの胸は大きかったはずだ。なんなら胸骨圧迫時に上半身下着姿のアイラを見た時も大きかった。なのに今は小さい。つるぺただ。断崖絶壁だ。


 ……巨乳じゃなくて、虚乳だったんだ。……いでっ。


 アイラが起きだしたときを思い出す。あの時、何かが胸から飛び出た。


 ……今探してるのもパッドだよね。


 何て言っているかわからないがあたりを見回していることから多分探し物だろう。


 ……サーモグラフィー。はい、発見。


 冷たい洞窟内に熱を持ったモノを発見した。アイラの方を向かないよう気を付けながらこっそり動いて道の奥へと行く。


「ちょっと、見てる?」

「見てないです。向いてないです」

「どこ行くの?」

「ちょっと、すぐ帰ってくるから」

「hentai」


 ……何を思われているかなんとなく想像はつくけどにしない、気にしない。



 坂道を下るとお探し物が見えた。さっきの水流でここまで流されてきたのだろう。


「これが、パッド」


 2つのシリコン製のパッドを手に取る。


「へ~。って、だめだめ、ほんとに変態になる」


 初めて見たパッドに興味が出ていろんな角度から見てみるがすぐ自制する。


「さっさと返そう。うん」



「はいこれ」


 顔だけ背けてアイラにブツを渡す。


「ん? Why? Why? Why!?」

「ええと、誰にも言わないから」

「~~~!? ……。ありがと。……素直に感謝したくないけど」


 いろいろと声にならない狼狽があった後に感謝された。


「変なことしてないでしょうね」

「変なことって?」

「オ、オナ。とか」

「してないわ! そんな時間なかったでしょ」


 結構すぐ帰ってきた。坂下ってブツとってさっさと帰ってきたのだ。


「触り心地を堪能したりだとか」

「してないから!」

「ジロジロ見たりとか」

「……してないです」

「あっ、今の間は何? 見たのね? ジロジロと!」

「見たよ。見たけど。それはしょうがないところでしょ」

「しょうがない場合は除いてよ。じっくり見たり、いろんな角度から見たり」


 ……したけれども。


「してない」

「ほんと?」

「うん」

「じゃあ、これは何?」


 アイラが俺の盛り上がってる部分を指していた。


「指すな。女の子がこんなところ」

「hentai」

「こ、これは生理現象なの。しょうがないでしょ」

「何かしたからそうなってるんでしょ」

「違うわ! 虚乳だと気づいた時からだわ」


 ……もう、ずっとたっている。虚乳だとわかったくらいから。正直痛い。でも、本当にしょうがないじゃん。男なんだもん。興奮くらいするわ!


「? ……キョニュウ?」

「日本には大きな人を巨乳、巨人とか巨大のきょね。小さな人を貧乳、貧しいって意味で、貧困とかの貧。盛ってる人をウソのきょで虚乳て言うの」

「シャラップ!」

「あっ! いっだー!」


 アイラのパンチは俺の股間にクリーンヒットした。


「……まあ、いいわよ。見つけてくれてありがとう」

「いえいえ」


 ……殴られた後に言われたも。痛いよ~。


「あと、蘇生も」

「あっ、うん」


 顔を赤くして言われるものだから急に恥ずかしくなって、ぴょんぴょんとジャンプしていたが、止めてしまった。


「接吻したの」

「違う。人工呼吸はあくまで心肺蘇生だから! キスではない!」


 ……だめだめ、心肺蘇生に変なことを思っては。


「そう。そうよね。kissではないよね」

「うん!」


これ書いてるときはすごく楽しかったけど、誤字の確認してるとき「改めて読むと恥ずかしいな~」てなった。


次回 2人きりで冒険

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