66-水!?
暗闇から鬼が飛び出してきた。飛び出してきたのは1人、黒い髪で体調2メートルほどある。そして鬼という名の通り額には2本のツノが生えている。
鬼の大きな腕がアイラへと迫る。だが、鬼の手がアイラに到達するより早くアイラの剣が鬼の腕を斬り落とした。
「ウオオォォ」
「ほっ」
痛みで絶叫をあげる鬼と剣で相手を攻撃できたことにほっとするアイラ。
「油断するな」
アイラの後ろからネイサンとシンシアが出てきて絶叫を上げている鬼を斬り殺した。
「Yeah」
氷がもっと砕けて次々と鬼がやってきている。それを3人が剣で切り刻んでいっているが相手は20人以上だ。いずれ物量で押されてしまう。
……俺が殺らないと。氷壁!
もう一度通路に氷の壁を作り道を阻む。氷のこちら側にいる鬼は3人。
「氷柱」
壁から氷の刃が飛び出て鬼1人を貫く。
……戦いにくいな。まとめてやりたい。
火に比べて氷は射程が短い。絶対零度は俺の中で最大の攻撃だけど触らないとだめだし、氷壁は防御用だ。だから氷柱しか攻撃方法がないのだがこれも射程が低い。だから相手をまとめて倒すことができない。
……火柱とか使えたらいいのに。
それでもちょっとずつちょっとずつ鬼を倒していく。俺が氷壁で敵が来る数を制限して近接戦で数の有利を作り鬼を斬り倒していく。氷柱の射程に入ったら味方に当たらないよう気を付けながら攻撃する。アイラも目の前の敵を斬って斬って斬りまくっているし、ネイサンもシンシアもアイラのカバーにうまく立ち回っている。今まで倒した鬼の数は10人ほどだ。
しかし、ここで状況が変わった。アイラが鬼のパンチをくらい俺の後ろまで飛ばされる。殴った鬼は俺の氷柱、ネイサン、シンシアの攻撃ですぐ殺される。
「アイラ大丈夫?」
「はあ、はあ。ノー、プロブレム」
口では大丈夫と言っているが息が荒い。この前剣を習い始めたアイラは実戦が初めてだ。初めての実戦での疲労は半端じゃないだろう。
「勇者様少し休んでいてください。シンシア2人でやるぞ。キリュウはそのまま敵の制限を」
「「了解」」
さっきまでの攻撃を続けるが1人減ったことにより倒すスピードが減ると思ったが違った。1人いなくなった分負担は多いだろうがその分動けるスペースが広くなったからだろうか。2人の連携がすごくてアイラがいた時より格段に倒すスピードが速い。1人、また1人と鬼をバッタバッタ殺している。
「速い」
「****」
聞き取れなかったが後ろでアイラが言っていることは俺と同じようなことだろう。
パリーン
相手も連携を覚えたのか4人一斉に壁を壊して2人に突っ込んでくる。
……まずい。
今まで2対1という数の優位を作れていたから圧倒できたのだ。2対4になってはすぐに天秤は傾く。
「氷柱」
右側の壁によっていた鬼を倒すが残り3人。それにその後ろからも鬼がやってきている。
……壁を貼らないと。でも優位が。
「シールド」
「スチームテール」
シンシア、ネイサンが魔法を唱えた。しかし、何か変化があったように思えない。と思ったとき真ん中にいた鬼が転んだ。
……え? 何が?
「ふん!」
ネイサンが声を出して空を斬る。
……空振り?
空振りなどではなかった。鬼2人の首が斬れた。もう一振りして転んだ鬼の脳天に何かが刺しこむ。それは剣であった。ネイサンの剣が伸びて鞭のようにしなっている。剣の先から伸びた鋼の刃は数秒でたち消えた。
……あれがシンシアとネイサンの魔法。
シンシアは相手を転ばせる魔法だろうか。ちょっと何が起きたかわからなかった。ネイサンは見た通り剣の先が伸びてしなった鞭のように攻撃する魔法だろう。
2人の連携で20人以上いた鬼は残り2人になった。2人の連携に恐れ入ったのか残った鬼は奥の方へ逃げていった。
「ふぅ、何とかなったね」
「はい、かなりきつかったです」
鬼が逃げていくとネイサンは兜を外し額の汗をぬぐい、シンシアはその場に座り落ちた。
「2人ともすごかったっすね」
「いや、キリュウのおかげだ。氷のおかげで常に2対1を作ることができた。あれが無かったら私たちは負けていたよ」
「本当に助かりました」
……いやあ、いい仕事だな。
ただ、後ろで敵がこないよう壁を貼るだけで2人に褒められる。
「シンシアさんの魔法って相手を転ばす魔法なんですか?」
戦闘中気になったことを聞いてい見る。
「いえ、私のは半透明の盾を出す魔法です。先ほどのは小さい盾を相手の足元にだして相手を転ばせたんです」
「ほーう、ほう」
……盾で相手を転ばせたのか。なるほどなるほど。
「アイラは」
「休んでるとこ悪いがキリュウ、索敵をしてくれ」
アイラに近寄り大丈夫か声をかけようとしたがネイサンに索敵を頼まれ阻まれた。
「サーモグラフィー」
先ほど逃げた鬼だろう。2つの熱源反応が遠のいていっている。
「敵はいなそ。……うん?」
上の方から周りより温度の低い何かが迫ってきている。
「どうした」
「何か冷たいものが」
ゴゴゴゴゴゴゴ
「水!?」
通路を埋め着くほどの大量の水流が俺たちを飲み込み、ダンジョンの奥底へと押し流した。
戦闘シーン書くの楽しい。だけど、俺の頭の中の想像が伝わっているか不安。
次回 心肺蘇生




