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異世界転生してもハーレムは作れません  作者: ミカン
第二章 偽モノ
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60-俺じゃなきゃ見逃しちゃうね

 3日後言われた通り外務館を訪れた。行き方ももうわかっているから案内役はいない。今回用があるのは俺だけでフィンは用はない。アーロもここへは行きたくなさそうというより宿から出たくないみたいなので一人で来た。

 先日と同様受付に行くとすぐに部屋に通される。通された部屋で待っていたのは先日も会った外交官のドロシアと書記官のダイアナだ。

 席に座るとドロシアは箱を机の上に置いた。


「こちらが聖壁と聖水になります」

「確認しても?」

「どうぞ」


 中を確認すると白く光るこぶし大の玉と青緑の液体が入ったガラス瓶が4つ入っていた。


「ありがとうございました」


 感謝と共にお金の入った袋を出す。これで取引は終了だ。帰ろうと立ち上がろうとしたがその前にドロシアに止められた。そして手紙を取り出す。俺が将軍から渡されてドロシアへと渡した手紙だ。


「この手紙をご覧になられましたか?」

「いいえ」


 人への手紙なんて勝手に見たら楽しいものかもしれないけど国家間の手紙は多分知りたくないことでいっぱいだろう。だから見なかった。


「ここにはアルカイド側からあなたを使ってもいいと書かれていました」


 ……ん? 使う?


「別に他国の人を使うほどスピカは人材がいないというわけではないのですがどうやら勇者様との相性がいいそうですからせっかくなので使ってみようということを聖女様が決めました」


 ……ほえ? まじで話が分からん。


「詳しい説明はわたくしも聞かされていないのでまた後日に。今決まっているのはこれからあなたには客室で過ごしてもらうことになります」


 よくわからなかったが引っ越しをすることだけわかった。


「質問いいでしょうか」

「はいどうぞ」

「拒否権は?」

「アルカイド側があなたを貸すと言われているので拒否権はありません」

「期間は?」

「特に決められていません」

「他の人たちは?」

「先日の彼らですね。彼らはアルカイドのモノではないので使いません」


 3つ質問をしてなんとなく状況がわかってきた。


 ……売られたな。あいつ、欲しいとか言っときながら売るのかよ。クソが。


 心の中で将軍に暴言を吐いた。


 ……あれでも待てよ。こっちの方が街きれいだし、物とかもいっぱい揃ってそうだな。あれ? こっちに住む方がいいんじゃ。ありがとう将軍。


 心の中で将軍に感謝をした。この間わずか0.002秒。みごとな手に平返し。


 ……俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。俺の心の中だから俺しか認識できないけど。


「わかりました。一回帰ってもいいでしょうか。みんなにも言わないといけませんので」

「わかりました。でも今夜中に来てください。門の騎士には伝えておきますから」



 箱を抱えて馬車に乗り込み速攻帰る。宿に着き4人に集まってもらって説明をする。


「はい。これが聖水」

「うおー、初めて見たぜ」

「俺も城にあったようだが見るのは初めてだ」


 興奮気味にライアンとフィンが反応した。

 聖水は飲んでもいい、塗ってもいいの万能薬だそうだ。切り傷から腕の再生まで行える優れものらしい。ただ、効くのは外傷だけで、病気には効果ないそうだ。

 4人で聖水を飲むとホムラから負った火傷が一瞬で治った。


「うわあ」

「あの火傷も歴戦の猛者感あってよかったがやっぱ傷はないほうがいいな」


 俺が火傷がなくなったことに驚いているとライアンがそう言った。


 ……そうか、火傷で歴戦の猛者感をだせばモテるのか。現在リア充のライアンが言っているのだやってみるか。


 火傷が酷かったのはライアンとアーロで俺とフィンはそこまで目立つけがをしていなかった。歴戦の猛者感を出すためにはやはり顔だろう。


 ……今作るか? 俺の魔法ならやれる!


 顔に手を近づける。しかし、それは止められた。


「話は以上でしょうか」


 アーロが発言をして俺の手が止まった。


 ……危ない、危ない。自分の顔を傷つけるところだった。


「コホン。それとあともう一つ。なんか将軍にスピカに売られることになって俺だけ客室に行くことになった。だからもうこの旅は終わり」

「「「は?」」」


 3人全員が意味不明と読み取れる顔になった。


「なぜスピカがキリュウさんを雇うんですか? スピカなら人材は豊富でしょう」


「将軍の手紙にあげるみたいなこと書かれていたみたいで。あとこの前勇者の子に魔法を教えたんだけどそれで相性がいいとかなって聖女が決めたみたい」

「意味わからん」

「うん。当事者の俺もわかってないから」

「そうか、旅も終わりか」


 フィンがしんみりとつぶやいた。


「今日中に行かなきゃダメみたいだから俺は今日ここを出るね。でも、スピカにはいるからみんながスピカを出る時は教えてね。パーティーやろ」


 別れが来るとわかっていたのに急に今日別れると決まって悲しくなってきた。この世界に来てから彼らとの思いでが走馬灯のように蘇る。


 ……やば、涙出てきた。


「お兄様ダンジョンが発見されたそうよ。これは稼ぎ時ね」


 唐突に部屋のドアがバンッ! と開かれアビーがドアからそう言ってきた。その瞬間しんみりした部屋の空気が一瞬で霧散した。


「ダンジョンか」


 ……ダンジョン!?  冒険者のパーティーが洞窟の中に入って魔物と戦い最奥のお宝を目指すというあれですか。



「キリュウさんが呼ばれたのはこれですね」

「え? なんで俺が呼ばれた理由それなの?」

「ダンジョン攻略のために強いやつが欲しかったのだろう」

「国がダンジョン攻略するの?」

「それ以外誰がするんですか?」


 ……あれ? ダンジョンって冒険者のパーティーがお宝を目指して潜る冒険のあれじゃないの。国はそれを管理とかしちゃって。ダンジョンがあるから冒険者が集まり、商人が集まり街ができるとか。


 俺の頭の中でダンジョンに対するイメージが出てくるが違うのだろうか。


「ちなみにダンジョンって何?」

「簡潔に言って魔族の城だ。ダンジョン攻略とは城攻めだ。だから、国が指揮を執り戦争が始まる。アビーもダンジョンをなめるな、あそこは魔族の生活圏だ。なめたら殺されるし、傭兵は使い捨ての駒と見られていることを忘れるな」

「お宝とかは?」

「宝?」

「お金とか伝説の武器とかダンジョンでしかとれないもの」

「……光る石か」

「青白く光る石がダンジョンでとれるんですが、外にだしたらただの石になるので使い道のない代物でしたね」


 ……そんな不思議鉱物があるのか。さすがはダンジョン。


キリュウスピカ永住決定!?


次回 温泉回

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