閑話 酒は飲んでも飲まれるな
俺はジン。酒場の店主をやっている。
長年ここで傭兵たちを見ているがさっき傭兵の登録をしに来たやつはやばかった。たった2回で魔力が1000をこえるとは。あれはやばいな。問題の匂いがプンプンする。さっきも突然絡まれた相手にやけどを負わせていたし。
そんなことを思いつつさっきの赤髪をずっと見ているとあいつが突然寝だした。アーロたちと来たということは魔族にでも捕まっていたのだろう。人間がいるところにきて安心したのか。
……それにしても暑いな。いくら夏とはいえこの暑さは異常だろ。
まわりを見れば、暑さで服を脱ぎ捨てているやつもいるくらいだ。そんなときだった。赤髪のやつが立った。
「ウワワアアアァァァ」
突然叫びだした。そして脱ぎだした。それから叫び続けている。
これはあれだな。酒を飲んだらいけねえやつだ。たまにいる、酔ったら性格が変わったように豹変するやつが。これは店の危機だ。
俺は急いでアーロたちのもとへ行きとめるよう伝えた。
「おい、あいつをとめろ」
「あの、あれはいったい?」
おろおろしながらアーロが聞いてくる。こんなおろおろしたアーロを見たのは初めてだな。て、そんなことはどうでもいい。
「は? 見たらわかるだろ。酔っ払いだ」
「いやでも、彼はコップの少ししか飲んでいないのですよ」
「あれはごくまれにいる酒を飲ませてはいけない類の人間だ。いいからさっさととめろ‼」
そういってアーロになんとか止めるよう怒鳴り散らした。
「フッ」
酔っ払いは酒に息を吹きかけ炎を出し始めた。そしてなにやら踊っている。なにやら湯気みたいなものも出てるし。触ったらさっきのやつらみたいにやけどしてしまうだろう。
「あの、止まってください」
「おい、坊主酒は飲んでも飲まれるな」
2人も触れそうにないことはきづいているのだろう。声をかけるだけで近づこうとはしない。
「もうなんなんだよ。知らない世界に来るわ、急に捕まっているわ、犯されるわ……もう、うぐっ、うぐっ」
さらに意味不明なことを言い出して急に泣き始めた。
「うわああぁぁぁ……うっ……。なんなn%$*%&$%*&+%」
もう何を言っているかもわからないまま泣いている。
そして、酔っ払いは倒れた。そしてその後ろにはフィンが立っていた。どうやら剣の柄でみねうちして気絶させたようだ。
「はぁ~。助かった」
危うく店が燃えるところだった。こうして開店以来最も大変な一日が終了した。
未成年だからお酒飲んだことないから味とかしらんけど、こんな感じにはなりたくない